魔女の理想郷で〜それは誰かを待ち続ける少女の話〜

無月

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2章 約束と忘れた思い出

36.親子の対面

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男は、オッドアイのネコから発せられる女性の声に困惑していた。
話?なんのだ。魔法の使える刺客ならばこんな小道具のように使い魔を使わずにそれこそ遠くから呪えばいいだけだろう…

「話?俺に?
……なんのようだ」
『あら、そんなに警戒しなくてもいいものよ。
きっと、私達にとっても、あなたにとっても』
「…まどろっこしいのは嫌いだ。
さっさと本題に入ってくれ」
『…随分とせっかちさんなのね。
まぁ、いいわ。私、貴方の子供たちを預かっているの』
「…は??待ってくれ、俺は独り身だし、子供なんて以ての外だ。
間違いじゃないか?」

どういう事だ…?子供…??
しかし、我が国の罪なき子供が攫われていたのならば…
だが、目の前のネコはそれを読んだかのように否定する

『ちゃんと、いや、血を抜き取ってまで調べた訳では無いけれどあなたの子供だと思うわよ?
覚え、ない?』
「…記憶にないな、それで?
それがもし、ホントだったとして何が目的だ?
金か、権力か…」
『え?お金も権力も私には必要ないわよ
…いえ、強いて言うなら権利が欲しいの』
「なんのだ」
『貴方の子供達を育てる権利?
弟子でも、養子でもどっちでもいいのだけれど、親に許可取るのは必要でしょう?
あと、魔王の素質を育てるんだもの。ちゃんと根回しして置いた方があとが楽でしょ?』

まて、この女今なんといった…??魔王の素質…??
…それほどの魔力を持った者がこの国に居た…??
おかしい…おかしいおかしい!!そんな事を気付かなかった程俺は落ちぶれたのか…??

「…母親は誰か分かっているのか?」
『子供たちが言うには、国一番の魔女、だったらしいけど…
え?マギサって言う名前なの、へぇ?
で、この名前に覚えは?』
「マギサ…だと…?!」

数年程前に忽然と姿を消した側近だった魔女の名…そして、俺の乳母兄妹だった女…もしや…

「おもい…だした、覚えがある。」
『その様子だとお酒に流されでもしたの?
とりあえず覚えがあるなら話は早いわ』
「…その話はよしてくれ…
マギサは?今はどうしているんだ?」
『亡くなったそうよ。
詳しくは私も知らないわ
誘拐されかけている時に私が保護したから。』
「死んだ…そうか、そうなのか…」

その知らせを聞いてもイタズラで他のものを巻き込んでいるんじゃないかと疑うほどに活発だったマギサ…

「…子供の顔が見たい。
でなきゃ信じるに信じられん。」
『その部屋に、鏡はある?ネコを鏡の前に置いて』
「あぁ…ッ!!?」

鏡にかかっていた布を外し、ネコを映すとそこには黒いドレスを着た女性と自身と、魔女そっくりの子供2人が映っていた

「…双子??」
『言ったじゃない。"子供たち"って。
とりあえずこれで信じてくれた?』
「信じるしかないだろう…自分そっくりのカラーリングだけが違う子供なんて…」
『ふぅん、そういうものなの。
まぁいいわ。ほら、2人とも挨拶を』
『は、初めて、おとうさま…シロエです。』
『クロエ、です。』
「あ、あぁ…えっと…父のカメロン、だ。」

たどたどしく自己紹介をし、自分をおとうさまと呼んだ子供達ををみた魔王カメロンは初めての尊いという感情に戸惑うのだった
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