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ハザマ真理教編
ハザマ真理教編 十五
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「青龍見参」
「青龍、あの男の幽体を止められる?」
「どれだけ出来るかはわかりませんが、やってみます」
青龍が法元の幽体に向かっていく。
さすがに最強の式神だけあって法元の幽体に力負けしていない。
「ちっ。あれは少々手強いな」
その時であった。
鈴村龍二が教団本部に一人で乗り込んで来た。
実はここに来る前に何か嫌な胸騒ぎがして刀根神社に立ち寄ったところ、聖菜から事情を来いて急ぎかけつけたのだ。
「動くな」
「何だ? お前は」
「警察だ。大人しくしろ」
龍二は拳銃を構えながら少しずつ法元に近づいていく。
「警察? だから何だ。俺に指図するな、愚か者が」
法元が龍二を睨みつけると龍二は突然見えない力に突き飛ばされた。
「な、何が起きた?」
「龍二! あなたの敵う相手じゃない」
美里が叫ぶが龍二は立ち上がって再び銃を構える。
「美里、早く病院へ行け。ここは俺が食い止める」
「だからあなたに食い止められるような相手じゃないのよ」
美里の言葉を聞かず龍二が銃を撃つが、弾丸は法元に手で掴まれてしまう。
「何だと!」
「愚かな。拳銃を持っていれば自分が優位だとでも思ったか」
法元は掴んだ銃弾を中指で弾き返すと、弾丸は龍二の右肩を貫通した。
「ぐわ。。」
「頭を撃ち抜いて殺さなかったのはこれから始まる楽しいショーを見せてやるためだ。その女が死ぬところをそこで見ているといい」
「み、美里。。」
龍二はその場で気を失った。
法元が美里に標準を定めた時、雪乃が立ち上がって法元に斬りかかる。
「雪乃! 無茶よ」
美里が慌てて止めようとするが、雪乃はその静止を振り切るように突進する。
傀の弱点は脳。閻王を埋め込んだ法元と言えどもそれは変わらないはず。
だが、肋骨骨折の激痛で動きが遅い。
「そんなトロい動きでどうしようと言うのだ」
法元は雪乃を完全に呑んでいた。
どこからでも好きなように攻撃して来いと仁王立ちで構えていたのだ。
雪乃は大きく息を吸い込むと次の瞬間、一気に加速する。
そして振りかぶらずにそのまま最短で攻撃出来る突きを法元の額に向けて繰り出した。
突然の動きの変化に油断していた法元は対応できず、雪乃の霧氷剣が法元の額を撃ち抜いた。
「なんだと?」
本来なら完全に頭蓋を貫通していたであろう雪乃の突きであったが、肋骨骨折の激痛の中で繰り出した技にそこまでの威力はなかった。
だが、脳に一撃を与えて動きを止める時間稼ぎには十分であった。
頭から出血した法元は脳震盪のような病状で体がふらついてその場にひざまずく。
「馬鹿な。。頭がクラクラして動けぬ。無敵の体ではなかったのか」
どうやら法元は不死身の肉体と若返りを手に入れるために実験を繰り返したが、幼虫が寄生する脳に衝撃を加えられるのが弱点という説明を受けていなかったらしい。
自分に都合の良い言葉しか耳に入れない性格なので、あるいは聞き逃したか研究員たちがそれを知っていて報告を怠った可能性もあるが、いずれにせよ雪乃が突破口を切り開いてくれた。
しかし雪乃の気力もそこまでであった。
法元がひざまづいたのを確認するとぷつりと糸が切れた人形のようにその場に倒れて動かなくなってしまった。
雪乃の必死の攻撃で法元の動きを一時的に止める事が出来たが、閻王は並の傀の何倍もの回復力を持つ幼虫である。
法元が頭を抱えてふらついたのは時間にして十秒足らず。
まだ頭を抑えてはいるもののすでに立ち上がっていた。
本体である法元の力が一時的に抑えられた事により青龍は幽体を一気に片付けにかかる。
槍で幽体の胸を撃ち抜くと、幽体は悲鳴のような声を上げて蒸発するように消えていった。
その衝撃で本体である法元は再び胸を押さえて片膝をついた。
法元を倒すには脳を完全に破壊してなおかつ幼虫も殺さなくてはならない。
他の傀や愛梨のように動けなくして蓮香が幼虫を取り出すというのは出来そうになかった。
美里は雪乃ほどの剣技を持っていないし格闘技の経験もない。
ましてや満身創痍である。
何か巨大な力で押さえつけて置く以外に方法がないように思われた。
「巨大な力。。まさか生きているうちにアレを使う事になるとは思わなかったわね」
美里はすでに覚悟を決めていた。
自分が「人柱」になり法元を押さえつける事を。
「雪乃が作ってくれたチャンスを無駄に出来ない。青龍、行くよ」
美里は痛む左腕と腹部の出血を堪えて法元に向かうが、それと同時動いた人間がもう一人いた。
生駒舞美である。
「舞美!」
舞美は法元の背後から首を羽交い締めにしたのだ。
さすがの法元も同じ幼虫で傀となった舞美に両腕をがっちり抑えられては簡単には振り解けない。
「貴様、離せ! 離さぬか」
「美里さん、私の身体ごと法元を」
「。。わかった。舞美、ほんの少しだけ法元を抑えておいて」
美里が印を構えると自身の力を限界まで上げた。
「完全に倒すのは無理。結界の中に数十年閉じ込めて置くのが精一杯。雪乃、凛、蓮香、舞美。十何年か後に法元が復活した時には申し訳ないけど頼むわね。その頃には私の娘も今の私と同じかそれ以上の力を付けていると思うから」
美里は限界まで上げた霊力のために筋肉が痙攣を起こし、腹部からの出血が酷くなる。
「美里、それ以上はダメだよ」
那由多の叫びにも美里は構わず霊力を上げ続け、右手を上に上げる。
「法元、しばらく奈落の底に落ちてもらうよ。私の最強法術。滅天悪(メテオ)」
美里が印を縦に切ると法元が立つ地面に巨大な五芒星が描かれて強力な結界が張られ、天空の雲が渦を巻き、その中心から巨大な光の玉が落ちてくる。
天空から高速で落下した光の玉は法元の身体を上から超重力で押しつぶそうとする。
それを必死で堪える法元。
「何のこれしき。。」
そこへ青龍が槍を法元の胸に向けて突き刺す。
「ぐああああ」
さすがの法元もこれには耐えきれず、地面に倒れ、五芒星の中に身体ごと押し込まれていく。
この攻撃で舞美が法元から離れたところを青龍が助け出して舞美は五芒星の結界から離れたところに倒れた。
「おのれえええ。俺がこんな小娘の技に屈するとは」
法元の身体が光の玉と共に五芒星の中に吸い込ま奈落の底に落ちると美里は最後の力を振り絞り結界を閉じた。
「やった。。」
ついに法元を結界に閉じ込めたが、力を限界まで使い果たした美里はその場に倒れた。
あたりは美里の出血による血の海となっていた。
〔腹部の出血が酷い。もう止血しても助からないかな。。〕
薄れていく意識の中、美里は青龍に最後の頼みを託そうとする。
「青龍、これからは聖菜について守ってほしい。。」
しかしその願いは却下されてしまう。
「それは出来ません。彼女の力では私は主とは認められない。私は天界へ戻ります。いつか彼女が私が主と認めるだけの力がついた時、呼んでもらえれば助けましょう」
「そう。。その時は頼むね」
式神が主の力を認めない限り主従関係を結ぶ事は出来ない。
わかってはいたが、やっぱりダメだった。
でも青龍は聖菜が将来力を付けた時には必ず戻って来ると約束してくれた。
今はそれだけで十分であった。
「聖菜、せめてあなたが成人になるまで生きていたかったな」
それが美里の最後の言葉であった。
美里はゆっくりと目を閉じ、二十五年の生涯を終えた。
聖剣神楽は主を失ってその輝きを失くし、宝飾が付いただけの剣となった。
「ご主人様。。お世話になりました」
青龍は美里に深々とお辞儀をする。
「青龍、天界に帰るのか?」
「ああ。那由多、お前はここに残ってあの怪物が再び目覚めた時に備えてくれないか」
「美里から聖菜をよろしく頼むと言われたから、そうするつもりだよ。聖菜がいつか美里と同じくらいの力をつけた時また来てくれるか?」
「私もご主人様との約束がある。その時は必ず戻ってくるさ。そのために天界に戻り、九天玄女様の元で修行をし直す」
青龍は最後にもう一度美里に頭を下げて黙祷を捧げると天界へと戻って行った。
「青龍、あの男の幽体を止められる?」
「どれだけ出来るかはわかりませんが、やってみます」
青龍が法元の幽体に向かっていく。
さすがに最強の式神だけあって法元の幽体に力負けしていない。
「ちっ。あれは少々手強いな」
その時であった。
鈴村龍二が教団本部に一人で乗り込んで来た。
実はここに来る前に何か嫌な胸騒ぎがして刀根神社に立ち寄ったところ、聖菜から事情を来いて急ぎかけつけたのだ。
「動くな」
「何だ? お前は」
「警察だ。大人しくしろ」
龍二は拳銃を構えながら少しずつ法元に近づいていく。
「警察? だから何だ。俺に指図するな、愚か者が」
法元が龍二を睨みつけると龍二は突然見えない力に突き飛ばされた。
「な、何が起きた?」
「龍二! あなたの敵う相手じゃない」
美里が叫ぶが龍二は立ち上がって再び銃を構える。
「美里、早く病院へ行け。ここは俺が食い止める」
「だからあなたに食い止められるような相手じゃないのよ」
美里の言葉を聞かず龍二が銃を撃つが、弾丸は法元に手で掴まれてしまう。
「何だと!」
「愚かな。拳銃を持っていれば自分が優位だとでも思ったか」
法元は掴んだ銃弾を中指で弾き返すと、弾丸は龍二の右肩を貫通した。
「ぐわ。。」
「頭を撃ち抜いて殺さなかったのはこれから始まる楽しいショーを見せてやるためだ。その女が死ぬところをそこで見ているといい」
「み、美里。。」
龍二はその場で気を失った。
法元が美里に標準を定めた時、雪乃が立ち上がって法元に斬りかかる。
「雪乃! 無茶よ」
美里が慌てて止めようとするが、雪乃はその静止を振り切るように突進する。
傀の弱点は脳。閻王を埋め込んだ法元と言えどもそれは変わらないはず。
だが、肋骨骨折の激痛で動きが遅い。
「そんなトロい動きでどうしようと言うのだ」
法元は雪乃を完全に呑んでいた。
どこからでも好きなように攻撃して来いと仁王立ちで構えていたのだ。
雪乃は大きく息を吸い込むと次の瞬間、一気に加速する。
そして振りかぶらずにそのまま最短で攻撃出来る突きを法元の額に向けて繰り出した。
突然の動きの変化に油断していた法元は対応できず、雪乃の霧氷剣が法元の額を撃ち抜いた。
「なんだと?」
本来なら完全に頭蓋を貫通していたであろう雪乃の突きであったが、肋骨骨折の激痛の中で繰り出した技にそこまでの威力はなかった。
だが、脳に一撃を与えて動きを止める時間稼ぎには十分であった。
頭から出血した法元は脳震盪のような病状で体がふらついてその場にひざまずく。
「馬鹿な。。頭がクラクラして動けぬ。無敵の体ではなかったのか」
どうやら法元は不死身の肉体と若返りを手に入れるために実験を繰り返したが、幼虫が寄生する脳に衝撃を加えられるのが弱点という説明を受けていなかったらしい。
自分に都合の良い言葉しか耳に入れない性格なので、あるいは聞き逃したか研究員たちがそれを知っていて報告を怠った可能性もあるが、いずれにせよ雪乃が突破口を切り開いてくれた。
しかし雪乃の気力もそこまでであった。
法元がひざまづいたのを確認するとぷつりと糸が切れた人形のようにその場に倒れて動かなくなってしまった。
雪乃の必死の攻撃で法元の動きを一時的に止める事が出来たが、閻王は並の傀の何倍もの回復力を持つ幼虫である。
法元が頭を抱えてふらついたのは時間にして十秒足らず。
まだ頭を抑えてはいるもののすでに立ち上がっていた。
本体である法元の力が一時的に抑えられた事により青龍は幽体を一気に片付けにかかる。
槍で幽体の胸を撃ち抜くと、幽体は悲鳴のような声を上げて蒸発するように消えていった。
その衝撃で本体である法元は再び胸を押さえて片膝をついた。
法元を倒すには脳を完全に破壊してなおかつ幼虫も殺さなくてはならない。
他の傀や愛梨のように動けなくして蓮香が幼虫を取り出すというのは出来そうになかった。
美里は雪乃ほどの剣技を持っていないし格闘技の経験もない。
ましてや満身創痍である。
何か巨大な力で押さえつけて置く以外に方法がないように思われた。
「巨大な力。。まさか生きているうちにアレを使う事になるとは思わなかったわね」
美里はすでに覚悟を決めていた。
自分が「人柱」になり法元を押さえつける事を。
「雪乃が作ってくれたチャンスを無駄に出来ない。青龍、行くよ」
美里は痛む左腕と腹部の出血を堪えて法元に向かうが、それと同時動いた人間がもう一人いた。
生駒舞美である。
「舞美!」
舞美は法元の背後から首を羽交い締めにしたのだ。
さすがの法元も同じ幼虫で傀となった舞美に両腕をがっちり抑えられては簡単には振り解けない。
「貴様、離せ! 離さぬか」
「美里さん、私の身体ごと法元を」
「。。わかった。舞美、ほんの少しだけ法元を抑えておいて」
美里が印を構えると自身の力を限界まで上げた。
「完全に倒すのは無理。結界の中に数十年閉じ込めて置くのが精一杯。雪乃、凛、蓮香、舞美。十何年か後に法元が復活した時には申し訳ないけど頼むわね。その頃には私の娘も今の私と同じかそれ以上の力を付けていると思うから」
美里は限界まで上げた霊力のために筋肉が痙攣を起こし、腹部からの出血が酷くなる。
「美里、それ以上はダメだよ」
那由多の叫びにも美里は構わず霊力を上げ続け、右手を上に上げる。
「法元、しばらく奈落の底に落ちてもらうよ。私の最強法術。滅天悪(メテオ)」
美里が印を縦に切ると法元が立つ地面に巨大な五芒星が描かれて強力な結界が張られ、天空の雲が渦を巻き、その中心から巨大な光の玉が落ちてくる。
天空から高速で落下した光の玉は法元の身体を上から超重力で押しつぶそうとする。
それを必死で堪える法元。
「何のこれしき。。」
そこへ青龍が槍を法元の胸に向けて突き刺す。
「ぐああああ」
さすがの法元もこれには耐えきれず、地面に倒れ、五芒星の中に身体ごと押し込まれていく。
この攻撃で舞美が法元から離れたところを青龍が助け出して舞美は五芒星の結界から離れたところに倒れた。
「おのれえええ。俺がこんな小娘の技に屈するとは」
法元の身体が光の玉と共に五芒星の中に吸い込ま奈落の底に落ちると美里は最後の力を振り絞り結界を閉じた。
「やった。。」
ついに法元を結界に閉じ込めたが、力を限界まで使い果たした美里はその場に倒れた。
あたりは美里の出血による血の海となっていた。
〔腹部の出血が酷い。もう止血しても助からないかな。。〕
薄れていく意識の中、美里は青龍に最後の頼みを託そうとする。
「青龍、これからは聖菜について守ってほしい。。」
しかしその願いは却下されてしまう。
「それは出来ません。彼女の力では私は主とは認められない。私は天界へ戻ります。いつか彼女が私が主と認めるだけの力がついた時、呼んでもらえれば助けましょう」
「そう。。その時は頼むね」
式神が主の力を認めない限り主従関係を結ぶ事は出来ない。
わかってはいたが、やっぱりダメだった。
でも青龍は聖菜が将来力を付けた時には必ず戻って来ると約束してくれた。
今はそれだけで十分であった。
「聖菜、せめてあなたが成人になるまで生きていたかったな」
それが美里の最後の言葉であった。
美里はゆっくりと目を閉じ、二十五年の生涯を終えた。
聖剣神楽は主を失ってその輝きを失くし、宝飾が付いただけの剣となった。
「ご主人様。。お世話になりました」
青龍は美里に深々とお辞儀をする。
「青龍、天界に帰るのか?」
「ああ。那由多、お前はここに残ってあの怪物が再び目覚めた時に備えてくれないか」
「美里から聖菜をよろしく頼むと言われたから、そうするつもりだよ。聖菜がいつか美里と同じくらいの力をつけた時また来てくれるか?」
「私もご主人様との約束がある。その時は必ず戻ってくるさ。そのために天界に戻り、九天玄女様の元で修行をし直す」
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