何故かトップギルドのマスターになった俺の活動記録

斗夢

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1 プロローグ

1 チュートリアル

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 この物語を始める前に一つ注意を促しておこう。
 
 別にそこまで重く考える必要なんてない。

 ただ、ゲームを始めた時に画面に映される簡単なチュートリアルと思ってもらえればいい。

 ーこの物語、いや冒険記録は99.9%ゲーム内での出来事のみ語られる。
 
 リアルの生活とか学校での一幕とかそんなもの一切ないと考えてもらって結構だ。
 
 これはとあるガチ勢が集まる集団、ギルドに記された記録。

 内容は読む者、見る者を選ぶかもしれない。

 それでも構わないという生粋のゲーマーはこのまま進んでくれ。
 
 **************

 MMORPGーMassivelyMultiplayerOnlinePole-PlayingGame、マッシブリー・マルチプレイヤー・オンライン・ロール・プレイング・ゲーム。
 「大規模多人数同時参加型オンラインRPG」などと直訳され、オンラインゲームの一種でコンピュータRPGをモチーフとしたものを指す。

 俺ー長坂隼人は人生に飽きていた。 
 つまらない。
 何でこんなにつまらないのだろう。
 小学校、中学校、高等学校。
 普通に生きていけばそれなりに幸せになると思っていたのに・・・。
 人並みに勉強できて運動できて人当たりがよければ少しは楽しくなると思っていたのに・・・。
 
 俺は人生に失望していた。

 そんな時だった。

 「ガナトレイヤー・ファンタジー・オンライン」

 暇つぶしにでも、とネットサーフィンしていた俺は某生放送サイトにてとあるゲームタイトルを目にした。
 MMORPGと言うジャンルらしく、ゲームのタイトルだけならCMでも見るし見覚えがある。
 
 来場者もコメント数も少なく一見魅力のない放送に思えたが、不思議と俺はリンクをクリックしていた。

 高校への進学を期に独り暮らしを始めた俺はその時に父からPCを買ってもらっていた。
 調べるに結構なハイスペックらしく後から知ったことなのだが、なんとこのPCはガナトレイヤー・ファンタジー・オンライン推奨なのだ。

 高スペックであるため、放送への読み込み、接続の時間もとても速かった。
 
 初めにイヤホン越しからゲームのBGMと放送者の声が流れた。
 曲調から察するにたぶん戦闘中なのだろう。
 コーラスも混じって禍々しい雰囲気を醸し出している。
  
 そして、現れた映像。
 案の定、戦闘中だったらしく大きな獣をイメージしたモンスターが口から火を吐いている。

 画面左上にはHP(体力)、MP(魔力)、レベルが表示されている。
 それが8つの行に連なってあらゆる数字が減ったり増えたりを繰り返してる。
 これはおそらく味方のものだろう。
 モンスターの周りを囲むように8人の人間(プレイヤー)が剣や斧、槍、弓、魔法を当てているのが分かる。
 この数字の変動は敵からのダメージや魔法の使用によるもので間違いないだろう。

 画面上部には敵のHPバー。
 赤い色の線が引かれて敵のHPと比例して少しずつ減少している。
 
 ペースからして後10分もすればクリアするだろう。

 放送者は他のプレイヤーに向けて「DPS!」とか「ヘイト!」とか叫んでるいるが聞き覚えのない単語だらけで未知の世界のような感覚を覚えた。
 それから数分程経って敵のHPも1割程度まで削られて、コメントが荒ぶりだし始めた頃、俺はある感情の芽生えに気づいた。

 ーこのゲーム、やってみたい。

 たかがゲームだ、と軽視していた俺は次第に白熱していく戦況、熱く叫ぶ放送者、画面を埋め尽くすほどまでのコメントの数々からその考えに揺らぎが生じているのを感じた。
 それは、俺に忘れていた燃えるような思いと張り裂けるような胸の高鳴りを与え、行動を起こすに十分足りえた。

 気づけば俺は財布とスマホを手に家を飛び出していた。
 行き先は最寄りのコンビニ。
 クレジットカードを持っていなかった俺は入店してすぐに販券機へと直行した。
 ウェブマネーチケットとりあえず1万円分を買った。
 
 それから家に帰り着くまで約10分。
 考えてみると凄い行動力だなと自分でも思った。
 こんなに体が軽かったのは初めてだ。

 公式HPを軽く調べたところによるとガナトレイヤー・ファンタジー・オンライン(通称GFO)はサービス開始して最近丁度1年経ったそうで、その豊富なコンテンツ量やユーザーに親切な導入などで日に日にユーザー人口を増やしていっているそうだ。
 今が流行りなようで好機と見た俺は即ソフトを購入した。
 もちろんPC版でプレイするつもりだ。
 サーバーは現在10存在しているそうで他機種とのクロスプレイも可能だそうだ。

 インストールし最新Version適応までの時間に必要なデバイスなどを確認し買い出しに出ることにした。
 使わなくて貯まりに貯まったお金を発散させるのにも良い機会だ。

 有線マウス、コントローラー、マイク、オーディオ等、計4,5万円使ったが正直まだまだ余っている状況だ。
 この調子だったらどうせ使うだろうと残しておくことにした。

 
 そして、その日の夜にはゲームを開始した。
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