最強魔王の背後霊

のぞ

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勇者と伝説の島

勇者、伝説の島

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気が付くと、自分の部屋にいた。周りに魔王の姿はなかった。

(勇者や魔王って何なんだろう。)

結局弘太はその日、魔王と勇者のことを考えてしまって一睡もできなかった。



翌日、朝早くから家を出て大勇島を目指し、大勇島へ行く船乗り場行きの電車に乗った。相変わらず弘太に近くに魔王の姿はない。
(ルシ様どこに行ったんだろう。)

そんなことを考えながら朝焼けに照らされ、電車で揺られていると、寝てしまったらしく、気付いたら目的の駅が近づいていた。

<弘太よ、目が覚めたか。>

弘太が目を覚ますと、いつも通りの魔王が目の前にいた。
(ルシ様!どこにいたんですか?)

<魔力が少なくなったから休んでいたのだ。>

そういわれてみれば、魔王の顔には少し疲れが見える気がした。
昨日の幼い魔王や、戦っている魔王の姿を思い出し、弘太は思わず魔王に見とれてしまった。

<どうかしたのか?>

   次はー大勇島行き船乗り場前です。

魔王の顔に見とれていると、目的の駅に着いた。

(船の中で昨日の話を聞かせてください。)

<あぁ、構わんぞ。>

こうして僕は大勇島への船に乗り込んだ。




(なぜ、勇者のことを僕に見せたんですか。確かに、勇者のことや、ルシ様のことを知りたいとは思っていました。けれど、昨日見たことのすべてがいきなりのこと過ぎて、僕には何が何だかわからないんです。)

<あぁ、それはすまなかった。弘太には真実を知ったうえで女神を倒すために一緒に戦ってほしいんだ。そして、勇者の伝説がある島と聞いたときに、もしかしたら大勇島に勇者がいるかもしれないと考えたのだ。>

その言葉に、弘太は動揺を隠せなかった。

(勇者って生きているんですか!?)

魔王は神妙な面持ちで、ゆっくりと頷いた。
<もしかしたらの話だ。それよりも島が見えてきたぞ。>

魔王の言葉に外を見ると、大きな島があった。
その島には、一日に1本しか船が来ず、またその船にもほとんど人が乗っていなかった。勇者の伝説が残っているというのに何か奇妙だと弘太は思った。

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