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第一章 前夜祭
第一話 始まりの目覚め
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今日の天候はクソ、所により敵の悪天候。砲弾の雨が降り地面は泥濘でおまけに穴だらけ。前線のあちこちから悲鳴と怒号が聞こえてくる。
俺は“奴”と無言で対峙していた。次の一撃が最後になるだろうとお互いが理解している。
俺は奴に向けて杖を構え――。
眩しい朝日が目に入ってくる。目が慣れてくるにつれて、ここが見慣れない部屋だということに気がつく。
とりあえず起き上がろうとして体中の痛みに気がつくが時既に遅く、あまりの痛さにバランスを崩してドゴンッ!と派手に床へと口付けをする。こうなっては後の祭りである、痛みで体を満足に動かせないので、このままぐっないふぉーえばー。
「何の音だ!?」
低く野太い声が聞こえてくる。もうお迎えが来たか……、人生とはなんと儚く短きことか。しかし最後のお迎えが男とは、思わず悲しくなり、よよと泣き出してしまいたくなる。
扉がガチャリと音を立てて開き、大男が姿を現した。
「お前さんは畑で倒れていたんだよ」
俺をベッドに戻してくれたこのおっさんは、オットー・バウアーという。
どうやら話を聞く限りではこのおっさんが俺を助けてくれたらしい。まったく親切なおっさんだ。
「いや、正確には違うな……」
うん?
なぜだか歯切れの悪い言い方に、思わず興味を引かれてしまった。
「お前さんは畑にできた、巨大な穿孔の中心に“あった”」
あった?ずいぶん変な言い方をするものだな。
「今のお前さんは喋れないと思うが、言いたいことは何となく分かる」
おっさんは机の上にあった物を掴み、それを俺の目の前へと見せる。
「正直に言ってこの状態を見るのも、見せるのも好ましくはねぇが、自分の身に何が起きてるか知っておいたほうが良いと思ってな……」
そう言って見せてきた物には、顎がなく顔がぐちゃぐちゃになりながらも、辛うじてついている目玉など、グロテスク写真だった。首なんて断面図になってる、こいつぁはすげぇや!
おっさんがなんでこんなものを見せるのか疑問に思ったが、少し、ほんの少しではあるが違和感を感じた。
その違和感の正体を確かめようと、じっくりと観察しているとあることに気がついた。
あ、これ鏡だ。
俺は“奴”と無言で対峙していた。次の一撃が最後になるだろうとお互いが理解している。
俺は奴に向けて杖を構え――。
眩しい朝日が目に入ってくる。目が慣れてくるにつれて、ここが見慣れない部屋だということに気がつく。
とりあえず起き上がろうとして体中の痛みに気がつくが時既に遅く、あまりの痛さにバランスを崩してドゴンッ!と派手に床へと口付けをする。こうなっては後の祭りである、痛みで体を満足に動かせないので、このままぐっないふぉーえばー。
「何の音だ!?」
低く野太い声が聞こえてくる。もうお迎えが来たか……、人生とはなんと儚く短きことか。しかし最後のお迎えが男とは、思わず悲しくなり、よよと泣き出してしまいたくなる。
扉がガチャリと音を立てて開き、大男が姿を現した。
「お前さんは畑で倒れていたんだよ」
俺をベッドに戻してくれたこのおっさんは、オットー・バウアーという。
どうやら話を聞く限りではこのおっさんが俺を助けてくれたらしい。まったく親切なおっさんだ。
「いや、正確には違うな……」
うん?
なぜだか歯切れの悪い言い方に、思わず興味を引かれてしまった。
「お前さんは畑にできた、巨大な穿孔の中心に“あった”」
あった?ずいぶん変な言い方をするものだな。
「今のお前さんは喋れないと思うが、言いたいことは何となく分かる」
おっさんは机の上にあった物を掴み、それを俺の目の前へと見せる。
「正直に言ってこの状態を見るのも、見せるのも好ましくはねぇが、自分の身に何が起きてるか知っておいたほうが良いと思ってな……」
そう言って見せてきた物には、顎がなく顔がぐちゃぐちゃになりながらも、辛うじてついている目玉など、グロテスク写真だった。首なんて断面図になってる、こいつぁはすげぇや!
おっさんがなんでこんなものを見せるのか疑問に思ったが、少し、ほんの少しではあるが違和感を感じた。
その違和感の正体を確かめようと、じっくりと観察しているとあることに気がついた。
あ、これ鏡だ。
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