13 / 13
きみをください⑬
しおりを挟む
「啓真、大丈夫?」
「はい…力は入らないですけど」
「ふ、可愛い…」
額や頬にキスを落としながら結人さんが微笑む。
首と鎖骨を甘噛みされてまたおかしな声が出てしまう。
「お店に夏季休業のお知らせが貼ってあったね」
「はい…ゆっくり旅行にでも行こうかなって思ってたんですけど…」
「そう…」
「今、やめる事にしました」
汗ではりついた髪をよけてくれる優しい手。
その手を取って、きゅっと指を絡める。
「……結人さんと過ごしたいから」
「!」
結人さんが目を瞠る。
こういう表情を見るのは初めてかもしれない。
「結人さんのお休みはいつからですか…?」
「啓真と合わせる」
「え? いえ、それは申し訳ないですから…」
「ほとんど重なってるから大丈夫」
「ほとんどって…」
重なってない日もあるって事じゃ…?
「啓真が俺と過ごしたいって思ってくれた事がすごく嬉しいから、一日も無駄にしたくない」
甘いなぁ、とどきどきしながら結人さんを見つめる。
俺の視線を受け止めて、結人さんの顔が近付いてくる。
でも唇が触れるすれすれで動きが止まった。
「…まだ“好き”は怖い?」
「……」
怖いなんて考えてる余裕なかった。
結人さんの事で頭がいっぱいで、それどころじゃなかった。
「怖くてもね、」
「…?」
「それでいいんだよ」
噛み付くように唇が重なり、ぎゅうっときつく抱き締められて腕の中に閉じ込められる。
思考が蕩ける甘いキスにくらくらして、結人さんにしがみ付いた。
おわり
「はい…力は入らないですけど」
「ふ、可愛い…」
額や頬にキスを落としながら結人さんが微笑む。
首と鎖骨を甘噛みされてまたおかしな声が出てしまう。
「お店に夏季休業のお知らせが貼ってあったね」
「はい…ゆっくり旅行にでも行こうかなって思ってたんですけど…」
「そう…」
「今、やめる事にしました」
汗ではりついた髪をよけてくれる優しい手。
その手を取って、きゅっと指を絡める。
「……結人さんと過ごしたいから」
「!」
結人さんが目を瞠る。
こういう表情を見るのは初めてかもしれない。
「結人さんのお休みはいつからですか…?」
「啓真と合わせる」
「え? いえ、それは申し訳ないですから…」
「ほとんど重なってるから大丈夫」
「ほとんどって…」
重なってない日もあるって事じゃ…?
「啓真が俺と過ごしたいって思ってくれた事がすごく嬉しいから、一日も無駄にしたくない」
甘いなぁ、とどきどきしながら結人さんを見つめる。
俺の視線を受け止めて、結人さんの顔が近付いてくる。
でも唇が触れるすれすれで動きが止まった。
「…まだ“好き”は怖い?」
「……」
怖いなんて考えてる余裕なかった。
結人さんの事で頭がいっぱいで、それどころじゃなかった。
「怖くてもね、」
「…?」
「それでいいんだよ」
噛み付くように唇が重なり、ぎゅうっときつく抱き締められて腕の中に閉じ込められる。
思考が蕩ける甘いキスにくらくらして、結人さんにしがみ付いた。
おわり
94
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
【完結・短編】game
七瀬おむ
BL
仕事に忙殺される社会人がゲーム実況で救われる話。
美形×平凡/ヤンデレ感あり/社会人
<あらすじ>
社会人の高井 直樹(たかい なおき)は、仕事に忙殺され、疲れ切った日々を過ごしていた。そんなとき、ハイスペックイケメンの友人である篠原 大和(しのはら やまと)に2人組のゲーム実況者として一緒にやらないかと誘われる。直樹は仕事のかたわら、ゲーム実況を大和と共にやっていくことに楽しさを見出していくが……。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学時代後輩から逃げたのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる