キミのすべては俺のもの

すずかけあおい

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(60)クリスマス・キス④

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◇◆◇

今日、最初のシフトだと遅番だった俺とかわってくれた笹倉ささくらさんにお礼を言ってから店を出る。
本当にふたり連れが多い。
明日は月曜日だし、そろそろみんな帰る時間かな。
俺達も駅に向かって歩く。
ライトアップされた大きな街路樹の下に来た時、侑大が俺のコートの袖を引いて立ち止まる。

「どうした?」

侑大はちょっと俯いてから、樹の陰で俺に唇を重ねた。

「…え」
「めちゃくちゃ好きな人と一緒にいるから…」
「……」
「好きなんだからしょうがないんでしょ?」

嬉しい。
ちょっと頬を染めてるのがすっごく可愛い。
陰とは言え、ちょっと出たら周りには人がたくさん。
でも全然目立ってない。
みんな自分達の世界に入っているからかも。
見てた人にどんな風に言われても構わない。
それくらい嬉しくて嬉しくて頭がぽーっとする。

「そう。好きなんだからしょうがない」

俺からもキスをして侑大を抱き締める。

「メリークリスマス」
「もう25日、終わるけどね」
「いいの。侑大がいれば毎日がクリスマスみたいに特別だから」

明日も明後日もその次も、ずっとずっと特別な日。
ぎゅうっと抱き締め合って、キスをして、手を繋いで指を絡ませる。
またゆっくり駅に向かって歩き出す。
寒いけど、もっとこのままでいたい。
早く帰ってくっつくのもいいんだけど、こうやってただ手を繋いで歩いているだけでもすごく満たされる。

自宅最寄り駅で電車を降りたところで一旦立ち止まる。

「スーパー寄る?」
「うん」

侑大が頷くのでスーパーのある方向に歩き出す。
侑大の言っていた通りケーキは値引きされていて、いくつか残っていた。

「あんまおっきいのじゃないのがいいよね」
「そうだね、ふたりだし」

俺が言うと、じっとケーキを見ていた侑大がふたり用の小さいホールケーキを手に取る。
フルーツが色々のっていて可愛くておいしそう。

「これにする。要、いい?」
「うん」

食べるものは出勤前に用意したからケーキだけ買って帰宅。
ほなみは当然いない。
靴を脱ごうとしている侑大にキスをしたら。

「玄関は…」
「好きなんだからしょうがないの」
「…もう」

ちょっと呆れたように笑んで、それから侑大もキスをくれた。

「シャワー浴びよ?」
「侑大、先浴びて。俺、食事の準備しとく」
「食事の準備は一緒にシャワー浴びたあとにふたりでやろうよ」

侑大が俺の首に腕を回してくるのでもう一度キスをする。

「そうだね、そうしよう」
「ん」

嬉しそうな侑大が靴を脱いで俺の部屋に向かう。
俺は冷蔵庫にケーキを入れてから部屋に行った。
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