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#2
#2 ③
◇◆◇◆◇
「矢橋藍流です」
「弟の矢橋流風です」
「………佐合空良です」
土曜日の次はどうやったって日曜日で。
藍流と流風と俺の三人で〇△駅まで行って、改札そばで待っていた空良と合流して手短に自己紹介。
「とりあえずどこか入る?」
俺が聞くと、三人は頷く。
なんか嫌な空気が流れてる気がする。
特に空良。
藍流と流風をすっごい見てる…って言うか睨んでる?
とりあえず近くのカフェに入って俺と空良、藍流と流風で向かい合う。
藍流と流風がふたりでドリンクを買いに席を離れた途端、空良に腕を引っ張られた。
「奏、自分の顔見た事ある?」
「うん…色んな角度から見た事ある」
「どう考えても遊ばれてるぞ、お前」
「……」
そうなるよな。
まぁ、そうだろう。
はっきり言って藍流と流風に俺じゃつり合わない。
俺自身よーくわかってる。
でも。
「遊ばれてないよ。藍流も流風も、ほんとに俺を好きでいてくれてる」
「そんなのなんとでも言えるだろ。あんなイケメンが奏と付き合う理由はなに?」
「可愛いところがふたりのお母さんに似てるんだって」
実際に藍流と流風のお母さんに会った事あるけど、すごく綺麗な人だった。
でもそれは言わないでおく。
空良は、はぁーっと大きな溜め息を吐く。
「奏から告白したから頷いてくれただけで、そうじゃなかったら存在すら知られてなかったんじゃないの? その程度の好きだろ?」
「違うよ。藍流と流風のほうから俺に告白してきたの」
「………」
俺の答えに空良がビミョーな顔をする。
「奏、頼むから正気に戻って。どう考えてもお前が付き合う相手じゃない」
「そんな言い方しないで。俺の大切な人達なんだから」
顔を近付けてこそこそ話していたら、ドリンクを買った藍流と流風が戻ってきて、すごくいい笑顔を見せた。
…うわ、怒ってる。
顔近かったからだ。
「奏、こっちにおいで」
藍流が俺を隣に呼ぶ。
「え…」
「うん。こっちにおいで」
流風も。
…これは言う通りにしないとあとが怖い。
おとなしく藍流と流風の間に座る。
空良はとてつもなく納得いかないって顔をしてる。
「奏で遊んで楽しい?」
「空良!」
「奏は黙ってて。藍流さんも流風さんも、奏の事、本気じゃないでしょ」
やっぱり変な事言い出した。
会うのやめとけばよかったかな。
藍流も流風も嫌な気持ちになってないかな。
両隣のふたりの様子を見ると、いつもの見惚れてしまう笑み。
「なんで俺達が本気じゃないって思うの?」
藍流が空良に優しく聞く。
「奏がどれだけ平凡かは俺も奏自身もよーく知ってる。見た目からしてふたりに奏は明らかにつり合ってない」
「……」
空良…そういうのはっきりきっぱり言われると俺だって傷付くよ…心にしまっておくけど。
ほんとにもう、どうしよう…と思って藍流と流風を見ると余裕な笑み。
「空良さんには奏の魅力ってそんなに小さく見えるの?」
流風が言う。
「どういう事?」
空良が聞き返す。
空良、お願い…冷静になって。
「奏ほど魅力に溢れた人は他にいないんだけど、空良さんには奏の輝きが全然見えてないのかなって思って」
「……」
流風もあんまり冷静じゃないかも。
藍流はどうだろう…ちら、と藍流の顔を見たら目が合って微笑まれた。
空良が負けじと答える。
「俺だって奏の魅力に気付いてるし、わかってる」
「自分だけわかっていたかった?」
「……」
藍流まで…。
どうしよう。
こういう状況になった事、一度もないから俺もちょっと焦る。
「藍流も流風も空良も、落ち着いて?」
「俺は落ち着いてるよ、奏」
「俺も落ち着いてる」
「俺だって落ち着いてるから」
藍流と流風と空良が順番に答えるけど、絶対落ち着いてない。
いや、見た感じは三人とも落ち着いてるんだけど、なんか…纏うものが荒ぶってると言うか。ほんとにどうしよう。
「空良さんは奏と中学から一緒だったんだって? ずっとそばにいて、奏の事は自分以外見ないって思い込んでた? 奏の魅力は自分だけが知ってるから、奏は自分のものだ、って」
「……」
「空良さんは自分の気持ちを奏に言ってないのに、奏には自分だけであって欲しかった?」
「…それ、は」
藍流が微笑みながら空良に聞く。
なんか笑顔が怖い。
空良が口ごもる。
ていうかさっきからの話の感じって…空良は俺が好き、なの?
そんなの聞いた事ない。
俺が空良を見ると。
「…高校卒業の時に告白するつもりだったんだよ! 大学はこっちの学校受けて、受かっても受からなくても奏のそばに来るつもりだった」
「ふ」
流風がちょっと笑う。
「矢橋藍流です」
「弟の矢橋流風です」
「………佐合空良です」
土曜日の次はどうやったって日曜日で。
藍流と流風と俺の三人で〇△駅まで行って、改札そばで待っていた空良と合流して手短に自己紹介。
「とりあえずどこか入る?」
俺が聞くと、三人は頷く。
なんか嫌な空気が流れてる気がする。
特に空良。
藍流と流風をすっごい見てる…って言うか睨んでる?
とりあえず近くのカフェに入って俺と空良、藍流と流風で向かい合う。
藍流と流風がふたりでドリンクを買いに席を離れた途端、空良に腕を引っ張られた。
「奏、自分の顔見た事ある?」
「うん…色んな角度から見た事ある」
「どう考えても遊ばれてるぞ、お前」
「……」
そうなるよな。
まぁ、そうだろう。
はっきり言って藍流と流風に俺じゃつり合わない。
俺自身よーくわかってる。
でも。
「遊ばれてないよ。藍流も流風も、ほんとに俺を好きでいてくれてる」
「そんなのなんとでも言えるだろ。あんなイケメンが奏と付き合う理由はなに?」
「可愛いところがふたりのお母さんに似てるんだって」
実際に藍流と流風のお母さんに会った事あるけど、すごく綺麗な人だった。
でもそれは言わないでおく。
空良は、はぁーっと大きな溜め息を吐く。
「奏から告白したから頷いてくれただけで、そうじゃなかったら存在すら知られてなかったんじゃないの? その程度の好きだろ?」
「違うよ。藍流と流風のほうから俺に告白してきたの」
「………」
俺の答えに空良がビミョーな顔をする。
「奏、頼むから正気に戻って。どう考えてもお前が付き合う相手じゃない」
「そんな言い方しないで。俺の大切な人達なんだから」
顔を近付けてこそこそ話していたら、ドリンクを買った藍流と流風が戻ってきて、すごくいい笑顔を見せた。
…うわ、怒ってる。
顔近かったからだ。
「奏、こっちにおいで」
藍流が俺を隣に呼ぶ。
「え…」
「うん。こっちにおいで」
流風も。
…これは言う通りにしないとあとが怖い。
おとなしく藍流と流風の間に座る。
空良はとてつもなく納得いかないって顔をしてる。
「奏で遊んで楽しい?」
「空良!」
「奏は黙ってて。藍流さんも流風さんも、奏の事、本気じゃないでしょ」
やっぱり変な事言い出した。
会うのやめとけばよかったかな。
藍流も流風も嫌な気持ちになってないかな。
両隣のふたりの様子を見ると、いつもの見惚れてしまう笑み。
「なんで俺達が本気じゃないって思うの?」
藍流が空良に優しく聞く。
「奏がどれだけ平凡かは俺も奏自身もよーく知ってる。見た目からしてふたりに奏は明らかにつり合ってない」
「……」
空良…そういうのはっきりきっぱり言われると俺だって傷付くよ…心にしまっておくけど。
ほんとにもう、どうしよう…と思って藍流と流風を見ると余裕な笑み。
「空良さんには奏の魅力ってそんなに小さく見えるの?」
流風が言う。
「どういう事?」
空良が聞き返す。
空良、お願い…冷静になって。
「奏ほど魅力に溢れた人は他にいないんだけど、空良さんには奏の輝きが全然見えてないのかなって思って」
「……」
流風もあんまり冷静じゃないかも。
藍流はどうだろう…ちら、と藍流の顔を見たら目が合って微笑まれた。
空良が負けじと答える。
「俺だって奏の魅力に気付いてるし、わかってる」
「自分だけわかっていたかった?」
「……」
藍流まで…。
どうしよう。
こういう状況になった事、一度もないから俺もちょっと焦る。
「藍流も流風も空良も、落ち着いて?」
「俺は落ち着いてるよ、奏」
「俺も落ち着いてる」
「俺だって落ち着いてるから」
藍流と流風と空良が順番に答えるけど、絶対落ち着いてない。
いや、見た感じは三人とも落ち着いてるんだけど、なんか…纏うものが荒ぶってると言うか。ほんとにどうしよう。
「空良さんは奏と中学から一緒だったんだって? ずっとそばにいて、奏の事は自分以外見ないって思い込んでた? 奏の魅力は自分だけが知ってるから、奏は自分のものだ、って」
「……」
「空良さんは自分の気持ちを奏に言ってないのに、奏には自分だけであって欲しかった?」
「…それ、は」
藍流が微笑みながら空良に聞く。
なんか笑顔が怖い。
空良が口ごもる。
ていうかさっきからの話の感じって…空良は俺が好き、なの?
そんなの聞いた事ない。
俺が空良を見ると。
「…高校卒業の時に告白するつもりだったんだよ! 大学はこっちの学校受けて、受かっても受からなくても奏のそばに来るつもりだった」
「ふ」
流風がちょっと笑う。
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