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【番外編⑤】Happy Christmas(終)
【番外編】Happy Christmas ⑤
名残惜しい気持ちで幻想世界をあとにして、駅に向かう。急に現実に引き戻されて半分ほど放心状態の奏の手を引いてくれる、ふたりの存在が嬉しい。
「また来ようね」
藍流と流風の温もりを手のひらから分けてもらいながら、ふたりを見あげる。
「そうだね」
「来年かな」
優しい微笑みの藍流と流風は、きっとそのときも変わらず同じ笑顔を見せてくれる。それがわかってなんだかほっとした。どこかで変わっていくことに不安をいだいていたのかもしれない。
途中にあった小さなレストランで夕食にした。店内もクリスマス仕様で、楽しい時間が嬉しくて幸せだ。こういう時間をもっと積み重ねたい。
おいしい食事のあとはまた列車に揺られ、帰路につく。車窓外の景色はどこもライトアップされていて、自宅に戻るまでずっと楽しめた。
「先にお風呂入れようか。思ったより寒かったね」
「うん」
帰宅すると流風がすぐに浴室に向かった。
「疲れてない?」
「大丈夫。すごく楽しかった」
日帰り旅行くらいの距離はあったけれど、疲れよりも浮き立つ気持ちが勝っている。まだ興奮が醒めない奏に、藍流も楽しそうにずっとにこにこと口もとが緩んでいるから、きっと同じ気持ちなのだ。
「お湯が溜まったら奏から入ってね」
流風が戻ってきて奏の頭を撫でる。ここでゆずるとずっとゆずりあいになるので、素直に頷いた。
順番にお風呂に入り、リビングでのんびりお茶を飲む。
「イルミネーション、綺麗だったね」
暗い森が燦然と輝き、現実ではないようだった。
「連れていってくれてありがとう」
藍流と流風の肩に頭を軽くぶつけるように寄りかかる。身体を右側に傾けて左側に傾けてまた真ん中に戻った。奏の定位置、藍流と流風の真ん中。定位置があることってすごい、と今さら感動して、胸がいっぱいになった。イルミネーションへの感動も相まって気持ちが沸き立ち、藍流と流風にキスを贈る。
「どうしたの?」
藍流に髪を撫でられ、こういうときは本当に自分は幼いなと思う。気持ちがうまく言葉にならない。
「藍流と流風が好きだから」
不思議だけれどイルミネーションを見て帰ってきて、見慣れた自宅が新鮮に感じる。心の空間が広がったようで、すべてが輝いて見える。
「藍流と流風は俺が好き?」
答えがわかっているから聞ける。藍流と流風以外には、こんなことは怖くて聞けない。
「聞きたい?」
流風の瞳に映る自分は期待に満ちた目をしている。
「どうしようかな」
藍流が奏の髪にキスを落とす。たまに意地悪になるところだって好きなのだ。
ソファから立ち、藍流と流風の手を引く。ふたりは奏の意図にすぐに気がつき、口もとを笑みの形に変えた。
リビングの隣にある寝室に移動して、また奏からふたりにキスをする。藍流も流風も、骨まで溶けるようなキスを返してくれて、奏はとろんとそのキスに酔った。
奏の寝間着を脱がせた流風が胸の突起を指でつまんだ。声がひっくり返って、思わず口を手で押さえる。
「声聞かせてよ」
藍流の低くかすれた声が耳もとで囁く。濡れた黒い瞳が欲情を宿していて、ぞくりと肌が粟立った。
「もっと触ってあげるから」
「んっ、あ……」
背後から手をまわした流風が続けて尖りを捏ねる。指の動きにあわせて息が乱れる奏に、藍流が口づけた。熱い舌は口内を舐め尽くし、口の端から唾液が零れるのを感じる。顎を伝う唾液を流風の長い指が拭い、喉をくすぐるように撫でられて背がしなった。
「ぁう……ん」
奏はすでに肌を晒しているのに、藍流と流風は寝間着を身につけたままだ。それが寂しくてふたりの寝間着をきゅっと握る。
「藍流と流風も、脱いで」
流風が寝間着を脱ぐあいだは藍流が奏を愛撫し、藍流が脱いでいるときは流風が肌に触れる。途切れない刺激に息が弾むばかりだった。
奏の背後から流風が胸の尖りをいじり、藍流は正面で奏の肌にキスを落としていく。それだけで腰の奥が疼いて止まらない。流風の膝の上に抱えあげられ、期待に胸が弾む。藍流の長い指がいたずらをするように昂ぶりに絡み、流風も下腹部に手を滑らせて、ふたりの手によって濡れた昂ぶりが扱かれる。
「や、う……あ、あ」
こういうときのふたりはわざとばらばらな動きをする。そのちぐはぐさに翻弄されて乱れる奏に、順番にキスが与えられる。
背後から伸びる手が奏の下腹部を撫で、藍流が先端にキスを落とすと、痺れたように身体が跳ねる。熱い身体を持てあまして身を捩る奏に、ふたりは何度も甘いキスを降らせる。
「好き……」
目を閉じると、瞼の裏に輝く幻想世界が浮かぶ。非現実に酔いながら、彼らの体温を感じた。
「また来ようね」
藍流と流風の温もりを手のひらから分けてもらいながら、ふたりを見あげる。
「そうだね」
「来年かな」
優しい微笑みの藍流と流風は、きっとそのときも変わらず同じ笑顔を見せてくれる。それがわかってなんだかほっとした。どこかで変わっていくことに不安をいだいていたのかもしれない。
途中にあった小さなレストランで夕食にした。店内もクリスマス仕様で、楽しい時間が嬉しくて幸せだ。こういう時間をもっと積み重ねたい。
おいしい食事のあとはまた列車に揺られ、帰路につく。車窓外の景色はどこもライトアップされていて、自宅に戻るまでずっと楽しめた。
「先にお風呂入れようか。思ったより寒かったね」
「うん」
帰宅すると流風がすぐに浴室に向かった。
「疲れてない?」
「大丈夫。すごく楽しかった」
日帰り旅行くらいの距離はあったけれど、疲れよりも浮き立つ気持ちが勝っている。まだ興奮が醒めない奏に、藍流も楽しそうにずっとにこにこと口もとが緩んでいるから、きっと同じ気持ちなのだ。
「お湯が溜まったら奏から入ってね」
流風が戻ってきて奏の頭を撫でる。ここでゆずるとずっとゆずりあいになるので、素直に頷いた。
順番にお風呂に入り、リビングでのんびりお茶を飲む。
「イルミネーション、綺麗だったね」
暗い森が燦然と輝き、現実ではないようだった。
「連れていってくれてありがとう」
藍流と流風の肩に頭を軽くぶつけるように寄りかかる。身体を右側に傾けて左側に傾けてまた真ん中に戻った。奏の定位置、藍流と流風の真ん中。定位置があることってすごい、と今さら感動して、胸がいっぱいになった。イルミネーションへの感動も相まって気持ちが沸き立ち、藍流と流風にキスを贈る。
「どうしたの?」
藍流に髪を撫でられ、こういうときは本当に自分は幼いなと思う。気持ちがうまく言葉にならない。
「藍流と流風が好きだから」
不思議だけれどイルミネーションを見て帰ってきて、見慣れた自宅が新鮮に感じる。心の空間が広がったようで、すべてが輝いて見える。
「藍流と流風は俺が好き?」
答えがわかっているから聞ける。藍流と流風以外には、こんなことは怖くて聞けない。
「聞きたい?」
流風の瞳に映る自分は期待に満ちた目をしている。
「どうしようかな」
藍流が奏の髪にキスを落とす。たまに意地悪になるところだって好きなのだ。
ソファから立ち、藍流と流風の手を引く。ふたりは奏の意図にすぐに気がつき、口もとを笑みの形に変えた。
リビングの隣にある寝室に移動して、また奏からふたりにキスをする。藍流も流風も、骨まで溶けるようなキスを返してくれて、奏はとろんとそのキスに酔った。
奏の寝間着を脱がせた流風が胸の突起を指でつまんだ。声がひっくり返って、思わず口を手で押さえる。
「声聞かせてよ」
藍流の低くかすれた声が耳もとで囁く。濡れた黒い瞳が欲情を宿していて、ぞくりと肌が粟立った。
「もっと触ってあげるから」
「んっ、あ……」
背後から手をまわした流風が続けて尖りを捏ねる。指の動きにあわせて息が乱れる奏に、藍流が口づけた。熱い舌は口内を舐め尽くし、口の端から唾液が零れるのを感じる。顎を伝う唾液を流風の長い指が拭い、喉をくすぐるように撫でられて背がしなった。
「ぁう……ん」
奏はすでに肌を晒しているのに、藍流と流風は寝間着を身につけたままだ。それが寂しくてふたりの寝間着をきゅっと握る。
「藍流と流風も、脱いで」
流風が寝間着を脱ぐあいだは藍流が奏を愛撫し、藍流が脱いでいるときは流風が肌に触れる。途切れない刺激に息が弾むばかりだった。
奏の背後から流風が胸の尖りをいじり、藍流は正面で奏の肌にキスを落としていく。それだけで腰の奥が疼いて止まらない。流風の膝の上に抱えあげられ、期待に胸が弾む。藍流の長い指がいたずらをするように昂ぶりに絡み、流風も下腹部に手を滑らせて、ふたりの手によって濡れた昂ぶりが扱かれる。
「や、う……あ、あ」
こういうときのふたりはわざとばらばらな動きをする。そのちぐはぐさに翻弄されて乱れる奏に、順番にキスが与えられる。
背後から伸びる手が奏の下腹部を撫で、藍流が先端にキスを落とすと、痺れたように身体が跳ねる。熱い身体を持てあまして身を捩る奏に、ふたりは何度も甘いキスを降らせる。
「好き……」
目を閉じると、瞼の裏に輝く幻想世界が浮かぶ。非現実に酔いながら、彼らの体温を感じた。
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