いつもそばに

すずかけあおい

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いつもそばに⑤

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 翌週の金曜日。
 会社帰りに聡一と待ち合わせて、小洒落た居酒屋で食事をした。ほろ酔い、いい気分で聡一の部屋に移動。
 玄関を入ってすぐに抱きすくめられ、唇が重なった。アルコールの香りがするキスにくらくらして、聡一のシャツの袖をぎゅっと握る。少し唇が離れて、すぐにまた重なる。歯列を割って舌が滑り込んできて、俺の舌を絡め取る。上顎の膨らんだところを舌で撫でられ、舌先を吸われたらその場に座り込んでしまいそうになった。力の入らない俺の腰を聡一が支えてくれているけれど、その力強さにさえぞくぞくしてしまう。

「……シャワー」

 聡一の身体を少し押して言うけれど、聡一は許してくれなかった。そのままベッドへと連れて行かれてしまい、縺れるように倒れ込む。

「待って。初めてってもっと、こう…」
「だって酒飲んでる達樹、すごいエロいんだもん」
「エロ……」

 一緒に酒飲むのなんて初めてじゃないじゃん!
 顔が熱くなってくる。

「今まで、酔った達樹に手を出さないように必死で我慢してたけど……もう限界」
「あっ!」

 顎や頬にキスをしながら聡一の手がシャツ越しに胸の尖りをとらえる。さわさわといじられ、つままれ、きゅっと引っ張られる。

「やぁ…」
「かわい」
「んっ…」

 聡一がシャツのボタンをひとつひとつ外していくのをどきどきしながら見つめる。吐く息がもう熱い。シャツが開かれ肌が露わになる。部屋の冷房が効いてきてすぅっと冷たい風が触れた。

「触られるのと舐められるの、どっちが好き?」
「………」

 そんなの、答えらえない。左手の人差し指を噛んで目を逸らすと、聡一がその手のひらにキスをして舌を這わせた。

「なあ、どっち?」
「………んぁっ」

 聞きながら顔が胸へと下りていく。なにも答えていないのに突起を口に含まれた。反対側は指で捏ねられる。力をこめた舌先で弾くようにされたら喉が反った。このままその露わになった場所に噛み付かれたらと思うとぞくぞくしてしまう。指でいじめられ、舌で愛撫される。腰にじんと鈍い感覚が伝わっていく。
 もっと、と思ったら聡一が顔を上げてにやりと口角を上げる。

「初めてはもっと雰囲気あったほうがいいよな。仕切り直すか」
「!」

 なんでここまでしといてそんなことを言うんだ。ずるい、ずるい…!
 聡一に蹴りを入れるけど、軽々と躱された。くそ。

「雰囲気よりも今すぐ聡一を寄越せ、ばか!」

 恥ずかしくて涙が出そう。でも聡一は満足そうに微笑む。

「よくできました」

 こいつ…!!

「ばかばか!!」
「あーもう、ほんと可愛い」

 キスが降ってきて、唇を塞がれる。悔しいくらい宥められてしまう、甘いキス。砂糖を舐めているようなのに、甘いだけじゃない。身体を疼かせて火照らせる官能さも秘めている。

「脱がせていい?」
「……うん」

 今更だろ、と思ったけどおとなしく頷く。シャツを脱がされ、スラックスも脱がされた。

「聡一も」

 聡一のシャツのボタンを外す。緊張で指が震えてしまって、うまくできない。でも聡一は急かすこともなくただじっとしている。

「ごめん、緊張してうまく外せない…」
「いや、俺も緊張ほぐすのにちょうどいい」

 ちょっとびっくり。

「…緊張、してんの?」
「あたりまえだ。俺をなんだと思ってる」
「え、言っていいの? 怒らない?」
「場合によってはめちゃくちゃエロいことする」

 !?

「なにそれ!? どんなこと!?」
「してほしいの?」
「いい! 遠慮する!」

 なに、めちゃくちゃエロいことってどんなこと!? 怖いからこれに関しては触れないようにしよう…。
 と思っていたらちょっと指の震えが収まった。
 聡一の肌を見たことってそんなにないから、それだけで恥ずかしい。おずおずと鎖骨にキスをすると、聡一がぴくんと身体を揺らした。

「達樹…キスして」
「うん…」

 唇を指でなぞられたので、顔を上げて聡一の唇にもキスをする。触れるだけのキス。すぐに唇を離すけれど、聡一は重たい溜め息を吐いた。

「聡一?」
「…俺、世界一幸せだわ」

 どっくんと心臓が音を立てた。
 なにそれ。俺のことめちゃくちゃ好きみたいじゃん。顔がどんどん熱くなっていく。
 自分でスラックスを脱いだ聡一が俺をベッドに倒し、覆い被さる。

「続き、いい?」
「………」

 もしかして、本当に俺が想像している以上に聡一って俺が好き、なのかな。
 なんて考えていたら頬をつねられた。

「考えごとする余裕あんだ?」
「だって…」
「いい。余裕なくなるまでしてやる」
「え、あっ…!」

 また胸の突起をねぶられる。反対側も指でいじられて、呼吸が乱れていく。更に、太腿で足の間を擦られてしまったら、弾む息がもう止まらない。
 乳首を弄んでいた舌と手の位置がずれて、腹部へと下りていく。腹にキスを繰り返されてくすぐったい。
 するりと下着越しに昂りを撫でられ、腰が跳ねた。

「まっ…、待って!」
「待てない」
「だって……だってやっぱ恥ずかしい!」
「知らない」

 やわやわと揉まれて、声にならない声が零れる。すぐにそこは硬さを持って、存在を主張する。下着を下ろされ、まさかと思ったら昂りにキスをしようとするので顔を押しのけた。

「なにすんだよ」
「それはこっちのセリフだ! な、なにしようと……!」
「なにって、キス?」
「どこに!?」
「言っていいの?」
「言うな!!」

 慌てて逃げようとしたら、うつ伏せの格好で背後から腰を掴まれ、前に聡一の手が回った。きゅっと昂りを握られ、力が抜ける。へなへなとベッドに沈むとそのまま扱かれた。

「ほんと、往生際の悪い」
「や…ぁあ…っ」
「可愛すぎんだろ」

 趣味悪すぎんだろ。
 濡れた音に聴覚から犯される。巧みに扱かれ、先端の窪みを撫でるように刺激されると腰がガクガクする。昂りにばかり集中していたら、うつ伏せの状態から腰を持ち上げられ、秘蕾が露わにされた。

「あ、やだ…そういち…」
「綺麗…」
「うあ…」

 指でなぞられ、とんとんとつつかれる。それだけで脳が震えてどうにかなってしまいそうだった。

「挿れるよ」
「ん…」

 ゆっくり異物が侵入してくる。ほぐしながら、慣らしながら、一本…二本…と指が増やされる。

「っ…はぁっ…」
「達樹、大丈夫?」
「…へーき…」

 疼く身体が聡一を欲しがっている。振り返って聡一の瞳を見つめる。

「も、いれて…」
「っ…」

 全身が熱い。
 指が抜かれて仰向けの体勢になる。俺の足の間に聡一が身体を入れて、秘蕾へ昂りを宛がった。


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