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しおりを挟む━━━目が覚めたら知らない天井だった
(ここはどこだ?なんか僕の手小さくなった?)
鏡を見るとそこにはホワイトピンクの髪色で金色の瞳の美少年がいた。
(見たことある顔だ…小説が原作でそこからゲーム化したりアニメ化したりしたあのキャラクターにそっくり…というかそのキャラだな。なんでそのキャラになっているんだ?前世で流行っていた異世界転生というものかな……あぁ、僕はあの時死んだのか)
このキャラは悪役だ。そして中盤あたりで主人公達に倒される。また死ぬのか。前世で読んだ異世界転生ものでは生きるために頑張る主人公を見たけれど……
━━━前世での記憶が蘇る。
(もう疲れたな。どうせ死ぬんだから、いつ死んでも変わらないよな。なら今世では、どうせ嫌われもののキャラに転生したんだ。できる限り人に関わらずダラダラ生きよう。そしてその時を待とう)
そう決意した時
「失礼致します。お目覚めになられたのですね。ご自分が何をなさったのか覚えておいでですか?」
「?」
「フェリクス様は剣術の練習中にまだ完全では無い魔法を使い、その魔法がご自身へ跳ね返り気絶なさいました。まだ魔力のコントロールの仕方も教わっていないというのに…そこから3日間眠り続けていました」
ため息混じりに言う侍従らしき人物。僕は彼を知っている。彼はフェリクスの監視役だ。名前はアレクシス・サフィア。本当は魔法騎士団に所属している。いずれ副団長になるキャラだ。
何故別の役職である人間が僕の監視役をやっているのかと言うと、彼はある特殊な目を持っている。それは、目を合わせた人物の考えたことを読み取るというものだ。国王からの命で僕の監視役をすることになってしまった。本職でもないのに可哀想。そして彼は主人公の仲間のひとりで、僕を殺す人物でもある。
僕が転生したこの世界は髪色が自分の得意な魔法、瞳の色で魔力の多さが決まる世界だ。
例外は聖女と王族。聖女は金髪で癒しの魔法しか使うことができない希少な存在。聖女以外の人にも癒しの魔法を使うことはできるが、重い病を治したり瀕死の人を助けたりはできない。
この国では王族は代々赤髪である。火魔法が得意だ。瞳の色はだいたい金色。金色が1番魔力が多いと言われている。そこから赤、オレンジ、黄、緑、青、紫、茶というようになっていく。正確にはこれ以外にもいろいろな目の色の人もいるが、説明がめんどくさ…ゲフンッややこしいので気が向いたらで。平民は茶目が多い。髪色は様々。ちなみに僕の監視役のアレクシスは紺色の髪に赤色の瞳である。紺色はなんだったか…精神魔法系だった気がする。それ以外の魔法も幅広くできる。チートかよ。前世読んでいた小説では、剣に炎を纏わせたりして闘う姿が多く書かれていたので得意とする魔法を忘れてしまっていた。何故使わなかったのか…使っていたけれどその描写を書いていなかったのか?
「フェリクス様、聞いていますか?」
「あぁ…うん。ごめん……」
考え事をしていてあまり話を聞いていなかった。なんだっけ?フェリクスがやらかして倒れた話か。それで前世の記憶を思い出したと言うことか。
……驚いた顔をしてどうしたのだろう。
「フェリクス様が謝った…?」
小声だがはっきりと聞こえた。そんなに驚くことかと考えたけれど僕は今悪役だった。子供の頃から我儘で横暴な性格だったとファンブックに書いてあるのを読んだことがある。それで驚いていたようだ。
「コホン、どうやら記憶が曖昧みたいなんだ。目が覚めたばかりだけれど僕は少し疲れてしまったんだ。1人にしてくれない?」
「宮廷医師に問題がないか見てもらうのが先です。今呼んでまいりますのでお待ちください」
そう言い残しアレクシスは部屋から出ていってしまった。
そう時間がかからないうちに薄い緑の髪に黄色の目をした人を連れて戻ってきた。どうやら彼が宮廷医師のようだ。
「フェリクス様、お目覚めになられて何よりです。フェリクス様のお身体に異常がないか見させて頂きますので、少しの間我慢してください」
そう言いながらなにかを唱えはじめた。その瞬間、僕の体が暖かい光に包まれた。これが魔法か。
「特に問題ありません、もう自室へ戻られて大丈夫ですよ」
どうやらここはフェリクスの部屋ではなかったらしい。どうりで記憶にない部屋だと思った。
「そうか、ありがとう。自室へ戻って休むとするよ」
「いえ、お目覚めになられたばかりですので食事をする際は消化に良いものをお取りください」
「ああ。わかったよ」
そう言い僕は自室へと向かった。
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