悪役王子に転生した僕は自分の結末を受け入れることにしました

青はなまる

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2 side.アレクシス

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 目覚めてからのフェリクス様の様子がおかしい。あんなに我儘で横暴だったフェリクス様が……なんだか雰囲気が目覚める前と違う気がする。
 フェリクス様と目を合わせたが考えていることが上手く読み取ることができなかった。
相手に俺の能力が気づかれてしまうと上手くこの能力を使うことができない。
 ちなみにバレた相手は読み取らせたり読み取らせなかったり自由にできる。なのでこの能力は家族以外には教えていない。陛下には、相手が嘘をついているかわかるとだけ伝えている。
 それなのに能力について伝えていないはずのフェリクス様の考えていることが上手く読み取ることができなくなってしまった。宮廷医師からはフェリクス様は記憶喪失になっているかもしれないと言われた。そんな状態のフェリクス様が自ら能力に気づいたとは考えられない。




 そもそも俺の本当の役職は侍従でもなんでもない。魔法騎士見習いだ。
 というのも、フェリクス様の監視役を探して欲しいと陛下から依頼されたこの国の宰相である父が、ならば息子はどうかと返事をし嘘を見抜けるし丁度いいなと陛下も頷いたため、俺がフェリクス様の監視役をすることになった。
 父からは宰相は兄が継ぐから次男であるお前はいろんなことを経験して何をするか決めろと言われ渋々承諾したが、ありがた迷惑にも程がある。
 それからというもの、フェリクス様の侍従をするのは大変だった。あれが欲しいこれは嫌いだから捨てろ、あいつが酷いことをしたから躾をする等々…全てフェリクス様を思っての発言や行動だと言うのに……

 (はやく元の場所へ戻りたい)

 そう考えながら騎士舎を歩いていると急に肩を叩かれた。

「よぉ!アレク~、お前のご主人様がやっと目を覚ましたんだって?まぁた無理難題言われたりしてないか~?」

と笑いながら声をかけられる。

「カノア、声が大きい」

「べっつに誰が聞いてる訳でもないだろ?今の時間は勤務中のやつら以外みーんなベッドの中だし」

笑いながら話しかけてきたこいつは俺の幼なじみで同じ魔法騎士見習いのカノア・ルフトライト。お調子者だとよく言われているが実際は冷徹な人間だ。

「そういう問題では無いだろ。どこで誰が聴いているかわからないんだぞ」

「まぁまぁ、大丈夫だって!俺が何を得意なのか知ってるだろ?」

「……」

こいつは索敵や隠密系の魔法に特化しているため、近くに人がいないことは確認済みなんだろう。それでも一応王族だぞ?バレたらどうなるか……

「フェリクス様も王族だ。口を慎め」

「へーい」

 全く。本当にわかっているのか。

「それで?フェリクス様はどうなんだよ」

「なにもない」

「は?」

「目覚めてから宮廷医師に見てもらい、異常はないと言われそのまま大人しく自室へ戻られた」

「……それは本当にフェリクス様か?」

「宮廷医師からはもしかしたら記憶喪失かもしれないと言われた。フェリクス様に余計なストレスは与えないほうが良いと判断し、こちらからは何も言わないことにした」

「なるほどな~、陛下はなんて?」

「フェリクス様の目覚めた時間が遅かったため、明日陛下へ報告しに行く」

「それが良いか………なぁ、まだ寝ないよな?一緒に訓練所で久しぶりに模擬戦でもやらないか?」

「あぁ、良いぞ」

「よっしゃー!」



  俺たちは訓練所へと向かった。











【補足】
アレクシスは周りの人間に対してあまり能力を使用しません。
主に使用するのは信用するに値しない人間や敵に対してです。


※次回から主人公視点へ戻ります。



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