精一杯のエゴイスト

宮内

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「また一緒に映画みようよ。」
恐ろしいほど爽やか次の話をする彼。
「機会があれば。」
そっけなく私は答える。

「さっき言ってたロードムービーみたいなやつは?」
それは、私が次に観ようと思っていると話したばかりの映画を彼は持ち出した。
今日のアクション映画と違ってその映画を二人で観るのは正直気乗りしない。
もともと映画は一人で観たい。
もし泣いてしまったりしたらすごくバツが悪い。
今日は楽しかったけど、そもそも約束して映画を観るなんてまるでデートみたいだし。
彼と私がデートなんてありえない。
腑に落ちないので『そうですね。』と当たり障りのなさそうな社交辞令を返す。

「土曜日は?」
「え?」
その場のノリだと思っていたので具体的な日にちを言われて驚いた。
「来週。もう公開してる?」
「していますね。」
「何時がいい?」
ここまできてこの会話をほっとくわけにはいかないと思い切って尋ねた。

「三島さん聞いてもいいですか。」
「何?」
穏やかな笑顔で覗き込まれるとその綺麗すぎる顔に戸惑いを隠せない。

「私と映画を観に行きたいですか?三島さんこの間の飲み会、岡山さんの付き添いですよね?私も和泉の付き添いです。なので私に気を使う必要はないです。」
すると三島さんはあまりに美しい笑顔を浮かべた後
「僕は直江さんと映画が観たい。だから誘っている。今日は楽しかったし、映画観た後でこうやって飲みながら話せるってよくない?なぜかわからないけど直江さんと話していると面白いんだよね。」

そう言って、おいしそうにビールを飲み干し、新しい飲み物を注文した。
面白いと言われて、どう考えていいかわからないし、だいたい面白いってなんだろう。
もう全然わからない。
わからないから答えられない。
彼の話を聞きながらその美しい顔を見てビールを煽ると彼は私からグラスを取り上げお互いの顔が見えるようになった時
「誘ったら迷惑?」
と尋ねた。その美しさに私は考えることも忘れ
「迷惑ではないです。」
と答えていた。

すると彼は色香の漂う笑顔をうかべて
「よかった。じゃぁ連絡先を教えて。次は待ち合わせしよう。そうそう偶然会えないだろう。いや三回目も会えるか。」
と快活に笑いながらスマートフォンを取り出して私たちはそこで連絡先を交換した。
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