精一杯のエゴイスト

宮内

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 その日の映画は、七十代の男性が余命を知り自分のルーツをたどりながら新たな出会いに死を意識しながら、なお生きたいと切望し終えていく話だった。

人との出会いが人生の糧でよい出会いが人生を豊かにし、不運な出会いが絶望へも追い込む。
そして、そのどれにも他人だけでなく己やタイミング全てがその要素になる。
達観しながら寂しく終える主人公が自分と重なって気が付くと泣いていた。
私は帰り道など気にしないで映画館で泣きたい時は泣くタイプだが今日は一人ではない。
泣くわけにはいかなかったのに。
エンドロールになる前に隣の三島さん見つからないようにハンカチを手のひらに隠し慌てて涙を拭いた。
そして、エンドロールが始まると
「先に出ます。」
と声をかけ席を立ってトイレで化粧を直した。
 

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