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「すみません。お待たせしました。」
彼は上から下まで私を見つめ直した後で
「今日居酒屋じゃなくてよかった。」
と笑った。
そして私たちは三島さんが気にいっていると言うワインバーに向かった。
ワインに詳しくない私は彼のお勧めのワインを少しずつ飲みほどよく酔っ払っていった。
彼はいつもよりもずっと穏やかに笑っていた。
そして、机の上に置いた私の手に自分の手を重ねて何かを言いたそうにでも何も言わずそれまで通り話を続けた。
私もその指を振り解くこともしなかった。
彼は、時に私の指をもてあそびながらずっと話したり笑ったりした。
どのぐらいの時間過ごしていたかはわからないが私たちは店を出て手をつないだまま少し遠回りして家路についた。
話す会話はいつもより少なかったがその手はずっと離さないままだった。
分かれ道に来た時、彼は私をそっと抱き寄せてこの間よりもずっと長いキスをした。
長いキスの後、少し離れてまた唇を重ね抱きしめ、またキスして抱きしめるその腕に徐々に力を込めた。
私は、ただ嬉しくて三島さんのことをやっぱり好きなんだなと確信した。
そのまま腕の中に埋もれていたい衝動にかられながら何も言えずに彼を見上げた。
彼は私の手を引き
「家に来る?」
と尋ねた。
家に来ると言う事はつまりそういうことだと思う。
そう思うと私たちの関係が一体何なのかが気になる。
『私は三島さんが好き。』そのことをつい最近確信したばかりだ。
彼はどうなのだろう。
嫌いではないはずだけど私のことを一体どう思っているのだろう。
聞いてみたいけど聞けない。
なのにいきなり家には行けない。
私は下を向き
「今日は帰ります。」
とつぶやいた。
彼は私の顔を覗き込む。
「どうしても?」
残念そうに見つめる彼の顔があまりのも近すぎてそれまで以上にドキドキする。
「帰したくないんだけど。」
そう言って私を引き寄せた。
子供ではない。
貞操観念を守るほどの年でもない。
何があっても自分で責任が十分にとれる年にはとうの昔になってしまった。
あいまいなまま関係をすすめてしまうことへの不安が私をとどまらせる。
なのに抱き寄せられたその心地よさに
返事を待つ彼の胸に顔をうずめて何も言わずただうなずいた。
それを了承と受け取った彼は抱き寄せた私を離しこれまでよりずっと強く手を握って彼の家の方向に進んだ。
彼は上から下まで私を見つめ直した後で
「今日居酒屋じゃなくてよかった。」
と笑った。
そして私たちは三島さんが気にいっていると言うワインバーに向かった。
ワインに詳しくない私は彼のお勧めのワインを少しずつ飲みほどよく酔っ払っていった。
彼はいつもよりもずっと穏やかに笑っていた。
そして、机の上に置いた私の手に自分の手を重ねて何かを言いたそうにでも何も言わずそれまで通り話を続けた。
私もその指を振り解くこともしなかった。
彼は、時に私の指をもてあそびながらずっと話したり笑ったりした。
どのぐらいの時間過ごしていたかはわからないが私たちは店を出て手をつないだまま少し遠回りして家路についた。
話す会話はいつもより少なかったがその手はずっと離さないままだった。
分かれ道に来た時、彼は私をそっと抱き寄せてこの間よりもずっと長いキスをした。
長いキスの後、少し離れてまた唇を重ね抱きしめ、またキスして抱きしめるその腕に徐々に力を込めた。
私は、ただ嬉しくて三島さんのことをやっぱり好きなんだなと確信した。
そのまま腕の中に埋もれていたい衝動にかられながら何も言えずに彼を見上げた。
彼は私の手を引き
「家に来る?」
と尋ねた。
家に来ると言う事はつまりそういうことだと思う。
そう思うと私たちの関係が一体何なのかが気になる。
『私は三島さんが好き。』そのことをつい最近確信したばかりだ。
彼はどうなのだろう。
嫌いではないはずだけど私のことを一体どう思っているのだろう。
聞いてみたいけど聞けない。
なのにいきなり家には行けない。
私は下を向き
「今日は帰ります。」
とつぶやいた。
彼は私の顔を覗き込む。
「どうしても?」
残念そうに見つめる彼の顔があまりのも近すぎてそれまで以上にドキドキする。
「帰したくないんだけど。」
そう言って私を引き寄せた。
子供ではない。
貞操観念を守るほどの年でもない。
何があっても自分で責任が十分にとれる年にはとうの昔になってしまった。
あいまいなまま関係をすすめてしまうことへの不安が私をとどまらせる。
なのに抱き寄せられたその心地よさに
返事を待つ彼の胸に顔をうずめて何も言わずただうなずいた。
それを了承と受け取った彼は抱き寄せた私を離しこれまでよりずっと強く手を握って彼の家の方向に進んだ。
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