精一杯のエゴイスト

宮内

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 彼の家はその分かれ道から五分もないところにあり、このあたりでは高層の分譲マンションだった。
エントランスをぬけエレベーターの扉が閉まると再び私を抱き寄せてキスをした。

 彼のマンションの部屋は生活感をあまり感じないほど片付いていた。
部屋に入ると三島さんは私をリビングのソファーに案内してくれた。
リビングはキッチンと合わせて二十五畳を超えるほどの広々としており、私は所在なく部屋の中を見ながら片付いているなぁなんて思っていた。
寝室から戻ってきた彼は私に『何か飲む?』と尋ねお水を出してくれた。

間持ちがせず、何を話していいか分からずに水滴ができ始めたグラスを指でなぞって少しずつ口に運ぶ。
自分の分のグラスをもって隣に座ったばかりの彼はグラスに口をつけることはなく、私の手からグラスを取り上げそろそろ冷えたかなと言いながら寝室のほうに手を引いて歩いていく。

 ベッドに座らされキスをした後、アップした髪をほどかれ、甘いにおいの髪は少しカールを残しながら鎖骨のあたりで揺れる。
そんな髪に手を通しながら、彼はシャワーすると聞いた。
確かに汗ばんでいたので私は
「そうですね」
と伝え、シャワーを借りようと立ち上がる。
すると私の腕をとり
「やっぱり無理待てない。」
とベッドの上に押し倒された。
キスをしながらいつの間にかブラジャーのホックは外されスカートのファスナーを降ろされ、あっという間に洋服を剥ぎとられていた。

 いつの間にかその行為に夢中になり、私は彼の口づけに答えることが精一杯になる。
好きな人と抱き合うってこんな感じだったのかと思い出しながらも忘れてしまったその感覚を取り戻し、それでいてはじめての時のように彼にただ身をまかせていた。ただ違うのは訪れた快楽に抗えず思わず声を上げていることぐらいだった。 

 彼は何度もキスを繰り返しながら『きれいだよ。』と私を褒めてくれた。
そして『ずっとこうしたかった。』とやるせなくつぶやいた。
私はそう彼に言ってもうために髪の手入れをし、ネイルを塗りなおし、肌の手入れをした。
気恥ずかしいような嬉しいような快楽に揉み消されながらもその言葉に思わず彼の首に腕を回し抱きついた。
どのぐらいそうしていたかわからないが、私たちはエアコンが効いた部屋の中でも汗ばみ、こと尽つきた後もしばらく彼は私を抱き寄せていた。
私の髪に顔を埋めながら小さな声で『ずっとこうしてたい。』とつぶやいた。
私は彼の腕をなぞりながら、その甘い一言に溺れていった。

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