精一杯のエゴイスト

宮内

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 夜になり幾分涼しくなった風のなか足早に歩いた。
泣きたい気分も少し落ち着きこれまでのことを思い出した。
和泉に連れていかれた飲み会。
翌日の偶然。四度の映画と食事。
そして、手をつながれて歩いたあの夜。
夢だったと思えばそんな気がしてきた。
四年前の振られた日からずっと避けていたものをほんの少し思い出し、臆病ながらに進んで
「バカみたい。でも、楽しかったんだ私。」
そう口にして力なく笑った。
夢と同じ。
私の日常は何も変わらない。

明日も私は仕事へ行き、昼食を食べ、また働く。
そして、家に帰って食事をし、たまにお酒を飲んでお風呂に入って眠る。
変わらない日常に戻るだけ。

ただ、しばらく映画館に行くのはやめよう。
そう考えると少し楽になりアパートに帰りお風呂に入って眠った。

その夜、せっかく観に行った映画の内容を思い出すことはなかたった。

翌朝、アラームを知らせるスマートフォンをみると、何度か三島さんから着信があった。
そして、メッセージも。

でも、開く気にはならずそのままにした。
重い体を引きずり仕事に向かい働いた。
次の日もその次の日も。

週末は、久しぶりに大掃除をしてたくさん洗濯をした。幾分気分がすっきりした。

その間何度も三島さんから着信やメッセージがあったが開くことはしなかった。
子供じみているように思えたが、ただ、開く気力がなかったのだ。

二週間が過ぎた頃には、また以前の日常に戻った気がした。
「やっていける。」そう思った。

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