精一杯のエゴイスト

宮内

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 なんとなく私と比べるのはおこがましいようなお給料をもらっているのだろうと思っていたけれど、想像をはるかに超える金額の指輪を提案されて私は即座に断った。
別にブランド物に興味がないわけではない。
有名なブランドはそれなりに知っているし価格帯もそれなりにわかる。

そういうものを一つももっていないほど潔いわけでもセンスがいいわけでもないので三十の誕生日に清水の舞台から飛び降りて自分で買った時計。
それにバッグや靴はいくつか持っている。

でも、それじゃないとダメというほどの経済力もないしこだわりもない。
だから出来れば普段使いできるものがいいとお願いすると
「それはそれで買ってあげる。でも、これはダメ。嫌だ。そこは俺に見栄を張らせて。俺にとって必要な見栄だから。」
と譲ってもらえず、結局時計と同じブランドの指輪を買ってくれた。
 
その日のうちに両家に挨拶の日程は決まり、三島さんの転勤までの間に結婚という儀式にかかわるあれこれは大まかに決まった。
 
仕事に関して三島さんは私の意見を尊重すると言ってくれ、一応と自分のお給料や職場の福利厚生を教えてくれた。
そして、二人でどのくらいの生活レベルを望んでいるのか。
子供のこと。
何が一番優先事項か。
ほとんど同棲みたいになりながら引っ越しまでの準備の間もずっと話をした。
じっくり聞いて言葉を尽くしてくれる彼に私も素直に今の自分の気持ちを話せた。

そして、当面三島さんだけで東京に行き半年は遠距離。春には仕事を辞めて三島さんのところに引っ越すことにした。

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