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絶望の理由《アンside》
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初めまして。私はアンと申します。
私にはとても敬愛するご主人様がいます。
ご主人様は、シェルヴァー王国の第一王女であらせられます。
私がそんな凄い方の護衛兼メイドが出来ているのは、やはり歴代最年少で王国の剣大会に優勝出来たことが大きいでしょう。
私も護衛兼メイドの任についた始めの時は、ご主人様にはあまり良い感情を抱いていませんでした。
当たり前だと思いまます。
ご主人様にはあまり良い噂はなく、悪い噂しかありませんから。
しかし、この任についてご主人様と触れ合うことで今までの噂が全て出鱈目だと確信致しました。
ご主人様は寂しい人です。
何をしても褒めてくれる人がいず、逆に何かをするたびに罵られてしまうのですから。
だから私は思いました。
ご主人様を褒める人がいないなら、私がその分褒めればいい。
ご主人様はもうたくさん頑張っているからその分甘やかせばいい。
言葉の通りは私はご主人様を甘やかしまくりました。
有言実行です!
ご主人様も私に対してたくさんの笑顔を見せるようになってきた頃でした。
私は運命の人に出会いました。
その方が後に私の夫となる方で、私が今とても憎んでいる相手です。
名は、カイルと言います。
その方とは街で始めて会いました。
少し話をして、すぐに気が合いました。
そこからは早かったです。
数か月交際をして、一緒の夜を過ごしました。
何度か夜を過ごした後私の妊娠が発覚しました。
このことをご主人様に伝えると、ご主人様はまるで自分のことかのように喜んでくださいました。
そして、少し有休を頂き私はお腹の子とカイルのことを考えカイルと結婚致しました。
そしてまた数ヶ月経ち、お腹の子が生まれました。
そしてまた時が過ぎ、カイルと私の子も1歳になりました。
その頃には私は既にご主人様の護衛兼メイドの仕事に戻っていました。
幸せ絶頂の時でした。
しかしそんな日常はものの1日で崩れ去られました。
その日は久しぶりにゆっくり休もうと有休を頂いておりました。
街で買い物をしているとご主人様が妹君とお忍びで遊んでいるのを見かけました。
以前から聞き及んでおりました。
私は楽しそうなご主人様を見て、少し微笑ましくなりました。
私は護衛もつけず遊んでいるご主人様達が心配になり、少し後をつけました。
数時間経ちやっと帰ろうとして、馬車に乗りこんだのを確認して私はその場をあとにしました。
次の日になり城へ登城しました。
城の皆さんが慌ただしいです。
確か隣国から殿下が来ているので、多分そのことでしょう。
しかし、皆さんの慌てようを見ているすぐに違う と分かりました。
知り合いのメイド仲間に聞くと、昨日に第二王女が殺害されたらしいのです。
そして第二王女を殺したのは第一王女、つまり私のご主人様だと言うのです。
ありえないと思いました。
昨日にとても仲良く遊んでいたのを私は見ていたのだから。
しかし、メイド仲間は言います。
第二王女の胸に刺さっていた凶器の小刀には、ご主人様のイニシャルが彫られていた と。
私はハッと思い少し家に戻り、ご主人様に貰った大切な小刀を確認しました。
ーーありませんでした。
ご主人様の処刑は確定し、三日後に処刑されます。
詳しく話を聞き誰が第二王女を殺したのか推測します。
私の小刀を持ち出すことができる人物・・・。
次の日になり、ご主人様の処刑まで後二日。
次の日になっても夫のカイルは帰って来ませんでした。
その次の日も・・・。
私は信じたくありませんでした。
ご主人様の処刑当日になりました。
ご主人様はボロボロになっていました。
その状態で引っ張られて処刑台に立たされていました。
処刑台の周りには人がいっぱい集まって来ていました。
辺りを少し見渡すと見覚えのある後ろ姿が見えました。
カイルです。
この場からどんどん離れていくカイルを私は追いかけていきました。
やっと人が少なくなった所になると、カイルは足を止め後ろを向き私を見ました。
カイルの目は今まで見たことがないくらいの怖い表情をしていました。
私は言いました。
「カイル、私のご主人様から貰った小刀を使って第二王女様を殺したのは貴方なの?」
「ああ、そうさ。第二王女様を殺したのは俺さ。第一王女も殺そうと思ったけど、逃げられてな、まあ処刑されるから一緒か。」
カイルは笑いながらに言いました。
「ずっと待ってたんだ。王女様達を殺せる日を。ちょうど良いことにお前がいたから利用させてもらったよ。お前はほんとに単純すぎて笑ったよ。まあ子どもが生まれたのは誤算だったが、後で殺しておくか。」
「どうして・・・、そんなことを。」
「はあ?何言ってんだ?元から殺すつもりでお前に近付いたに決まってるだろ。アン」
カイルは優しい声でアン と私の名前を呼んだ。
私は腰に下げていた剣を抜き、カイルに向けた。
「死ねぇぇぇ!」
そう叫びカイルに向かって剣を突き刺す。
だがカイルはそれを避けた。
私はくさっても剣大会で優勝した剣の腕前がある。
そんな私の剣をカイル軽々と避けた。
「アン、お前は確かに強いがそれは この国にとってだ。隣国を見てみろ。お前より強い奴なんかそこら中にいる。それが分からない時点でお前の負けなんだよ!」
カイルはそう言い、素早く私の後ろに回り私の背中に小刀を突き立てた。
私は倒れた。
不思議と痛みはない。
意識がだんだんと遠のいていく。
「少しでも愛していたのかもな」
カイルがそう呟いた声を最後に私の意識は途切れた。
────────────────────
ご満足頂けましたでしょうか。
辻褄が合わない点や、矛盾点がありましたら教えて頂けると幸いでございます。
私にはとても敬愛するご主人様がいます。
ご主人様は、シェルヴァー王国の第一王女であらせられます。
私がそんな凄い方の護衛兼メイドが出来ているのは、やはり歴代最年少で王国の剣大会に優勝出来たことが大きいでしょう。
私も護衛兼メイドの任についた始めの時は、ご主人様にはあまり良い感情を抱いていませんでした。
当たり前だと思いまます。
ご主人様にはあまり良い噂はなく、悪い噂しかありませんから。
しかし、この任についてご主人様と触れ合うことで今までの噂が全て出鱈目だと確信致しました。
ご主人様は寂しい人です。
何をしても褒めてくれる人がいず、逆に何かをするたびに罵られてしまうのですから。
だから私は思いました。
ご主人様を褒める人がいないなら、私がその分褒めればいい。
ご主人様はもうたくさん頑張っているからその分甘やかせばいい。
言葉の通りは私はご主人様を甘やかしまくりました。
有言実行です!
ご主人様も私に対してたくさんの笑顔を見せるようになってきた頃でした。
私は運命の人に出会いました。
その方が後に私の夫となる方で、私が今とても憎んでいる相手です。
名は、カイルと言います。
その方とは街で始めて会いました。
少し話をして、すぐに気が合いました。
そこからは早かったです。
数か月交際をして、一緒の夜を過ごしました。
何度か夜を過ごした後私の妊娠が発覚しました。
このことをご主人様に伝えると、ご主人様はまるで自分のことかのように喜んでくださいました。
そして、少し有休を頂き私はお腹の子とカイルのことを考えカイルと結婚致しました。
そしてまた数ヶ月経ち、お腹の子が生まれました。
そしてまた時が過ぎ、カイルと私の子も1歳になりました。
その頃には私は既にご主人様の護衛兼メイドの仕事に戻っていました。
幸せ絶頂の時でした。
しかしそんな日常はものの1日で崩れ去られました。
その日は久しぶりにゆっくり休もうと有休を頂いておりました。
街で買い物をしているとご主人様が妹君とお忍びで遊んでいるのを見かけました。
以前から聞き及んでおりました。
私は楽しそうなご主人様を見て、少し微笑ましくなりました。
私は護衛もつけず遊んでいるご主人様達が心配になり、少し後をつけました。
数時間経ちやっと帰ろうとして、馬車に乗りこんだのを確認して私はその場をあとにしました。
次の日になり城へ登城しました。
城の皆さんが慌ただしいです。
確か隣国から殿下が来ているので、多分そのことでしょう。
しかし、皆さんの慌てようを見ているすぐに違う と分かりました。
知り合いのメイド仲間に聞くと、昨日に第二王女が殺害されたらしいのです。
そして第二王女を殺したのは第一王女、つまり私のご主人様だと言うのです。
ありえないと思いました。
昨日にとても仲良く遊んでいたのを私は見ていたのだから。
しかし、メイド仲間は言います。
第二王女の胸に刺さっていた凶器の小刀には、ご主人様のイニシャルが彫られていた と。
私はハッと思い少し家に戻り、ご主人様に貰った大切な小刀を確認しました。
ーーありませんでした。
ご主人様の処刑は確定し、三日後に処刑されます。
詳しく話を聞き誰が第二王女を殺したのか推測します。
私の小刀を持ち出すことができる人物・・・。
次の日になり、ご主人様の処刑まで後二日。
次の日になっても夫のカイルは帰って来ませんでした。
その次の日も・・・。
私は信じたくありませんでした。
ご主人様の処刑当日になりました。
ご主人様はボロボロになっていました。
その状態で引っ張られて処刑台に立たされていました。
処刑台の周りには人がいっぱい集まって来ていました。
辺りを少し見渡すと見覚えのある後ろ姿が見えました。
カイルです。
この場からどんどん離れていくカイルを私は追いかけていきました。
やっと人が少なくなった所になると、カイルは足を止め後ろを向き私を見ました。
カイルの目は今まで見たことがないくらいの怖い表情をしていました。
私は言いました。
「カイル、私のご主人様から貰った小刀を使って第二王女様を殺したのは貴方なの?」
「ああ、そうさ。第二王女様を殺したのは俺さ。第一王女も殺そうと思ったけど、逃げられてな、まあ処刑されるから一緒か。」
カイルは笑いながらに言いました。
「ずっと待ってたんだ。王女様達を殺せる日を。ちょうど良いことにお前がいたから利用させてもらったよ。お前はほんとに単純すぎて笑ったよ。まあ子どもが生まれたのは誤算だったが、後で殺しておくか。」
「どうして・・・、そんなことを。」
「はあ?何言ってんだ?元から殺すつもりでお前に近付いたに決まってるだろ。アン」
カイルは優しい声でアン と私の名前を呼んだ。
私は腰に下げていた剣を抜き、カイルに向けた。
「死ねぇぇぇ!」
そう叫びカイルに向かって剣を突き刺す。
だがカイルはそれを避けた。
私はくさっても剣大会で優勝した剣の腕前がある。
そんな私の剣をカイル軽々と避けた。
「アン、お前は確かに強いがそれは この国にとってだ。隣国を見てみろ。お前より強い奴なんかそこら中にいる。それが分からない時点でお前の負けなんだよ!」
カイルはそう言い、素早く私の後ろに回り私の背中に小刀を突き立てた。
私は倒れた。
不思議と痛みはない。
意識がだんだんと遠のいていく。
「少しでも愛していたのかもな」
カイルがそう呟いた声を最後に私の意識は途切れた。
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ご満足頂けましたでしょうか。
辻褄が合わない点や、矛盾点がありましたら教えて頂けると幸いでございます。
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