【コメディ】ルーズな伝言

ハリー

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その2

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「何が起きても、私が必ずあなた達を守ります!」

それって、どういう事、煉愛ちゃん?手荒いことになるっていうの?

「例え、お義母さんが鬼になって大暴れしても、私が体を張ってお守りします!」

まあ母さんはワイルドな所もあるけどね。

「そこまではないと思うけどなー。」

だよな、ねずっち子。いくらなんでもなー。

「でも、大二郎さんは当てにならないし、ここは私が体を張ってでも二人を守ります!」

「伝二郎です!僕はそんなに対応のうまい俳優さんじゃないです!」

「残念でした!だいじろうじゃなくて、おーじろうでした!」

バケラッタかよ!良く知ってたな、バケラッタ!もう、『おばけのPちゃん』は再放送もしてないよ!

しかも、それって、俺はおーじろう並みって事?そここまでじゃないでしょ?

「いいえ、男の子は母親の前になるとだいたいそんなもんです!」

決め付けないでよ!でも、確かに母さんと激しくやり取りした事なんてないけどさ!

「母さんはお兄ちゃんには甘いもんねー。」

そうかな、ねずっち子?

「私が東京に出てくるのなんて、説得するの大変だったんだから!」

まあな、俺もいろいろ聞かされたよ!でも女の子一人で上京するっていったら、親はだれでも心配するよ。

「はーい!」

なんだよ、ねずっち子?なんか、思いついたのか?

「言う事を聞いてくれない親と掛けて、一人でやる壁打ちとと解く!」

なに、それで、その心は?

「打っても打っても返って来るし、時々とんでもない方向に飛んでいきます!ねずっち子です!」

言葉のやり取りの事ね。なるほど。って、おまえに感心してる場合じゃないけどな。

「いいよ、ねずっち子ちゃん!」

「やったー!」

煉愛ちゃん、ちょっとねずっち子を甘やかしてません?

「いいの。ねずっち子ちゃんはかわいいんだから!」

「やったー!」

何それ。それじゃ、僕はかわいくないみたいじゃない。

「今の正太郎さんはかわいくありません!」

「伝二郎です!」

とうとう次男から長男に昇格しちゃったよ。兄さんが聞いたら怒るよ。『それは僕へのボケでしょ、煉愛さん!』って!

だいたい、僕らはそんな昭和のロボットを操縦する技術は持ってないよ!でも、彼もよく2本のレバーだけで2速歩行のロボットを操縦できるよな。2本のレバーじゃ戦車の軌道操作くらいしか、できないじゃないか?

そうだよ、兄さんにも説明しないと。煉愛ちゃんと付き合ってる事は言ってあるけど、今回が初対面じゃないか?

「はーい!」

どうした、ねずっち子?また、何か浮かんだか!

「煮え切らないお兄ちゃんと掛けて、苦手なバンジージャンプと解く!」

その心は?

「いつまで経っても決心がつきません!ねずっち子です!」

「そうだよね!いいよ!」

「やったー!」

褒めなくていいって、煉愛ちゃん!それに今回の謎掛けは答えが見えてなかったか?ただの俺への当て付けか?

「万次郎さんの割には決心が付きませんねー。」

「伝二郎です!」

すみませんね、僕は決心がなかなか付かなくて。そんな、江戸時代に日本を捨てて米国に渡った人と一緒にしないでよ。

「はーい。」

なんだ、ねずっち子?

「列車の旅行と掛けて、始めて行く遊園地と解く!」

なに、それで、その心は?

「楽しくて、わくわくどきどきします!ねずっち子です!」

「いいね!よし!」

「やったー!」

毎度、褒めなくても良いよ、煉愛ちゃん!それに、なんか二人とも楽しんじゃって!旅行じゃないんだぞ、旅行じゃ!帰省だぞ!しかも俺にとってはこれ以上無い、つらい帰省だよ!



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