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今年のクリスマスの話
しおりを挟む(二人漫才の会話です。 *:つっこみ担当さんです。)
「もう師走です。」
*「今年も早かったですね。」
「大半はパンデミックの話題でした。」
*「そうですね、テレビを点ければその話題ばっかり。」
「時期的には、もうすぐクリスマスですけどね。」
*「クリスマスも大人数じゃ、集まれないでしょうね。」
「ことしは家で食事かな。」
*「あなたは良いですよ。ご家族がいらっしゃるから。」
「これは失礼!一人暮らしのあなたはどうするんですか?」
*「どうしたもんだか。アイデアがありません。」
「居酒屋にでも一人で行ってみますか。」
*「でも、クリスマスなら居酒屋でもカップルがいちゃいちゃしてるかもしれません。そんな隣で一人で飲めませんよ。」
「そうですねー。そうしたら賑やかそうな居酒屋はスルーして、スナックでも行ったらどうですか?」
*「けど、その入ったスナックで、もし経営しているおばちゃんだけ一人でいたらどうするんですか?ドア開けた途端『しまった!』って思っても、もう帰れないですよ。」
「その時は諦めて、聖なる夜を二人で過ごして下さい。」
*「それは困るー。万一、忘れられない夜になったら一生のトラウマになりそう。」
「じゃあ、賑やかなスナックに行きますか。」
*「その賑やかの中に溶け込めなかったら最悪ですよ。スナックの狭い空間の中で『この人、クリスマスに一人なんだ、かわいそう。』っていう空気と視線にひたすら耐えて、ちびちび酒飲むことになりますよ。」
「聖者はだいたい苦行するものですよ。」
*「なんでスナックで金払って苦行しないといけないんですか。それにクリスマスだからって聖者じゃないですよ、ただの一般人です。」
「じゃあ、居酒屋と静かなスナックと賑やかなスナックをスルーして、八百屋でも行きますか。」
*「何でクリスマスの夜に八百屋に行かないと行けないんですか!」
「そこにはだれも『この人、クリスマスに一人なんだ、かわいそう。』っていう目で見る人はいませんよ、きっと。」
*「いや、怪しい!会計の時におばちゃんが『クリスマスに一人なんだ。寂しいね。はい、これおまけ。』って、みかんのひとつでも袋に入れて来そう。まったく、余計だってゆうの!」
「それはみかんに怒ってるの、おばちゃんに怒ってるの?」
*「おばちゃんの一言にですよ!」
「じゃあ、居酒屋と静かなスナックと賑やかなスナックと八百屋ををスルーして、魚屋でも行きますか。」
*「何が悲しくてクリスマスの夜に魚屋に行かないと行けないんですか!聖なる夜に刺身でも食べるんですか、一人の部屋で!」
「仕方ないじゃないですか。でも、魚屋なら『この人、クリスマスに一人なんだ、かわいそう。』っていう目で見る人はいませんよ、きっと。」
*「いや、怪しい!会計の時に大将が『クリスマスに一人なんだ。寂しいな。はい、これおまけ。』って、目刺しのパックでも袋に入れて来そう。まったく、余計だってゆうの!」
「それは目刺しに怒ってるの、大将に怒ってるの?」
*「ここは目刺しですね。大将!どうせならもう少し、良いもの頂戴!」
「じゃあ、居酒屋と静かなスナックと賑やかなスナックと八百屋と魚屋ををスルーして、金物屋でも行きますか。」
*「何が悲しくてクリスマスの夜に金物屋に行かないと行けないんですか!聖なる夜の記念に包丁でも買うんですか!」
「さすがに金物屋なら『この人、クリスマスに一人なんだ、かわいそう。』っていう目で見る人はいませんよ、たぶん。」
*「そうでしょうけど。でも会計の時におじいちゃんが『クリスマスに、、、やめときな。話なら聞くから。』って、絶対、誤解される!」
「じゃあ、居酒屋と静かなスナックと賑やかなスナックと八百屋と魚屋と金物屋ををスルーして、乾物屋でも行きますか。」
*「何が悲しくてクリスマスの夜に乾物屋に行かないと行けないんですか!聖なる夜の煮物作りに高野豆腐でも買うんですか!」
「もう乾物屋なら『この人、クリスマスに一人なんだ、かわいそう。』っていう目で見る人はいませんよ、絶対!」
*「そうじゃないかもしれない。会計の時におばあちゃんが『クリスマスに、、、やめときな。高野豆腐の角は痛いよ。』って、諭される!」
「仕方ないですねー。じゃあ、ささっと飯でも食べて帰りますか。」
*「それで良いですよ。」
「じゃあ、マクドンは?」
*「何が悲しくてクリスマスの夜にマクドンで一人、ハンバーガーを食べないといけないんですか!女子達の視線が痛すぎますよ。」
「回転寿司は?」
*「何が悲しくてクリスマスの夜にカウンターに呼ばれて、一人で寿司食わないといけないんですか!ボッチにもほどがありますよ!」
「じゃあ、いつものコンビニ?」
*「バイトの外国人さん達に『アノヒト、クリスマスモ一人ナンダー、カワイソー。』って思われちゃう。今後も考えるとそれは避けたいです!」
「いつものラーメン屋は?」
*「顔なじみの大将が『クリスマスに一人なんだ。寂しいね。はい、これおまけ。』って、チャーシューを1枚おまけしてくれそう。チャーシューは嬉しいけど余計な一言はいらない!」
「じゃあ、どうする?クリスマスの夜に腹ペコって訳にもいかないよね。」
*「しょーがないから牛丼屋かな。あそこなら夜はバイトの男子しかいないだろうし。」
「牛丼屋のバイトの子達も『この人、クリスマスに一人なんだ、かわいそう。』っていう目で見るかもよ。」
*「彼らもクリスマスにバイトしてんだから同じでしょ。だから牛丼でいいや。」
「『クリスマスに一人なんだ。寂しいね。はい、これおまけ。』って、紅ショーガをくれるかも?」
*「紅ショーガいらないわ!」
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