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旅立ち~オードゥス出立まで

行ってきます。

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「それじゃ行ってきます。」


「おう。頑張れよ!」
「行ってらっしゃい。近くに来た時は顔出しなさいね。」


自分の父さんと母さんに出発の挨拶をする。今年15才になったノアは今日、小さい頃からの夢であった冒険者になる為だ。



この世界では15才になると教会で【適正】の儀を受けることが出来る。


例えば【斧】の適正を持った者は戦斧を振るう戦士にもなれるし樵として働くことも出来る。


【弓】の適正をもつ父親と【剣士】の適正を持つ母親。両親が時折語る冒険譚を聞く内に冒険者に憧れるのはごく自然な事だった。


そんなノアに両親はある程度の戦闘訓練と<スキル>を身に付けさせるべく暇さえあれば野宿に行ったり狩りに連れ出したり飯に毒を盛ったり(?)した。

「<スキル>の研鑽は続けるのよ?身に付けたとは言えまだまだ及第点だからね。」


「分かった。続けるよ。」


「後な、ノアこれだけは言っとく。冒険者になるからと言って何かを成そうなど考えなくて良い。お前が元気でいればそれだけで十分だ。」


「うん分かった、それじゃ行くよ。」 


それからは振り返らず真っ直ぐ街道に向かう。


「よ!ノア、お前もこれから行くのか?」


振り返ると近所に住むこれまた同じ15才同士のパーティがいた。

【盾】の適正がある筋肉質のタク
【魔術】の適正がある活発な女の子マール
【テイム】の適正がある大人しい女の子ミイと相棒のウルフ2頭という編成。

「お、そっちもこれからか!良さそうなパーティじゃないか。」


「ああ。お陰でな。…で、だ。ホントに良いのか?途中までパーティ組まなくても…」


心配そうにタクが聞いてくる。


「ああ、大丈夫だ。別に急いでる訳じゃないし、それに俺の【適正】もあれだしな…」


「…分かった。頑張れよ。」
「「頑張ってね!」」
「「わふ!」」


3人と2頭の激励を受け手を振って送り出す。


自分の【適正】を思い浮かべひとりごちる。


「のんびり行くとするよ。俺は【ソロ】だしね。」
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