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旅立ち~オードゥス出立まで
『亀王の鉄(くろがね)』
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「これは作り掛けだが『亀王の鉄(くろがね)』ってので出来てる。持ってみな。」
デオから渡された剣を持ち、自然体で立つと剣先が脛の位置に来る。
「おお…丁度良い重さですね。」
「丁度良い、か。それ持って振ってみろ。但し本気でな。」
一瞬躊躇うノアだがデオの目を見て頷き、少し離れた場所に立つ。先程同様振りかぶり
ヒュバッ!
手首から先が霞む程の速さで剣を振る。その勢いで小さく風が起こる。ショートソードと違いノアの持つ剣はびくともしない。
剣を振ったノアですら驚いている。
「くくく、あっはっはっは!
あの剣振りやがった。それに見たかガーラ!振り終わりの剣先が全く振れて無ぇ!
虚勢でも何でもなく本当に丁度良いらしいな!」
大声を上げ笑うデオに呆気に取られるノアとエメラルダ、そんな2人にガーラが近付く。
「あんなに笑うデオは久しぶりだなぁ。
おう坊主、この『亀王の鉄』で作った剣なそれだけで昨日お前さんが持った大剣と同等の重さなんだぜ。」
(なるほど、道理で丁度良い訳だ。)
『亀王の鉄』…火山系ダンジョン『業火』の下層に生息する亀系最上位魔獣『阿羅亀(あらき)』の甲羅。魔法、物理攻撃をほぼ無力化する程の防御力を誇る上に金属の様な性質も併せ持つ為武器としても加工出来る。
大笑いから復帰したデオがノアに話し掛ける。
「あー笑った笑った。悪かったなノア、お前さんの武器はこれで作ろうと思うがどうだ?」
「え!?これでですか?僕は良いですけどこれかなり高価な物じゃないですか?」
名前からして高価な物と判断したノアはどれ程の金額になるかと不安げになる。
「あぁ、仰々しい名前の素材だがそこまで値は張らねぇんだ。
理由は3つある、まずはこの重さだ。この素材で大剣やらハンマーを作りゃ絶大な威力の武器になるが如何せん使えるヤツは限られる。竜人、鬼人、ドワーフ位だろう。
次にこの素材で作った武器には付与魔法が施せない。高密度で強固な上魔法の通りが悪すぎるからな、何度か高位の付与師が挑戦したが失敗に終わった様だ。
最後にこの素材な、別にその亀倒さなくても
甲羅の脱皮でボロボロ落とす。だから比較的安価なんだ。」
「それは良かったです。因みに素材はどれ程ありますか?」
「結構纏まった量はあるが、何だ?もう1本作るか?」
「そうですね。出来れば両手持ちにしたいのと、刺突武器を2本、ちょっと特殊なナイフを2本作って欲しいです。」
「刺突武器?」
ノアは腰に差していたダガーを引き抜きデオに見せる。
「これは先程ダンジョンに潜る前にガーラさんの店で購入した物です。熊を仕留める際に刺突武器として使用したのですが、見ての通り折れてしまいました。」
「…因みに何やった?」
「熊の手を木に縫い付けました。」
「なるほどな…刺突限定で使う予定か?」
「出来ればダガーの様に投擲物としても使用したいです。」
「了解だ。次にナイフだが形状の指定はあるか?」
「現物があれば良かったのですが鎌の様なナイフですね。穴に指を引っ掛けて握り込める様な機構の…」
「あーあったなーそんなナイフ、なんつったっけな…まぁ一応了解した。これらの武器も全部『亀王の鉄』で良いんだな?重量としては合計で大剣3本分位になるが。」
「それ位であれば問題無いです。」
「それ位って…」
「他に製作するものはあるか?例えば背負ってる弓とか。」
「出来れば作って貰いたいです。今も4割位の力で引いてますがこれ以上の力で引くと壊れてしまうので…」
「よし分かった。それの素材については目星はついてる。中層辺りから取れる『魔竹』を使おう。調達する時は中層まで伐採師を同行する必要があるがな。」
「分かりました。因みに伐採師はどちらにいらっしゃいますか?」
「猫獣人が無茶苦茶いる薬草小屋あったろ?あの隣にある。」
素材の目処が立ち、依頼の詰めに入る。
「よし!剣と刺突武器兼ダガー、ナイフ各2本ずつ、剣の長さは今の作り掛け程の長さになるが良いか?」
「大丈夫です。」
「素材はこちらにあるから良い。材料費は剣に大体6万、ダガーに4万、ナイフの方は形状が少し特殊だから5万として大体15万位だと考えといてくれ。
そういやさっき熊仕留めたって事はもう解体には出してるんだろ?柄はその皮を使って布張りにしよう。
鞘とか装着具はガーラに任せても良いな?」
「おう、任せとけ。」
「さて弓だが『魔竹』は最低でも3本は確保しといてくれ。」
「分かりました。」
「じゃあこの後から作り始めるからちょいちょい顔出しに来な。」
ガーラはデオと話があるとの事で店に残るそうだ。
店を後にするノアとエメラルダはギルドの方に向かう。
「ノア君はこの後はどうするのかしら?」
「とりあえずギルドに行って解体依頼の報告と冒険者カードの受取りですね。」
「なら丁度良いわねカードを渡す際に多少手続きがあるの。」
「手続き、ですか…」
「ここじゃなんだしギルドに着いてから話すわ。」
デオから渡された剣を持ち、自然体で立つと剣先が脛の位置に来る。
「おお…丁度良い重さですね。」
「丁度良い、か。それ持って振ってみろ。但し本気でな。」
一瞬躊躇うノアだがデオの目を見て頷き、少し離れた場所に立つ。先程同様振りかぶり
ヒュバッ!
手首から先が霞む程の速さで剣を振る。その勢いで小さく風が起こる。ショートソードと違いノアの持つ剣はびくともしない。
剣を振ったノアですら驚いている。
「くくく、あっはっはっは!
あの剣振りやがった。それに見たかガーラ!振り終わりの剣先が全く振れて無ぇ!
虚勢でも何でもなく本当に丁度良いらしいな!」
大声を上げ笑うデオに呆気に取られるノアとエメラルダ、そんな2人にガーラが近付く。
「あんなに笑うデオは久しぶりだなぁ。
おう坊主、この『亀王の鉄』で作った剣なそれだけで昨日お前さんが持った大剣と同等の重さなんだぜ。」
(なるほど、道理で丁度良い訳だ。)
『亀王の鉄』…火山系ダンジョン『業火』の下層に生息する亀系最上位魔獣『阿羅亀(あらき)』の甲羅。魔法、物理攻撃をほぼ無力化する程の防御力を誇る上に金属の様な性質も併せ持つ為武器としても加工出来る。
大笑いから復帰したデオがノアに話し掛ける。
「あー笑った笑った。悪かったなノア、お前さんの武器はこれで作ろうと思うがどうだ?」
「え!?これでですか?僕は良いですけどこれかなり高価な物じゃないですか?」
名前からして高価な物と判断したノアはどれ程の金額になるかと不安げになる。
「あぁ、仰々しい名前の素材だがそこまで値は張らねぇんだ。
理由は3つある、まずはこの重さだ。この素材で大剣やらハンマーを作りゃ絶大な威力の武器になるが如何せん使えるヤツは限られる。竜人、鬼人、ドワーフ位だろう。
次にこの素材で作った武器には付与魔法が施せない。高密度で強固な上魔法の通りが悪すぎるからな、何度か高位の付与師が挑戦したが失敗に終わった様だ。
最後にこの素材な、別にその亀倒さなくても
甲羅の脱皮でボロボロ落とす。だから比較的安価なんだ。」
「それは良かったです。因みに素材はどれ程ありますか?」
「結構纏まった量はあるが、何だ?もう1本作るか?」
「そうですね。出来れば両手持ちにしたいのと、刺突武器を2本、ちょっと特殊なナイフを2本作って欲しいです。」
「刺突武器?」
ノアは腰に差していたダガーを引き抜きデオに見せる。
「これは先程ダンジョンに潜る前にガーラさんの店で購入した物です。熊を仕留める際に刺突武器として使用したのですが、見ての通り折れてしまいました。」
「…因みに何やった?」
「熊の手を木に縫い付けました。」
「なるほどな…刺突限定で使う予定か?」
「出来ればダガーの様に投擲物としても使用したいです。」
「了解だ。次にナイフだが形状の指定はあるか?」
「現物があれば良かったのですが鎌の様なナイフですね。穴に指を引っ掛けて握り込める様な機構の…」
「あーあったなーそんなナイフ、なんつったっけな…まぁ一応了解した。これらの武器も全部『亀王の鉄』で良いんだな?重量としては合計で大剣3本分位になるが。」
「それ位であれば問題無いです。」
「それ位って…」
「他に製作するものはあるか?例えば背負ってる弓とか。」
「出来れば作って貰いたいです。今も4割位の力で引いてますがこれ以上の力で引くと壊れてしまうので…」
「よし分かった。それの素材については目星はついてる。中層辺りから取れる『魔竹』を使おう。調達する時は中層まで伐採師を同行する必要があるがな。」
「分かりました。因みに伐採師はどちらにいらっしゃいますか?」
「猫獣人が無茶苦茶いる薬草小屋あったろ?あの隣にある。」
素材の目処が立ち、依頼の詰めに入る。
「よし!剣と刺突武器兼ダガー、ナイフ各2本ずつ、剣の長さは今の作り掛け程の長さになるが良いか?」
「大丈夫です。」
「素材はこちらにあるから良い。材料費は剣に大体6万、ダガーに4万、ナイフの方は形状が少し特殊だから5万として大体15万位だと考えといてくれ。
そういやさっき熊仕留めたって事はもう解体には出してるんだろ?柄はその皮を使って布張りにしよう。
鞘とか装着具はガーラに任せても良いな?」
「おう、任せとけ。」
「さて弓だが『魔竹』は最低でも3本は確保しといてくれ。」
「分かりました。」
「じゃあこの後から作り始めるからちょいちょい顔出しに来な。」
ガーラはデオと話があるとの事で店に残るそうだ。
店を後にするノアとエメラルダはギルドの方に向かう。
「ノア君はこの後はどうするのかしら?」
「とりあえずギルドに行って解体依頼の報告と冒険者カードの受取りですね。」
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