80 / 1,117
旅立ち~オードゥス出立まで
放せっ!
しおりを挟む
「はっ!放せっ!放せーっ!死に、死にたくない!」
ノアとジョーの話を聞いた片方が突然叫び出す。
「待て!ガッツ!」
「嫌だ!嫌だー!死ぬのは御免だ!」
「君、関係無いのだろう?なら何故叫ぶ?」
「俺!俺はその場にいた!」
「待てっつってんだろ!ガッツ!」
「街にモンスターを押し掛けたのは俺達だ!
は、早く!今すぐその薬をくれ!」
そう叫んだ後ベルドラッドは拘束を解くとガッツは一目散にジョーが持つ小瓶を取ろうとするが、ジョーの手に自分の手が当たり小瓶が落下。
パリーン!
「うわぁあああああああああああああ!」
ガッツは床に這いつくばって溢れた薬品を舐め取ろうとする。
ノアがジョーに「どうです?」みたいな顔をするとジョーは「無理だね。」みたいな顔をして首を振る。
そのやり取りを見たガッツは徐に立ち上がり
「て、てめぇらは最後の最後まで俺らに迷惑かけやがって、死んだら恨ん「死なないよ。」
「え!?」
「死なないよ、毒の話はこちらが用意した嘘だからな。
こんなに簡単にゲロってくれて助かったよ。」
周りを見るとジョーを始め、協力してくれた面々がニヤリと笑う。
ジェイルパーティは隠しているつもりだろうが体を震わせて笑いを堪えている。
未だに取り押さえられているバッツは顔を真っ赤にしている。
その光景を見たガッツは急速に顔を赤くし
「だ!騙したな!?」
「犯罪者を炙り出す為に騙して何が悪い?」
「は、犯罪者だと?」
「お前はその歳で知らんのなら余程のアホだな。
街への押し付けは極刑にあたる罪だ、即処刑されないだけ温情だと思え!」
「俺らはただこの街で受けた仕打ちを晴らすために…」
「仕打ちってのはズタボロの素材を適正価格で買い取って貰わなかった事とか故意にギルド内で抜剣した罰を受けた事か?
言っておくがお前らが街に来てからの行動は時系列的に記録が取られているから言い逃れは出来んぞ!」
ベルドラッドがそう言うとバッツとガッツは口をパクパクとさせるだけで言葉が出てこない様だ。
(へー、いつの間にそんな事を…職員の中にそういう役割の人でもいるのかな…?)
等と考えていると
「おうアリッサ、そいつと一緒にこいつも一旦守衛所に連行するぞ!」
バッツとガッツが力無く項垂れている。
この状態であれば後は隊員らに任せるとしよう。
と、したのだが突然バッツが叫ぶ。
「ガッツ!"かませぇ"!」
「『エクスプロージョン!!』」
ズドォオン!
ギルド内で爆発魔法が放たれた。
近くにいた職員のキョーコとベルドラッドは咄嗟に防御魔法を、アリッサは盾持ちの竜牙兵を召喚。
ノアは咄嗟にジョーを爆発地点より離す為に押し、直ぐにクロラの元へ向かう。
ポーラがロゼ、ジェイル、クロラを守る為に張った結界の範囲がギリギリ足りなかったからだ。
床板を踏み壊す程の勢いで近付き、クロラに覆い被さるとその直後に背後で爆発が発生。
「ぅぐぁああっ!」
瞬間的に剥き出しの腕の肌が焼け、飛散した床板等の破片が背中、太腿、腕等に突き刺さる。
ノアは目の前のクロラに怪我が無いのを確認して一安心する。
ダン!ダン!
2人分の足音がギルドから出ていくのを感じ、直ぐに駆け出す。
体の所々から激痛が走るが構わず走る。
「へっ!俺らを騙したば「待てぇお前らぁ!」」
「「ひ、ひい!?」」
煙の中から赤黒い目のノアが飛び出し悲鳴を上げる両名。
だが踏ん張る度に激痛が走り思う様に体が動かせないノア。
すると両名の姿が徐々に薄くなっていく。
(何だ!?適正の力か?)
完全に見えないと言う訳ではないが集中しないと見逃してしまいそうになる。
そのままギルドから出る2人は素早く逃げ始めた。
「は、速ぇ!何だあのガキ!?」
「分からんがこのままじゃまずい!<分身>を使え!」
そう叫ぶと姿が薄くなった両名が更に3人分追加され四方に散り始めた。
数瞬遅れて<気配感知>の反応が比較的強い方の分身を追う。
「くそっ!何でこっちが本物だと分かりやがった!?」
「今はどうでもいい、とりあえず潜れ!」
両名の進行方向にはダンジョンの入口が見えた。
(くっ…中に入られたら流石に見失う…)
いつもの速度で追おうとするが上手く足が動かない。
そのまま両名がダンジョンに侵入した。
それを見届けると糸が切れたかの様にその場に崩れ落ちる。
体を起こすも力が入らない、ノアが追いかけた道には所々血の跡が残っていた。
「ノア君!?まずい、血を流し過ぎてる!」
「アリッサ!薬草小屋に行ってチノアラシと職員を数人呼んできてくれ!」
「え、ええ!」
「ベルドラッドは隊員を召集して2人の捜索を!急げ!」
「わ、分かった!」
ジョーがアリッサ、ベルドラッドに指示を出す。
その声を最後にノアの意識は落ちていった。
「……っ…う……ぐっ、いででっ!」
意識を取り戻したノアは俯せの状態から起き上がろうとすると火傷と縫合した傷の痛みで顔をしかめる。
現在ノアが寝ていたのは普段から泊まっている宿のベッドの様だ。
自分の寝ているベッドの端を掴んで体を引き寄せる。
痛みに耐えながらベッドから下りようとすると眩暈が起こり床に崩れ落ちる。
ドサッ! パタパタパタ… ガチャ!
「ノア君!?」
部屋に入ってきたのはクロラだった。
ベッドから落ちたノアに駆け寄り、体をベッドに戻す。
「ぐ…ごめんね。」
「ううん…いいの。」
「怪我はありませんでしたか?」
「うん、皆無事だったよ。ノア君、は?」
「昨日ジョーさんから買った栄養剤飲めばこんな傷なんか直ぐですよ。」
「そう…なんだ。」
「うん、だから大丈夫、泣かないで。」
その後アイテムボックスから万能薬を取り出し一気に飲み干す。
結果としては火傷と眩暈は治ったが刺さった破片とかで出来た傷は治らなかった。
着替えを済ませ、回復玉を2個口に放り込んでバリバリと食べると暫くして傷が塞がった。
2人で下へ下りるとジェイルパーティとジョー、ベルドラッドがいた。
「おう!もう大丈夫か?」
「ノア君無事だったか。」
「いやー昨日は焦ったよーノア君。」
「無事だったか少年。」
「見た所大丈夫そうだねノア君。」
「ご迷惑おかけしました。」
皆に向け礼をする。
「それで2人は?」
「君がダンジョンに追い込んで以降行方不明だ。
隊員をダンジョンに送ったから捕まるのも時間の問題だろう。」
「そうですか…
ちなみにあいつらの適正って何なんですか?
逃走の際魔法使いましたし、姿消したり、分身したりで…」
「それで気になって調べてみたらな、あいつら<隠蔽>使って適正を偽ってやがった。」
<隠蔽>…自身のスキル、適正を1つだけ隠すスキル。盗賊から王族まで幅広い分野で使われる。
「それであいつらの適正って何だったんですか?」
「聞いて驚くな?あいつら【万能】だったよ。」
ノアとジョーの話を聞いた片方が突然叫び出す。
「待て!ガッツ!」
「嫌だ!嫌だー!死ぬのは御免だ!」
「君、関係無いのだろう?なら何故叫ぶ?」
「俺!俺はその場にいた!」
「待てっつってんだろ!ガッツ!」
「街にモンスターを押し掛けたのは俺達だ!
は、早く!今すぐその薬をくれ!」
そう叫んだ後ベルドラッドは拘束を解くとガッツは一目散にジョーが持つ小瓶を取ろうとするが、ジョーの手に自分の手が当たり小瓶が落下。
パリーン!
「うわぁあああああああああああああ!」
ガッツは床に這いつくばって溢れた薬品を舐め取ろうとする。
ノアがジョーに「どうです?」みたいな顔をするとジョーは「無理だね。」みたいな顔をして首を振る。
そのやり取りを見たガッツは徐に立ち上がり
「て、てめぇらは最後の最後まで俺らに迷惑かけやがって、死んだら恨ん「死なないよ。」
「え!?」
「死なないよ、毒の話はこちらが用意した嘘だからな。
こんなに簡単にゲロってくれて助かったよ。」
周りを見るとジョーを始め、協力してくれた面々がニヤリと笑う。
ジェイルパーティは隠しているつもりだろうが体を震わせて笑いを堪えている。
未だに取り押さえられているバッツは顔を真っ赤にしている。
その光景を見たガッツは急速に顔を赤くし
「だ!騙したな!?」
「犯罪者を炙り出す為に騙して何が悪い?」
「は、犯罪者だと?」
「お前はその歳で知らんのなら余程のアホだな。
街への押し付けは極刑にあたる罪だ、即処刑されないだけ温情だと思え!」
「俺らはただこの街で受けた仕打ちを晴らすために…」
「仕打ちってのはズタボロの素材を適正価格で買い取って貰わなかった事とか故意にギルド内で抜剣した罰を受けた事か?
言っておくがお前らが街に来てからの行動は時系列的に記録が取られているから言い逃れは出来んぞ!」
ベルドラッドがそう言うとバッツとガッツは口をパクパクとさせるだけで言葉が出てこない様だ。
(へー、いつの間にそんな事を…職員の中にそういう役割の人でもいるのかな…?)
等と考えていると
「おうアリッサ、そいつと一緒にこいつも一旦守衛所に連行するぞ!」
バッツとガッツが力無く項垂れている。
この状態であれば後は隊員らに任せるとしよう。
と、したのだが突然バッツが叫ぶ。
「ガッツ!"かませぇ"!」
「『エクスプロージョン!!』」
ズドォオン!
ギルド内で爆発魔法が放たれた。
近くにいた職員のキョーコとベルドラッドは咄嗟に防御魔法を、アリッサは盾持ちの竜牙兵を召喚。
ノアは咄嗟にジョーを爆発地点より離す為に押し、直ぐにクロラの元へ向かう。
ポーラがロゼ、ジェイル、クロラを守る為に張った結界の範囲がギリギリ足りなかったからだ。
床板を踏み壊す程の勢いで近付き、クロラに覆い被さるとその直後に背後で爆発が発生。
「ぅぐぁああっ!」
瞬間的に剥き出しの腕の肌が焼け、飛散した床板等の破片が背中、太腿、腕等に突き刺さる。
ノアは目の前のクロラに怪我が無いのを確認して一安心する。
ダン!ダン!
2人分の足音がギルドから出ていくのを感じ、直ぐに駆け出す。
体の所々から激痛が走るが構わず走る。
「へっ!俺らを騙したば「待てぇお前らぁ!」」
「「ひ、ひい!?」」
煙の中から赤黒い目のノアが飛び出し悲鳴を上げる両名。
だが踏ん張る度に激痛が走り思う様に体が動かせないノア。
すると両名の姿が徐々に薄くなっていく。
(何だ!?適正の力か?)
完全に見えないと言う訳ではないが集中しないと見逃してしまいそうになる。
そのままギルドから出る2人は素早く逃げ始めた。
「は、速ぇ!何だあのガキ!?」
「分からんがこのままじゃまずい!<分身>を使え!」
そう叫ぶと姿が薄くなった両名が更に3人分追加され四方に散り始めた。
数瞬遅れて<気配感知>の反応が比較的強い方の分身を追う。
「くそっ!何でこっちが本物だと分かりやがった!?」
「今はどうでもいい、とりあえず潜れ!」
両名の進行方向にはダンジョンの入口が見えた。
(くっ…中に入られたら流石に見失う…)
いつもの速度で追おうとするが上手く足が動かない。
そのまま両名がダンジョンに侵入した。
それを見届けると糸が切れたかの様にその場に崩れ落ちる。
体を起こすも力が入らない、ノアが追いかけた道には所々血の跡が残っていた。
「ノア君!?まずい、血を流し過ぎてる!」
「アリッサ!薬草小屋に行ってチノアラシと職員を数人呼んできてくれ!」
「え、ええ!」
「ベルドラッドは隊員を召集して2人の捜索を!急げ!」
「わ、分かった!」
ジョーがアリッサ、ベルドラッドに指示を出す。
その声を最後にノアの意識は落ちていった。
「……っ…う……ぐっ、いででっ!」
意識を取り戻したノアは俯せの状態から起き上がろうとすると火傷と縫合した傷の痛みで顔をしかめる。
現在ノアが寝ていたのは普段から泊まっている宿のベッドの様だ。
自分の寝ているベッドの端を掴んで体を引き寄せる。
痛みに耐えながらベッドから下りようとすると眩暈が起こり床に崩れ落ちる。
ドサッ! パタパタパタ… ガチャ!
「ノア君!?」
部屋に入ってきたのはクロラだった。
ベッドから落ちたノアに駆け寄り、体をベッドに戻す。
「ぐ…ごめんね。」
「ううん…いいの。」
「怪我はありませんでしたか?」
「うん、皆無事だったよ。ノア君、は?」
「昨日ジョーさんから買った栄養剤飲めばこんな傷なんか直ぐですよ。」
「そう…なんだ。」
「うん、だから大丈夫、泣かないで。」
その後アイテムボックスから万能薬を取り出し一気に飲み干す。
結果としては火傷と眩暈は治ったが刺さった破片とかで出来た傷は治らなかった。
着替えを済ませ、回復玉を2個口に放り込んでバリバリと食べると暫くして傷が塞がった。
2人で下へ下りるとジェイルパーティとジョー、ベルドラッドがいた。
「おう!もう大丈夫か?」
「ノア君無事だったか。」
「いやー昨日は焦ったよーノア君。」
「無事だったか少年。」
「見た所大丈夫そうだねノア君。」
「ご迷惑おかけしました。」
皆に向け礼をする。
「それで2人は?」
「君がダンジョンに追い込んで以降行方不明だ。
隊員をダンジョンに送ったから捕まるのも時間の問題だろう。」
「そうですか…
ちなみにあいつらの適正って何なんですか?
逃走の際魔法使いましたし、姿消したり、分身したりで…」
「それで気になって調べてみたらな、あいつら<隠蔽>使って適正を偽ってやがった。」
<隠蔽>…自身のスキル、適正を1つだけ隠すスキル。盗賊から王族まで幅広い分野で使われる。
「それであいつらの適正って何だったんですか?」
「聞いて驚くな?あいつら【万能】だったよ。」
210
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる