110 / 1,117
旅立ち~オードゥス出立まで
ダンジョンに入って4時間
しおりを挟む
ダンジョンに入って4時間。
現在上層4階への坂を下ってる途中である。
比較的動物やモンスターとの遭遇が少ない事以外は順調なダンジョン探索と言える。
黙々と探索するのも何なので他愛の無い会話をしつつ進む。
「今更だけどノア君やクロラはどうして冒険者を目指したんだい?
ロゼとポーラとは同じ村の出だから理由は知ってるのだが、何か目標とかあるのかなってね。
ちなみに僕らのいた村では【適正】の儀を受けた者は最低1年は世の中を見てこいって事で村を出されるんだ。
元々仲が良かった事もあって一緒にパーティを組んでいるのさ。」
「あたしはそんなジェイルの事が心配だから一緒に組んでるパーティその1。
ジェイルと一緒ならどこでも行っちゃうよ。」
そう言いながらジェイルの腕にしがみつくロゼ、ジェイルは気恥ずかしそうにしている。
「私もロゼと同じで、ジェイルの事が心配だから一緒に組んでるパーティその2よ。
まぁ伴侶云々の話はロゼで確定だけどね。」
「お、おい、ポーラ…」
(へぇ…村のしきたりか、そういった事もあるんだなぁ…)
等とノアが考えているとクロラが話し出す。
「私は前に少し話した事あるかもしれませんが、本当であれば一昨年から冒険者を始める予定でした。
ただ私の家族は5人兄弟の真ん中というのもあってお兄ちゃん2人が家を出ている状況なので下の弟達が働き手として成長するまで待ってくれと両親に言われて…
それで今年から冒険者になったんですけどバッツとガッツと無理矢理組む羽目に…」
「あぁ…、お兄さん2人も冒険者に?」
「いや、2人共王都で【金細工】と【料理人】として働いてるみたいなの。」
「へー、あまり聞いた事無い適正ですね。」
「その分重宝されてるみたいだけどここ最近の素材不足で2人共大変みたい。」
いかに腕が立とうとも素材がなければ話にならない。
ジョーが以前話したフリアダビア、今は前哨基地になってる場所に物資を送り続けている様だがいつまでこの素材不足の状況が続く事やら。
「それで、少年はどうして冒険者に?」
「あぁ、僕でしたか。
僕は生まれた時から11歳の頃までは村の外には出られない程体が弱く、このまま一生村の中で過ごすんだろうな、って思ってました。
唯一の楽しみは時折父さんと母さんが話す冒険者時代の思い出話に思いを馳せる事でした。」
快活なノアしか見た事が無い面々は本人からの発言ではあるのだが上手く飲み込めずにいた。
「12歳頃を境に急に体の調子が良くなってきて、今まで出来なかった事が色々出来る様になったんです。
跳んだり、走ったり、両親の手伝いしたり、母さんの真似して剣を振ったり、父さんの真似して弓を射ったり…
それである時両親に言ったんです。
"冒険者になりたい"って、最初は反対されたんですけどね…
しつこい位言い続けたら母さん
が条件を出したんです。
"父さんと母さんが出す試験に合格すれば冒険者になる事を認める"ってね。」
当初両親は直ぐに音を上げるだろうと思っていたようだがその全ての試験にノアは合格していった。
冒険者になるのを認めたくない訳では無いが、今まで過保護に育てたせいか2人は熱を入れて徹底的に仕込んでいったそうだ。
「当初はそこそこ戦える程度に仕込むつもりが、いつの間にか1人で野盗の集団を全滅させられる程にまで強くなっちゃった、って所だね。
まぁ、【ソロ】が発現した時は"やり過ぎ位が丁度良いな"って言ってもっと酷…厳しい試験を課される事になったけどね…」
「そこまでの力を手に入れて何か夢でもあるのかい?」
「実を言うと特に決まってないんですよね。
親からも"何かを成そうとしなくていい"って言われてますので、困ってる人を助けつつとりあえず王都に着いてから考えようかな、って。」
「という事はノア君この街出たら王都に向かうんだね?」
「まぁ、ぶらぶらしながらなので真っ直ぐ向かう事は無いでしょうが…」
一通り全員の話が終わった所で4階に到着、相変わらず周囲に反応は無い。
「うーん…やっぱり誰かが自分達より先に来て狩り尽くしちゃったかな?」
<…キン!>
<…ドガッ!>
<…あいよ!>
「あ、この先で誰か戦ってる様だ。邪魔にならない範囲で見てくるよ。」
そう言って駆け出すノアを追う形でジェイル達も続く。
「よぅし!一丁上がり!」
「バルドロ、ガルベラお疲れ様。」
「あんまり体力使っちゃいないよ。
流石に熊位なら楽に倒せる様になったってのもあるし、ルドとミラの<気配感知>のお陰で奇襲が出来るんだ、格段に狩りが楽になったよ。」
「うーん…今度俺にも教えて貰うよう頼むかな…」
「その方が良い…ん!?背後から反応が…」
「人か動物どっちだ?」
「距離があってまだ分からないが真っ直ぐこちらに来てる、速さで言ったらウルフ並みだ!」
「よし!じゃあウルフだな!出会い頭にぶった斬ってやるぜ!」
バルドロは大剣を腰の位置で構え相手が飛び出して来るのを待つ。
「おーい!?待て待て、どっちか分から
ガサガサッ! ブォンッ! ガシッ!
「ウルフじゃなくてごめん、声掛ければ良かったね。」
バルドロが振った大剣の柄をノアがガシリと掴む。
「あ!?ノ、ノア君じゃないか!?バルドロ!武器仕舞え!武器!」
「す、すまない、ウルフ並みの速さらしいので人間とは思わなかった…」
「先走り過ぎだよバルドロ!」
ドガッ! 「あででっ!?」
先走ったバルドロに対して蹴りを入れるガルベラ。
「ノア君、すまなかった、もう少し早く止めてたら…」
「まぁ僕で良かったよ、他の人もいるから次から気を付けてくれれば良いよ。」
「他の人?今日は1人じゃないのかい?」
そんな事を話していると丁度良い時にジェイルパーティの面々が到着する。
「実はパーティに同行して行ける所まで行かないかって誘われてたんだ。
今日の早朝から潜ってたんだが全くと言って良い程動物やモンスターに会わないからどうしたんだろう、と考えていたら戦闘音が聞こえてね、それでここに来たんだ。」
「なるほどね。僕らが狩り尽くしてたからそちらまで行かなかったんだな…」
「いやいや、気にしないでくれ。
お陰でスキル取得に大分時間が割けたんだ。」
「え!?スキル取得!?も、もしかして、ノア君に…?」
「ああ、そうだよ、特に隠してる訳でも無いから取得に手を貸してるのさ。」
この話を受け、ルドルフはパーティの面々に目配せを送る。
「なぁ、もしそちらが良ければで良いのだが、俺達も一緒に同行しても良いだろうか?」
現在上層4階への坂を下ってる途中である。
比較的動物やモンスターとの遭遇が少ない事以外は順調なダンジョン探索と言える。
黙々と探索するのも何なので他愛の無い会話をしつつ進む。
「今更だけどノア君やクロラはどうして冒険者を目指したんだい?
ロゼとポーラとは同じ村の出だから理由は知ってるのだが、何か目標とかあるのかなってね。
ちなみに僕らのいた村では【適正】の儀を受けた者は最低1年は世の中を見てこいって事で村を出されるんだ。
元々仲が良かった事もあって一緒にパーティを組んでいるのさ。」
「あたしはそんなジェイルの事が心配だから一緒に組んでるパーティその1。
ジェイルと一緒ならどこでも行っちゃうよ。」
そう言いながらジェイルの腕にしがみつくロゼ、ジェイルは気恥ずかしそうにしている。
「私もロゼと同じで、ジェイルの事が心配だから一緒に組んでるパーティその2よ。
まぁ伴侶云々の話はロゼで確定だけどね。」
「お、おい、ポーラ…」
(へぇ…村のしきたりか、そういった事もあるんだなぁ…)
等とノアが考えているとクロラが話し出す。
「私は前に少し話した事あるかもしれませんが、本当であれば一昨年から冒険者を始める予定でした。
ただ私の家族は5人兄弟の真ん中というのもあってお兄ちゃん2人が家を出ている状況なので下の弟達が働き手として成長するまで待ってくれと両親に言われて…
それで今年から冒険者になったんですけどバッツとガッツと無理矢理組む羽目に…」
「あぁ…、お兄さん2人も冒険者に?」
「いや、2人共王都で【金細工】と【料理人】として働いてるみたいなの。」
「へー、あまり聞いた事無い適正ですね。」
「その分重宝されてるみたいだけどここ最近の素材不足で2人共大変みたい。」
いかに腕が立とうとも素材がなければ話にならない。
ジョーが以前話したフリアダビア、今は前哨基地になってる場所に物資を送り続けている様だがいつまでこの素材不足の状況が続く事やら。
「それで、少年はどうして冒険者に?」
「あぁ、僕でしたか。
僕は生まれた時から11歳の頃までは村の外には出られない程体が弱く、このまま一生村の中で過ごすんだろうな、って思ってました。
唯一の楽しみは時折父さんと母さんが話す冒険者時代の思い出話に思いを馳せる事でした。」
快活なノアしか見た事が無い面々は本人からの発言ではあるのだが上手く飲み込めずにいた。
「12歳頃を境に急に体の調子が良くなってきて、今まで出来なかった事が色々出来る様になったんです。
跳んだり、走ったり、両親の手伝いしたり、母さんの真似して剣を振ったり、父さんの真似して弓を射ったり…
それである時両親に言ったんです。
"冒険者になりたい"って、最初は反対されたんですけどね…
しつこい位言い続けたら母さん
が条件を出したんです。
"父さんと母さんが出す試験に合格すれば冒険者になる事を認める"ってね。」
当初両親は直ぐに音を上げるだろうと思っていたようだがその全ての試験にノアは合格していった。
冒険者になるのを認めたくない訳では無いが、今まで過保護に育てたせいか2人は熱を入れて徹底的に仕込んでいったそうだ。
「当初はそこそこ戦える程度に仕込むつもりが、いつの間にか1人で野盗の集団を全滅させられる程にまで強くなっちゃった、って所だね。
まぁ、【ソロ】が発現した時は"やり過ぎ位が丁度良いな"って言ってもっと酷…厳しい試験を課される事になったけどね…」
「そこまでの力を手に入れて何か夢でもあるのかい?」
「実を言うと特に決まってないんですよね。
親からも"何かを成そうとしなくていい"って言われてますので、困ってる人を助けつつとりあえず王都に着いてから考えようかな、って。」
「という事はノア君この街出たら王都に向かうんだね?」
「まぁ、ぶらぶらしながらなので真っ直ぐ向かう事は無いでしょうが…」
一通り全員の話が終わった所で4階に到着、相変わらず周囲に反応は無い。
「うーん…やっぱり誰かが自分達より先に来て狩り尽くしちゃったかな?」
<…キン!>
<…ドガッ!>
<…あいよ!>
「あ、この先で誰か戦ってる様だ。邪魔にならない範囲で見てくるよ。」
そう言って駆け出すノアを追う形でジェイル達も続く。
「よぅし!一丁上がり!」
「バルドロ、ガルベラお疲れ様。」
「あんまり体力使っちゃいないよ。
流石に熊位なら楽に倒せる様になったってのもあるし、ルドとミラの<気配感知>のお陰で奇襲が出来るんだ、格段に狩りが楽になったよ。」
「うーん…今度俺にも教えて貰うよう頼むかな…」
「その方が良い…ん!?背後から反応が…」
「人か動物どっちだ?」
「距離があってまだ分からないが真っ直ぐこちらに来てる、速さで言ったらウルフ並みだ!」
「よし!じゃあウルフだな!出会い頭にぶった斬ってやるぜ!」
バルドロは大剣を腰の位置で構え相手が飛び出して来るのを待つ。
「おーい!?待て待て、どっちか分から
ガサガサッ! ブォンッ! ガシッ!
「ウルフじゃなくてごめん、声掛ければ良かったね。」
バルドロが振った大剣の柄をノアがガシリと掴む。
「あ!?ノ、ノア君じゃないか!?バルドロ!武器仕舞え!武器!」
「す、すまない、ウルフ並みの速さらしいので人間とは思わなかった…」
「先走り過ぎだよバルドロ!」
ドガッ! 「あででっ!?」
先走ったバルドロに対して蹴りを入れるガルベラ。
「ノア君、すまなかった、もう少し早く止めてたら…」
「まぁ僕で良かったよ、他の人もいるから次から気を付けてくれれば良いよ。」
「他の人?今日は1人じゃないのかい?」
そんな事を話していると丁度良い時にジェイルパーティの面々が到着する。
「実はパーティに同行して行ける所まで行かないかって誘われてたんだ。
今日の早朝から潜ってたんだが全くと言って良い程動物やモンスターに会わないからどうしたんだろう、と考えていたら戦闘音が聞こえてね、それでここに来たんだ。」
「なるほどね。僕らが狩り尽くしてたからそちらまで行かなかったんだな…」
「いやいや、気にしないでくれ。
お陰でスキル取得に大分時間が割けたんだ。」
「え!?スキル取得!?も、もしかして、ノア君に…?」
「ああ、そうだよ、特に隠してる訳でも無いから取得に手を貸してるのさ。」
この話を受け、ルドルフはパーティの面々に目配せを送る。
「なぁ、もしそちらが良ければで良いのだが、俺達も一緒に同行しても良いだろうか?」
147
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる