113 / 1,117
旅立ち~オードゥス出立まで
王都直轄調査隊最終報告書
しおりを挟む
王都直轄調査隊最終報告書
・今回オードゥスで出現した『女鏖蜂』『鎧蜂』は『侵蝕竜』の『魔力杭』によるものである事が確定。
・『魔力杭』による魔素上昇は既に規定値近くまで下がっており、再発生の可能性は限りなく無いものと考えられる。
・尚、下層に出現していた『吸血樹・パラギオン』は計6回の調査の結果既に消失。
・『女鏖蜂』『鎧蜂』を討伐した新人冒険者(ノア 15歳)を『レベル7相当』とする。
・また調査の為、街に滞在中に発生した押し付けは『バッツ』『ガッツ』両名によるものと断定。
・上層~中層のモンスターを引き連れて来たがこれも新人冒険者(ノア 15歳)が異変に気付き、最前線で戦闘。
一時離脱するも直ぐ様復帰、バトルベア3頭を討伐して街への被害無しで終了。
防衛戦の功績により、新人冒険者(ノア 15歳)を『レベル6相当』とする。
・また『バッツ』『ガッツ』両名は逃亡の末、下層最奥のバーサークベアの子を殺し、再び街への押し付けを画策するも両名共に死亡。
二次被害としてバーサークベアが中層へ進行、見張りの調査隊員2名、探索中の他新人冒険者パーティを襲撃するもこれも新人冒険者(ノア 15歳)が討伐、隊員2名は重症、新人冒険者パーティは2名負傷。
・バーサークベア討伐の功績により、新人冒険者(ノア 15歳)を『レベル5相当』とする。
また、情報屋とその一派からの情報、隊員らから見た彼の印象、戦いぶり等から王都に来た際彼に【鬼神】の二つ名を授けて貰いたい。
・尚、情報屋から彼は『青』と判明。
人柄も良いので誘ってみて頂きたいのだが、興味本位で戦いを挑むのは止めて下さい。
「大体こんなものかな。」
「それにしてもこの歳で二つ名が【鬼神】ってゴツ過ぎませんか?」
「いやいや…彼の戦いっぷりを見ただろう?
一方的な戦い、圧倒的火力に殲滅力、【鬼神】と言わずに何と言う?」
「俺、ベルドラッドさんがボッコボコにやられてるの初めて見ましたよ…」
「彼なら『侵蝕竜』も…いや、先走り過ぎだな。」
「そうですよ。まだまだ問題は山積みなんですよ?王都近郊の野盗団の殲滅、山間部に現在進行形でゴブリンが大繁殖起こしてたり、難民の保護だってまだなんですから…」
「う、む…確かにな…
いや、待てよ…ダメ元で王都に"要請弾"を申請してみるか…」
「え!?"要請弾"ですか?
確かに"要請弾"の許可が下りればこちらとしては楽ですけど…
新人冒険者に許可下りますかね、"要請弾"、普通は中級冒険者か上級冒険者に渡される物では?」
「そこは多分大丈夫でしょ、ノア君は新人冒険者とはいえ『レベル5』よ?
それに国王って変な人だからこういう事も案外あっさり許可下してくれるかも。」
"要請弾"の許可について口を挟むアリッサ。
「おい…どこに情報屋がいるか分からんのだ、国王の悪口は言わん方が良いぞ。」
「私の<存在感知>に引っ掛かって無いんだから大丈夫でしょ。」
「まぁ、今のは聞かなかった事にする。
この報告書を渡したら直ぐに王都に戻るぞ。」
「そういえばノア君は今頃ダンジョンか…
最後に挨拶位したかったな…」
「まぁ、彼らの行き先は王都のようですし、近い内にまた会えるでしょう。」
「ねぇ、ベルドラッドさん。彼ら、バーサークベアの事気にしてたけど下層に下りても大丈夫なの?」
「あぁ、討伐してまだ数日だし次湧くとしても10日以上先だ。
あのレベルのモンスターともなると必要な魔素も結構な物だからな、恐らくバーサークベアが湧く頃には『魔力杭』の魔素も枯渇するだろう。」
「そう…なら安心ね。」
世間話が一段落した所で部屋に隊員が1人入って来る。
「失礼します。各隊帰還準備完了しました。」
「む、もうそんな時間か…
早い所、要請弾の一文を書いて"情報屋"に報告書を渡さねば…」
「お呼びですかな?」
「「「うおっ!?」」」
いつの間にかベルドラッド、アリッサ、隊員らの背後に立っていたのは黒いフードを目深に被った男性だった。
「ちょっとびっくりさせないでよ…ってかあなた何で<存在感知>に引っ掛からない訳?」
「ふっふっふ、そんなんじゃまだまだですよアリッサさん。」
「何ですって?」
「下位スキルと僅かな物音と気配だけで私の位置を特定したノア君には到底及ばない。」
男性の一言に驚く一同。
王都で活動する彼等は知っている、王都で暗躍する諜報部の隠密性能を。
実は今回諜報部の人間は彼を含め5人程この街に潜伏している。
彼自身元々別の任務を受けていたが、エメラルダからの調査依頼に続いて女鏖蜂の出現を受け、引き続き調査を行っていた。
隊員達もまさか諜報部の人間がこの街に5人もいるとは思っていない。
と言うか普通に探す位では到底彼等を見付ける事は出来ない。
音も無く、気配も出さず、影も消し、振動も立てない。
それでもその場所を通った時の痕跡までは消せない為、その僅かな差異を見極めて異変と感じ取れるだけの注意深さが必要になる。
当時は男性の気配を感じたノアが色々画策して捜索したのだが見付ける事は叶わなかった。
しかし、本来相手に不審がられる事すらあってはならない諜報部にとってノアは手強い相手共言える。
「いや~諜報部に入って久しいが彼程尾行するのに苦労したのは初めてだ。ははは。」
諜報部は職業柄、少しの機微も察せられ無いよう感情をあまり表には出さない。
なのでこの男性がノアの尾行について話すという事は余程の事と言える。
「あぁ、すまない、話が反れてしまった。
とりあえず報告書は預かろう。
そしてベルドラッド、アリッサ、2人に手紙を渡そう。国王からだ。」
「え?国王から?今回の調査依頼の報酬かしら。」
「だと良いがな…どれどれ…」
『ベルドラッド、アリッサ、今回のオードゥスへの調査、同行誠に感謝する。
さて本題だが、今回の『女鏖蜂』『鎧蜂』の討伐、街の防衛、『バーサークベア』の討伐の功労者に対して己の私欲、又は興味本意での戦闘をするとは何事か。
よって私から直々に裁きを下す故、さっさと王都に戻って来い。
あとアリッサ、私が変な人で悪かったな。』
渡された手紙を見てフルフルと小刻みに震えるベルドラッドとアリッサ。
「ち、違う!私は調査の一環で彼の固有スキルの調査を…」
『ある程度君の実力も見ておきたいからな。多少は楽しませてくれぃ…』
フードを被った男性が持っていた護符の様な物からベルドラッドの声が聞こえる。
「そ、それは…」
「言質は取れてるから言い逃れは出来んぞ。
アリッサ、君のもちゃーんと録ってあるから下手な言い訳はしない方が良い。」
男性の言葉に観念したのか2人はどんよりとした空気を漂わせながら部屋を出る。
「残りの隊員達は引き続き、帰還準備の方を。
私は引き続き任務がありますのでこれで失礼します。」
そう言って男性はその場から姿を消した。
・今回オードゥスで出現した『女鏖蜂』『鎧蜂』は『侵蝕竜』の『魔力杭』によるものである事が確定。
・『魔力杭』による魔素上昇は既に規定値近くまで下がっており、再発生の可能性は限りなく無いものと考えられる。
・尚、下層に出現していた『吸血樹・パラギオン』は計6回の調査の結果既に消失。
・『女鏖蜂』『鎧蜂』を討伐した新人冒険者(ノア 15歳)を『レベル7相当』とする。
・また調査の為、街に滞在中に発生した押し付けは『バッツ』『ガッツ』両名によるものと断定。
・上層~中層のモンスターを引き連れて来たがこれも新人冒険者(ノア 15歳)が異変に気付き、最前線で戦闘。
一時離脱するも直ぐ様復帰、バトルベア3頭を討伐して街への被害無しで終了。
防衛戦の功績により、新人冒険者(ノア 15歳)を『レベル6相当』とする。
・また『バッツ』『ガッツ』両名は逃亡の末、下層最奥のバーサークベアの子を殺し、再び街への押し付けを画策するも両名共に死亡。
二次被害としてバーサークベアが中層へ進行、見張りの調査隊員2名、探索中の他新人冒険者パーティを襲撃するもこれも新人冒険者(ノア 15歳)が討伐、隊員2名は重症、新人冒険者パーティは2名負傷。
・バーサークベア討伐の功績により、新人冒険者(ノア 15歳)を『レベル5相当』とする。
また、情報屋とその一派からの情報、隊員らから見た彼の印象、戦いぶり等から王都に来た際彼に【鬼神】の二つ名を授けて貰いたい。
・尚、情報屋から彼は『青』と判明。
人柄も良いので誘ってみて頂きたいのだが、興味本位で戦いを挑むのは止めて下さい。
「大体こんなものかな。」
「それにしてもこの歳で二つ名が【鬼神】ってゴツ過ぎませんか?」
「いやいや…彼の戦いっぷりを見ただろう?
一方的な戦い、圧倒的火力に殲滅力、【鬼神】と言わずに何と言う?」
「俺、ベルドラッドさんがボッコボコにやられてるの初めて見ましたよ…」
「彼なら『侵蝕竜』も…いや、先走り過ぎだな。」
「そうですよ。まだまだ問題は山積みなんですよ?王都近郊の野盗団の殲滅、山間部に現在進行形でゴブリンが大繁殖起こしてたり、難民の保護だってまだなんですから…」
「う、む…確かにな…
いや、待てよ…ダメ元で王都に"要請弾"を申請してみるか…」
「え!?"要請弾"ですか?
確かに"要請弾"の許可が下りればこちらとしては楽ですけど…
新人冒険者に許可下りますかね、"要請弾"、普通は中級冒険者か上級冒険者に渡される物では?」
「そこは多分大丈夫でしょ、ノア君は新人冒険者とはいえ『レベル5』よ?
それに国王って変な人だからこういう事も案外あっさり許可下してくれるかも。」
"要請弾"の許可について口を挟むアリッサ。
「おい…どこに情報屋がいるか分からんのだ、国王の悪口は言わん方が良いぞ。」
「私の<存在感知>に引っ掛かって無いんだから大丈夫でしょ。」
「まぁ、今のは聞かなかった事にする。
この報告書を渡したら直ぐに王都に戻るぞ。」
「そういえばノア君は今頃ダンジョンか…
最後に挨拶位したかったな…」
「まぁ、彼らの行き先は王都のようですし、近い内にまた会えるでしょう。」
「ねぇ、ベルドラッドさん。彼ら、バーサークベアの事気にしてたけど下層に下りても大丈夫なの?」
「あぁ、討伐してまだ数日だし次湧くとしても10日以上先だ。
あのレベルのモンスターともなると必要な魔素も結構な物だからな、恐らくバーサークベアが湧く頃には『魔力杭』の魔素も枯渇するだろう。」
「そう…なら安心ね。」
世間話が一段落した所で部屋に隊員が1人入って来る。
「失礼します。各隊帰還準備完了しました。」
「む、もうそんな時間か…
早い所、要請弾の一文を書いて"情報屋"に報告書を渡さねば…」
「お呼びですかな?」
「「「うおっ!?」」」
いつの間にかベルドラッド、アリッサ、隊員らの背後に立っていたのは黒いフードを目深に被った男性だった。
「ちょっとびっくりさせないでよ…ってかあなた何で<存在感知>に引っ掛からない訳?」
「ふっふっふ、そんなんじゃまだまだですよアリッサさん。」
「何ですって?」
「下位スキルと僅かな物音と気配だけで私の位置を特定したノア君には到底及ばない。」
男性の一言に驚く一同。
王都で活動する彼等は知っている、王都で暗躍する諜報部の隠密性能を。
実は今回諜報部の人間は彼を含め5人程この街に潜伏している。
彼自身元々別の任務を受けていたが、エメラルダからの調査依頼に続いて女鏖蜂の出現を受け、引き続き調査を行っていた。
隊員達もまさか諜報部の人間がこの街に5人もいるとは思っていない。
と言うか普通に探す位では到底彼等を見付ける事は出来ない。
音も無く、気配も出さず、影も消し、振動も立てない。
それでもその場所を通った時の痕跡までは消せない為、その僅かな差異を見極めて異変と感じ取れるだけの注意深さが必要になる。
当時は男性の気配を感じたノアが色々画策して捜索したのだが見付ける事は叶わなかった。
しかし、本来相手に不審がられる事すらあってはならない諜報部にとってノアは手強い相手共言える。
「いや~諜報部に入って久しいが彼程尾行するのに苦労したのは初めてだ。ははは。」
諜報部は職業柄、少しの機微も察せられ無いよう感情をあまり表には出さない。
なのでこの男性がノアの尾行について話すという事は余程の事と言える。
「あぁ、すまない、話が反れてしまった。
とりあえず報告書は預かろう。
そしてベルドラッド、アリッサ、2人に手紙を渡そう。国王からだ。」
「え?国王から?今回の調査依頼の報酬かしら。」
「だと良いがな…どれどれ…」
『ベルドラッド、アリッサ、今回のオードゥスへの調査、同行誠に感謝する。
さて本題だが、今回の『女鏖蜂』『鎧蜂』の討伐、街の防衛、『バーサークベア』の討伐の功労者に対して己の私欲、又は興味本意での戦闘をするとは何事か。
よって私から直々に裁きを下す故、さっさと王都に戻って来い。
あとアリッサ、私が変な人で悪かったな。』
渡された手紙を見てフルフルと小刻みに震えるベルドラッドとアリッサ。
「ち、違う!私は調査の一環で彼の固有スキルの調査を…」
『ある程度君の実力も見ておきたいからな。多少は楽しませてくれぃ…』
フードを被った男性が持っていた護符の様な物からベルドラッドの声が聞こえる。
「そ、それは…」
「言質は取れてるから言い逃れは出来んぞ。
アリッサ、君のもちゃーんと録ってあるから下手な言い訳はしない方が良い。」
男性の言葉に観念したのか2人はどんよりとした空気を漂わせながら部屋を出る。
「残りの隊員達は引き続き、帰還準備の方を。
私は引き続き任務がありますのでこれで失礼します。」
そう言って男性はその場から姿を消した。
149
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる