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アルバラスト編
ぬっはっはっはっは!
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「ぬっはっはっはっは!良いぞ少年。それ位の威勢が無くてはな!
こりゃ絶対に敗けられなくなったわ!」
ぬっはっは笑いを初めて見たな、等どうでもいい事を思っていると30メル程離れた対面にいる獅子型獣人がガントレットをガンガンと打ち鳴らす。
「さーて!お喋りはそこまでとして早速試合おうじゃないか!
我が名は【拳士】レオバルクハーミット!長ったらしいからレオと呼んでくれ!
血湧き肉踊る戦いに身を投じるのが好きなのでな!簡単には終わってくれるなよ!」
「僕はノア!【適正】は後のお楽しみという事で、こちらも簡単には終わるつもりはありませんのでそのつもりで!」
吼える様に放つ名乗りが広々とした闘技場に響き渡る。
レオの眼光がギラギラしているのが遠目で分かる。
「それでは始めぇ!」
職員が開始の合図を言い放つ。
レオは足元の石畳を踏み抜く勢いで一直線にノアに向け駆け出す。
対するノアは開幕行動に移る。
腰に差した阿羅亀噛を1本外し<集中><渾身><投擲術>を発動、向かって来るレオにぶん投げる。
「む!?武器を!?」
驚くレオだが速度は変えず左腕を構えて迎撃体勢を取る。
ゴシャアッ!「ぬぐぁっ!?」
構えた左腕に衝突した阿羅亀噛は、弾かれる事無く突き進み、ノアの3倍はあるであろうレオの体ごと吹き飛ばす。
試合場の壁に灯りが1つ灯る。
致命傷レベルの一撃と判断され無効化する代わりにカウントされた様だ。
吹き飛ばされたレオは何とか体勢を整えるも驚きを隠せない。
「何だ今の攻撃は!?少年は何をした!」
そう言ってる間に今度はノアがレオに向け駆け出していた。
腰に差していた阿羅亀噛を抜きつつ大きく飛び上がる。
再び<集中><渾身><投擲術>を発動してレオの元にぶん投げる。
「うおっ!?」ズゴン!
咄嗟に避けたレオ、阿羅亀噛は深々と石畳に突き刺さっている。
ノアは投げた直後、着弾を見届ける事無く直ぐ様背中の弓と矢を取り<集中><洗練された手業>を発動、滞空している間に4射程射ち込む。
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!
レオはこれを少ない動きで回避、ノアの着地地点を目指す。
ノアは弓を背中に戻し、阿羅亀噛の柄に降り立つ。
同時にレオもその場に到着、ノアに向け右拳を繰り出す。
が、左太ももから取り出したカランビットナイフで<受け流し>を発動、右拳が空を切る。
ノアは左腕でレオの右腕に絡めて固定し、がら空きの左脇腹に<渾身>を乗せた右を打ち込む。
ズドン!「うぐぁあっ!?」
1発、2発と打ち込み、3発目で右腕を掴まれた為、その場で少しジャンプしてレオの胸辺りを<渾身>を乗せた両足でおもいっきり蹴り飛ばす。
掴まれた腕も力任せに解除され、レオの体は大きく吹き飛ばされ、土煙が立つ。
対してノアは蹴り飛ばした直後ひらりと身を翻してその場に着地、地面に突き刺さった阿羅亀噛を強引に抜き、レオの方に歩き出す。
チラリと壁を見ると2つ目の灯りが灯っていた。
「うぉおおおおっ!」
土煙からレオが飛び出しノアに接近する。
<気配感知>で分かっていたノアは地面スレスレまで屈みつつレオの股下を通り反転。
背後から膝裏を蹴り、体勢を崩したレオの右脇腹に強目の蹴りを入れる。
たたらを踏んだレオの足を刈り、転倒させた後馬乗りに。
太腿から刺突武器を2本取り出し首目掛け突き立てるも両腕を掴まれる。
だが細腕からは想像出来ない力で徐々に首元へと刃先が迫る。
「ぬ、ぬぬ…!ぐ、おぉぉあああっ!」
レオが吼えつつ力任せにノアの体を空中へとぶん投げる。
レオは飛び起きて後を追うように駆け出すも、滞空しているノアは錐揉み状態と言う無茶苦茶な姿勢のまま弓を取り、矢を2矢射て、レオの接近を阻む。
肩に矢が掠りながらも突き進んだレオは<渾身>を発動し、右拳を下から上へと振るい着地地点に落下してくるノアに繰り出す。
ノアは拳の動きに注視して足を出し、拳と足が触れる瞬間に<エネミーステップ>を発動。
繰り出される拳を足場に、前方に回転しながら地面に着地。
反転しつつ腰に差した阿羅亀噛を外し、背後から斬り掛かる。
右拳が空を切ったレオだが、振りを利用して背後にいるノアに左の裏拳を繰り出す。
阿羅亀噛と左拳のガントレットが衝突して凄まじい金属音と火花が散る。
ギュゴァッ!
レオは左拳を弾かれ錐揉み状態で吹き飛ばされ、ノアは2、3歩後退するに留まる。
3カウント目が灯ったレオは空中で身を翻して四つん這いの状態で地面に着地。
顔をガバッと上げて吼え掛かる。
「っはぁ!良い!良いぞ少年!ここまで苦戦を強いられる戦いは久しぶりだ!
残りカウントは2つ、出し惜しみしてはいられん!全開で行かせて貰ウゾォオオアアアアァッ!」
レオが叫ぶと徐々に鬣や牙が伸び、腕や脚が太く、光沢を増していく。
恐らく硬度が上がっているのだろう。
「お、バカ!レオ、【獣化】する気か!?」
「ソレホドノテアイダ!ソレニヤツノメヲミロ!コノスガタニナッテモヤツハドウジテスライナイ!」
そう言われた槍使いがノアを見ると、冷静に武器を拾い、腰に差す姿が目に入る。
(『おーおー、すげぇな【獣化】って奴は。
どうする、代わるか?』)
(やれる所までやってみるよ。)
【獣化】…獣人種が使う固有スキル。
街などで暮らす場合等、人型形態の時は本来の4割程まで力を抑えているが、獣化する事で全ステータスを本来の数値まで戻す効果がある。
闘技場中央の職員や周囲の冒険者も動きを止め、2人の戦いを見守っている。
完全に【獣化】したレオは、体躯が1.5倍程大きくなり、四つん這いになっており見た目は獣その物だ。
ゴォオオアアアアアッ!ズドン!
咆哮を上げたレオは先程とは明らかに違う速度で駆け出し、ノアはへと向け駆け出す。
対するノアは再び<集中><渾身><投擲術>を発動して阿羅亀噛をぶん投げる。
ガギュンッ!
レオの体に直撃するも僅かに動きを阻害するだけでそのまま真っ直ぐこちらへと向かって来る。
ちなみに4つ目のカウントは点かない、防御力も格段に上がっている事が窺える。
ザグッ!
ノアは残った阿羅亀噛を背後に深々と突き刺し迎え撃つ体勢を取る。
試合場の外から見ていた槍使いはノアに叫ぶ。
「おい少年!迎撃は無理だそこから逃げろ!」
そう言われてもノアはピタリと阿羅亀噛に足を着けて迎撃体勢を取ったまま動かない。
ゴァアアアアアッ!ガシッ!ガシッ!ボゴゴゴッ!
レオは深々と突き刺した阿羅亀噛ごとノアの体を押し込む。
石畳が次々に捲れ上がり、石礫を撒き散らしながら突き進み、壁際まで押し込まれた。
レオは密着状態で左腕を振り下ろして強烈な連撃を繰り出す。
ノアは右腕でいなしたり、防いだりするが数発程良いのを貰って少しよろめき1つ目のカウントが点灯する。
ここだ、とレオは猛攻を続けるが、ふと両手首を掴まれたので無理矢理力で外そうとするも、びくともしない、逆に凄まじい力で掴まれて徐々に手から力が抜けていく感覚すら覚える。
「これを人に使うのは2回目だ…」
ノアの体から赤黒いオーラが立ち昇り、それと同時に殺気も放たれレオが体を竦ませる。
「ナ、ナンダ!?コノサッキ『ゴギンッ!』
「ウゴァッ!」
端から見たら軽く小突かれただけに見えたが、食らったレオにとっては少し深刻で、視界がぐらついていた。
「よくは知りませんがその【獣化】とやらは恐らく奥の手か何かでしょう。
であれば僕も奥の手を使わないとね…
こっちも全開で行きます。」
ノアは赤黒く染まった目で言い放った。
こりゃ絶対に敗けられなくなったわ!」
ぬっはっは笑いを初めて見たな、等どうでもいい事を思っていると30メル程離れた対面にいる獅子型獣人がガントレットをガンガンと打ち鳴らす。
「さーて!お喋りはそこまでとして早速試合おうじゃないか!
我が名は【拳士】レオバルクハーミット!長ったらしいからレオと呼んでくれ!
血湧き肉踊る戦いに身を投じるのが好きなのでな!簡単には終わってくれるなよ!」
「僕はノア!【適正】は後のお楽しみという事で、こちらも簡単には終わるつもりはありませんのでそのつもりで!」
吼える様に放つ名乗りが広々とした闘技場に響き渡る。
レオの眼光がギラギラしているのが遠目で分かる。
「それでは始めぇ!」
職員が開始の合図を言い放つ。
レオは足元の石畳を踏み抜く勢いで一直線にノアに向け駆け出す。
対するノアは開幕行動に移る。
腰に差した阿羅亀噛を1本外し<集中><渾身><投擲術>を発動、向かって来るレオにぶん投げる。
「む!?武器を!?」
驚くレオだが速度は変えず左腕を構えて迎撃体勢を取る。
ゴシャアッ!「ぬぐぁっ!?」
構えた左腕に衝突した阿羅亀噛は、弾かれる事無く突き進み、ノアの3倍はあるであろうレオの体ごと吹き飛ばす。
試合場の壁に灯りが1つ灯る。
致命傷レベルの一撃と判断され無効化する代わりにカウントされた様だ。
吹き飛ばされたレオは何とか体勢を整えるも驚きを隠せない。
「何だ今の攻撃は!?少年は何をした!」
そう言ってる間に今度はノアがレオに向け駆け出していた。
腰に差していた阿羅亀噛を抜きつつ大きく飛び上がる。
再び<集中><渾身><投擲術>を発動してレオの元にぶん投げる。
「うおっ!?」ズゴン!
咄嗟に避けたレオ、阿羅亀噛は深々と石畳に突き刺さっている。
ノアは投げた直後、着弾を見届ける事無く直ぐ様背中の弓と矢を取り<集中><洗練された手業>を発動、滞空している間に4射程射ち込む。
ドッ!ドッ!ドッ!ドッ!
レオはこれを少ない動きで回避、ノアの着地地点を目指す。
ノアは弓を背中に戻し、阿羅亀噛の柄に降り立つ。
同時にレオもその場に到着、ノアに向け右拳を繰り出す。
が、左太ももから取り出したカランビットナイフで<受け流し>を発動、右拳が空を切る。
ノアは左腕でレオの右腕に絡めて固定し、がら空きの左脇腹に<渾身>を乗せた右を打ち込む。
ズドン!「うぐぁあっ!?」
1発、2発と打ち込み、3発目で右腕を掴まれた為、その場で少しジャンプしてレオの胸辺りを<渾身>を乗せた両足でおもいっきり蹴り飛ばす。
掴まれた腕も力任せに解除され、レオの体は大きく吹き飛ばされ、土煙が立つ。
対してノアは蹴り飛ばした直後ひらりと身を翻してその場に着地、地面に突き刺さった阿羅亀噛を強引に抜き、レオの方に歩き出す。
チラリと壁を見ると2つ目の灯りが灯っていた。
「うぉおおおおっ!」
土煙からレオが飛び出しノアに接近する。
<気配感知>で分かっていたノアは地面スレスレまで屈みつつレオの股下を通り反転。
背後から膝裏を蹴り、体勢を崩したレオの右脇腹に強目の蹴りを入れる。
たたらを踏んだレオの足を刈り、転倒させた後馬乗りに。
太腿から刺突武器を2本取り出し首目掛け突き立てるも両腕を掴まれる。
だが細腕からは想像出来ない力で徐々に首元へと刃先が迫る。
「ぬ、ぬぬ…!ぐ、おぉぉあああっ!」
レオが吼えつつ力任せにノアの体を空中へとぶん投げる。
レオは飛び起きて後を追うように駆け出すも、滞空しているノアは錐揉み状態と言う無茶苦茶な姿勢のまま弓を取り、矢を2矢射て、レオの接近を阻む。
肩に矢が掠りながらも突き進んだレオは<渾身>を発動し、右拳を下から上へと振るい着地地点に落下してくるノアに繰り出す。
ノアは拳の動きに注視して足を出し、拳と足が触れる瞬間に<エネミーステップ>を発動。
繰り出される拳を足場に、前方に回転しながら地面に着地。
反転しつつ腰に差した阿羅亀噛を外し、背後から斬り掛かる。
右拳が空を切ったレオだが、振りを利用して背後にいるノアに左の裏拳を繰り出す。
阿羅亀噛と左拳のガントレットが衝突して凄まじい金属音と火花が散る。
ギュゴァッ!
レオは左拳を弾かれ錐揉み状態で吹き飛ばされ、ノアは2、3歩後退するに留まる。
3カウント目が灯ったレオは空中で身を翻して四つん這いの状態で地面に着地。
顔をガバッと上げて吼え掛かる。
「っはぁ!良い!良いぞ少年!ここまで苦戦を強いられる戦いは久しぶりだ!
残りカウントは2つ、出し惜しみしてはいられん!全開で行かせて貰ウゾォオオアアアアァッ!」
レオが叫ぶと徐々に鬣や牙が伸び、腕や脚が太く、光沢を増していく。
恐らく硬度が上がっているのだろう。
「お、バカ!レオ、【獣化】する気か!?」
「ソレホドノテアイダ!ソレニヤツノメヲミロ!コノスガタニナッテモヤツハドウジテスライナイ!」
そう言われた槍使いがノアを見ると、冷静に武器を拾い、腰に差す姿が目に入る。
(『おーおー、すげぇな【獣化】って奴は。
どうする、代わるか?』)
(やれる所までやってみるよ。)
【獣化】…獣人種が使う固有スキル。
街などで暮らす場合等、人型形態の時は本来の4割程まで力を抑えているが、獣化する事で全ステータスを本来の数値まで戻す効果がある。
闘技場中央の職員や周囲の冒険者も動きを止め、2人の戦いを見守っている。
完全に【獣化】したレオは、体躯が1.5倍程大きくなり、四つん這いになっており見た目は獣その物だ。
ゴォオオアアアアアッ!ズドン!
咆哮を上げたレオは先程とは明らかに違う速度で駆け出し、ノアはへと向け駆け出す。
対するノアは再び<集中><渾身><投擲術>を発動して阿羅亀噛をぶん投げる。
ガギュンッ!
レオの体に直撃するも僅かに動きを阻害するだけでそのまま真っ直ぐこちらへと向かって来る。
ちなみに4つ目のカウントは点かない、防御力も格段に上がっている事が窺える。
ザグッ!
ノアは残った阿羅亀噛を背後に深々と突き刺し迎え撃つ体勢を取る。
試合場の外から見ていた槍使いはノアに叫ぶ。
「おい少年!迎撃は無理だそこから逃げろ!」
そう言われてもノアはピタリと阿羅亀噛に足を着けて迎撃体勢を取ったまま動かない。
ゴァアアアアアッ!ガシッ!ガシッ!ボゴゴゴッ!
レオは深々と突き刺した阿羅亀噛ごとノアの体を押し込む。
石畳が次々に捲れ上がり、石礫を撒き散らしながら突き進み、壁際まで押し込まれた。
レオは密着状態で左腕を振り下ろして強烈な連撃を繰り出す。
ノアは右腕でいなしたり、防いだりするが数発程良いのを貰って少しよろめき1つ目のカウントが点灯する。
ここだ、とレオは猛攻を続けるが、ふと両手首を掴まれたので無理矢理力で外そうとするも、びくともしない、逆に凄まじい力で掴まれて徐々に手から力が抜けていく感覚すら覚える。
「これを人に使うのは2回目だ…」
ノアの体から赤黒いオーラが立ち昇り、それと同時に殺気も放たれレオが体を竦ませる。
「ナ、ナンダ!?コノサッキ『ゴギンッ!』
「ウゴァッ!」
端から見たら軽く小突かれただけに見えたが、食らったレオにとっては少し深刻で、視界がぐらついていた。
「よくは知りませんがその【獣化】とやらは恐らく奥の手か何かでしょう。
であれば僕も奥の手を使わないとね…
こっちも全開で行きます。」
ノアは赤黒く染まった目で言い放った。
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