181 / 1,117
フリアダビア前哨基地編
黒煙立ち上る
しおりを挟む
ノアが黒いフードの獣人の所まで向かうと、黒煙立ち上る巨大な城塞都市を視界に捉えた。
「ほほぅ、でけぇ街じゃのう。」
「話に聞いとったが、正しく戦場(いくさば)じゃ。」
「押し留めておるが、攻めに転じれてもいない拮抗状態の様だの。」
ドワーフ3人の目付きが先程とは違い真剣そのものとなっている。
「防壁の上には通路がある、か…高所から狙撃出来れば良いが…」
「うーん…悪い気配をバンバン感じる…」
「うん、魔力が濃すぎて活性状態になってる。
教会の結界は機能してないみたいね。」
妖精2人とエルフのパーティも街の様子を観察。
「<千里眼>で街を見てみましたが、小型8割の中型2割って所ですかね。
中型の形状からして…亀でしょうかね。
恐らく盾役を担ってる?だとすると指示役がいるかもしれませんね。」
ノアがスキルを発動して街にいると言うモンスターを観察。
直ぐ様情報共有の為、周囲に伝える。
「ふん!そんなまどろっこしい事せずとも、テラヴァジアと地続きになってる所に前線を張って…」
「「「「「「「それは無い!」」」」」」」
白銀の鎧3人以外の全員が声を揃えて否定する。
「敵の全容も分からん内に最前線に向かうだと?」
「お前さんは何言っとんのだ!」
「行くならあんたらだけで行っとくれ。」
「戦を知らないのか?君達は。」
「ちょっとそれは流石に…」
「あんたら初陣?他に行くのを勧めるわ。」
「まずは街に降りて情報を集めるのが先決。
その後でどう動こうがお任せしますので、巻き添えだけはゴメンです。」
「ほほっ!坊主の方が戦っちゅうもんを分かっとるのぅ!」
「…くっ…」
白銀の鎧の取り巻きは苦虫を噛み潰した様な顔をして下がっていった。
「…どうやらあそこが前線基地の様ですね。」
ノアが街の南門辺りを見ると、数多くの人の姿を捉える。
<…ドガァッ!…>
<…どいたどいた!…我人だ!>
<…番隊…負傷者多数…回復急げ!>
<聞き耳>て聞こえる声からして戦線が一部瓦解した様だ。
「状況は芳しく無い、か…」
ふと眼下を見ると巨鳩が降り立とうとしている場所に、1人待機している者がいる。
恐らく自分達を迎える者の様だ。
地上までは50メルといった所だろうか。
「先に下に降りて話をしてきます。」
「え?何て?」
距離を見たノアは黒いフードの獣人に一声掛け、巨鳩の上から飛び降りる。
「ちょ、ちょっとぼっち君何やってんの!?」
ズドォンッ!パラパラ…
ノアが地面に着地すると、足元には地割れと土埃が立ち上ぼる。
突然の事に周囲の人間は、何事かと着弾地点を見詰めていた。
それを意に介さずにノアは待機していた人の元へ。
見た目は快活そうな40代位の男性だが目の下にはくっきりと隈が出来ている。
相当お疲れの様だ。
「あなたがここの前線基地の責任者ですか?」
「え?あ、ああ、君は今回の任務を志願してくれた者か?」
「ええ、自分はノア。【ソロ】の新人冒険者です。」
「新人冒険者!?いや、待て…【ソロ】?
…と言う事は【鬼神】の二つ名の?」
「自分は吹聴してませんが、そうです。」
「そうか、君が…」
と、そこまで話すと巨鳩が着地の体勢に入る。
するとノアに続けとばかりにドワーフ3人組も地面に続々と着地。
ズンッ!ズズンッ!
「ガハハ!おぅ坊主、突然飛び降りたからびっくりしたぜ!」
「彼等も今回の任務に参加するドワーフの御三方です。」
「バトだ!」
「ルドだ!」
「ロイだ!宜しくな若ぇの!」
「残りは妖精2人と男性エルフ、白銀鎧の3人組です。」
「情報有難い、此方は一刻を争うのでね。
時間はあまり掛けられん。
全員揃い次第直ぐにでも前線に向かって欲しい。」
「了解しました!」
そして待つ事暫し、巨鳩から全員が降りたのを確認して、この場の責任者の男性が声を発する。
「逼迫した状況の為、すまないが歩きながら話す。
私は、このフリアダビア前線基地責任者のエルグランドだ。
現在いる南門には必要最低限の武具屋、薬草小屋、食事場があるので自由に使っていい。
あと、モンスターの侵入を抑える為に三重の防護壁に加え、兵を配置しているので街の中へ入る際は必ず声を掛けてくれ。」
ノアは周囲を確認すると、話に上がった南門の両側で地下に向けて穴を掘っている兵を見掛ける。
「すいません、あそこで穴を掘っているのは地下墓地への侵入路ですか?」
「事前に予習してきてくれた様で助かる。
確かに彼等が今掘っているのは地下墓地への侵入路だ。
正規の通路は街の中にある為、侵入が困難だ。
なので別動隊の目標は地下墓地の奪還、そして遡上して教会へ向かい、結界の発動、モンスターの弱体化が主目標である。」
皆一様に聞き逃さない様、真剣にエルグランドの説明を聞いている。
「そして主目的は街の中にいるモンスターの殲滅、実はまだ建物の中に残された住人がいる。
物資も残り僅かだから精神的にも厳しいハズだ。」
するとここで手を上げる者が出た。
白銀の鎧を纏った3人組と妖精と男性エルフのパーティだ。
「邪悪なモンスターを討ち倒し弱き民を助ける…
何とも勇者の英雄譚に相応しいとは思わないか?」
この状況で何言ってんだろう、と言う目付きで全員が見詰めるが意に介していない様だ。
「私達はそんなお遊び半分の浮わついた理由では無く、高所からの狙撃と魔法による攻撃によって仕止めるとしよう。」
「ふん!別に援護は必要ないのだがね。」
「いつ、どこで私達がお前達を援護すると言った?至上主義の狗共が。」
(おーおー、見えはしないけど早速火花が散ってるねぇ。
あのミユキって【勇者】は何も言わず、人形の様に口を閉ざしているし…
あれじゃ本当にただの"人形"だな…)
ザワッ…
と、そこまで話した所で、ノアの<気配感知>に正体不明の反応が現れる。
場所は地下墓地への侵入路からだ。
「地下墓地侵入路から正体不明の反応!
このままでは10秒程でその穴から出て来るぞ!」
このノアの発言を白銀の鎧の取り巻きが一蹴。
「反応?そんなもの何処に「穴にいる者は直ぐ様退去だ!急げ!」
取り巻きの言葉を無視してエルグランドが叫ぶ。
すると僅かに遅れてミユキとか言う【勇者】も反応。
「!?本当よ!!直ぐそこまで来てる!」
「は?何を…」
ゴウッ!ドガァッ!ギュオァアッ!?
<集中><投擲術><渾身>を同時発動したノアが、丁度穴から姿を現したどす黒い蜥蜴の首に向けて阿羅亀噛をぶん投げた。
「な!?硬ぇ!」
阿羅亀噛は刺さりはしたものの貫通せずに、深々と突き刺さっている。
一瞬動揺したノアだが直ぐに両太ももから刺突武器を抜き放ち猛烈な速度で接近。
それを察した蜥蜴が鋭利な尻尾をノアに向けて振り回すも、滑り込んでこれを回避。
蜥蜴の頭部に到達したノアは両眼に刺突武器を差し込み<渾身>を発動して全力で首を捻ってへし折る。
ベギィッ!ギュオッ!?
事切れた蜥蜴を他所に、カランビットナイフを抜いたノアが2波目に備える。
が、後続は無い様だ。
この一連の動作を見ていたエルグランドはポツリと呟く。
「話に聞いていたが、これ程とは…」
「ほほぅ、でけぇ街じゃのう。」
「話に聞いとったが、正しく戦場(いくさば)じゃ。」
「押し留めておるが、攻めに転じれてもいない拮抗状態の様だの。」
ドワーフ3人の目付きが先程とは違い真剣そのものとなっている。
「防壁の上には通路がある、か…高所から狙撃出来れば良いが…」
「うーん…悪い気配をバンバン感じる…」
「うん、魔力が濃すぎて活性状態になってる。
教会の結界は機能してないみたいね。」
妖精2人とエルフのパーティも街の様子を観察。
「<千里眼>で街を見てみましたが、小型8割の中型2割って所ですかね。
中型の形状からして…亀でしょうかね。
恐らく盾役を担ってる?だとすると指示役がいるかもしれませんね。」
ノアがスキルを発動して街にいると言うモンスターを観察。
直ぐ様情報共有の為、周囲に伝える。
「ふん!そんなまどろっこしい事せずとも、テラヴァジアと地続きになってる所に前線を張って…」
「「「「「「「それは無い!」」」」」」」
白銀の鎧3人以外の全員が声を揃えて否定する。
「敵の全容も分からん内に最前線に向かうだと?」
「お前さんは何言っとんのだ!」
「行くならあんたらだけで行っとくれ。」
「戦を知らないのか?君達は。」
「ちょっとそれは流石に…」
「あんたら初陣?他に行くのを勧めるわ。」
「まずは街に降りて情報を集めるのが先決。
その後でどう動こうがお任せしますので、巻き添えだけはゴメンです。」
「ほほっ!坊主の方が戦っちゅうもんを分かっとるのぅ!」
「…くっ…」
白銀の鎧の取り巻きは苦虫を噛み潰した様な顔をして下がっていった。
「…どうやらあそこが前線基地の様ですね。」
ノアが街の南門辺りを見ると、数多くの人の姿を捉える。
<…ドガァッ!…>
<…どいたどいた!…我人だ!>
<…番隊…負傷者多数…回復急げ!>
<聞き耳>て聞こえる声からして戦線が一部瓦解した様だ。
「状況は芳しく無い、か…」
ふと眼下を見ると巨鳩が降り立とうとしている場所に、1人待機している者がいる。
恐らく自分達を迎える者の様だ。
地上までは50メルといった所だろうか。
「先に下に降りて話をしてきます。」
「え?何て?」
距離を見たノアは黒いフードの獣人に一声掛け、巨鳩の上から飛び降りる。
「ちょ、ちょっとぼっち君何やってんの!?」
ズドォンッ!パラパラ…
ノアが地面に着地すると、足元には地割れと土埃が立ち上ぼる。
突然の事に周囲の人間は、何事かと着弾地点を見詰めていた。
それを意に介さずにノアは待機していた人の元へ。
見た目は快活そうな40代位の男性だが目の下にはくっきりと隈が出来ている。
相当お疲れの様だ。
「あなたがここの前線基地の責任者ですか?」
「え?あ、ああ、君は今回の任務を志願してくれた者か?」
「ええ、自分はノア。【ソロ】の新人冒険者です。」
「新人冒険者!?いや、待て…【ソロ】?
…と言う事は【鬼神】の二つ名の?」
「自分は吹聴してませんが、そうです。」
「そうか、君が…」
と、そこまで話すと巨鳩が着地の体勢に入る。
するとノアに続けとばかりにドワーフ3人組も地面に続々と着地。
ズンッ!ズズンッ!
「ガハハ!おぅ坊主、突然飛び降りたからびっくりしたぜ!」
「彼等も今回の任務に参加するドワーフの御三方です。」
「バトだ!」
「ルドだ!」
「ロイだ!宜しくな若ぇの!」
「残りは妖精2人と男性エルフ、白銀鎧の3人組です。」
「情報有難い、此方は一刻を争うのでね。
時間はあまり掛けられん。
全員揃い次第直ぐにでも前線に向かって欲しい。」
「了解しました!」
そして待つ事暫し、巨鳩から全員が降りたのを確認して、この場の責任者の男性が声を発する。
「逼迫した状況の為、すまないが歩きながら話す。
私は、このフリアダビア前線基地責任者のエルグランドだ。
現在いる南門には必要最低限の武具屋、薬草小屋、食事場があるので自由に使っていい。
あと、モンスターの侵入を抑える為に三重の防護壁に加え、兵を配置しているので街の中へ入る際は必ず声を掛けてくれ。」
ノアは周囲を確認すると、話に上がった南門の両側で地下に向けて穴を掘っている兵を見掛ける。
「すいません、あそこで穴を掘っているのは地下墓地への侵入路ですか?」
「事前に予習してきてくれた様で助かる。
確かに彼等が今掘っているのは地下墓地への侵入路だ。
正規の通路は街の中にある為、侵入が困難だ。
なので別動隊の目標は地下墓地の奪還、そして遡上して教会へ向かい、結界の発動、モンスターの弱体化が主目標である。」
皆一様に聞き逃さない様、真剣にエルグランドの説明を聞いている。
「そして主目的は街の中にいるモンスターの殲滅、実はまだ建物の中に残された住人がいる。
物資も残り僅かだから精神的にも厳しいハズだ。」
するとここで手を上げる者が出た。
白銀の鎧を纏った3人組と妖精と男性エルフのパーティだ。
「邪悪なモンスターを討ち倒し弱き民を助ける…
何とも勇者の英雄譚に相応しいとは思わないか?」
この状況で何言ってんだろう、と言う目付きで全員が見詰めるが意に介していない様だ。
「私達はそんなお遊び半分の浮わついた理由では無く、高所からの狙撃と魔法による攻撃によって仕止めるとしよう。」
「ふん!別に援護は必要ないのだがね。」
「いつ、どこで私達がお前達を援護すると言った?至上主義の狗共が。」
(おーおー、見えはしないけど早速火花が散ってるねぇ。
あのミユキって【勇者】は何も言わず、人形の様に口を閉ざしているし…
あれじゃ本当にただの"人形"だな…)
ザワッ…
と、そこまで話した所で、ノアの<気配感知>に正体不明の反応が現れる。
場所は地下墓地への侵入路からだ。
「地下墓地侵入路から正体不明の反応!
このままでは10秒程でその穴から出て来るぞ!」
このノアの発言を白銀の鎧の取り巻きが一蹴。
「反応?そんなもの何処に「穴にいる者は直ぐ様退去だ!急げ!」
取り巻きの言葉を無視してエルグランドが叫ぶ。
すると僅かに遅れてミユキとか言う【勇者】も反応。
「!?本当よ!!直ぐそこまで来てる!」
「は?何を…」
ゴウッ!ドガァッ!ギュオァアッ!?
<集中><投擲術><渾身>を同時発動したノアが、丁度穴から姿を現したどす黒い蜥蜴の首に向けて阿羅亀噛をぶん投げた。
「な!?硬ぇ!」
阿羅亀噛は刺さりはしたものの貫通せずに、深々と突き刺さっている。
一瞬動揺したノアだが直ぐに両太ももから刺突武器を抜き放ち猛烈な速度で接近。
それを察した蜥蜴が鋭利な尻尾をノアに向けて振り回すも、滑り込んでこれを回避。
蜥蜴の頭部に到達したノアは両眼に刺突武器を差し込み<渾身>を発動して全力で首を捻ってへし折る。
ベギィッ!ギュオッ!?
事切れた蜥蜴を他所に、カランビットナイフを抜いたノアが2波目に備える。
が、後続は無い様だ。
この一連の動作を見ていたエルグランドはポツリと呟く。
「話に聞いていたが、これ程とは…」
118
あなたにおすすめの小説
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!
さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。
冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。
底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。
そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。
部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。
ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。
『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる