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フリアダビア前哨基地編
今更ながら後悔
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ノアは今更ながら後悔していた。
別に作戦が失敗したとかそう言う事ではない。
寧ろシエストラバードは直後に2人に拘束され、【魔王】の所在について詰問を受けてる真っ最中だ。
だが、詰問している相手が『あの2人』である。
2人の【適正】を知ったのは本の少し前だが、驚きはすれど何となく納得出来た。
【暗殺】なのだから素早く殺してハイ終わり、と思っていたがそうでは無いらしい。
相手から有益な情報を絞り出した上で処分するらしいのだが、【魔王】によって造られたシエストラバードは簡単に口を割るだろうか、いや、割らない。
ではどうやって情報を絞り出すのだろうか?
そこは…ほら、趣味でやってる解体業の出番ってヤツですよ。
文字通り"体に聞く"って言う…ね。
ちなみに今回に限りシエストラバードの音声は省略させて貰います。
当時の音声を思い出すと、吐き気がね…
ブチッブチッ「あなた~498ちょうだ~い。」
「はい、498。」
グジュルッ!「これ位で良いかしらね~。」
「ああ、それで大丈夫だ。
王都の解析班に回せば、素体の元になった生物情報が分かるし【魔王】の場所を割れるかも知れない。」
バラスは搾り取った何かを容器に入れて胸元のアイテムボックスへと仕舞う。
「ねぇあなた、コイツ、口なかなか割らないわ。
割って良い?」
「ああ、良いぞ。それには…ほら、725。」
「どーもー。」ガチッ…メキメキメキッ!ガコッ!
「歯型が分かれば素体の生息地域が分かる。」
2人が先程から時折数字を口にしているが、どうやらアイテムボックスの番号を言っているらしい。
つまり2人のアイテムボックスの容量は最低でも700以上はある様だ。
「どうだ?尻尾はもういいかな?」
「そーねー、もう用は無いかな。処分しちゃって。」
「了解。」ザクッ!ブチッ!バキン!
尻尾の中から『コア』を取り出して砕くと、尻尾が砂の様に崩れ去った。
何の躊躇いも無く処分された事で、必死に目で何かを訴えている様だが、口を"割られた"為話す事が出来ずにいる。
「ほーら、動かないの。
後は胴体と頭だけなんだから我慢我慢。
あなた、888の『次元追跡狼の首輪』出して。
製作者の位置を割り出すわ。」
「はい、888。
供物は胃から小腸までで足りるぞ。」
「りょーかい。
手頃な刃物は…無いから素手で良いかな~。」
ズバッ!ベリベリッ!ブチブチブチィッ!
暗くてよく分からない(※見ない様にしている)がシエストラバード…(なのかな?)から何かを取り出すと、バラスの近くの空間にピシリとヒビが入り、眼の無い紫色の狼が出現。
とんでもない圧力と殺気を放った狼がバラスにすり寄る。
あまりの殺気に、狼の体表面が陽炎の様に揺らめいている。
「おーよしよし、ひーさしーぶりー。
コイツを造ったヤツを探し出してくれるかな?」
ウォン!
「そーかそーか、は~い、た~んとお食べ~。」
ウォン!ガフッガフッ!
絵面だけ見たら飼い主が飼い犬に餌をやってるだけにしか見えないが、<気配感知>を通して見ると見方が一変する。
禍々しい殺気を放ったバラスが、空間が歪む程の殺気を放った狼に餌をやる。
その様子を笑顔で見守るアルキラーは、威圧だけでシエストラバードを拘束している。
ノアとしては初めて<気配感知>を切りたいと思ったが、体所か意識すら上手く調節出来ない。
最後の抵抗として目を瞑ってみたものの、目蓋の裏に2人と1匹のオーラがくっきりと現れる為、どうする事も出来なかった。
「いってらっしゃーい。」
バラスが手を振って狼を送り出す。
その後も、良く舌が回るシエストラバードの舌を引っこ抜いて1ヶ月分の会話内容を喋る鳥を召喚したり、目を引っこ抜いて真っ黒い髑髏に取り付けると、1ヶ月以内に見た光景を投射する装置を取り出したり、脳味噌を食わせる事で記憶の糸を辿って追跡する蜘蛛を召喚したりと、シエストラバードのコアが完全に破壊されたのは、そこから30分後の事だった。
「は?シエストラバードの気配が消えた?」
「はい…間違いありません、5分程前から反応が消失しました。
恐らくフリアダビアにて討たれたものかと…」
「あ、有り得んぞ!
四天王の私が言うのも何だが、アイツには出鱈目な性能を詰め込んだ最高の造魔だ!
一端の上級冒険者では太刀打ち出来んハズだぞ!?」
「それよりどうするよ…アイツを造る過程で【魔王】の持つ魔力の9割を使ったんだぜ?
こんな事どう報告すりゃ良いんだ?」
「まぁ…起こってしまった事は仕方無い。
暫く身を潜め…ん?」
「な、何者かが空間転移してきます!」
「シ、シエストラバードでは無いのか?」
「はい!この反応は非『グルォアアアッ!』ガブジュッ!
突如何も無い所から現れた狼に騒然とする一同。
「くそっ!敵襲!敵襲だ!あの狼を殺せ!」
「駄目です!空間が遮断されて攻撃が一切通りま『ブチィッ!』
「くっ…急ぎ【魔王】だけで『ザクッザクッ!ドスッ!』ぐぉおおおおおおっ!?」
悲鳴を上げた男は造魔の製作者だろうか、頭上から現れた蜘蛛が頭に脚を差し込み、記憶を確認している。
その男の頭から更に糸が伸び、何人かの頭へと繋がる。
ガチガチガチガチガチガチ!
蜘蛛が顎を鳴らすと、夥しい数の子蜘蛛が召喚、糸を伝って次々に襲い掛かる。
どうにかこうにかして【魔王】を逃がす事に成功したものの、四天王の内1人死亡、1人は卵を植え付けられた為処分確定、2人重傷。
配下638人死亡、尚も増加中。
この時の襲撃により【魔王】の居場所が常時判明してしまった為、バラス、アルキラークラスの『ヤバイ』奴等に追われ続ける事になるとはこの時の【魔王】軍は知る由も無かった。
「立てるかなノア君?」
「は、はい…何とか…ゲホォッ…」
アルキラーから差し出された手に掴まり、何とか上体を起こすノア。
だが、割とダメージを受けていたのか、ビチャビチャと音を立てて吐血する。
すると周囲の影から次々と皆が姿を現す。
「大丈夫ですかノア様!?今すぐ回復薬を…」
「お疲れさんじゃのう、立派な戦い振りじゃったど!」
「これで…終わったのか…?」
「おい、誰か担架を持ってきてくれ!」
「エルフ族の代表として感謝を…」
「さて、ルド、嬢ちゃん迎えに行くど。」
「おぅさ!」
「あー…待って待って、皆一辺に出てこないで、魔力枯渇になるから…」
「「ぼっち君、魔力譲渡したげるね。」」
「助かりま…あ、魔力譲渡も出来ないっぽい、おえぇぇ…」
完全に魔力が枯渇したノアは意識を失い、そのまま2日間眠り続ける事になった。
別に作戦が失敗したとかそう言う事ではない。
寧ろシエストラバードは直後に2人に拘束され、【魔王】の所在について詰問を受けてる真っ最中だ。
だが、詰問している相手が『あの2人』である。
2人の【適正】を知ったのは本の少し前だが、驚きはすれど何となく納得出来た。
【暗殺】なのだから素早く殺してハイ終わり、と思っていたがそうでは無いらしい。
相手から有益な情報を絞り出した上で処分するらしいのだが、【魔王】によって造られたシエストラバードは簡単に口を割るだろうか、いや、割らない。
ではどうやって情報を絞り出すのだろうか?
そこは…ほら、趣味でやってる解体業の出番ってヤツですよ。
文字通り"体に聞く"って言う…ね。
ちなみに今回に限りシエストラバードの音声は省略させて貰います。
当時の音声を思い出すと、吐き気がね…
ブチッブチッ「あなた~498ちょうだ~い。」
「はい、498。」
グジュルッ!「これ位で良いかしらね~。」
「ああ、それで大丈夫だ。
王都の解析班に回せば、素体の元になった生物情報が分かるし【魔王】の場所を割れるかも知れない。」
バラスは搾り取った何かを容器に入れて胸元のアイテムボックスへと仕舞う。
「ねぇあなた、コイツ、口なかなか割らないわ。
割って良い?」
「ああ、良いぞ。それには…ほら、725。」
「どーもー。」ガチッ…メキメキメキッ!ガコッ!
「歯型が分かれば素体の生息地域が分かる。」
2人が先程から時折数字を口にしているが、どうやらアイテムボックスの番号を言っているらしい。
つまり2人のアイテムボックスの容量は最低でも700以上はある様だ。
「どうだ?尻尾はもういいかな?」
「そーねー、もう用は無いかな。処分しちゃって。」
「了解。」ザクッ!ブチッ!バキン!
尻尾の中から『コア』を取り出して砕くと、尻尾が砂の様に崩れ去った。
何の躊躇いも無く処分された事で、必死に目で何かを訴えている様だが、口を"割られた"為話す事が出来ずにいる。
「ほーら、動かないの。
後は胴体と頭だけなんだから我慢我慢。
あなた、888の『次元追跡狼の首輪』出して。
製作者の位置を割り出すわ。」
「はい、888。
供物は胃から小腸までで足りるぞ。」
「りょーかい。
手頃な刃物は…無いから素手で良いかな~。」
ズバッ!ベリベリッ!ブチブチブチィッ!
暗くてよく分からない(※見ない様にしている)がシエストラバード…(なのかな?)から何かを取り出すと、バラスの近くの空間にピシリとヒビが入り、眼の無い紫色の狼が出現。
とんでもない圧力と殺気を放った狼がバラスにすり寄る。
あまりの殺気に、狼の体表面が陽炎の様に揺らめいている。
「おーよしよし、ひーさしーぶりー。
コイツを造ったヤツを探し出してくれるかな?」
ウォン!
「そーかそーか、は~い、た~んとお食べ~。」
ウォン!ガフッガフッ!
絵面だけ見たら飼い主が飼い犬に餌をやってるだけにしか見えないが、<気配感知>を通して見ると見方が一変する。
禍々しい殺気を放ったバラスが、空間が歪む程の殺気を放った狼に餌をやる。
その様子を笑顔で見守るアルキラーは、威圧だけでシエストラバードを拘束している。
ノアとしては初めて<気配感知>を切りたいと思ったが、体所か意識すら上手く調節出来ない。
最後の抵抗として目を瞑ってみたものの、目蓋の裏に2人と1匹のオーラがくっきりと現れる為、どうする事も出来なかった。
「いってらっしゃーい。」
バラスが手を振って狼を送り出す。
その後も、良く舌が回るシエストラバードの舌を引っこ抜いて1ヶ月分の会話内容を喋る鳥を召喚したり、目を引っこ抜いて真っ黒い髑髏に取り付けると、1ヶ月以内に見た光景を投射する装置を取り出したり、脳味噌を食わせる事で記憶の糸を辿って追跡する蜘蛛を召喚したりと、シエストラバードのコアが完全に破壊されたのは、そこから30分後の事だった。
「は?シエストラバードの気配が消えた?」
「はい…間違いありません、5分程前から反応が消失しました。
恐らくフリアダビアにて討たれたものかと…」
「あ、有り得んぞ!
四天王の私が言うのも何だが、アイツには出鱈目な性能を詰め込んだ最高の造魔だ!
一端の上級冒険者では太刀打ち出来んハズだぞ!?」
「それよりどうするよ…アイツを造る過程で【魔王】の持つ魔力の9割を使ったんだぜ?
こんな事どう報告すりゃ良いんだ?」
「まぁ…起こってしまった事は仕方無い。
暫く身を潜め…ん?」
「な、何者かが空間転移してきます!」
「シ、シエストラバードでは無いのか?」
「はい!この反応は非『グルォアアアッ!』ガブジュッ!
突如何も無い所から現れた狼に騒然とする一同。
「くそっ!敵襲!敵襲だ!あの狼を殺せ!」
「駄目です!空間が遮断されて攻撃が一切通りま『ブチィッ!』
「くっ…急ぎ【魔王】だけで『ザクッザクッ!ドスッ!』ぐぉおおおおおおっ!?」
悲鳴を上げた男は造魔の製作者だろうか、頭上から現れた蜘蛛が頭に脚を差し込み、記憶を確認している。
その男の頭から更に糸が伸び、何人かの頭へと繋がる。
ガチガチガチガチガチガチ!
蜘蛛が顎を鳴らすと、夥しい数の子蜘蛛が召喚、糸を伝って次々に襲い掛かる。
どうにかこうにかして【魔王】を逃がす事に成功したものの、四天王の内1人死亡、1人は卵を植え付けられた為処分確定、2人重傷。
配下638人死亡、尚も増加中。
この時の襲撃により【魔王】の居場所が常時判明してしまった為、バラス、アルキラークラスの『ヤバイ』奴等に追われ続ける事になるとはこの時の【魔王】軍は知る由も無かった。
「立てるかなノア君?」
「は、はい…何とか…ゲホォッ…」
アルキラーから差し出された手に掴まり、何とか上体を起こすノア。
だが、割とダメージを受けていたのか、ビチャビチャと音を立てて吐血する。
すると周囲の影から次々と皆が姿を現す。
「大丈夫ですかノア様!?今すぐ回復薬を…」
「お疲れさんじゃのう、立派な戦い振りじゃったど!」
「これで…終わったのか…?」
「おい、誰か担架を持ってきてくれ!」
「エルフ族の代表として感謝を…」
「さて、ルド、嬢ちゃん迎えに行くど。」
「おぅさ!」
「あー…待って待って、皆一辺に出てこないで、魔力枯渇になるから…」
「「ぼっち君、魔力譲渡したげるね。」」
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