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王都編
ジュォオアアアアアアアアアアアアアアッ!
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ジュォオアアアアアアアアアアアアアアッ!
クロラとロゼが、試合場まで後1区画と言う所で聞こえてきた咆哮である。
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
更に辺りにはおぞましい殺気が放たれ、試合場近くの建物等に避難していた観客や貴族、商人等が耐えられずドンドンとその場から逃げ出していた。
「な、何があったんですか!?」
「王が何かぶっ放したのは見たよな?
アレでも奴が倒せなかった所か更にヤバイ奴に変貌しちまったんだ!
君らも遠くに離れた方が良い!」
試合場から遠ざかる様に皆逃げ出す。
未だその場に残っているのは中級~上級冒険者と一部の貴族位だ。
「あ、クロラっち、あそこ!」
ロゼが指差す方向を見ると、試合場から避難し終わったジェイルとクリス、クック3人の姿を確認。
「良かった、無事だ…」
3人の無事を確認したクロラとロゼは、中の様子を確認する為、建物伝いに王城を登る事に。すると
グルォオオオオオオオオオオオオオオオッ!
「え?今度は何!?」
「さっきのとは違うよね?」
先程の物とは違う咆哮が聞こえ困惑する。
王城で様子を見ていた者達も一様に騒然としている様である。
「「な、何アレ…」」
王城に登りきった2人が見た光景は初見の者なら困惑する内容であった。
素早い足運びでヒュドラ変異体の背後を取ったノアが<渾身>を発動させ左肩に斬り掛かる。
体表は生体鎧も相まって予想以上に堅くなっていた。が
『クラーケンに比べりゃ大分マシだなぁっ!』ザギュッ!
ジュォアアッ!バシュッ!バシュッ!
分厚い甲殻ごとヒュドラ変異体の肩を力任せに斬り進めていくが、中程まで斬り進んだ所で突如振り返り、集束ブレスを背後のノア目掛け薙ぎ払う様に発射。
『こっち向くんじゃねぇ!』
そう言って太腿から刺突武器を抜いたノアは、ヒュドラ変異体のこめかみに深々と突き刺すと無理矢理頭の向きを変えてブレスを反らす。
その際ブレスが頬を掠め、血を噴き出すが知った事では無いと言う様にノアの追撃は続く。
刺突武器から手を離したノアは、即座に【鎧袖一贖】を発動、ヒュドラ変異体の肩によじ登りながら、こめかみに突き刺した刺突武器の柄をぶん殴り、突き入れる。
ジュォアアッ!
そしてヒュドラ変異体の肩の上で四股を踏む様な体勢を取り、中程まで斬り進んだ荒鬼神の柄を踏み抜き、左肩を削り落とす。
ガヂュッ!ゾリッ!
ジュゴァアアアアアッ!
背中に生えた8本の触手が全てノアの方を向く。
触手の先端が徐々に明滅し、集束ブレスの発射予兆が見えてきた所で
バヂュンッ!ドバァアッ!ジュァアッ!?
ノアのいる場所とは対角の位置にいたグリードがプラズマレーザーをぶっ放し、ヒュドラ変異体の鳩尾辺りを吹き飛ばす。
バシュッ!バシュッ!バシュッ!
グルルォオッ!ドゴゴゴゴッ!
苦し紛れにグリードに集束ブレスを撃ち込んで距離を取ろうとするヒュドラ変異体だが、肩の上にはまだノアが居た。
『俺の相棒に何してんだコラァ!』
ガシッ!ガッ!ブヂブヂブヂッ!
グリードにブレスを発射している触手を掴み、次々と引き千切る。
触手を粗方千切り終わると、再生が完了する前に頭と顎を掴んで力任せにへし折る。
ゴギンッ!!グルォオアアアッ!ガブゥッ!
首をへし折られ、僅かに動きが緩慢になった所を狙い、ノアが居るヒュドラ変異体の上半身目掛け、グリードが飛び込んで食らい付く。
勿論ノアはヒュドラ変異体の体を蹴り、直上に避難している。
「え?アレ、共闘してる…訳じゃないよね、ノア君の【適正】からして…」
「…うん…ノア君を攻撃する様な立ち回りをしつつ、アレをその渦中に巻き込んでるって言うか…あれは完全に三つ巴の戦いだよねー…
と言うかあの蛇みたいの何?」
突如現れたグリードの存在に、戦いを見ていた者は全員困惑していた。
戦闘音に紛れてノアがグリードを呼ぶ声が何度か聞こえた為、彼の契約獣なのだろう事は想像に難くない。
だが通常、契約獣は主人と共に戦う存在であるのが一般的だが、試合場で行われてるのはそれとは逆で、戦いの中で主人の命までも狙っているかの様な戦い方である。
当初冒険者の中にはノアに加勢しようと考えた者も数名居たのだが、この三つ巴の戦いを見て皆その気が失せた様だ。
それもその筈、
集束ブレス9発同時発射可能で進化し続ける未知の存在と、突然現れ食い殺しに掛かる未知の存在、その2つの存在を相手に超至近距離戦闘を継続する二つ名【鬼神】の赤黒い奴。
これらの存在が激戦を繰り広げる中、何処に加勢する余地があるだろうか。
バシュンッ!『おぉおおおらぁっ!』
グリードが食らい付き、直上に跳んだノアは【鎧袖一贖】を解除して手元に荒鬼神を転移させ、直下で下半身のみとなったヒュドラ変異体に剣を突き立て、即座に魔力を流す。
ドズッ!ジュボァアアッ!
『このまま燃え尽きやがれぇ!!』
ブチィッ!『んなっ!?』
ヒュドラ変異体の両足が燃え出し、残りは尻尾のみとなったのだが、突如尻尾を切り離し、試合場後方へと跳ねていく。
バチン!『くそっ!自切しやがった!
普通蜥蜴がやるもんだろうがぁあああっ!』
ブォンッ!
文句を言いながらも腰から外した荒鬼神をぶん投げ、尻尾の元へ転移する。
シュバッ!バチィッ!『ぐおっ!?』
転移と同時に荒鬼神を弾き飛ばされた為、ノアは錐揉み状態で宙を舞う。
バシュゥゥウウウウッ!『だらぁっ!』
尻尾はそんなノア目掛け、尻尾の先端から集束ブレスを発射、寸での所で荒鬼神で受け止めるも、ブレスの放射は止まらない。
ゥゥウウウウッ!ズヂュルッ、グヂュッ
『ぐ、ぐぐぐっ…奴め、撃ちながら再生してやがるっ!!』
尻尾がノアに向けブレスを発射しつつ、手足を生やし、生体鎧を生成。
『グリード!このままじゃマズイ、再生しきられる前に食い殺せ!』
グルォオオオオオオオオオオオオオオッ!
ズルン…
バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!
ズドドドドドドドドドッ!ルォオオオ…
遂に触手まで再生が完了し、向かってくるグリードに向け、一斉に集束ブレスが放たれる。
断続的な攻撃で、流石のグリードでも迂闊に近寄れない。
龍鱗は数ヶ所が砕け、出血も所々に見られる。
先程よりも更にブレスの威力が上がっている様だ。
『くっ、グリード退け!俺が何とかする!』バチィッ!
そう言って受け続けていたブレスを何とか受け流したノアは、弾幕と化したブレスの雨を掻い潜りヒュドラ変異体へ接近を図る。
(『あ。』)
ドガガガガガガガガガッ!!!
背後から爆風や、瓦礫が後頭部に当たる感覚を感じながら何とか辿り着いたノアは、荒鬼神を上段に構えて即振り下ろす。
(『主、攻撃するな!』)
『俺』から声を掛けられたが、どういった訳か反応が遅れてしまった。
序でに言うなら、振り下ろした荒鬼神がいつもより重く感じられ、攻撃を中断出来なかったのもあった。
ザクッ!
『…あ、浅い…と言うより…力が入らない…』
ジュォアアッ!バチィッ!『ごっ!?』
ヒュドラ変異体の尻尾攻撃を食らったノアだが、防具のお陰でダメージは無いに等しい。
だがノアは体がふらつき、いつもより体が上手く動かせずにいた。
(おかしい…ガドラの妨害魔法を食らってもここまでの弱体化は無かっ…"弱体化"…まさか…)
ノアはここでハッとなり自身の行動を思い返す。
"グリード!このままじゃマズイ、再生しきられる前に食い殺せ!"
『あ…』
"くっ、グリード退け!俺が何とかする!"
『しまった…やっちまった…』
(『…やっちまったなぁ…俺も久しぶりだったから反応が遅れちまった…』)
ヒュドラ変異体をもう少しで仕留められる、と焦ったノアは自身の適正である【ソロ】にとって禁止行為である"共闘"を行ってしまった。
突然の事で一瞬頭が真っ白になってしまったノアだが、追い討ちを掛ける様に更に宜しく無い事が起こり始めていた。
クロラとロゼが、試合場まで後1区画と言う所で聞こえてきた咆哮である。
「きゃっ!?」
「うわっ!?」
更に辺りにはおぞましい殺気が放たれ、試合場近くの建物等に避難していた観客や貴族、商人等が耐えられずドンドンとその場から逃げ出していた。
「な、何があったんですか!?」
「王が何かぶっ放したのは見たよな?
アレでも奴が倒せなかった所か更にヤバイ奴に変貌しちまったんだ!
君らも遠くに離れた方が良い!」
試合場から遠ざかる様に皆逃げ出す。
未だその場に残っているのは中級~上級冒険者と一部の貴族位だ。
「あ、クロラっち、あそこ!」
ロゼが指差す方向を見ると、試合場から避難し終わったジェイルとクリス、クック3人の姿を確認。
「良かった、無事だ…」
3人の無事を確認したクロラとロゼは、中の様子を確認する為、建物伝いに王城を登る事に。すると
グルォオオオオオオオオオオオオオオオッ!
「え?今度は何!?」
「さっきのとは違うよね?」
先程の物とは違う咆哮が聞こえ困惑する。
王城で様子を見ていた者達も一様に騒然としている様である。
「「な、何アレ…」」
王城に登りきった2人が見た光景は初見の者なら困惑する内容であった。
素早い足運びでヒュドラ変異体の背後を取ったノアが<渾身>を発動させ左肩に斬り掛かる。
体表は生体鎧も相まって予想以上に堅くなっていた。が
『クラーケンに比べりゃ大分マシだなぁっ!』ザギュッ!
ジュォアアッ!バシュッ!バシュッ!
分厚い甲殻ごとヒュドラ変異体の肩を力任せに斬り進めていくが、中程まで斬り進んだ所で突如振り返り、集束ブレスを背後のノア目掛け薙ぎ払う様に発射。
『こっち向くんじゃねぇ!』
そう言って太腿から刺突武器を抜いたノアは、ヒュドラ変異体のこめかみに深々と突き刺すと無理矢理頭の向きを変えてブレスを反らす。
その際ブレスが頬を掠め、血を噴き出すが知った事では無いと言う様にノアの追撃は続く。
刺突武器から手を離したノアは、即座に【鎧袖一贖】を発動、ヒュドラ変異体の肩によじ登りながら、こめかみに突き刺した刺突武器の柄をぶん殴り、突き入れる。
ジュォアアッ!
そしてヒュドラ変異体の肩の上で四股を踏む様な体勢を取り、中程まで斬り進んだ荒鬼神の柄を踏み抜き、左肩を削り落とす。
ガヂュッ!ゾリッ!
ジュゴァアアアアアッ!
背中に生えた8本の触手が全てノアの方を向く。
触手の先端が徐々に明滅し、集束ブレスの発射予兆が見えてきた所で
バヂュンッ!ドバァアッ!ジュァアッ!?
ノアのいる場所とは対角の位置にいたグリードがプラズマレーザーをぶっ放し、ヒュドラ変異体の鳩尾辺りを吹き飛ばす。
バシュッ!バシュッ!バシュッ!
グルルォオッ!ドゴゴゴゴッ!
苦し紛れにグリードに集束ブレスを撃ち込んで距離を取ろうとするヒュドラ変異体だが、肩の上にはまだノアが居た。
『俺の相棒に何してんだコラァ!』
ガシッ!ガッ!ブヂブヂブヂッ!
グリードにブレスを発射している触手を掴み、次々と引き千切る。
触手を粗方千切り終わると、再生が完了する前に頭と顎を掴んで力任せにへし折る。
ゴギンッ!!グルォオアアアッ!ガブゥッ!
首をへし折られ、僅かに動きが緩慢になった所を狙い、ノアが居るヒュドラ変異体の上半身目掛け、グリードが飛び込んで食らい付く。
勿論ノアはヒュドラ変異体の体を蹴り、直上に避難している。
「え?アレ、共闘してる…訳じゃないよね、ノア君の【適正】からして…」
「…うん…ノア君を攻撃する様な立ち回りをしつつ、アレをその渦中に巻き込んでるって言うか…あれは完全に三つ巴の戦いだよねー…
と言うかあの蛇みたいの何?」
突如現れたグリードの存在に、戦いを見ていた者は全員困惑していた。
戦闘音に紛れてノアがグリードを呼ぶ声が何度か聞こえた為、彼の契約獣なのだろう事は想像に難くない。
だが通常、契約獣は主人と共に戦う存在であるのが一般的だが、試合場で行われてるのはそれとは逆で、戦いの中で主人の命までも狙っているかの様な戦い方である。
当初冒険者の中にはノアに加勢しようと考えた者も数名居たのだが、この三つ巴の戦いを見て皆その気が失せた様だ。
それもその筈、
集束ブレス9発同時発射可能で進化し続ける未知の存在と、突然現れ食い殺しに掛かる未知の存在、その2つの存在を相手に超至近距離戦闘を継続する二つ名【鬼神】の赤黒い奴。
これらの存在が激戦を繰り広げる中、何処に加勢する余地があるだろうか。
バシュンッ!『おぉおおおらぁっ!』
グリードが食らい付き、直上に跳んだノアは【鎧袖一贖】を解除して手元に荒鬼神を転移させ、直下で下半身のみとなったヒュドラ変異体に剣を突き立て、即座に魔力を流す。
ドズッ!ジュボァアアッ!
『このまま燃え尽きやがれぇ!!』
ブチィッ!『んなっ!?』
ヒュドラ変異体の両足が燃え出し、残りは尻尾のみとなったのだが、突如尻尾を切り離し、試合場後方へと跳ねていく。
バチン!『くそっ!自切しやがった!
普通蜥蜴がやるもんだろうがぁあああっ!』
ブォンッ!
文句を言いながらも腰から外した荒鬼神をぶん投げ、尻尾の元へ転移する。
シュバッ!バチィッ!『ぐおっ!?』
転移と同時に荒鬼神を弾き飛ばされた為、ノアは錐揉み状態で宙を舞う。
バシュゥゥウウウウッ!『だらぁっ!』
尻尾はそんなノア目掛け、尻尾の先端から集束ブレスを発射、寸での所で荒鬼神で受け止めるも、ブレスの放射は止まらない。
ゥゥウウウウッ!ズヂュルッ、グヂュッ
『ぐ、ぐぐぐっ…奴め、撃ちながら再生してやがるっ!!』
尻尾がノアに向けブレスを発射しつつ、手足を生やし、生体鎧を生成。
『グリード!このままじゃマズイ、再生しきられる前に食い殺せ!』
グルォオオオオオオオオオオオオオオッ!
ズルン…
バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!
ズドドドドドドドドドッ!ルォオオオ…
遂に触手まで再生が完了し、向かってくるグリードに向け、一斉に集束ブレスが放たれる。
断続的な攻撃で、流石のグリードでも迂闊に近寄れない。
龍鱗は数ヶ所が砕け、出血も所々に見られる。
先程よりも更にブレスの威力が上がっている様だ。
『くっ、グリード退け!俺が何とかする!』バチィッ!
そう言って受け続けていたブレスを何とか受け流したノアは、弾幕と化したブレスの雨を掻い潜りヒュドラ変異体へ接近を図る。
(『あ。』)
ドガガガガガガガガガッ!!!
背後から爆風や、瓦礫が後頭部に当たる感覚を感じながら何とか辿り着いたノアは、荒鬼神を上段に構えて即振り下ろす。
(『主、攻撃するな!』)
『俺』から声を掛けられたが、どういった訳か反応が遅れてしまった。
序でに言うなら、振り下ろした荒鬼神がいつもより重く感じられ、攻撃を中断出来なかったのもあった。
ザクッ!
『…あ、浅い…と言うより…力が入らない…』
ジュォアアッ!バチィッ!『ごっ!?』
ヒュドラ変異体の尻尾攻撃を食らったノアだが、防具のお陰でダメージは無いに等しい。
だがノアは体がふらつき、いつもより体が上手く動かせずにいた。
(おかしい…ガドラの妨害魔法を食らってもここまでの弱体化は無かっ…"弱体化"…まさか…)
ノアはここでハッとなり自身の行動を思い返す。
"グリード!このままじゃマズイ、再生しきられる前に食い殺せ!"
『あ…』
"くっ、グリード退け!俺が何とかする!"
『しまった…やっちまった…』
(『…やっちまったなぁ…俺も久しぶりだったから反応が遅れちまった…』)
ヒュドラ変異体をもう少しで仕留められる、と焦ったノアは自身の適正である【ソロ】にとって禁止行為である"共闘"を行ってしまった。
突然の事で一瞬頭が真っ白になってしまったノアだが、追い討ちを掛ける様に更に宜しく無い事が起こり始めていた。
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