306 / 1,117
王都編
キュッキュルルッ、キュルルル。
しおりを挟む
キュッキュルルッ、キュルルル。
「えーっと…"ボクは元々上流にある住み処に住んでましたが散歩に出掛けたら迷っちゃって、そしたら丁度良い洞穴があったので住まわせて貰いました。"と言ってます。」
キュ~キュ~。
「"そうそう。"だそうです。」
ヴァモスの通訳によると、このデカピパラは別の場所に棲んでいたが、迷子になってこの辺りに来たらしい。
「嘘だろ…マジで会話出来てんのか…」
「…というかヴァモスとベレーザ、モンスターの言葉が分かるんだ…」
「全てのモンスターの言葉は分かりませんが、あのデカピパラの様な知能の高いモンスターならちゃんと言葉になっているので分かります。
恐らく獣人であれば分かると思いますよ。」
正直な話、デカピパラと意思疎通が取れるのは非常に有り難い。
ノアは早速本題に入る事にした。
「はい。」
キュル?
ノアがデカピパラに向かって手を上げる。
「"どうしたの?"と言ってます。」
「君はこの噛み痕を付けた奴の事を知らないかな?」
そう言ってノアはデカピパラにホーミングボアの体に付けられた傷を見せる。
…キュキュキュ…キュルキュキュキュキュ…
「"…この歯形…住み処に居た『ゴツくてデカい奴』のに似てる…"と言ってます。」
「「「「『ゴツくてデカい奴』?」」」」
あまりにも抽象的過ぎて全く見当がつかないと言った顔をする一同。
ただ、体長5メルを越えるデカピパラでさえ『デカい』と言っているのでかなり大きなモンスターなのだろう。
「俺らからすれば、そこら辺に横たわってるホーミングボアも『ゴツくてデカい奴』だしなぁ…」
「うーむ…『ゴツくてデカい奴』何か、冒険者稼業を営んでたら幾らでも出会うからなぁ…」
「「「そうだなぁ…」」」
北の村に住むダンもバドロ達もうんうん唸るばかりで進展が無い。
情報が大雑把なので仕方の無い事ではある。
「うーん…やっぱり上流に行って確認してくるしかないかな…
デカピパラさん、君の住み処だった場所を教えて貰って良いかな?」
キュルル。
「"良いよ。"と言っ「ちょっ、ちょっと待ってくれノア君、1人で行くつもりかい?」
ノアとデカピパラの会話を遮ってバドロが話に入ってきた。
「ノア君の実力は認めるが、流石に1人と言うのはどうかと思うぞ。
こちらから2人付けさせて貰うが良いかな?」
別にバドロはノアの実力を疑っている訳では無いが、立場的にはノアは新人冒険者でバドロ達は上級冒険者だ。
事の大小に関わらず今回の出来事は王都に報告されるだろう。
その際にノアは見回りに行ったのに、バドロ達は特に何もせずに粛々と依頼をこなしていたとしたらどう思われるだろうか。
ノアは両親との特訓等で大抵の事なら人の手を借りずに自己解決出来るだけの能力を持っている為、人に頼ったり、お願いしたりする事があまり無かった。
つい最近『俺』からもノアは面倒見が良すぎる、と注意を受けたばかりだったにも関わらずだ。
その辺りを何と無く察したノアは心の中で反省しつつ、バドロ達から2人付ける事を了承した。
その後なんやかんやあった結果、上流にあるというデカピパラの住み処に向かうのは、ノア、ディオ、マール、デカピパラ、ヴァモスとベレーザ(通訳)の6人(?)となった。
バドロとストラ、ダンを含めた北の村の住人と各ギルドの面々は一足先に北の村に向かう事になった。
当初はベレーザも北の村に一足先に向かって貰おうとしたのだが、物凄く寂しそうな顔をされたので仕方無く連れていく事にした。
この子は追々獣人達が住まう国でノア無しでやっていけるのだろうか、と少し心配になるノアだった。
「それじゃあディオ、マール、そっちは頼んだぞ。」
「あいよ、任せとけ。
そっちこそ、ノア君の護衛対象が居るんだ、ノア君が居ない間、しっかり頼んだぜ?」
「了解。」
そうディオに言ったバドロは北の村の住人達や各ギルドの面々を引き連れて道を進んでいった。
「さて、それじゃあ僕らも行きましょうか。」
「「「おう。」」」
キュキュキュッ、キュルルル。
「"取り敢えず川に沿って上流を目指せば良い"との事です。」
「了解した。
ディオさん、マールさん、今回はよろしくお願いしますね。」
「おう。」
「ええ。」
ノア達は、視界の左端に川を捉えながら上流を目指していった。
~歩き始めて10分後 ~
のそのそ…
ガサササッ…
タタッ!トンッタンッ!
先程まで居た開拓地から先には人が殆ど立ち入らないというのは本当の様で、歩き始めてから直ぐに辺りは藪に覆われた。
デカピパラは兎も角、自身の身長程の高さもある藪にノアは全く気にする事無く先を進むが、ベレーザを除く他の皆は、早々に樹上に上がり先を進む事になった。
ベレーザはノアの後ろを藪を掻き分けながら着いてくる。
「うにゃ~…藪がすごいですねノア様~…」ガササッ
「そうだね。人所か動物やモンスターもあまり通らないみたいだね。」ガサガサ…
「その割には平然としてますね…」ガササッ
「まぁ訓練で悪路を通ったり…あ、枝気を付けて、顔に当たると痛いよ。」ガサガサ…
「え?『ビシッ!』うにゃん!?
うー…痛いにゃあ…」ガササッ
「言ったそばから…
ねぇ君、この子を乗せて貰っても良いかな?」
見てて危なっかしくしているベレーザを見兼ねてノアはデカピパラに聞いてみる事にした。
キュルル。
「"良いよ。"だそうです。」
「という訳だベレーザ、乗せて貰うと良い。」ガバッ
「にゃっ!?うにゃあ!」
ベレーザは虎の獣人であるハズなのだが、ノアに抱き抱えられると、猫なで声を出してデカピパラの上に乗せられる。
初めて会った時と比べると接し方が和らいだ感じがするが、少し幼児退行している様にも感じるのは気のせいだろうか。
そんなノアの気持ちを察したのか、樹上に居るヴァモスがニヤリと笑ってノアに告げる。
「ノア様、虎獣人が猫なで声を上げるのは相手に甘えたいから、らしいですよ。」
「え?そうなの?」
「うにゃあっ!?」
「ヒュマノではもっと年下の奴隷が沢山居ます。『ちょっ…』
ベレーザは皆のお姉さん代わりでしたが『待つにゃ!』ノア様の底知れない安心感にやられた『言わないでにゃ!』んだと思いますよ。」
「安心感ねぇ…
街で僕やグリードから離れたがらなかったのも、そういうのが関係しているのかな?」
「そうですね。
あの時、あの場に居た中で最も強い気配を放っていたのがお二方だったので、離れられると物凄い不安感が襲ってくるんです。」
「…うーん、ヴァモスはまだ良いとして、ますますベレーザが僕から巣立るのかどうかが心配になってきたよ…」
「え?ノア君、その2人と主従契約結んで無いの?」
樹上を駆けるマールから質問が飛んで来た。
少し考えたノアは、ヴァモスとベレーザとの出会った経緯を話す事にした。
「えーっと…"ボクは元々上流にある住み処に住んでましたが散歩に出掛けたら迷っちゃって、そしたら丁度良い洞穴があったので住まわせて貰いました。"と言ってます。」
キュ~キュ~。
「"そうそう。"だそうです。」
ヴァモスの通訳によると、このデカピパラは別の場所に棲んでいたが、迷子になってこの辺りに来たらしい。
「嘘だろ…マジで会話出来てんのか…」
「…というかヴァモスとベレーザ、モンスターの言葉が分かるんだ…」
「全てのモンスターの言葉は分かりませんが、あのデカピパラの様な知能の高いモンスターならちゃんと言葉になっているので分かります。
恐らく獣人であれば分かると思いますよ。」
正直な話、デカピパラと意思疎通が取れるのは非常に有り難い。
ノアは早速本題に入る事にした。
「はい。」
キュル?
ノアがデカピパラに向かって手を上げる。
「"どうしたの?"と言ってます。」
「君はこの噛み痕を付けた奴の事を知らないかな?」
そう言ってノアはデカピパラにホーミングボアの体に付けられた傷を見せる。
…キュキュキュ…キュルキュキュキュキュ…
「"…この歯形…住み処に居た『ゴツくてデカい奴』のに似てる…"と言ってます。」
「「「「『ゴツくてデカい奴』?」」」」
あまりにも抽象的過ぎて全く見当がつかないと言った顔をする一同。
ただ、体長5メルを越えるデカピパラでさえ『デカい』と言っているのでかなり大きなモンスターなのだろう。
「俺らからすれば、そこら辺に横たわってるホーミングボアも『ゴツくてデカい奴』だしなぁ…」
「うーむ…『ゴツくてデカい奴』何か、冒険者稼業を営んでたら幾らでも出会うからなぁ…」
「「「そうだなぁ…」」」
北の村に住むダンもバドロ達もうんうん唸るばかりで進展が無い。
情報が大雑把なので仕方の無い事ではある。
「うーん…やっぱり上流に行って確認してくるしかないかな…
デカピパラさん、君の住み処だった場所を教えて貰って良いかな?」
キュルル。
「"良いよ。"と言っ「ちょっ、ちょっと待ってくれノア君、1人で行くつもりかい?」
ノアとデカピパラの会話を遮ってバドロが話に入ってきた。
「ノア君の実力は認めるが、流石に1人と言うのはどうかと思うぞ。
こちらから2人付けさせて貰うが良いかな?」
別にバドロはノアの実力を疑っている訳では無いが、立場的にはノアは新人冒険者でバドロ達は上級冒険者だ。
事の大小に関わらず今回の出来事は王都に報告されるだろう。
その際にノアは見回りに行ったのに、バドロ達は特に何もせずに粛々と依頼をこなしていたとしたらどう思われるだろうか。
ノアは両親との特訓等で大抵の事なら人の手を借りずに自己解決出来るだけの能力を持っている為、人に頼ったり、お願いしたりする事があまり無かった。
つい最近『俺』からもノアは面倒見が良すぎる、と注意を受けたばかりだったにも関わらずだ。
その辺りを何と無く察したノアは心の中で反省しつつ、バドロ達から2人付ける事を了承した。
その後なんやかんやあった結果、上流にあるというデカピパラの住み処に向かうのは、ノア、ディオ、マール、デカピパラ、ヴァモスとベレーザ(通訳)の6人(?)となった。
バドロとストラ、ダンを含めた北の村の住人と各ギルドの面々は一足先に北の村に向かう事になった。
当初はベレーザも北の村に一足先に向かって貰おうとしたのだが、物凄く寂しそうな顔をされたので仕方無く連れていく事にした。
この子は追々獣人達が住まう国でノア無しでやっていけるのだろうか、と少し心配になるノアだった。
「それじゃあディオ、マール、そっちは頼んだぞ。」
「あいよ、任せとけ。
そっちこそ、ノア君の護衛対象が居るんだ、ノア君が居ない間、しっかり頼んだぜ?」
「了解。」
そうディオに言ったバドロは北の村の住人達や各ギルドの面々を引き連れて道を進んでいった。
「さて、それじゃあ僕らも行きましょうか。」
「「「おう。」」」
キュキュキュッ、キュルルル。
「"取り敢えず川に沿って上流を目指せば良い"との事です。」
「了解した。
ディオさん、マールさん、今回はよろしくお願いしますね。」
「おう。」
「ええ。」
ノア達は、視界の左端に川を捉えながら上流を目指していった。
~歩き始めて10分後 ~
のそのそ…
ガサササッ…
タタッ!トンッタンッ!
先程まで居た開拓地から先には人が殆ど立ち入らないというのは本当の様で、歩き始めてから直ぐに辺りは藪に覆われた。
デカピパラは兎も角、自身の身長程の高さもある藪にノアは全く気にする事無く先を進むが、ベレーザを除く他の皆は、早々に樹上に上がり先を進む事になった。
ベレーザはノアの後ろを藪を掻き分けながら着いてくる。
「うにゃ~…藪がすごいですねノア様~…」ガササッ
「そうだね。人所か動物やモンスターもあまり通らないみたいだね。」ガサガサ…
「その割には平然としてますね…」ガササッ
「まぁ訓練で悪路を通ったり…あ、枝気を付けて、顔に当たると痛いよ。」ガサガサ…
「え?『ビシッ!』うにゃん!?
うー…痛いにゃあ…」ガササッ
「言ったそばから…
ねぇ君、この子を乗せて貰っても良いかな?」
見てて危なっかしくしているベレーザを見兼ねてノアはデカピパラに聞いてみる事にした。
キュルル。
「"良いよ。"だそうです。」
「という訳だベレーザ、乗せて貰うと良い。」ガバッ
「にゃっ!?うにゃあ!」
ベレーザは虎の獣人であるハズなのだが、ノアに抱き抱えられると、猫なで声を出してデカピパラの上に乗せられる。
初めて会った時と比べると接し方が和らいだ感じがするが、少し幼児退行している様にも感じるのは気のせいだろうか。
そんなノアの気持ちを察したのか、樹上に居るヴァモスがニヤリと笑ってノアに告げる。
「ノア様、虎獣人が猫なで声を上げるのは相手に甘えたいから、らしいですよ。」
「え?そうなの?」
「うにゃあっ!?」
「ヒュマノではもっと年下の奴隷が沢山居ます。『ちょっ…』
ベレーザは皆のお姉さん代わりでしたが『待つにゃ!』ノア様の底知れない安心感にやられた『言わないでにゃ!』んだと思いますよ。」
「安心感ねぇ…
街で僕やグリードから離れたがらなかったのも、そういうのが関係しているのかな?」
「そうですね。
あの時、あの場に居た中で最も強い気配を放っていたのがお二方だったので、離れられると物凄い不安感が襲ってくるんです。」
「…うーん、ヴァモスはまだ良いとして、ますますベレーザが僕から巣立るのかどうかが心配になってきたよ…」
「え?ノア君、その2人と主従契約結んで無いの?」
樹上を駆けるマールから質問が飛んで来た。
少し考えたノアは、ヴァモスとベレーザとの出会った経緯を話す事にした。
100
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる