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王都編
【魔法拳士】
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【魔法拳士】…【拳士】の上位適正。
保有している属性魔法にもよるが、自身に補助魔法を掛けつつ近距離戦闘を仕掛けるのが基本であるが、単体で魔法を放つ事も可能な為、遠・近両方での使い分けが重要な適正である。
人にも寄るが、近距離戦闘を仕掛けて爆裂魔法を炸裂させると言う自爆攻撃を仕掛ける者も居る。
「お疲れ様。
どう?感覚的には何か変わったかな?」
【適正】の儀を終え、呆然としながら壇上を下りる2人に近寄って声を掛けるノア。
「はい、戦闘などあまり経験した事もありませんが、体の動かし方等の情報が頭の中に流れ込んできました…」
「それと…【獣化】?とか言う【固有スキル】を覚えました…」
コッコッコッ…
「ほほ。それは獣人なら誰でも持つ事が出来るスキルじゃ。
獣人が一時的に"獣"となり本来の能力以上の力を得る事が出来るらしい。
私は人間だからその辺りは分からないがね。」
後ろ手を組んだ教会の神父がそう言いながらノア達の元へ歩み寄る。
「神父さんありがとうございます。
急な話に対応していただいて…」
「ほっほっ、大した事では無いよ。
それよりも【適正】を授かったんだ、どこかのギルドで試合場でも借りて、体を動かしてくると良い。」
「はい、そうします。」
「「ありがとうございました。」」
ノアとヴァモス、ベレーザの3人は、神父に挨拶をすると踵を返して教会を後にした。
ガコン。
「試合場か…【弓】ギルドにでも行ってみるか。」
ガチャリ「すいませーん、失礼しまーす。」
「ん?お!【鬼神】君じゃないか?
どうしたんだい?」
「今日って下の試合場って使えますか?」
「試合場?あぁ、今皆昼行ってるから好きに…壊さなければ使って良いよ。」
「壊しませんて。」
【弓】ギルドマスターから快く(?)試合場が使える事になった。
一応ギルドマスターが見届け人となって結界などを張ってくれるそうだ。
「さて、【魔法拳士】って事はもう魔法は使えるのかな?」
「えっと…ボクは雷と氷の補助魔法を覚えてます。」
「私は…火と風の補助魔法が使えるみたいですにゃ…」
~ざっくり補助魔法効果(現段階)~
雷属性…反応速度がパリッと上がる。
氷属性…防御力がパキッと上がる。
火属性…攻撃力がジワッと上がる。
風属性…移動速度がフワッと上がる。
「あ、凄い、お互いの補助魔法を掛ける事も出来る。」
ヴァモスが自身の指を弾く動作をすると、紫電が走り、体に纏っていく。
同様の動作をした直後にベレーザの体に触れるとベレーザにも紫電が纏わり付く様になった。
2人はその後も補助魔法を掛けたり、掛けられたりを繰り返した。
「そんじゃ暫くは1人、又は2人で動作の確認をして貰おうか。
前にも言ったけど、自分の出来る動き、出来ない動きを確認する様にね。」
「「はい、分かりました!」」
そう言って2人はまず試合場内を走り回る所から開始した。
補助魔法のお陰で僅かながら体が軽くなった様で、途中3回宙返りを行ったり4段蹴り等も行っていた。
その動作の合間に虚空に向かって拳を打ち込んだり、回し蹴り等を挟んでいる。
元々身軽な種族である為、直ぐ様人間離れした動きも可能になった。
「よし、一旦集合。大分体が慣れてきた様だね。」
「はい、効果は僅かですが、それでも動きに幅が出来ました。」
「よろしい。
攻撃や防御系の補助魔法は戦闘時で良いとして、移動速度や反応速度を上げる補助魔法は普段も発動しておく事。
さて、実戦に入る前に受け身の練習をしよう。
きちんと受け身が出来れば、さっきのベレーザみたいに頭にコブ作んないで済むからしっかりと覚えましょう。」
「はい!」
「はいですにゃ…」さすさす…
ベレーザは先程打った頭の辺りを擦りつつ、恥ずかしそうに答える。
一先ずその場に座って貰い、前後の受け身を教え、慣れてきたら立った状態で、それも慣れてきたら軽く投げたり転ばしたりと段々と難易度を上げていった。
20分後には咄嗟の判断で、適した受け身を取れる様になったので遂に実戦となった。
「さて、実戦と行こうか。
と言っても防御はするけど、最初は僕から攻撃はしない。
取り敢えず好きに打ち込んで欲しい。
勿論パンチ、キックだけじゃなく搦め手を使って良い。
2人同時に掛かって来ても良いからね。」
「「はい!」」
チラリと試合場の外を見るとギルドマスター以外に3人の冒険者が立っていた。
腹を擦っている辺り、昼飯を食べて帰って来た直後といった所だろうから直ぐに試合場を使うという事は無いだろう。
「それじゃ行きますにゃ!」ズダッ!
「はいよー!」
ベレーザは元気な声を発し、真っ直ぐノアの元へ駆けていく。
補助魔法のお陰で接近してくる速度が体感1割増しといった所だろうか。
「うにゃあっ!」ズダッ!ブォンッ!
ノアの3メル手前で飛び上がったベレーザは、素早く腰を捻り、右の後ろ回し蹴りを繰り出す。
ズッ…
ノアは10セメル程後退し、ベレーザの蹴りが空を切る。
ズザザッ!「お?」
ベレーザの蹴りに遅れる事僅か数瞬、飛び上がっているベレーザの下を高速で移動してきたヴァモスが滑り込んできた。
ヒュババッ!ボッ!「うりゃっ!」
手足や腰の捻りを利用して膝立ちの体勢になったヴァモスの拳がノアの腹部に迫る。が
トッ!
その場で前宙を行ったノアは、ベレーザをも飛び越えて2人の後方に降り立つ。
スタッ。
「うん、良い動きだ。
ただ2人共、今の連携を取る為にお互い手数を減らしたからか避けやすかったよ。
出来ればもう一手増やしても良かったかな。」
<<<<いやいや…(試合場外の一同)>>>>
ズダンッ!「おおっ!」
ズドンッ!「にゃっ!」
「シッ!」ブォンッ!バヒュッ!
高速でノアの前まで移動してきたヴァモスが屈んだ体勢から右の拳を繰り出して来た。
だが先程同様僅かに後退ったノアはコレを回避。
待ってましたとばかりに後ろ回し蹴りを行って来たヴァモスだが、ここからノアの対応が変化する事になる。
ガシッ!「うぇっ!?うわぁっ!?」
蹴りを避けるでも無く、足首を掴んで止めたかと思うと、ポイっと後方へぶん投げた。
「にゃにゃにゃにゃっ!」ズバババババッ!
ぶん投げられたヴァモスを横目に、ノアの元に到達したベレーザが自身の爪で6連引っ掻き攻撃を仕掛けてきた。
ガガガガガガッ!「うににっ…!?」
全ての攻撃を出だしで潰したノアに可愛らしい焦りの声を上げるベレーザ。
ダンッ!「にゃにゃっ!」バッ!バッ!
痺れを切らし、引っ掻き攻撃を中断したベレーザがその場で飛び上がって二段蹴りを繰り出す。
ガッ!ガシッ!
ポイッ。「うにゃー!!」
一段目は弾いたノアは、二段目を受け止めると腕を回し、後ろに向かってぶん投げる。
「はぁあああっ!」ボヒュッ!
ガッ!「うん、良い蹴りだ。」
ベレーザを投げた直後、既に起き上がり急速に肉薄してきたヴァモスが強烈な上段蹴りを繰り出す。
しっかりと腰が入っていた為、まともに食らえばかなりのダメージを与える事だろう。
だがその上段蹴りを防がれたヴァモスは、直ぐ様軸足を入れ替えて上・中・上と3連撃の蹴りを放ってきた。
コレを顔を引き、腹を引っ込めて回避しつつヴァモスの軸足を強目に刈る。
バシッ!「くっ…!」
強目の足払いでヴァモスの体勢が逆立ちの様な状態になった。
が、咄嗟にヴァモスが地面に手を付きつつ回転を加え、4連撃の蹴りを繰り出した。
コレも僅かに顔を引く事で回避するノア。
その隙に距離を取ったヴァモスは、受け身を取って立ち上がったベレーザと共に再度攻撃を仕掛けようした時だった。
「あっ…」
「にゃ…?」
「あれ?どうしたの?2人共。」
「「何か新しく魔法覚えました」にゃ。」
実戦形式で行っていたからか、経験値の様な物が早く溜まったのだろう。
ヴァモスは新しく『サンダー』を、ベレーザは『ファイア』を覚えた。
保有している属性魔法にもよるが、自身に補助魔法を掛けつつ近距離戦闘を仕掛けるのが基本であるが、単体で魔法を放つ事も可能な為、遠・近両方での使い分けが重要な適正である。
人にも寄るが、近距離戦闘を仕掛けて爆裂魔法を炸裂させると言う自爆攻撃を仕掛ける者も居る。
「お疲れ様。
どう?感覚的には何か変わったかな?」
【適正】の儀を終え、呆然としながら壇上を下りる2人に近寄って声を掛けるノア。
「はい、戦闘などあまり経験した事もありませんが、体の動かし方等の情報が頭の中に流れ込んできました…」
「それと…【獣化】?とか言う【固有スキル】を覚えました…」
コッコッコッ…
「ほほ。それは獣人なら誰でも持つ事が出来るスキルじゃ。
獣人が一時的に"獣"となり本来の能力以上の力を得る事が出来るらしい。
私は人間だからその辺りは分からないがね。」
後ろ手を組んだ教会の神父がそう言いながらノア達の元へ歩み寄る。
「神父さんありがとうございます。
急な話に対応していただいて…」
「ほっほっ、大した事では無いよ。
それよりも【適正】を授かったんだ、どこかのギルドで試合場でも借りて、体を動かしてくると良い。」
「はい、そうします。」
「「ありがとうございました。」」
ノアとヴァモス、ベレーザの3人は、神父に挨拶をすると踵を返して教会を後にした。
ガコン。
「試合場か…【弓】ギルドにでも行ってみるか。」
ガチャリ「すいませーん、失礼しまーす。」
「ん?お!【鬼神】君じゃないか?
どうしたんだい?」
「今日って下の試合場って使えますか?」
「試合場?あぁ、今皆昼行ってるから好きに…壊さなければ使って良いよ。」
「壊しませんて。」
【弓】ギルドマスターから快く(?)試合場が使える事になった。
一応ギルドマスターが見届け人となって結界などを張ってくれるそうだ。
「さて、【魔法拳士】って事はもう魔法は使えるのかな?」
「えっと…ボクは雷と氷の補助魔法を覚えてます。」
「私は…火と風の補助魔法が使えるみたいですにゃ…」
~ざっくり補助魔法効果(現段階)~
雷属性…反応速度がパリッと上がる。
氷属性…防御力がパキッと上がる。
火属性…攻撃力がジワッと上がる。
風属性…移動速度がフワッと上がる。
「あ、凄い、お互いの補助魔法を掛ける事も出来る。」
ヴァモスが自身の指を弾く動作をすると、紫電が走り、体に纏っていく。
同様の動作をした直後にベレーザの体に触れるとベレーザにも紫電が纏わり付く様になった。
2人はその後も補助魔法を掛けたり、掛けられたりを繰り返した。
「そんじゃ暫くは1人、又は2人で動作の確認をして貰おうか。
前にも言ったけど、自分の出来る動き、出来ない動きを確認する様にね。」
「「はい、分かりました!」」
そう言って2人はまず試合場内を走り回る所から開始した。
補助魔法のお陰で僅かながら体が軽くなった様で、途中3回宙返りを行ったり4段蹴り等も行っていた。
その動作の合間に虚空に向かって拳を打ち込んだり、回し蹴り等を挟んでいる。
元々身軽な種族である為、直ぐ様人間離れした動きも可能になった。
「よし、一旦集合。大分体が慣れてきた様だね。」
「はい、効果は僅かですが、それでも動きに幅が出来ました。」
「よろしい。
攻撃や防御系の補助魔法は戦闘時で良いとして、移動速度や反応速度を上げる補助魔法は普段も発動しておく事。
さて、実戦に入る前に受け身の練習をしよう。
きちんと受け身が出来れば、さっきのベレーザみたいに頭にコブ作んないで済むからしっかりと覚えましょう。」
「はい!」
「はいですにゃ…」さすさす…
ベレーザは先程打った頭の辺りを擦りつつ、恥ずかしそうに答える。
一先ずその場に座って貰い、前後の受け身を教え、慣れてきたら立った状態で、それも慣れてきたら軽く投げたり転ばしたりと段々と難易度を上げていった。
20分後には咄嗟の判断で、適した受け身を取れる様になったので遂に実戦となった。
「さて、実戦と行こうか。
と言っても防御はするけど、最初は僕から攻撃はしない。
取り敢えず好きに打ち込んで欲しい。
勿論パンチ、キックだけじゃなく搦め手を使って良い。
2人同時に掛かって来ても良いからね。」
「「はい!」」
チラリと試合場の外を見るとギルドマスター以外に3人の冒険者が立っていた。
腹を擦っている辺り、昼飯を食べて帰って来た直後といった所だろうから直ぐに試合場を使うという事は無いだろう。
「それじゃ行きますにゃ!」ズダッ!
「はいよー!」
ベレーザは元気な声を発し、真っ直ぐノアの元へ駆けていく。
補助魔法のお陰で接近してくる速度が体感1割増しといった所だろうか。
「うにゃあっ!」ズダッ!ブォンッ!
ノアの3メル手前で飛び上がったベレーザは、素早く腰を捻り、右の後ろ回し蹴りを繰り出す。
ズッ…
ノアは10セメル程後退し、ベレーザの蹴りが空を切る。
ズザザッ!「お?」
ベレーザの蹴りに遅れる事僅か数瞬、飛び上がっているベレーザの下を高速で移動してきたヴァモスが滑り込んできた。
ヒュババッ!ボッ!「うりゃっ!」
手足や腰の捻りを利用して膝立ちの体勢になったヴァモスの拳がノアの腹部に迫る。が
トッ!
その場で前宙を行ったノアは、ベレーザをも飛び越えて2人の後方に降り立つ。
スタッ。
「うん、良い動きだ。
ただ2人共、今の連携を取る為にお互い手数を減らしたからか避けやすかったよ。
出来ればもう一手増やしても良かったかな。」
<<<<いやいや…(試合場外の一同)>>>>
ズダンッ!「おおっ!」
ズドンッ!「にゃっ!」
「シッ!」ブォンッ!バヒュッ!
高速でノアの前まで移動してきたヴァモスが屈んだ体勢から右の拳を繰り出して来た。
だが先程同様僅かに後退ったノアはコレを回避。
待ってましたとばかりに後ろ回し蹴りを行って来たヴァモスだが、ここからノアの対応が変化する事になる。
ガシッ!「うぇっ!?うわぁっ!?」
蹴りを避けるでも無く、足首を掴んで止めたかと思うと、ポイっと後方へぶん投げた。
「にゃにゃにゃにゃっ!」ズバババババッ!
ぶん投げられたヴァモスを横目に、ノアの元に到達したベレーザが自身の爪で6連引っ掻き攻撃を仕掛けてきた。
ガガガガガガッ!「うににっ…!?」
全ての攻撃を出だしで潰したノアに可愛らしい焦りの声を上げるベレーザ。
ダンッ!「にゃにゃっ!」バッ!バッ!
痺れを切らし、引っ掻き攻撃を中断したベレーザがその場で飛び上がって二段蹴りを繰り出す。
ガッ!ガシッ!
ポイッ。「うにゃー!!」
一段目は弾いたノアは、二段目を受け止めると腕を回し、後ろに向かってぶん投げる。
「はぁあああっ!」ボヒュッ!
ガッ!「うん、良い蹴りだ。」
ベレーザを投げた直後、既に起き上がり急速に肉薄してきたヴァモスが強烈な上段蹴りを繰り出す。
しっかりと腰が入っていた為、まともに食らえばかなりのダメージを与える事だろう。
だがその上段蹴りを防がれたヴァモスは、直ぐ様軸足を入れ替えて上・中・上と3連撃の蹴りを放ってきた。
コレを顔を引き、腹を引っ込めて回避しつつヴァモスの軸足を強目に刈る。
バシッ!「くっ…!」
強目の足払いでヴァモスの体勢が逆立ちの様な状態になった。
が、咄嗟にヴァモスが地面に手を付きつつ回転を加え、4連撃の蹴りを繰り出した。
コレも僅かに顔を引く事で回避するノア。
その隙に距離を取ったヴァモスは、受け身を取って立ち上がったベレーザと共に再度攻撃を仕掛けようした時だった。
「あっ…」
「にゃ…?」
「あれ?どうしたの?2人共。」
「「何か新しく魔法覚えました」にゃ。」
実戦形式で行っていたからか、経験値の様な物が早く溜まったのだろう。
ヴァモスは新しく『サンダー』を、ベレーザは『ファイア』を覚えた。
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