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獣人国編~ダンジョン『宝物庫』~
プシューッ…
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スタッ! プシューッ…
「え?」
(『え?』)
先程の横穴に入ってから約1分程なだらかな坂を滑り続け、漸く着いたと思った瞬間に足元から紫色のガスが発生し出した。
誰がどう見ても毒である事は間違いないだろう。
ノアが降り立った部屋は、直径10メル程の小さな部屋で、壁際には石造りの螺旋階段が取り付けられ、上へ上へと続いている。
その間も紫色のガスは噴出し続け、ノアの膝下までガスで満たされている。
ただ、ガスが触れているにも関わらず、毒状態にならない事から、吸入する事で毒に侵されるタイプなのであろう。
「…取り敢えず上って行けば良いんだよね…?」
(『多分な…』)
という訳で螺旋階段を上り、上を目指す事に。
紫色のガスは溜まる迄に時間が掛かるらしく、多少はゆっくり出来そうである。
プシュー…
スタスタスタ…
「さっきまでとは打って変わって、教会?図書館?みたいな本や調度品が置かれてるね。」
(『俺はその辺の価値が分からんが、それなりに値打ちがあるんじゃね?
ホラ、そこに"上級魔法のススメ"って本あるだろ?【魔法使い】何かには価値あるんじゃねぇかな。』)
『俺』が言う様に壁の本棚には、"【拳士】上級戦技入門"やら"【人形使い】作成時の手引き"等と書かれた書物が並んでいた。
スッ…
「へぇ、"【弓】の最上位職の選び方"か…クロラさん用に持って行こうかな。」
(『出たよ、隙あらばクロラ。』)
ヒュンッ!バシッ!
「あーっ!?本が消えたーっ!?」
ノアが手に持っていた書物に矢が飛来。
突き立ったと同時に書物が弾き出された。
完全に油断していたノアは反応に遅れてしまった。
『『『『『『『キリリリッ…』』』』』』』
頭上のあちこちから弓を引き絞る音が聞こえ、上を向くと、木で出来た木人約30体が弓を引き、ノアに狙いを定めていた。
「ちょ、モンスター居ないんじゃ無かったっけ!?」
(『ありゃモンスターじゃなくて仕掛けの一部なんだろうな。
生物に付き物の気配みたいな物が全く無いしな。
それよりも、来るみたいだぜ?』)
『『『『『『バシュッ!』』』』』』
パパパパンッ!パシッ!パシッ!
クルッ、ズダンッ! ドカカカカカカカッ!
頭上の木人達が一斉に矢を放つ。
ノアは両手に2射ずつ掴み取ると、横に転がりつつ階段を蹴り、その場から離脱。
ノアの居た場所には20を越える矢が突き立つ。
スチャッ…バシュッ!バシュッ!
転がりつつも弓を手にしたノアは、掴み取った矢2本を番え<集中><渾身><洗練された手業>を発動し、上に居る木人へと矢を放つ。
が
ガゴッ!ボギンッ!
「え?」
ノアが放った矢は、木人に突き立つ事無く当たった瞬間に砕けてしまった。
ヒュボボボボボボッ!
「おっと。」ダンッ!
ダダ『ドカカッ!』ダダダダ『カカッ!』ダダッ!
上からは断続的に矢が降り注いでいるが、ノアはそれを回避しつつ、先程放った矢が砕けた事に違和感を覚えていた。
「あれは木人が硬いとかそう言った問題じゃない。」
(『あぁ、何か障壁みたいな物で弾かれたみたいだったな。』)
「ちょっと確かめてみるか…」ダンッ!
ノアは意を決して回避を止め、猛然と螺旋階段を駆け上がり、矢を射続ける木人の元へと駆ける。
バシュッ!バシュンッ!
ヒュン、ヒュォッ!
木人からは尚も矢が放たれ、ノアは最小限の動きで避けつつ接近を図る。
ノアの目の前には木人が3体連なって立っているが、至近距離まで接近された為、後方の2体が放てずにいる。
バシュンッ!
ヒョイッ!
「オラァアアッ!」ズドンッ!!
木人が矢を射ってくるが、首を僅かに傾ける程度でこれを回避。
ノアは右拳を握り<渾身>を発動して木人の胴体を本気でぶん殴る。
が
ゴッ!ギギギギギギッ!!
ノアの右拳と胴体との間に半透明の障壁が張られており、攻撃の一切が通っていなかった。
「駄目だ!破壊不可だこれ!」
(『ちっ、面倒臭ぇな…ん?』)
目の前の木人には、先程1階にあった石像同様、額に宝石が埋め込まれていた。
但しこの木人の額に、は無色透明の宝石が嵌め込まれているのだが、その宝石が徐々に青く染まっていく。
まるでノアの赤黒いオーラの様に…
〝侵入者が一定範囲内にまで侵攻して来ました。
制圧シーケンスを破棄し、強攻シーケンスに移行します。〟
〝〝〝〝〝移行します!〟〟〟〟〟
目の前の木人がそう発すると、その後ろに居る木人や、上に居る木人が一斉に同じ言葉を言い放つ。
ノアは他の木人へと視線を移すと、額の宝石の色がそれぞれ違う事に気付く。
カタ…カタカタ…ガションッ!
「え?何…」
突如目の前の木人が震え出したかと思うと、口が開かれ口の中に魔法陣が描かれた玉が見えた。
直後
ボボボボボボッ!
「うおっ!危ねっ!!」
木人の口から氷の塊が発射された。
ノアは首を傾けて回避したものの、一瞬見えた頭上の光景に目を疑った。
シュゴォオオオオオッ!
バヂヂヂヂヂヂッ!
ズォッ!!
バシュゥウウウッ!
「ちょ、マジか…」
赤い宝石が嵌め込まれている木人からは、瞬時に足場の階段が燃え上がる程の温度の火炎放射が。
黄色い宝石が嵌め込まれている木人からは、発射の際に僅かに触れただけで近くの書物が炭化する程の電圧の稲妻が。
黄緑色の宝石が嵌め込まれている木人からは、発射の際に石造りの階段がスパッと切れる程の風の刃が。
水色の宝石が嵌め込まれている木人からは、これまた発射の際に石造りの階段がスパッと切れる程の高水圧の水塊が発射された。
そして恐らく螺旋階段の最上段に居る橙色の宝石が嵌め込まれた木人は、口に煌々と光る火球が発生している。
(『避けろ!』)
「言わずもがな、ってね!」ズダンッ!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!
ノアがその場から回避した直後、30体の木人から属性の違う魔法が次々と着弾し、大爆発が発生。
辺りは高温の水蒸気に満たされるが、ノアはギリギリ範囲外に逃れる。
「あっちぃっ!」
(『巻き込まれたら一堪りも無かったな。』)
(てか、多少影響下にあったハズなのに弾き出されないのな。)
(『そういや、そうだな。』)
気になる事ではあるが、回避に専念する方が最優先である。
スタッ!「げっ!?」
ノアは10メル程下にある階段に着地。
だがそこには既に紫色の毒ガスがノアの腰辺りまで迫ってきていた。
シュゴォオオオオオッ!
「うおっと!」
ノアは驚きつつも、断続的に繰り出される攻撃を掻い潜りつつ『俺』と話を始める。
(『主、これは恐らくだが、あの木人共が足止めしてこの毒ガスが本命なんじゃないか?』)
(あー…あの猛攻にジリ貧になって毒ガスで仕止められたら終了って事ね…
それなら熱波食らったのに弾かれない説明も付くけど…今は兎に角、上を目指すとしよう。)
(『その方が良いな。
それに上に居るアイツ…橙色の宝石が嵌め込まれている木人。
あれが恐らく最終防衛線って所だろうな。』)
(あぁ、他とは違って火球を口に止めたまま待機状態を維持しているしね…)
(『色からして爆裂魔法、って所だろう。
主、何か手はあるか?』)
(無い。
…けどまぁ何とかなるでしょ、こんなモン父さんや母さんとの訓練に比べたら生温い。)
(『ふ、言えてるな。』)
バシュゥウウウッ!
シュゴォオオオオオッ!
ズバァッ!
「オ"ォオ"ア"ア"ア"ッ!!!」ドァッ!!
ノアは<猿叫>を発動し。
放たれた属性魔法の内、火炎放射を音圧で跳ね返し、一時的に木人の視界を塞ぐ。
ボファッ!
すると火の海を突き破り、"何か"が高速で飛び出した。
シュゴォオオオオオッ!
バヂヂヂヂヂヂッ!
ズバァッ!
バシュゥウッ!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!
その"何か"に向けて木人達が一斉に攻撃を仕掛けるが、勢いは多少弱まったものの一直線に橙色の宝石が嵌め込まれている木人へと向かう。
〝排除する。〟ゴバァッ!!
ジュボァアッ!!
一定範囲内に入ったからか、木人から"何か"に火球が発射され、部屋全体が炎で埋め尽くされる。
バシュンッ!
「馬鹿正直に狙ってくれて助かるよ。
ってか普通の人達、これどうやって対処すりゃ良いんだろう…」
全身を【鬼鎧殻】で覆ったノアが、先程ぶん投げた荒鬼神に転移。
勢いそのままに木人の背後に回ると、扉を発見した。
「え?」
(『え?』)
先程の横穴に入ってから約1分程なだらかな坂を滑り続け、漸く着いたと思った瞬間に足元から紫色のガスが発生し出した。
誰がどう見ても毒である事は間違いないだろう。
ノアが降り立った部屋は、直径10メル程の小さな部屋で、壁際には石造りの螺旋階段が取り付けられ、上へ上へと続いている。
その間も紫色のガスは噴出し続け、ノアの膝下までガスで満たされている。
ただ、ガスが触れているにも関わらず、毒状態にならない事から、吸入する事で毒に侵されるタイプなのであろう。
「…取り敢えず上って行けば良いんだよね…?」
(『多分な…』)
という訳で螺旋階段を上り、上を目指す事に。
紫色のガスは溜まる迄に時間が掛かるらしく、多少はゆっくり出来そうである。
プシュー…
スタスタスタ…
「さっきまでとは打って変わって、教会?図書館?みたいな本や調度品が置かれてるね。」
(『俺はその辺の価値が分からんが、それなりに値打ちがあるんじゃね?
ホラ、そこに"上級魔法のススメ"って本あるだろ?【魔法使い】何かには価値あるんじゃねぇかな。』)
『俺』が言う様に壁の本棚には、"【拳士】上級戦技入門"やら"【人形使い】作成時の手引き"等と書かれた書物が並んでいた。
スッ…
「へぇ、"【弓】の最上位職の選び方"か…クロラさん用に持って行こうかな。」
(『出たよ、隙あらばクロラ。』)
ヒュンッ!バシッ!
「あーっ!?本が消えたーっ!?」
ノアが手に持っていた書物に矢が飛来。
突き立ったと同時に書物が弾き出された。
完全に油断していたノアは反応に遅れてしまった。
『『『『『『『キリリリッ…』』』』』』』
頭上のあちこちから弓を引き絞る音が聞こえ、上を向くと、木で出来た木人約30体が弓を引き、ノアに狙いを定めていた。
「ちょ、モンスター居ないんじゃ無かったっけ!?」
(『ありゃモンスターじゃなくて仕掛けの一部なんだろうな。
生物に付き物の気配みたいな物が全く無いしな。
それよりも、来るみたいだぜ?』)
『『『『『『バシュッ!』』』』』』
パパパパンッ!パシッ!パシッ!
クルッ、ズダンッ! ドカカカカカカカッ!
頭上の木人達が一斉に矢を放つ。
ノアは両手に2射ずつ掴み取ると、横に転がりつつ階段を蹴り、その場から離脱。
ノアの居た場所には20を越える矢が突き立つ。
スチャッ…バシュッ!バシュッ!
転がりつつも弓を手にしたノアは、掴み取った矢2本を番え<集中><渾身><洗練された手業>を発動し、上に居る木人へと矢を放つ。
が
ガゴッ!ボギンッ!
「え?」
ノアが放った矢は、木人に突き立つ事無く当たった瞬間に砕けてしまった。
ヒュボボボボボボッ!
「おっと。」ダンッ!
ダダ『ドカカッ!』ダダダダ『カカッ!』ダダッ!
上からは断続的に矢が降り注いでいるが、ノアはそれを回避しつつ、先程放った矢が砕けた事に違和感を覚えていた。
「あれは木人が硬いとかそう言った問題じゃない。」
(『あぁ、何か障壁みたいな物で弾かれたみたいだったな。』)
「ちょっと確かめてみるか…」ダンッ!
ノアは意を決して回避を止め、猛然と螺旋階段を駆け上がり、矢を射続ける木人の元へと駆ける。
バシュッ!バシュンッ!
ヒュン、ヒュォッ!
木人からは尚も矢が放たれ、ノアは最小限の動きで避けつつ接近を図る。
ノアの目の前には木人が3体連なって立っているが、至近距離まで接近された為、後方の2体が放てずにいる。
バシュンッ!
ヒョイッ!
「オラァアアッ!」ズドンッ!!
木人が矢を射ってくるが、首を僅かに傾ける程度でこれを回避。
ノアは右拳を握り<渾身>を発動して木人の胴体を本気でぶん殴る。
が
ゴッ!ギギギギギギッ!!
ノアの右拳と胴体との間に半透明の障壁が張られており、攻撃の一切が通っていなかった。
「駄目だ!破壊不可だこれ!」
(『ちっ、面倒臭ぇな…ん?』)
目の前の木人には、先程1階にあった石像同様、額に宝石が埋め込まれていた。
但しこの木人の額に、は無色透明の宝石が嵌め込まれているのだが、その宝石が徐々に青く染まっていく。
まるでノアの赤黒いオーラの様に…
〝侵入者が一定範囲内にまで侵攻して来ました。
制圧シーケンスを破棄し、強攻シーケンスに移行します。〟
〝〝〝〝〝移行します!〟〟〟〟〟
目の前の木人がそう発すると、その後ろに居る木人や、上に居る木人が一斉に同じ言葉を言い放つ。
ノアは他の木人へと視線を移すと、額の宝石の色がそれぞれ違う事に気付く。
カタ…カタカタ…ガションッ!
「え?何…」
突如目の前の木人が震え出したかと思うと、口が開かれ口の中に魔法陣が描かれた玉が見えた。
直後
ボボボボボボッ!
「うおっ!危ねっ!!」
木人の口から氷の塊が発射された。
ノアは首を傾けて回避したものの、一瞬見えた頭上の光景に目を疑った。
シュゴォオオオオオッ!
バヂヂヂヂヂヂッ!
ズォッ!!
バシュゥウウウッ!
「ちょ、マジか…」
赤い宝石が嵌め込まれている木人からは、瞬時に足場の階段が燃え上がる程の温度の火炎放射が。
黄色い宝石が嵌め込まれている木人からは、発射の際に僅かに触れただけで近くの書物が炭化する程の電圧の稲妻が。
黄緑色の宝石が嵌め込まれている木人からは、発射の際に石造りの階段がスパッと切れる程の風の刃が。
水色の宝石が嵌め込まれている木人からは、これまた発射の際に石造りの階段がスパッと切れる程の高水圧の水塊が発射された。
そして恐らく螺旋階段の最上段に居る橙色の宝石が嵌め込まれた木人は、口に煌々と光る火球が発生している。
(『避けろ!』)
「言わずもがな、ってね!」ズダンッ!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!
ノアがその場から回避した直後、30体の木人から属性の違う魔法が次々と着弾し、大爆発が発生。
辺りは高温の水蒸気に満たされるが、ノアはギリギリ範囲外に逃れる。
「あっちぃっ!」
(『巻き込まれたら一堪りも無かったな。』)
(てか、多少影響下にあったハズなのに弾き出されないのな。)
(『そういや、そうだな。』)
気になる事ではあるが、回避に専念する方が最優先である。
スタッ!「げっ!?」
ノアは10メル程下にある階段に着地。
だがそこには既に紫色の毒ガスがノアの腰辺りまで迫ってきていた。
シュゴォオオオオオッ!
「うおっと!」
ノアは驚きつつも、断続的に繰り出される攻撃を掻い潜りつつ『俺』と話を始める。
(『主、これは恐らくだが、あの木人共が足止めしてこの毒ガスが本命なんじゃないか?』)
(あー…あの猛攻にジリ貧になって毒ガスで仕止められたら終了って事ね…
それなら熱波食らったのに弾かれない説明も付くけど…今は兎に角、上を目指すとしよう。)
(『その方が良いな。
それに上に居るアイツ…橙色の宝石が嵌め込まれている木人。
あれが恐らく最終防衛線って所だろうな。』)
(あぁ、他とは違って火球を口に止めたまま待機状態を維持しているしね…)
(『色からして爆裂魔法、って所だろう。
主、何か手はあるか?』)
(無い。
…けどまぁ何とかなるでしょ、こんなモン父さんや母さんとの訓練に比べたら生温い。)
(『ふ、言えてるな。』)
バシュゥウウウッ!
シュゴォオオオオオッ!
ズバァッ!
「オ"ォオ"ア"ア"ア"ッ!!!」ドァッ!!
ノアは<猿叫>を発動し。
放たれた属性魔法の内、火炎放射を音圧で跳ね返し、一時的に木人の視界を塞ぐ。
ボファッ!
すると火の海を突き破り、"何か"が高速で飛び出した。
シュゴォオオオオオッ!
バヂヂヂヂヂヂッ!
ズバァッ!
バシュゥウッ!
ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!
その"何か"に向けて木人達が一斉に攻撃を仕掛けるが、勢いは多少弱まったものの一直線に橙色の宝石が嵌め込まれている木人へと向かう。
〝排除する。〟ゴバァッ!!
ジュボァアッ!!
一定範囲内に入ったからか、木人から"何か"に火球が発射され、部屋全体が炎で埋め尽くされる。
バシュンッ!
「馬鹿正直に狙ってくれて助かるよ。
ってか普通の人達、これどうやって対処すりゃ良いんだろう…」
全身を【鬼鎧殻】で覆ったノアが、先程ぶん投げた荒鬼神に転移。
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