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獣人国編~森の番人~
ちょいちょい
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「のぅ、坊。悪いが、ちとしゃがんでくれんかの?」ちょいちょい。
「え?どうしました、バトさん?」
バトに後ろから声を掛けられたノアは、目線を合わせる為にしゃがむと
「こんのバカタレぃ!」
ゴィンッ!
「すっげぇ痛ぇっ!?」
即座にバトの鉄塊の様な拳が振り下ろされた。
「…え?何「お前さんまた1人で突っ走っておるなっ!それが原因で1度フリアダビアで死にかけたじゃろう!(バト)」
「あ、あの時はそれが最良かなっ「限られた人員、物資の中ではあれが最良なのは分かる!
じゃが誰にも相談無しで行くな言うとんのじゃ!(バト)」
「ワシもずーっと思っちょった!あん時からずーっと思っちょった!
お前さんは自己犠牲が過ぎるわ!(ルド)」
「突っ走るのは良い、だがそれは色々検討した結果何も手が無い場合じゃ!
お前さんにはそれ相応の力が備わっちょるしの!(ロイ)」
「だから今一度考え直せ!
本当に他に手は無いか?協力してくれそうな奴は居らんのか?(バト)」
「協力してくれそうな人って言ったって…」
ドワーフ3人組に説得され、少し思案するノア。
ふと、目の前の3人に目をやると
『『『にかっ。』』』
「…え?まさか…」
「「「そのまさかじゃ。」」」
良い笑顔でノアに笑い掛けるドワーフ3人組。
「いやいや、駄目ですよ…
アイツら本気を出していないから分かりませんけど、下手すればこの間の【魔王】の手下並みの強さがありますよ?」
「分かっとるよ。
お前さんは恐らく次の戦いでは"アレ"を呼び出して挑むんじゃろ?」
「えぇ、まぁ…」
「確かに"アレ"を出せば割と直ぐ片が付くじゃろう。
じゃが何が起こるか分からん、フリアダビアん時もそうじゃったしな。
だからワシら4人はあくまで予備戦力じゃ。
奴等以外にも何ぞ別のモンスターが居ったしの。」
「ん?4人って私も入ってる?」
「それらの対処はワシらが請け負う。
お主は奴等に集中せぃ。」
フリアダビアの時も、過剰戦力であったグリードと共に戦っても数の暴力に押され、割とギリギリの戦いであった。
次の戦いでもグリードを出すつもりではあるが、それによってあちらも増援を出す恐れがある。
そうなった場合戦況が厳しくなるだろう。
ノアとしては有難い提案である。フリアダビアでドワーフ3人組の戦力は知っているし機転も利く。
常に冷静(と言うか豪胆)である為、先程のギュラドスカルの様に取り乱す事は無いだろう。
だが
「あの、エスメラルダさんの実力はいか程ありますか?」
「何かしれっと私も参加する流れになってるわね…
まぁ良いけど…一応上級冒険者よ。
それと私達エルフが住む森では10年に1度位の割合で『森の番人レント・レアナ』の討伐をやってるから力になれると思うわ。」
「本当ですか!?」
エルフ達が暮らす森は自然豊かで魔力も豊富な為、森の番人レント・レアナ夫妻の様な高位モンスターが出現し易いらしい。
「えぇ。
でも森が大きくなり過ぎる前の弱い個体を相手にしているだけだけどね。
『滅びの森』の様に広大な森に生息するレント・レアナにもその戦法が通用するか分からないわ。」
「それでも十分です。
何より今は情報が欲しい所ですので。」
「「「じゃあ決まりって事でええかね?」」」
「えぇ。お願いします。」
と言う事で急拵えではあるが、対レント・レアナ戦、2回戦のメンバーが決まる事となった。
だがここでノアは
「うーん…相手はトレントの最上位種…であればあの人にも要請掛けてみるか…」
どうやらノアに1人当てがあるらしく、後程要請を掛ける算段の様だ。
「という訳でハナさん、1つ王様に許可を貰ってきて欲しいのですが。」
「き、許可ですか?」
「えぇ。
最終的な規模がどうなるかが分かりませんが、『滅びの森』を中心に広範囲が焼け野原になる恐れがあります。
それ程の火力で対抗しないと恐らく倒せないのでかなり滅茶苦茶になると思います。
これから破壊活動を行うのでやはり許可は必要かなと…」
「わ、分かりました、聞いてみます。」
ノアから話を受けたハナ含めた『犬姫』の3人は、急ぎ王城へと向かっていった。
「…と言う訳でここに居られる冒険者の皆さん、絶対に街の外に出ないで下さい。
今度は徹底的にやりますので。」
「「「「「「お、おぅ…」」」」」」
そのままノアとドワーフ達、エスメラルダの3人はギルドを出て未だ治療されているであろう者達の元へ向かう。
「ヴァンディットさん、皆さんの様子は…って、うわぁ…」
南門直ぐ近くの脇に臨時の救護所が設けられ、ヴァンディットとラインハードがせっせと動いていた。
ラーベ、ラベルタ、ギュラドスカル、『侍衆』と『高起動兵団』の面々は既に目を覚ましており、血色も良く、重篤な症状を見せている者は居なかった。
特にラベルタは顔の半分が見るも無惨な程に変形していたが、多少の痕が残っているものの眼帯代わりの布を巻いている程度に治まっていた。
流石はヴァンディットである。
だが皆の周りに漂っている空気が非常に重く、一言で言えば"どんより"としていた。
「あ、ノア様。
丁度皆様目を覚ました所です。
多少まだ違和感を覚えている方も居られますが、暫く安静にしていれば大丈夫でしょう。
…あれ?後ろに居られる方々はもしかして…」
ノアに状況を伝えたヴァンディットがふとノアの背後に居る一団に目を向ける。
するとドワーフ3人組がまず声を掛けていた。
「おぅ、吸血鬼の嬢ちゃん、数週間ぶりじゃのぅ!」
「元気にしとる様じゃな。」
「昼間でも外に出られる様になったんじゃな!」
「わ~その節はどうも。まさかここで出会えると思いませんでしたよ~。」
ノアがフリアダビアで死に掛けた際に色々と手伝ってくれたらしく、数週間ぶりの再会に嬉しそうにしていた。
「わ~エルフさんですか?私初めて見ました~。」
「エスメラルダよ、私も長い事生きてるけど吸血鬼に会うのは初めて。
もっと冷血な感じかと思ったけど、実際は暖かみのあるポワポワとした感じなのね。」
ヴァンディットは長い事奴隷商で子供達の親代わりとして暮らしていたから性格が柔和なのだろう。
「それで、皆さんはどういった集まりなのですか?」
「あぁ、次のレント・レアナ戦の参加メンバーだよ。
元々次は1人で行こうと思ったんだけど流れでお願いする事になったんだ。」
『『『『『『『『『ピクッ』』』』』』』』』
ノアがそう言うとその場に居た者達がピクリと反応し、更に空気がどんよりとし出した。
するとギュラドスカルが重い口を開く。
「…ノア君、先程は…「待って下さい。」
「え?」
「ちょっと話しましょうか。」
「え?どうしました、バトさん?」
バトに後ろから声を掛けられたノアは、目線を合わせる為にしゃがむと
「こんのバカタレぃ!」
ゴィンッ!
「すっげぇ痛ぇっ!?」
即座にバトの鉄塊の様な拳が振り下ろされた。
「…え?何「お前さんまた1人で突っ走っておるなっ!それが原因で1度フリアダビアで死にかけたじゃろう!(バト)」
「あ、あの時はそれが最良かなっ「限られた人員、物資の中ではあれが最良なのは分かる!
じゃが誰にも相談無しで行くな言うとんのじゃ!(バト)」
「ワシもずーっと思っちょった!あん時からずーっと思っちょった!
お前さんは自己犠牲が過ぎるわ!(ルド)」
「突っ走るのは良い、だがそれは色々検討した結果何も手が無い場合じゃ!
お前さんにはそれ相応の力が備わっちょるしの!(ロイ)」
「だから今一度考え直せ!
本当に他に手は無いか?協力してくれそうな奴は居らんのか?(バト)」
「協力してくれそうな人って言ったって…」
ドワーフ3人組に説得され、少し思案するノア。
ふと、目の前の3人に目をやると
『『『にかっ。』』』
「…え?まさか…」
「「「そのまさかじゃ。」」」
良い笑顔でノアに笑い掛けるドワーフ3人組。
「いやいや、駄目ですよ…
アイツら本気を出していないから分かりませんけど、下手すればこの間の【魔王】の手下並みの強さがありますよ?」
「分かっとるよ。
お前さんは恐らく次の戦いでは"アレ"を呼び出して挑むんじゃろ?」
「えぇ、まぁ…」
「確かに"アレ"を出せば割と直ぐ片が付くじゃろう。
じゃが何が起こるか分からん、フリアダビアん時もそうじゃったしな。
だからワシら4人はあくまで予備戦力じゃ。
奴等以外にも何ぞ別のモンスターが居ったしの。」
「ん?4人って私も入ってる?」
「それらの対処はワシらが請け負う。
お主は奴等に集中せぃ。」
フリアダビアの時も、過剰戦力であったグリードと共に戦っても数の暴力に押され、割とギリギリの戦いであった。
次の戦いでもグリードを出すつもりではあるが、それによってあちらも増援を出す恐れがある。
そうなった場合戦況が厳しくなるだろう。
ノアとしては有難い提案である。フリアダビアでドワーフ3人組の戦力は知っているし機転も利く。
常に冷静(と言うか豪胆)である為、先程のギュラドスカルの様に取り乱す事は無いだろう。
だが
「あの、エスメラルダさんの実力はいか程ありますか?」
「何かしれっと私も参加する流れになってるわね…
まぁ良いけど…一応上級冒険者よ。
それと私達エルフが住む森では10年に1度位の割合で『森の番人レント・レアナ』の討伐をやってるから力になれると思うわ。」
「本当ですか!?」
エルフ達が暮らす森は自然豊かで魔力も豊富な為、森の番人レント・レアナ夫妻の様な高位モンスターが出現し易いらしい。
「えぇ。
でも森が大きくなり過ぎる前の弱い個体を相手にしているだけだけどね。
『滅びの森』の様に広大な森に生息するレント・レアナにもその戦法が通用するか分からないわ。」
「それでも十分です。
何より今は情報が欲しい所ですので。」
「「「じゃあ決まりって事でええかね?」」」
「えぇ。お願いします。」
と言う事で急拵えではあるが、対レント・レアナ戦、2回戦のメンバーが決まる事となった。
だがここでノアは
「うーん…相手はトレントの最上位種…であればあの人にも要請掛けてみるか…」
どうやらノアに1人当てがあるらしく、後程要請を掛ける算段の様だ。
「という訳でハナさん、1つ王様に許可を貰ってきて欲しいのですが。」
「き、許可ですか?」
「えぇ。
最終的な規模がどうなるかが分かりませんが、『滅びの森』を中心に広範囲が焼け野原になる恐れがあります。
それ程の火力で対抗しないと恐らく倒せないのでかなり滅茶苦茶になると思います。
これから破壊活動を行うのでやはり許可は必要かなと…」
「わ、分かりました、聞いてみます。」
ノアから話を受けたハナ含めた『犬姫』の3人は、急ぎ王城へと向かっていった。
「…と言う訳でここに居られる冒険者の皆さん、絶対に街の外に出ないで下さい。
今度は徹底的にやりますので。」
「「「「「「お、おぅ…」」」」」」
そのままノアとドワーフ達、エスメラルダの3人はギルドを出て未だ治療されているであろう者達の元へ向かう。
「ヴァンディットさん、皆さんの様子は…って、うわぁ…」
南門直ぐ近くの脇に臨時の救護所が設けられ、ヴァンディットとラインハードがせっせと動いていた。
ラーベ、ラベルタ、ギュラドスカル、『侍衆』と『高起動兵団』の面々は既に目を覚ましており、血色も良く、重篤な症状を見せている者は居なかった。
特にラベルタは顔の半分が見るも無惨な程に変形していたが、多少の痕が残っているものの眼帯代わりの布を巻いている程度に治まっていた。
流石はヴァンディットである。
だが皆の周りに漂っている空気が非常に重く、一言で言えば"どんより"としていた。
「あ、ノア様。
丁度皆様目を覚ました所です。
多少まだ違和感を覚えている方も居られますが、暫く安静にしていれば大丈夫でしょう。
…あれ?後ろに居られる方々はもしかして…」
ノアに状況を伝えたヴァンディットがふとノアの背後に居る一団に目を向ける。
するとドワーフ3人組がまず声を掛けていた。
「おぅ、吸血鬼の嬢ちゃん、数週間ぶりじゃのぅ!」
「元気にしとる様じゃな。」
「昼間でも外に出られる様になったんじゃな!」
「わ~その節はどうも。まさかここで出会えると思いませんでしたよ~。」
ノアがフリアダビアで死に掛けた際に色々と手伝ってくれたらしく、数週間ぶりの再会に嬉しそうにしていた。
「わ~エルフさんですか?私初めて見ました~。」
「エスメラルダよ、私も長い事生きてるけど吸血鬼に会うのは初めて。
もっと冷血な感じかと思ったけど、実際は暖かみのあるポワポワとした感じなのね。」
ヴァンディットは長い事奴隷商で子供達の親代わりとして暮らしていたから性格が柔和なのだろう。
「それで、皆さんはどういった集まりなのですか?」
「あぁ、次のレント・レアナ戦の参加メンバーだよ。
元々次は1人で行こうと思ったんだけど流れでお願いする事になったんだ。」
『『『『『『『『『ピクッ』』』』』』』』』
ノアがそう言うとその場に居た者達がピクリと反応し、更に空気がどんよりとし出した。
するとギュラドスカルが重い口を開く。
「…ノア君、先程は…「待って下さい。」
「え?」
「ちょっと話しましょうか。」
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