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獣人国編~森の番人~
反省会
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その場に腰を下ろしたノアは、どんより空気の一同を前に反省会を開始した。
「ギュラドスカルさん、何か言いたい事はありますか?」
「…正直な所、奴等の攻撃の殆どに対して反応出来ていなかった…
俺がもう少し反応速度が良け「違うでしょ?」
「え?」
自分の実力の無さを憂いていたギュラドスカルに口を挟み、反省の弁を遮った。
「僕は戦闘前に言ったハズですよ?"危険を感じたら直ぐにその場から離れて下さい。"って。
反応速度が悪いってのは知っていた事だったので、それを理解した上で最初にギュラドスカルさんを思いっ切り後方に蹴っ飛ばしたのですよ。」
「あ…」
「そのまま後方に居る従者の方々や『侍衆』、『高機動兵団』の皆さんと合流してればもう少し良い結果になってたと思いますよ。」
「う、うぅ…」
「結果、パーティ同士が散り散りになり、一緒に着いてきた従者や『犬姫』達に相手が目を付けてしまい、ギュラドスカルさんが無意味な行動に走ってしまった。
…チッ…こんな事なら内臓の2つや3つ潰してでも、もっと後方に蹴っ飛ばしてやるんだったな…』
ゾクッ…
苛立ちの表情と赤黒いオーラ、微弱な殺気を洩らしながら呟くノアに、目の前に座るギュラドスカルは息が苦しくなる思いで聞いていた。
『従者の3人もだ。
ギュラドスカルが心配なのは分からんでも無いが、人死にが出てもおかしくない場所に戦えねぇ奴がノコノコ着いてくるんじゃねぇよ。
今までがそういうやり方だったのかも知れないが、レント・レアナの様に知能が高く、凶悪な力を持つ相手にはその考えを捨てる事ですね。』
「「「う、うぅ…」」」
『別に今後もそのスタイルで行くなら止めやしない。
だが、その考え方を続けるってなったら、何れ双方どちらかが死ぬ事になりますよ。』
「う…む…」
他パーティの戦い方の事をとやかく言う事はあまりしたくないが、今回の場合話が別だ。
いざとなればグリードが守ってくれたであろうが、誰かに守られてでないと死地に赴け無い様な者が居るだけで弱点を1つ晒してるのと同じ事である。
「あ、あの…ノア様…」
『ん?ラーベさんどうしました?』
ギュラドスカルと従者に言い聞かせていると、思い詰めた様子のラーベが話し掛けてきた。
「…討伐に向かったというのに寧ろ敵を増やしてしまって申し訳ありません…
尻拭いの為にも、私を次の討伐メンバーの中に加『ラーベさん、申し訳無いのですが次の討伐メンバーの中に加える事は出来ません。』
ラーベが懇願にも似た様相で参加を申し出てきたが、言い切る前に断りを入れる。
『別に戦力がどうのと言う事では無く、ラーベさんはここに残って療養してて下さい。
ヴァンディットさんも言ってたでしょ?"暫く安静にしてた方が良い。"って。
それに初見の敵の特性を看破するなんて事は難しいです、"雷属性の攻撃を放ったら敵が湧く"何て誰も思いませんよ。』
ヴァンディットの見立てではラーベは最低3日は安静にしていないと骨が歪んでしまうらしく、腹に穴を空けられた妹のラベルタよりも状態は悪いらしい。
『良く寝て良く食べて傷を癒して下さい。
はい、この話はお終いね。』
「坊は嬢ちゃんの事を想って言ってるんだ、素直に受け止めてやんな。」
「「んだんだ。」」
「は、はい…そうします…」
『という訳でジョーさん、大丈夫だと思いますが2人の事お願いしますね。』
「あぁ、任された。」
半ば強引な感じではあったが、これにて反省会は終了。
続けてその場に居る者も含めて次戦の作戦会議を行う事となった。
「つかぬ事をお聞きしますが、エスメラルダさんは背中に弓を担いでいると言う事は、【弓】って事で良いのですか?」
「【弓】である事は間違い無いんだけど、エルフは種族的に皆弓は得意なの。
その上で私の場合【薬剤】も齧ってて、天然由来の薬を作って状態異常付きの攻撃何かを取り入れていたせいか、【薬学弓士(ネイチャー)】って適正なのよ。」
「ほぅ。」
初めて聞く【適正】に驚くノアだったが、"薬学"と言う単語にヴァンディットが物凄く興味を惹かれていた。
「先程"レント・レアナを討伐した事がある"と言ってましたが、どういった方法で倒したのですか?」
「まず前提として、"レント・レアナの驚異度"は森の広大さに比例するわ。
森が広大であれば保有魔力量も膨大な物になるから、行使出来る攻撃の威力や規模、再生力何かも途方も無い事になるわ。
対してエルフが暮らす森は、この『滅びの森』と比べれば小規模だから日々の巡回で見付け次第始末しているの。
レント・レアナが"現人神(あらひとがみ)"になりでもしたら手に終えなくなるからね。」
「ん?"現人神"?」
「"森の番人レント・レアナ夫妻"って言うのは進化過程の1つの呼び名にすぎないの。
『森の落人』、『森の守人』、『森の番人』を経て『森の現人神』へと進化するわ。」
「段階があるのですね。」
「『森の番人』までであれば、大地に根を張る事で森に蓄えた魔力を取り入れて攻撃や回復に使っているの。」
「なる程、通りで鉄山靠をぶっ放した時に地面の下が根がびっしり張り巡らされていた訳か…」
先程の戦闘時、地面をひっぺがす程の威力で鉄山靠を放ったが、レントはピクリとも動かなかった。
その時はそれで体を固定している、位にしか考えていなかったが、それを介して魔力供給を行っていた様だ。
「つまり奴を仕留めるとなったら森の魔力がすっからかんになるまで攻撃を加えるか、攻撃させるか、地面から切り離して倒さにゃならん訳じゃな。」
「まるで前哨基地周辺に居る蜥蜴共を駆逐するまで再生し続けるシエストラバードみたいですね。」
「じゃな。「ガッハッハ。」」」
「ちょ…そこ笑う所?」
普通なら絶望的条件であるが、1度フリアダビアで似た経験をしている4人からすれば"またか"程度の事である。
「そういや、この嬢ちゃんが雷属性攻撃を放った事で敵が湧いたのはどういうこっちゃな?」
「レント・レアナは、自身が作り上げた森を守らせる為に、自身の体に種を植え付けてるの。
だから『滅びの森』に住むモンスターの大半は2人から産み出されたのも同義。
大抵は自らの意思で発芽させれる物なのだけど、外的ショックを受けても発芽する場合があるの。
聞いた事無い?山に雷が落ちたらキノコの収穫量が増えた、なんて話。」
「あぁ~、ワシらん所に居る人族が、何ぞ茸の種駒植えた木に雷属性魔法放っとったのはそう言う事じゃったか…」
「眉唾物の民間手法かと思っとったが、ちゃんと理に叶っておったんじゃな。」
「そ、そんな…」ガクッ…
エスメラルダから聞かされた情報に愕然とするラーベ。
色々と技術、知識に長けたドワーフでも知らなかったので気にしないで、と伝える事にした。
「ギュラドスカルさん、何か言いたい事はありますか?」
「…正直な所、奴等の攻撃の殆どに対して反応出来ていなかった…
俺がもう少し反応速度が良け「違うでしょ?」
「え?」
自分の実力の無さを憂いていたギュラドスカルに口を挟み、反省の弁を遮った。
「僕は戦闘前に言ったハズですよ?"危険を感じたら直ぐにその場から離れて下さい。"って。
反応速度が悪いってのは知っていた事だったので、それを理解した上で最初にギュラドスカルさんを思いっ切り後方に蹴っ飛ばしたのですよ。」
「あ…」
「そのまま後方に居る従者の方々や『侍衆』、『高機動兵団』の皆さんと合流してればもう少し良い結果になってたと思いますよ。」
「う、うぅ…」
「結果、パーティ同士が散り散りになり、一緒に着いてきた従者や『犬姫』達に相手が目を付けてしまい、ギュラドスカルさんが無意味な行動に走ってしまった。
…チッ…こんな事なら内臓の2つや3つ潰してでも、もっと後方に蹴っ飛ばしてやるんだったな…』
ゾクッ…
苛立ちの表情と赤黒いオーラ、微弱な殺気を洩らしながら呟くノアに、目の前に座るギュラドスカルは息が苦しくなる思いで聞いていた。
『従者の3人もだ。
ギュラドスカルが心配なのは分からんでも無いが、人死にが出てもおかしくない場所に戦えねぇ奴がノコノコ着いてくるんじゃねぇよ。
今までがそういうやり方だったのかも知れないが、レント・レアナの様に知能が高く、凶悪な力を持つ相手にはその考えを捨てる事ですね。』
「「「う、うぅ…」」」
『別に今後もそのスタイルで行くなら止めやしない。
だが、その考え方を続けるってなったら、何れ双方どちらかが死ぬ事になりますよ。』
「う…む…」
他パーティの戦い方の事をとやかく言う事はあまりしたくないが、今回の場合話が別だ。
いざとなればグリードが守ってくれたであろうが、誰かに守られてでないと死地に赴け無い様な者が居るだけで弱点を1つ晒してるのと同じ事である。
「あ、あの…ノア様…」
『ん?ラーベさんどうしました?』
ギュラドスカルと従者に言い聞かせていると、思い詰めた様子のラーベが話し掛けてきた。
「…討伐に向かったというのに寧ろ敵を増やしてしまって申し訳ありません…
尻拭いの為にも、私を次の討伐メンバーの中に加『ラーベさん、申し訳無いのですが次の討伐メンバーの中に加える事は出来ません。』
ラーベが懇願にも似た様相で参加を申し出てきたが、言い切る前に断りを入れる。
『別に戦力がどうのと言う事では無く、ラーベさんはここに残って療養してて下さい。
ヴァンディットさんも言ってたでしょ?"暫く安静にしてた方が良い。"って。
それに初見の敵の特性を看破するなんて事は難しいです、"雷属性の攻撃を放ったら敵が湧く"何て誰も思いませんよ。』
ヴァンディットの見立てではラーベは最低3日は安静にしていないと骨が歪んでしまうらしく、腹に穴を空けられた妹のラベルタよりも状態は悪いらしい。
『良く寝て良く食べて傷を癒して下さい。
はい、この話はお終いね。』
「坊は嬢ちゃんの事を想って言ってるんだ、素直に受け止めてやんな。」
「「んだんだ。」」
「は、はい…そうします…」
『という訳でジョーさん、大丈夫だと思いますが2人の事お願いしますね。』
「あぁ、任された。」
半ば強引な感じではあったが、これにて反省会は終了。
続けてその場に居る者も含めて次戦の作戦会議を行う事となった。
「つかぬ事をお聞きしますが、エスメラルダさんは背中に弓を担いでいると言う事は、【弓】って事で良いのですか?」
「【弓】である事は間違い無いんだけど、エルフは種族的に皆弓は得意なの。
その上で私の場合【薬剤】も齧ってて、天然由来の薬を作って状態異常付きの攻撃何かを取り入れていたせいか、【薬学弓士(ネイチャー)】って適正なのよ。」
「ほぅ。」
初めて聞く【適正】に驚くノアだったが、"薬学"と言う単語にヴァンディットが物凄く興味を惹かれていた。
「先程"レント・レアナを討伐した事がある"と言ってましたが、どういった方法で倒したのですか?」
「まず前提として、"レント・レアナの驚異度"は森の広大さに比例するわ。
森が広大であれば保有魔力量も膨大な物になるから、行使出来る攻撃の威力や規模、再生力何かも途方も無い事になるわ。
対してエルフが暮らす森は、この『滅びの森』と比べれば小規模だから日々の巡回で見付け次第始末しているの。
レント・レアナが"現人神(あらひとがみ)"になりでもしたら手に終えなくなるからね。」
「ん?"現人神"?」
「"森の番人レント・レアナ夫妻"って言うのは進化過程の1つの呼び名にすぎないの。
『森の落人』、『森の守人』、『森の番人』を経て『森の現人神』へと進化するわ。」
「段階があるのですね。」
「『森の番人』までであれば、大地に根を張る事で森に蓄えた魔力を取り入れて攻撃や回復に使っているの。」
「なる程、通りで鉄山靠をぶっ放した時に地面の下が根がびっしり張り巡らされていた訳か…」
先程の戦闘時、地面をひっぺがす程の威力で鉄山靠を放ったが、レントはピクリとも動かなかった。
その時はそれで体を固定している、位にしか考えていなかったが、それを介して魔力供給を行っていた様だ。
「つまり奴を仕留めるとなったら森の魔力がすっからかんになるまで攻撃を加えるか、攻撃させるか、地面から切り離して倒さにゃならん訳じゃな。」
「まるで前哨基地周辺に居る蜥蜴共を駆逐するまで再生し続けるシエストラバードみたいですね。」
「じゃな。「ガッハッハ。」」」
「ちょ…そこ笑う所?」
普通なら絶望的条件であるが、1度フリアダビアで似た経験をしている4人からすれば"またか"程度の事である。
「そういや、この嬢ちゃんが雷属性攻撃を放った事で敵が湧いたのはどういうこっちゃな?」
「レント・レアナは、自身が作り上げた森を守らせる為に、自身の体に種を植え付けてるの。
だから『滅びの森』に住むモンスターの大半は2人から産み出されたのも同義。
大抵は自らの意思で発芽させれる物なのだけど、外的ショックを受けても発芽する場合があるの。
聞いた事無い?山に雷が落ちたらキノコの収穫量が増えた、なんて話。」
「あぁ~、ワシらん所に居る人族が、何ぞ茸の種駒植えた木に雷属性魔法放っとったのはそう言う事じゃったか…」
「眉唾物の民間手法かと思っとったが、ちゃんと理に叶っておったんじゃな。」
「そ、そんな…」ガクッ…
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