ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

海層竜ラーヴァ

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海層竜ラーヴァ…″深海″エリアと″海溝″エリアとの境界に立つエリアボス、ポセイドンの最終形態。
元々竜人であったが、強敵を相手に遂に″人″を捨てて竜となった姿。

尻尾を突き刺して岩盤下のマグマからエネルギーを吸収、体内他、発光する背鰭にエネルギーを魔力変換して貯蔵する事が可能。
体の再生や各種魔法攻撃に利用する為、実質的にこの状態は″無敵状態″であるが、再生力を上回る攻撃を仕掛ければその限りでは無い。





ゴォオオオオオオオオッ!

(チッ!初手でブレスとは…
回避は容易だが、街の方までブレスが届いてしまう…
なら…頼んだぞ、荒鬼神ノ化身!)スラッ!


【鬼鎧殻】を装備したノアは腰から荒鬼神ノ化身を抜き、ブレスの前に立ち塞がった。


(あのブレスも元を正せば魔力の塊!
『大喰(オオグライ)』であのブレスを吸収出来るハズだ!)


【荒鬼神ノ化身専用戦技:起点技】『大喰(オオグライ)』…この武器を使用する事で、対象(生物、魔法問わず)の魔力を分解、吸収し、武器に刻まれた刻印に溜める事が可能。


(<渾身>発動!)ズンッ!ズズンッ!


<渾身>を発動したノアは足を海底に突き刺し、眼前に荒鬼神ノ化身を交差させて迎え撃つ。


ゴッ!『ジュゥウウウウウウッ!!!』

(よし!行けた!
このまま『ズズ…』あ、ダメだ…)

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!


ブレスの塊が荒鬼神ノ化身に触れると瞬く間に魔力に分解されて刀身に吸収。
このまま行けるか、と考えるも足下は砂地故踏ん張りが効かずに押し込まれてしまった。

ブレスが海底に接触すると、瞬く間に岩盤ごと海底を破壊し大爆発が発生。
ノアも大きく後退する事になったのだが


ブンッ!バシ『バシュッ!』ズザザッ!

(くっ、下がり過ぎてはダメだ!街が標的にされ兼ねん!)


吹き飛ばされたノアは荒鬼神ノ化身をぶん投げて2度転移して砂地に着地。


グルァアアアアアアアアアアアアッ!

ズズンッ!ズンッ!

ヒィイイイ…『!?』


海層竜ラーヴァが咆哮を上げつつ海底を数度拳で叩くと、ラーヴァを中心とした海底各所が煌々と光輝く。

その内の1つはノアの足下にも現れ


ドドンッ!ドゴンッ!『くっ!』ズガンッ!ズザザッ!


火山の小規模噴火の如く海底からマグマが噴出。ノアは事前に危険を察知して最小限の動作でこれを全て回避した。


グルァアアアアアアアアアアアアッ!!

バヂバヂバヂバヂッ!!!

『…お次は何だ…?』


立て続けにラーヴァは咆哮を上げると、背鰭が光量を増して光輝き、溢れ出んばかりのエネルギーがバヂバヂと音を立てていた。


『『『『ドゥンッ!』』』』ゴォオオオ…

『…おいおいマジかよ!』ザッザスッ!!!


エネルギーを溜めに溜めたラーヴァは全方位に向かって凄まじい衝撃波を放出。
その衝撃波は凄まじい速さでノアに迫る。
ノアは荒鬼神ノ化身を海底に深々と突き刺してアンカーの役割を取った。

その直後


ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ『…っ!』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!

ビチャッ、ビチッ…ビチビチッ!


巨大なハンマーで継続的に叩かれているかの様な衝撃を受け切った後、その場には静寂と共に
次々と魚が降ってきた。

あまりの衝撃波に、周囲の海水は押しやられ、海底であるにも関わらず、辺りには砂地とゴツゴツとした岩場が広がる光景が広がっていた。


ォォ…ドド…

ガションッ!

『ぶはっ!はぁっ、はぁ…
…え?…陸地…?…え?ここ海底だったよね…?』


衝撃波を何とか耐え切ったノアは息を切らしつつ【鬼鎧殻】を解除。
周りを見渡し、激変した景色に流石のノアも困惑している様子。


ドドドド…

『…え?この音何…?』

(『急いで【鬼鎧殻】を装着しろ!さっきよりマズイ事になるぞ!』)

『え?うわっ!?何じゃこりゃっ!?』ガショ『『『ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!』』』ズバァアアアアアアアアアアアッ!


地面その物が震えているかの様な轟音と地響き、そして頭上を見てみると、衝撃波によって周辺一帯から姿を消していた海水が水圧に押され、高さ数百メルの壁となって迫り戻ってきていた。

ノアは慌てて【鬼鎧殻】を再装着した直後、ラーヴァの起こした衝撃波の数十倍の破壊力が備わった波に飲まれ、中心点に向かって流されていった。

ここで言う中心点というと


ゴボボボボボッ!オオオオオッ!

(ぐっ…揉みくちゃにされて上下がどっちだかも分から『ギュォオオオオオオッ!』んな…)


衝撃波の発生源であるラーヴァの直ぐ近くまで流されたノアは、泡立つ海水でよく見えなかったが、ラーヴァが口を大きく開き、ブレスを吐く体勢を整えている姿が視界に入り、咄嗟に荒鬼神ノ化身を構えた。


チュドッ!ズドドドドドドドドドドドドドドドドッ!

バッ!ボボッ!バシュッ!

『っらぁああああっ!『ゴギィインッ!』げっ!?眼が硬くなってやがる!!』


直下に居るノア目掛けてブレスを吐いたが、寸での所で荒鬼神ノ化身をぶん投げて転移。
カウンター気味に眼に剣を突き立て様としたが、異常に硬く、刃が弾かれてしまった。

つまりポセイドン4で使用していた戦法が取れないと言う事である。


ゴァアアアアアアアアッ!ガギィイッ!

『ぅぐぐぐぐぐ『ビキビキッ!『ドヂュッ!』』ぐぁああっ!?』


ブレスを吐いていたラーヴァが攻撃を止め、ノアに噛み付きを仕掛ける。
咄嗟に剣で受け止め、両足で踏ん張って耐えていたが、強固な防御力を誇る【鬼鎧殻】が破壊されてラーヴァの牙が肩と両太股に突き刺さる。


チャキッ!

『【召喚獣:一刀】『貪欲(グリーディ)』出て来いっ!』

〔キュルルルルル!〕

バッ!『『『『『ヴォンッ!』』』』』

『『『『『バジュゥウウウウッ!』』』』』


痛みに耐えながら荒鬼神ノ化身を構えたノアは、【召喚獣:一刀】『貪欲(グリーディ)』を召喚し、口の中へ向けて極小プラズマレーザー5発を一斉発射。


ゥゴァアアッ!?

『…ぐっ!』ダッ!


流石に口腔内は硬くなかった為、ラーヴァは怯み、その隙にノアは離脱した。


ブシュゥッ…

『くっ…』ズズズズ…

(『このサイズの傷はそう長く抑えられんぞ?』)

『…分かってる…』


ノアの肩と両足には握り拳大の穴が空き、酷い出血が発生。
立ち昇るオーラを傷口に纏わせる事で一時的ではあるが出血を抑えていた。


(『表面は硬く、荒鬼神ノ化身の刃が通らない。
どういった戦法で奴を仕留める、主よ?』)

(とりあえず今の攻撃で活路は見出だせた。
けどそれを実践するとなったらチョイと無茶する事に(『なる程、つまりいつも通りって訳だな。』)…そう言う事。)ダッ!


ラーヴァ討伐に向けた戦法を実践する為、ノアは再び駆け出すのであった。 
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