ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~御前試合の代表決め~

続・主人公の所業ではない。

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(【一鬼呵成】発動!)コォオオオ…

シュウウウ…


ノアは【一鬼呵成】を発動し、全身が蒼く輝き出す。
攻撃力以外のステータスが上昇した為、擬似的な回復効果を得た為、徐々にではあるが先程付けられた傷口が塞がっていく。


『すー…はー…さぁ行くぞっ!』ズダッ!  

グルァアアアアアアアアアアアアッ!

『ギュォンッ!』『『ギュンッ!』』『ギュォンッ!』


息を整えたノアは蒼い帯を伸ばしながら高速でラーヴァへ向けて駆け出した。

対するラーヴァが咆哮を上げると、周囲に煌々と光輝く光球を次々と発生させる。


ゴゴンッ!ゴンッ!

『ッゼェエエエエアッ!』ザンッ!ドバッ!ザバッ!

『『『ボシュゥウウウッッ!』』』

グルァアアアアアアッ!?


発生した光球が次々とノア目掛けて発射されると、ノアはそれを避けるでも無く、真っ正面から迎え撃ち、叩き斬ったのである。
すると光球は魔力へと還元されて霧散、荒鬼神ノ化身に吸収されるのであった。


ズザッ!

『はっはっはっ!良いぞ良いぞその調子だ!
ドンドン撃ってこい!』

グルルァアッ!!


ノアは足を止めると、ラーヴァに手招きしつつ煽る様に言い放つ。
目論見通りラーヴァは苛立ちの咆哮を上げる。


ガァッ!『バジュゥウウウウッ!』

『何度やっても…』

『『ヂャキッ!』』ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ『ぬぐぐっ!』ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!!

ボシュゥウウウッッ!

『…っはぁっ!無駄だっつーの。』

グォオオオオオオオオオオオオッ!


再びラーヴァはノア目掛けてブレスを吐く。
ノアは眼前に荒鬼神ノ化身を構えてこれを迎撃。

今度はしっかり踏ん張りを効かせ、やや押し込まれながらも少しの後にブレスが霧散して荒鬼神ノ化身の刀身に吸収された。

これに対してラーヴァは怒りの咆哮を上げた。

実際の所、岩盤下のマグマのエネルギーを魔力変換させる事で大規模な魔法攻撃やブレスを吐く事が可能な海層竜ラーヴァにとって、魔力吸収能力のある武器を所持しているノアは相性最悪な相手と言って良い。


ぐぐぐぐっ…

『…お?』


そしてこの段階でラーヴァに残された手段は魔法やブレスに頼らず、物理的な攻撃が有効であると判断した様子。

実際先程の噛み付きは、ノアに対して唯一と言って良い手傷を与えたモノであるのも要因の1つだろう。


ドヴォッ!!ゴォオアッ!


ラーヴァは海底に手を付くと、エネルギー供給源とも言える尻尾を引き抜き、猛然とノアに突進し出した。


ヒュッ!

グォオオオオオオオオオオオオアアアアッ!

バシュッ!


荒鬼神ノ化身を上へ放った直後、ラーヴァは噛み付きと共にノアの居た場所を強襲、ノアは放り投げた剣の元に転移した為無事であった。


ガギュッ!

『【一鬼呵成】解除!【鎧袖一贖】発動ォォオラアッ!!』

『ガヂョッ!!』ズムンッ!

グォオオオオオオオッ!?


背に降り立ったノアは、荒鬼神ノ化身をラーヴァの竜鱗に突き立て【一鬼呵成】を解除。
直ぐ様攻撃力のみを絶大的に上昇させる【鎧袖一贖】を発動させて剣の柄を叩き、竜鱗を突破。

荒鬼神ノ化身は柄の部分まで深々と突き刺さった。


『【鎧袖一贖】解除!』

(『ここが踏ん張り所だ!死んでも離すんじゃねぇぜ!』)

『あったり前だ!』ギュゥウッ!

グォオオオオ『ドガンッ!』オオオオ『ドガガガッ!』オオオオオ『ガガガッ!』オオオ『ズガンッ!』オオオオッ!


荒鬼神ノ化身の柄を強く握り締めてラーヴァに張り付くノア。
ラーヴァは引き剥がそうと、ノアを海底に押し付けたり、海中を縦横無尽に動き、振りほどこうともがくが、ノアは一切離れない。


ガァアアアッ!『『『ギュォンッ!』』』


ラーヴァが再び光球を発生させつつノアを睨み付ける。




『『『ふしゅ…』』』

グォオオッ!!?


発達途中の光球全てが収縮し、霧散した。
これは荒鬼神ノ化身がラーヴァの体に突き刺さっている為、素となった魔力を吸収してしまったからである。


グォオオオオオオオオオッ!グァッ!

ギィイインッ!

(『っし!必要量溜まったぞ!やったれ主よ!』)

『おぅよっ!』ズシュッ!ブォンッ!


発射するハズだった光球が霧散した為、ラーヴァは張り付くノアに向かって大口を開き噛み付きを仕掛ける。

ノアは直ぐ様ラーヴァから荒鬼神ノ化身を引き抜くと、そのまま口の中にぶん投げた。


バシュッ!

『ごくんっ!』グェオオオッ!?ゴァアアアアアアアアッ!?


投げた荒鬼神ノ化身がラーヴァの喉奥に入ったのを確認したノアは即座に転移し、身を丸めて自ら体内に入っていった。

ラーヴァは吐き出そうと嘔吐(えづ)いたり身を捩ったりしたがノアが出てくる事はなかった。





~胃~

バシャァアッ!

(『【鬼鎧殻】は解除してないよな!?
下手すりゃドロドロに溶かされっからな!?』)

『体内に特効かましてんだから解除してないっての!
それよりもさっさと始めるぞ!』チャキッ!


ラーヴァの体内に突入したノアは胃に到達。
直ぐ様ノアは眼前に荒鬼神ノ化身を構え、名を叫んだ。


『僕の喚び掛けに応じて姿を現せ!【召喚獣:三刀】『龍神邪火(リュウジンジャッカ)』』



【召喚獣:三刀】『龍神邪火(リュウジンジャッカ)』…吸収した魔力で形作られた広域殲滅型の灼熱の龍神。
体から常に炎を噴き出し、周辺を火の海に変える為、御利用は計画的に。



ボフォッ!

〔我の…お!もしや貴方様が『ジュゥウウウ…』私の…『ボゴボゴ…』ちょ、待っ…狭いn『『『『ズバァアアアアアアアアアアアンッ!』』』』〕




凄まじい炎を上げながら【召喚獣:三刀】『龍神邪火(リュウジンジャッカ)』が姿を現した。

ラーヴァの胃の中と言う事もあって【鬼鎧殻】で完全武装状態のノアとギッチギチに密着した状態で、であるが。

今回がノアとの初顔合わせとなる『龍神邪火(リュウジンジャッカ)』であったが、出現から僅か1秒でラーヴァの全身が沸騰し、大爆発が発生。


ゴボボボボボッ!

〔ぬ『『『ドバババババババババババババァッ!』』』


それでも『龍神邪火(リュウジンジャッカ)』は生存していたが、その後の海水の流入で更なる水蒸気爆発が発生し、周辺は木っ端微塵に吹き飛んだ。

流石の『龍神邪火(リュウジンジャッカ)』も海中で生存出来る訳もなく、顔合わせはまた今度という事で早々に退散していった。

そしてその後のノアはと言うと


ゴボボボボボッ…

(…一応上手くはいったけど、こっからどうやって出ようかな…)


爆発によって吹き飛ばされたノアは、海底の砂地深さ約5メルの地点で埋まっていた。
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