710 / 1,117
獣人国編~御前試合の代表決め~
ラスボス…とはちょっと違う
しおりを挟む
場面は移って獣人国からは約10キロメル、ヒュマノ聖王国から約9キロメル、ノア達が訓練している滅びの森南端から約4キロメル程離れた場所にある、大昔に一夜で滅んだと言われている超大国の廃墟、通称『廃都』。
一見するとジャングルの様にすら思われる程鬱蒼と植物に覆われているが、その下には金属製の遺跡が数多く存在している。
実は、獣人国方面まで広がる滅びの森はこの『廃都』が発生源であるとされていて、その説が有力視されているのは、モンスターの強さが関係していた。
『廃都』を住み処としているモンスターの強さが尋常では無く、獣人国方面の滅びの森ではモンスターの強さを『低・中・高・超』の4段階で表しているが、最弱のモンスターでも『高』レベルだと言う。
だが驚く事に、それ程の強さを持つモンスター達は『廃都』を出る事はせず、まるでそこを縄張りにしている様であった。
その結果学者や調査員等は近付く事すら出来ず、調査は全くと言って良い程進んでいないのが現状である。
~『廃都』最下層(地上から500メル地点)~
100メル四方の巨大な部屋の中央に1人の人物が佇んでいた。
と言うよりも部屋の中央に光の柱が立ち、その中に上半身裸の男性が宙に浮いている状態で眠りに着いていた。
見た目は人間の様だが、背中には無造作に棘の様な物が突き出し、時折脈打っている。
腰から下は熊の様な体毛に覆われ、足は蹄の様な形状になっている為、人間とは掛け離れた存在と思われる。
光の柱の中に居る人物には幾つもの鎖が付けられ、1本に付き10枚に及ぶ符が付けられている。
更に周囲の地面には、何重にも及ぶ結界や魔法陣が展開され、厳重な封印処理を施してる様に思われる。
コッコッコッ…
「失礼します【魔王】様。」
「どうしたのさ、アリっちゃん。」
「以前奴隷達に制圧されたヒュマノ聖王国ですが、本日他国からの介入があり″解体″が開始されました。」
「あーらら、遂に堪忍袋の緒が切れたって訳だ。アイツら好き勝手にやり過ぎたからなぁ。」
「如何致しましょう?
ここに足を踏み入れられるのも時間の問題かと思われますが…?」
「んにゃ、まだまだ大丈夫だろう。
ヒュマノからここまでの通路には俺が召喚した″魔獣″がうじゃうじゃ居るからな。
最低でも1ヶ月は持つんじゃないか?」
「え?あれらは【魔王】様が生み出したものだったのですか?
大丈夫なのですか?力を蓄えなければ…」
「安心しな。
糧となる魔力はヒュマノから腐る程湧き出てくる。
俺からは一切提供しちゃいないよ。」
「…であれば良いのですが…」
「だがもうあそこは用済みだな。
力も大分蓄えたし、そろそろ新天地に行く準備でも始めるか。
何処か手頃な地はあるか?」
と、今現在居る場所からの移動を提案してきた【魔王】の返答として、アリっちゃん(本名アリスラニア)がこの世界の大陸図を広げる。
ガサガサ…
「そうですね…
つい最近までフリアダビアと言う土地が候補に上がってましたが、シエストラバードが討伐されてしまったので、次の候補となると…
『南獄大陸』など如何でしょう?」
「その候補地の情報を教えてくれるかな?」
「はい、『南獄大陸』は…」
南獄大陸…大陸の南端に位置するドワーフの国『フェレイロ』から海を挟んで南に5キロメル離れた場所にある約2キロ四方の離れ小島。
その昔ドワーフの先祖達が建国の足掛かりとして鉱石の採掘場にしており、島の真ん中には深い縦穴がある。
木々は精錬の為に全て切り倒され、今現在僅かな植物が生えるだけの不毛な土地となっている。
ちなみに建国の足掛かりとして使用してはいたが、現在土地の権利は破棄している。
「なる程な。
誰の土地でも無いのなら領有権で争う事も無く、俺達が使っても何ら問題は無い。
縦穴もあると言う事から直ぐ様″建造″に入れる。至れり尽くせりだな。」
「ですね。」
アリスラニアの説明を受けた【魔王】はうむうむと頷き、『南獄大陸』を移転先として決めた様だ。
「では今直ぐヒュマノへ向かい、″封印″を解きに行きましょうか?」
アリスラニアは目の前にいる【魔王】を拘束している光の柱を見つつそう提案する。
すると
「いや、まだ良い。
近隣国で近々国交式典があるのだろう?
そんな晴れやかな日を前にして騒ぎを起こすのは流石の俺でも躊躇われる。
国と国とを結ぶのは例え同種族といえども容易な事ではない。
獣人国と…海洋種とか言ったか?
字面からして陸と海。心を通わせるのは簡単な道のりでは無かったであろう。
よって″封印″を解きに外に出るのはその後でも良い。それに…」
ギチッ…
と言いつつ【魔王】はゆっくりとではあるが光の柱の中で身を捩り
ズルッ…スタッ。
「…ふぅ…」
「…え?【魔王】様、″封印″を解いたのですか!?」
「″封印″とて元を正せば魔力の塊。
″あの時″は魔力がすっからかんで何の抵抗も出来なかったが、十分に蓄えた今ならある程度の自由は利く。
…が、完全に″封印″を解いた訳では無いので全力には程遠い。」ニギニギ…
光の柱から抜け出した【魔王】は手足を動かして状態を確認しつつそうアリスラニアに説明した。
「まぁアリスラニアが甲斐甲斐しく世話をしてくれるのが満更でもなかった、ってのが本音だがな。」
「も、もぅ!10年も黙ってたのは酷いですよ!」ポカポカ…
部下としては嬉しい発言だが、それでも流石に10年黙られていたからか、主である【魔王】をポカポカと叩いていた。
「怒るな怒るな。
苦労掛けた分、これからは『ブゥン!』『ガショッ!ガショッ!チキチキチキ!』俺が全て行おう。」
「あぁ…懐かしきお姿…」
【魔王】は全身に漆黒の鎧を装備。
鎧の造りはこの世界で言う重鎧のようであるが、胸部、腹部、脚部と独立した装備同士が展開された直後に機械仕掛けじみた動作で装着されていった。
全体的に鎧には金属光沢は無く、防御力は大して無さそうに思われる。
ピッ、ピピピ…
「高周波振動ブレード、超長距離プラズマライフル、アクセラレイダー(加速装置)、オートプラズマガトリングキャノン…
″大戦″の直後だったからか、プロテクターだけでなく殆どフル装備であったか…よしよし…」
【魔王】は鎧の腕部の表示を見て装備の確認をしている。
聞き慣れない武器や装置の名が幾つも表示されていた。
その中で【魔王】は『トゥルーパー』の表示を何度かつついていた。
カッ!カッカッ!
「むぅ…流石に『トゥルーパー(部隊支援要請)』は″無効″であるか…
仕方無い、部隊は【召喚】でどうにかしよう。」
「ここは″世界線″が違いますからね…
ですがこちらの世界は″魔素″の濃度が比較的高くて良かったですね。
質の良い部隊が造れるでしょう。」
「しかし驚いたのは、初期段階の物とは言え、『造魔核』が造れる程の技術をこの世界の人間が有していたのは有り難かった。
これで″元の世界で成し得なかった覇業″を達する事が出来る。」
「ここまで長かったですものね。」スッ…
『『『『『ガションッ!』』』』』
そう言ってアリスラニアが手を振る動作をすると、近くの床から幾つも台座が出現。
その台座は冷凍されていたからか、モクモクと白い冷気が漏れていた。
「これらの『造魔核』、全部で幾つあるのだ?」
「急造品ではありますが、全部で300はありますわ。」
「よくやった。ふふふ、愛い奴め。」
「は。ありがとうございます。」
一見するとジャングルの様にすら思われる程鬱蒼と植物に覆われているが、その下には金属製の遺跡が数多く存在している。
実は、獣人国方面まで広がる滅びの森はこの『廃都』が発生源であるとされていて、その説が有力視されているのは、モンスターの強さが関係していた。
『廃都』を住み処としているモンスターの強さが尋常では無く、獣人国方面の滅びの森ではモンスターの強さを『低・中・高・超』の4段階で表しているが、最弱のモンスターでも『高』レベルだと言う。
だが驚く事に、それ程の強さを持つモンスター達は『廃都』を出る事はせず、まるでそこを縄張りにしている様であった。
その結果学者や調査員等は近付く事すら出来ず、調査は全くと言って良い程進んでいないのが現状である。
~『廃都』最下層(地上から500メル地点)~
100メル四方の巨大な部屋の中央に1人の人物が佇んでいた。
と言うよりも部屋の中央に光の柱が立ち、その中に上半身裸の男性が宙に浮いている状態で眠りに着いていた。
見た目は人間の様だが、背中には無造作に棘の様な物が突き出し、時折脈打っている。
腰から下は熊の様な体毛に覆われ、足は蹄の様な形状になっている為、人間とは掛け離れた存在と思われる。
光の柱の中に居る人物には幾つもの鎖が付けられ、1本に付き10枚に及ぶ符が付けられている。
更に周囲の地面には、何重にも及ぶ結界や魔法陣が展開され、厳重な封印処理を施してる様に思われる。
コッコッコッ…
「失礼します【魔王】様。」
「どうしたのさ、アリっちゃん。」
「以前奴隷達に制圧されたヒュマノ聖王国ですが、本日他国からの介入があり″解体″が開始されました。」
「あーらら、遂に堪忍袋の緒が切れたって訳だ。アイツら好き勝手にやり過ぎたからなぁ。」
「如何致しましょう?
ここに足を踏み入れられるのも時間の問題かと思われますが…?」
「んにゃ、まだまだ大丈夫だろう。
ヒュマノからここまでの通路には俺が召喚した″魔獣″がうじゃうじゃ居るからな。
最低でも1ヶ月は持つんじゃないか?」
「え?あれらは【魔王】様が生み出したものだったのですか?
大丈夫なのですか?力を蓄えなければ…」
「安心しな。
糧となる魔力はヒュマノから腐る程湧き出てくる。
俺からは一切提供しちゃいないよ。」
「…であれば良いのですが…」
「だがもうあそこは用済みだな。
力も大分蓄えたし、そろそろ新天地に行く準備でも始めるか。
何処か手頃な地はあるか?」
と、今現在居る場所からの移動を提案してきた【魔王】の返答として、アリっちゃん(本名アリスラニア)がこの世界の大陸図を広げる。
ガサガサ…
「そうですね…
つい最近までフリアダビアと言う土地が候補に上がってましたが、シエストラバードが討伐されてしまったので、次の候補となると…
『南獄大陸』など如何でしょう?」
「その候補地の情報を教えてくれるかな?」
「はい、『南獄大陸』は…」
南獄大陸…大陸の南端に位置するドワーフの国『フェレイロ』から海を挟んで南に5キロメル離れた場所にある約2キロ四方の離れ小島。
その昔ドワーフの先祖達が建国の足掛かりとして鉱石の採掘場にしており、島の真ん中には深い縦穴がある。
木々は精錬の為に全て切り倒され、今現在僅かな植物が生えるだけの不毛な土地となっている。
ちなみに建国の足掛かりとして使用してはいたが、現在土地の権利は破棄している。
「なる程な。
誰の土地でも無いのなら領有権で争う事も無く、俺達が使っても何ら問題は無い。
縦穴もあると言う事から直ぐ様″建造″に入れる。至れり尽くせりだな。」
「ですね。」
アリスラニアの説明を受けた【魔王】はうむうむと頷き、『南獄大陸』を移転先として決めた様だ。
「では今直ぐヒュマノへ向かい、″封印″を解きに行きましょうか?」
アリスラニアは目の前にいる【魔王】を拘束している光の柱を見つつそう提案する。
すると
「いや、まだ良い。
近隣国で近々国交式典があるのだろう?
そんな晴れやかな日を前にして騒ぎを起こすのは流石の俺でも躊躇われる。
国と国とを結ぶのは例え同種族といえども容易な事ではない。
獣人国と…海洋種とか言ったか?
字面からして陸と海。心を通わせるのは簡単な道のりでは無かったであろう。
よって″封印″を解きに外に出るのはその後でも良い。それに…」
ギチッ…
と言いつつ【魔王】はゆっくりとではあるが光の柱の中で身を捩り
ズルッ…スタッ。
「…ふぅ…」
「…え?【魔王】様、″封印″を解いたのですか!?」
「″封印″とて元を正せば魔力の塊。
″あの時″は魔力がすっからかんで何の抵抗も出来なかったが、十分に蓄えた今ならある程度の自由は利く。
…が、完全に″封印″を解いた訳では無いので全力には程遠い。」ニギニギ…
光の柱から抜け出した【魔王】は手足を動かして状態を確認しつつそうアリスラニアに説明した。
「まぁアリスラニアが甲斐甲斐しく世話をしてくれるのが満更でもなかった、ってのが本音だがな。」
「も、もぅ!10年も黙ってたのは酷いですよ!」ポカポカ…
部下としては嬉しい発言だが、それでも流石に10年黙られていたからか、主である【魔王】をポカポカと叩いていた。
「怒るな怒るな。
苦労掛けた分、これからは『ブゥン!』『ガショッ!ガショッ!チキチキチキ!』俺が全て行おう。」
「あぁ…懐かしきお姿…」
【魔王】は全身に漆黒の鎧を装備。
鎧の造りはこの世界で言う重鎧のようであるが、胸部、腹部、脚部と独立した装備同士が展開された直後に機械仕掛けじみた動作で装着されていった。
全体的に鎧には金属光沢は無く、防御力は大して無さそうに思われる。
ピッ、ピピピ…
「高周波振動ブレード、超長距離プラズマライフル、アクセラレイダー(加速装置)、オートプラズマガトリングキャノン…
″大戦″の直後だったからか、プロテクターだけでなく殆どフル装備であったか…よしよし…」
【魔王】は鎧の腕部の表示を見て装備の確認をしている。
聞き慣れない武器や装置の名が幾つも表示されていた。
その中で【魔王】は『トゥルーパー』の表示を何度かつついていた。
カッ!カッカッ!
「むぅ…流石に『トゥルーパー(部隊支援要請)』は″無効″であるか…
仕方無い、部隊は【召喚】でどうにかしよう。」
「ここは″世界線″が違いますからね…
ですがこちらの世界は″魔素″の濃度が比較的高くて良かったですね。
質の良い部隊が造れるでしょう。」
「しかし驚いたのは、初期段階の物とは言え、『造魔核』が造れる程の技術をこの世界の人間が有していたのは有り難かった。
これで″元の世界で成し得なかった覇業″を達する事が出来る。」
「ここまで長かったですものね。」スッ…
『『『『『ガションッ!』』』』』
そう言ってアリスラニアが手を振る動作をすると、近くの床から幾つも台座が出現。
その台座は冷凍されていたからか、モクモクと白い冷気が漏れていた。
「これらの『造魔核』、全部で幾つあるのだ?」
「急造品ではありますが、全部で300はありますわ。」
「よくやった。ふふふ、愛い奴め。」
「は。ありがとうございます。」
52
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる