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獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~
相変わらずの無茶っプリ
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ゴォオオオオッ!
タンッ!キュゥウウン…
″(破壊が不可能と見るや自身を巻き込んでの自滅技とは…覚悟極まってんなぁ。
人間共の記憶にあった『カマクラブシ』とか言う奴らみてぇだ。)″
謎の人物は龍神邪火が放った衝撃波を超高速で移動してこれを回避。
クレーターと化した大穴が再び赤熱して火の海に包まれた。
謎の人物が装備しているパワードスーツの背部には、何やらバックパックの様なモノが装着されており、駆動音の様なモノが響いていた。
″(…にしても、あのでっけえ火の竜は一体何だ?
流石のパワードスーツでも耐えられねぇぞ。)″
ガラガラ…
ガコン!ガランッ!『バシュンッ!』ガンッ!
″(ん?)″
ドガァアッ!
″「んぎっ!?」″
降り注ぐ瓦礫、その中に荒鬼神ノ化身が紛れ込んでおり、謎の人物の後方に落下。
即転移してきたノアが背後から斬り掛かる。
流石に反応出来なかったのか、諸に斬撃を食らうも、パワードスーツの背部にはバックパックの様なモノが装着されており、そこに殆どが吸収されてしまった形である。
バヂヂヂヂッ!
″「良いねぇ!流石【勇者】だ、始末のし甲斐があるってもんだぜ!『ハイグラビティスペース』!」″
『『『『ギュォンッ!』』』』
『っぎっ!?』ズズンッ!
謎の人物が両巨腕を打ち合わせると、そこを中心として特殊な空間が発生。
まるで見えない巨大な手で押さえ付けられたかの様に地面に叩き付けられた。
ギリッ!
″「悪いが子供とは言え【勇者】は始末せにゃならん。悪く思うなよ?」″
キュゴンッ!
倒れ伏すノアの頭部を狙い拳を握った謎の人物は、パイルバンカーの様に拳を射出した。
が
ザリッ…ボゴゴッ!
″「おいおい…体は動かせるだろうが、血液が回らずに酸欠になる程の重力が掛かってんだ…
子供が無茶するもんじゃねぇぜ?」″
『重力?
良く分かんないけど、こんなモノ母さんの重圧に比べれば屁でもないね。』
立ち上がったノアの足は脛の辺りまでめり込んでおり、全身に強い重力が掛かっているのが見て取れる。
だがノアは余裕の表情で謎の人物の隙を誘発させる為に挑発していた。
すると
ズズズズ…
″「ん?母さん?
あぁ、この間お前とバトってた女性の事か。」″
『この間…?いつからか監視してたのか?』
″「違う違う。
こちとらが野外調査を進めてたらたまたまお前さん達と出会したんだ。
モンスターの死骸を眺めてたら大物を一体まるまる恵んでくれたじゃないか。」″
『…悪いがそんな奇抜な装備の輩は覚えが無くてね。』
″「まぁこの姿とは似ても似つかないからな。
それに、当時の格好に戻すのは面倒だし、何より暑ぃから好きじゃねぇんだ。」″
『じゃあ尚更誰だか分からないな。』
″「なら、これなら分かるか?」″
『『ギュンッ!』』
″「″はっけよいのこった″。」″
『な!?『バガァンッ!』』
再び超高速で側面に移動した謎の人物は、固く握りしめた巨拳をノアの脇腹に叩き込む。
辛うじて反応出来たノアだが、謎の人物が発動させた『ハイグラビティスペース』によって思う様に体を動かせず、諸に食らってしまった。
ガガガガガガッ!
(『くそっ、まただ!
何だあの動きは!全く予備動作が無い…!
ギリギリ目で追える動きだが、妙な結界を張られて上手く体が動かせない…!』)
地面を転がりながら、謎の人物に対して分析を行うノア。
(『だが…』)
(『あぁ、″狙うとすればアレ″だな!』)
中に居る鬼神と意見が合致したノアは、直ぐに行動に移す事にした。
ガガガッ!
『『ギュンッ!』』
″「これで終いだ!」″
漸く停止したノアの元に超高速移動してやって来た謎の人物が巨拳を振り上げてトドメを刺しに来た。
が
〔グルルルルルル…〕『『ズバァッ!』』
チリ…″「!?」″ ギュンッ!
『『『ジュァアアアッ!』』』
攻撃のタイミングを見計らっていた龍神邪火の双眸が白光。
雲の切れ間から日が射し込む様に謎の人物が照らされた直後、その場が蒸発した。
が、やはりと言うべきか、寸での所で気付き、再び超高速でこれを回避した。
明らかに見てから回避した事から、恐るべき超反応である事が窺える。
(〔チッ、避けられたか。
威力は高いが予兆が見えてしまうのが玉に瑕だな。
…だが、本当にこれで良かったのですかな、ノア殿…〕)
ボシュゥウッ…
大技を連続で発動した龍神邪火は、魔力が底を尽き活動限界を迎えた為、霧散していった。
ズザッ!
″「ふぅ、危ねぇ危ねぇ。
流石に地面が蒸発する程の高熱は耐えらんねぇから避『バオッ!』『ガギッ!』へっ、絶対来ると思ってたぜ。」″
辺りに爆煙が立ち込める中、回避し終えた謎の人物が安堵の表情を見せていると、その爆煙の中から荒鬼神ノ化身を手にしたノアが飛び出してきた。
が、やって来る事を察知していた謎の人物は、刀身を掴んでノアの動きを止めた。
のだが
ガッ!ガギッ!
″「ん?またヤツの範囲攻撃でも仕掛けんのか?」″
ノアは空いてる手と足を謎の人物の肩や腕に絡めて体を固定した。
状況的には、先程龍神邪火が放った高温の衝撃波の再現を行おうとしていると捉えられて当然である。
″「良いぜ?
やってみろよ、また苦もなく回避してやる。
【勇者】であるお前を生かす事はあってはならねぇからな。」″
『そうかい、そりゃ助かるよ。そんじゃ″全弾発射″だ!』
後方で佇んでいる龍神邪火に、余裕の表情を崩さない謎の人物。
だが、その表情は直ぐに苦痛に歪む事になる。
『『『『『パシュッ!』』』』』
『ぬがぁっ!!』
″「ぶえぇっ!?」″
何故か後方に佇む龍神邪火からでは無く、ノアから。
しかもノアの″脇腹を貫通″して5本の光の筋が伸び、謎の人物のパワードスーツを容易に突破。
肺、心臓、そして背骨を断ち切る事に成功した。
″「があ…ぅっ…!!」″ガシャッ!
『ゲボッ!』ズシャッ!
背骨を破壊された謎の人物は息も絶え絶えに倒れ伏し、脇腹5ヶ所に穴が空いたノアも膝から崩れ落ちる。
『…良くやった…『貪欲(グリーディ)』…』
キュルル…フシュッ…
1度の召喚で発射出来る最大数を撃ち切った『貪欲(グリーディ)』は、悲しげな鳴き声を上げて霧散していった。
ノアは先程龍神邪火に指示を飛ばし、攻撃を仕掛ける様に仕向けた。
だがそれは謎の人物を攻撃する為では無く、荒鬼神ノ化身に魔力を溜める為であった。
そうして【召喚獣:一刀】『貪欲(グリーディ)』を召喚するのに必要な魔力を溜めたノアは、即座に召喚し、自身の背中に張り付いている様に指示を出した。
ズ…
『…アンタはさっき、背後からの斬撃に対して回避するでも高速で逃げるでも無く、″食らっていた″。
てっきり超反応で避けられるモノと思ってたんだけどな…
…だから思ったんだ、超高速も超反応も″その装備による効果″であるとね。』
″「う…がぁ…ぅ…」″
『…馬鹿げた話だが、″認識、若しくは視野の中の攻撃に対してのみ回避行動を取る効果″じゃないかと思ったんだ…
だから″自分を盾にして、認識の外から攻撃を繰り出した″って訳さ…』
脇腹に穴が空いているものの、貫いたのがプラズマレーザーであった為、出血は無い。
ノアはゆっくりと立ち上がり、未だ倒れ伏している謎の人物に近付いていく。
″「ひゅ…ひゅー…」″
肺に穴が空いている為、息を吸う事も出来ない謎の人物は、ただ死を待つだけとなっていた。
が
ガシッ!
『【神心掌握】発動!
自身の素性、他の仲間の構成、【魔王】に関する全ての事を脳裏に浮かべろ!』
【神心掌握】…自身との精神的なレベル差があればある程相手を傀儡の様に掌握可能。
使い方は外法にもなるので、発動者の趣味趣向が問われる為、ご利用は計画的に。
発動時に精神力を大幅に消耗するのでご利用は計画的に。
頭を掴んだノアは【神心掌握】を発動。
謎の人物が息堪える前に情報を少しでも絞り出そうとしている訳である。
(『<強制閲覧>』!)
″「がぁ…ああ…ぁ…!」″
久し振りに登場のスキル<強制閲覧>によって謎の人物が脳裏に浮かべた情報を次々に絞り出していく。
だが、謎の人物とはレベル差で言えば大した差は無かったのか、断片的な情報しか垣間見る事しか出来なかった。
『チッ!ダメか…『スラッ…』』
″「…ま…へ、死…ぃ…はく…無『ゾリッ!』」″
ドッ!ゴロッ…
情報が得られなかった為、即座に首を撥ねるノア。変に生かしていても追々対処が難しくなる事を懸念しての判断である。
『はぁ…はぁ…終わった…』
(『ならさっさと回復に専念しよう。
『貪欲(グリーディ)』のプラズマレーザーを通す為に腹部周りのオーラは解除してんだからよ。』)
(『…そうだね…』)
時間にして5分程度の出来事であったが、既にノアは満身創痍である(主に自分が原因ではあるが)。
早い所力の制御下に置く事で回復を促進させたい所である。
が
『『ドズッ!』…え?』
ノアが腹部の辺りを見てみると、クラーケン製の強固な防具をいとも容易く突破して鋭利な刀剣が貫いていた。
ズボッ!
『ゴブッ!?』ビチャビチャビチャッ!
ドサッ!
『っお…ぉい、嘘だろ…』
血を大量に吐きながら倒れ伏すノアが見たモノは、撥ね飛ばしたハズの謎の人物の首と胴体が徐々にくっ付いていき、むくりと起き上がっている所であった。
″「…ぁ″…がぁ…あー…よくもやってくれたな…
…しかしこれでハッキリした…
お前、【勇者】じゃないな…?」″
タンッ!キュゥウウン…
″(破壊が不可能と見るや自身を巻き込んでの自滅技とは…覚悟極まってんなぁ。
人間共の記憶にあった『カマクラブシ』とか言う奴らみてぇだ。)″
謎の人物は龍神邪火が放った衝撃波を超高速で移動してこれを回避。
クレーターと化した大穴が再び赤熱して火の海に包まれた。
謎の人物が装備しているパワードスーツの背部には、何やらバックパックの様なモノが装着されており、駆動音の様なモノが響いていた。
″(…にしても、あのでっけえ火の竜は一体何だ?
流石のパワードスーツでも耐えられねぇぞ。)″
ガラガラ…
ガコン!ガランッ!『バシュンッ!』ガンッ!
″(ん?)″
ドガァアッ!
″「んぎっ!?」″
降り注ぐ瓦礫、その中に荒鬼神ノ化身が紛れ込んでおり、謎の人物の後方に落下。
即転移してきたノアが背後から斬り掛かる。
流石に反応出来なかったのか、諸に斬撃を食らうも、パワードスーツの背部にはバックパックの様なモノが装着されており、そこに殆どが吸収されてしまった形である。
バヂヂヂヂッ!
″「良いねぇ!流石【勇者】だ、始末のし甲斐があるってもんだぜ!『ハイグラビティスペース』!」″
『『『『ギュォンッ!』』』』
『っぎっ!?』ズズンッ!
謎の人物が両巨腕を打ち合わせると、そこを中心として特殊な空間が発生。
まるで見えない巨大な手で押さえ付けられたかの様に地面に叩き付けられた。
ギリッ!
″「悪いが子供とは言え【勇者】は始末せにゃならん。悪く思うなよ?」″
キュゴンッ!
倒れ伏すノアの頭部を狙い拳を握った謎の人物は、パイルバンカーの様に拳を射出した。
が
ザリッ…ボゴゴッ!
″「おいおい…体は動かせるだろうが、血液が回らずに酸欠になる程の重力が掛かってんだ…
子供が無茶するもんじゃねぇぜ?」″
『重力?
良く分かんないけど、こんなモノ母さんの重圧に比べれば屁でもないね。』
立ち上がったノアの足は脛の辺りまでめり込んでおり、全身に強い重力が掛かっているのが見て取れる。
だがノアは余裕の表情で謎の人物の隙を誘発させる為に挑発していた。
すると
ズズズズ…
″「ん?母さん?
あぁ、この間お前とバトってた女性の事か。」″
『この間…?いつからか監視してたのか?』
″「違う違う。
こちとらが野外調査を進めてたらたまたまお前さん達と出会したんだ。
モンスターの死骸を眺めてたら大物を一体まるまる恵んでくれたじゃないか。」″
『…悪いがそんな奇抜な装備の輩は覚えが無くてね。』
″「まぁこの姿とは似ても似つかないからな。
それに、当時の格好に戻すのは面倒だし、何より暑ぃから好きじゃねぇんだ。」″
『じゃあ尚更誰だか分からないな。』
″「なら、これなら分かるか?」″
『『ギュンッ!』』
″「″はっけよいのこった″。」″
『な!?『バガァンッ!』』
再び超高速で側面に移動した謎の人物は、固く握りしめた巨拳をノアの脇腹に叩き込む。
辛うじて反応出来たノアだが、謎の人物が発動させた『ハイグラビティスペース』によって思う様に体を動かせず、諸に食らってしまった。
ガガガガガガッ!
(『くそっ、まただ!
何だあの動きは!全く予備動作が無い…!
ギリギリ目で追える動きだが、妙な結界を張られて上手く体が動かせない…!』)
地面を転がりながら、謎の人物に対して分析を行うノア。
(『だが…』)
(『あぁ、″狙うとすればアレ″だな!』)
中に居る鬼神と意見が合致したノアは、直ぐに行動に移す事にした。
ガガガッ!
『『ギュンッ!』』
″「これで終いだ!」″
漸く停止したノアの元に超高速移動してやって来た謎の人物が巨拳を振り上げてトドメを刺しに来た。
が
〔グルルルルルル…〕『『ズバァッ!』』
チリ…″「!?」″ ギュンッ!
『『『ジュァアアアッ!』』』
攻撃のタイミングを見計らっていた龍神邪火の双眸が白光。
雲の切れ間から日が射し込む様に謎の人物が照らされた直後、その場が蒸発した。
が、やはりと言うべきか、寸での所で気付き、再び超高速でこれを回避した。
明らかに見てから回避した事から、恐るべき超反応である事が窺える。
(〔チッ、避けられたか。
威力は高いが予兆が見えてしまうのが玉に瑕だな。
…だが、本当にこれで良かったのですかな、ノア殿…〕)
ボシュゥウッ…
大技を連続で発動した龍神邪火は、魔力が底を尽き活動限界を迎えた為、霧散していった。
ズザッ!
″「ふぅ、危ねぇ危ねぇ。
流石に地面が蒸発する程の高熱は耐えらんねぇから避『バオッ!』『ガギッ!』へっ、絶対来ると思ってたぜ。」″
辺りに爆煙が立ち込める中、回避し終えた謎の人物が安堵の表情を見せていると、その爆煙の中から荒鬼神ノ化身を手にしたノアが飛び出してきた。
が、やって来る事を察知していた謎の人物は、刀身を掴んでノアの動きを止めた。
のだが
ガッ!ガギッ!
″「ん?またヤツの範囲攻撃でも仕掛けんのか?」″
ノアは空いてる手と足を謎の人物の肩や腕に絡めて体を固定した。
状況的には、先程龍神邪火が放った高温の衝撃波の再現を行おうとしていると捉えられて当然である。
″「良いぜ?
やってみろよ、また苦もなく回避してやる。
【勇者】であるお前を生かす事はあってはならねぇからな。」″
『そうかい、そりゃ助かるよ。そんじゃ″全弾発射″だ!』
後方で佇んでいる龍神邪火に、余裕の表情を崩さない謎の人物。
だが、その表情は直ぐに苦痛に歪む事になる。
『『『『『パシュッ!』』』』』
『ぬがぁっ!!』
″「ぶえぇっ!?」″
何故か後方に佇む龍神邪火からでは無く、ノアから。
しかもノアの″脇腹を貫通″して5本の光の筋が伸び、謎の人物のパワードスーツを容易に突破。
肺、心臓、そして背骨を断ち切る事に成功した。
″「があ…ぅっ…!!」″ガシャッ!
『ゲボッ!』ズシャッ!
背骨を破壊された謎の人物は息も絶え絶えに倒れ伏し、脇腹5ヶ所に穴が空いたノアも膝から崩れ落ちる。
『…良くやった…『貪欲(グリーディ)』…』
キュルル…フシュッ…
1度の召喚で発射出来る最大数を撃ち切った『貪欲(グリーディ)』は、悲しげな鳴き声を上げて霧散していった。
ノアは先程龍神邪火に指示を飛ばし、攻撃を仕掛ける様に仕向けた。
だがそれは謎の人物を攻撃する為では無く、荒鬼神ノ化身に魔力を溜める為であった。
そうして【召喚獣:一刀】『貪欲(グリーディ)』を召喚するのに必要な魔力を溜めたノアは、即座に召喚し、自身の背中に張り付いている様に指示を出した。
ズ…
『…アンタはさっき、背後からの斬撃に対して回避するでも高速で逃げるでも無く、″食らっていた″。
てっきり超反応で避けられるモノと思ってたんだけどな…
…だから思ったんだ、超高速も超反応も″その装備による効果″であるとね。』
″「う…がぁ…ぅ…」″
『…馬鹿げた話だが、″認識、若しくは視野の中の攻撃に対してのみ回避行動を取る効果″じゃないかと思ったんだ…
だから″自分を盾にして、認識の外から攻撃を繰り出した″って訳さ…』
脇腹に穴が空いているものの、貫いたのがプラズマレーザーであった為、出血は無い。
ノアはゆっくりと立ち上がり、未だ倒れ伏している謎の人物に近付いていく。
″「ひゅ…ひゅー…」″
肺に穴が空いている為、息を吸う事も出来ない謎の人物は、ただ死を待つだけとなっていた。
が
ガシッ!
『【神心掌握】発動!
自身の素性、他の仲間の構成、【魔王】に関する全ての事を脳裏に浮かべろ!』
【神心掌握】…自身との精神的なレベル差があればある程相手を傀儡の様に掌握可能。
使い方は外法にもなるので、発動者の趣味趣向が問われる為、ご利用は計画的に。
発動時に精神力を大幅に消耗するのでご利用は計画的に。
頭を掴んだノアは【神心掌握】を発動。
謎の人物が息堪える前に情報を少しでも絞り出そうとしている訳である。
(『<強制閲覧>』!)
″「がぁ…ああ…ぁ…!」″
久し振りに登場のスキル<強制閲覧>によって謎の人物が脳裏に浮かべた情報を次々に絞り出していく。
だが、謎の人物とはレベル差で言えば大した差は無かったのか、断片的な情報しか垣間見る事しか出来なかった。
『チッ!ダメか…『スラッ…』』
″「…ま…へ、死…ぃ…はく…無『ゾリッ!』」″
ドッ!ゴロッ…
情報が得られなかった為、即座に首を撥ねるノア。変に生かしていても追々対処が難しくなる事を懸念しての判断である。
『はぁ…はぁ…終わった…』
(『ならさっさと回復に専念しよう。
『貪欲(グリーディ)』のプラズマレーザーを通す為に腹部周りのオーラは解除してんだからよ。』)
(『…そうだね…』)
時間にして5分程度の出来事であったが、既にノアは満身創痍である(主に自分が原因ではあるが)。
早い所力の制御下に置く事で回復を促進させたい所である。
が
『『ドズッ!』…え?』
ノアが腹部の辺りを見てみると、クラーケン製の強固な防具をいとも容易く突破して鋭利な刀剣が貫いていた。
ズボッ!
『ゴブッ!?』ビチャビチャビチャッ!
ドサッ!
『っお…ぉい、嘘だろ…』
血を大量に吐きながら倒れ伏すノアが見たモノは、撥ね飛ばしたハズの謎の人物の首と胴体が徐々にくっ付いていき、むくりと起き上がっている所であった。
″「…ぁ″…がぁ…あー…よくもやってくれたな…
…しかしこれでハッキリした…
お前、【勇者】じゃないな…?」″
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ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
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