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獣人国編~国交式典・解放・擬似的大氾濫~
一先ずの終結
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『…そもそも俺は【勇者】じゃないし…』
″「はあ?さっき【勇者】だろ、っつったら答えたじゃねぇか!」″
『″だったら何だってンだ?″
としか言ってないでしょ…?』
″「あ…」″
謎の人物に腹部を貫かれたノアは、口と腹から血を流して倒れ伏していた。
一応力の制御下に置いた為、緩やかではあるものの、止血され回復には向かうが、戦闘は難しいだろう。
『…と言うか何でアンタが生きてんのとかはどうでも良い…
何で俺が【勇者】じゃない、って分かったんだ…?』
″「【魔王】にトドメを刺せるのは【勇者】以外居ない。これに尽きる。
お前さんが【勇者】であれば、さっきの段階で俺はあの世行きだったさ。」″
『…じゃあ何?アンタが【魔王】なのか…?』
″「【魔王】であるが【魔王】ではない。
とだけ言っておこう。
…と、お喋りが過ぎたな…ただでさえ頭ん中を覗かれちまったんだ。
【勇者】でないとは言え、お前さんを生かしておく訳にはいかねぇ。
何か言い残す事は無いか?」″
『…言い残す事?』
自身を死亡寸前まで追いやった事に対する現れか、ノアに対して辞世の言葉を求めた。
それに対して
『余裕ぶっこいてんじゃねぇよバーカ。』タァンッ!
″「ふっ、最期まで気丈に振るま『パガァンッ!』っぶっ!?
何…何処『パガァンッ!』『ドゴッ!』『バガッ!』っ!」″
突如遠方から乾いた音の後に謎の人物の頭部が爆ぜた。
だがそれでも謎の人物は死なず、周囲を睨め回す。その間にも胸、首、頭部に断続的に破壊の嵐が襲う。
″「っ!見ぃ付け『ドガァア『バグンッ!』『ガブジュッ!』『グジュッ!』』
クレーターと化した大穴の縁に砲身を向けて狙い撃つラインハードの姿を見付けた謎の人物だが、そちらに気を取られている間に足下から大口を開けた25メルサイズのグリードが地面の瓦礫ごと謎の人物を呑み込んだ。
これもノアの推測である″認識の外からの攻撃″であった。
ちなみにこの一連の流れはノアの発案ではない。
大穴の上で待機していたヴァンディットやラインハード、どう介入したら良いか悩んでいたグリードや冷静に状況を見定めていたドワーフ等の連携であった。
ノアは地下にグリードが居たのは知っていたが、謎の人物とは至近距離に居た為、意志疎通を取る事が敵わなかった。
ズザザザッ!
「ノア様っ、大丈夫ですか!?(ヴァンディット)」
『あー、うん…大丈夫じゃないけど大丈夫だよ…
…凄いね皆で考えて奇襲を「お静かに!お腹に6つも穴が空いてるのですよ!」…はい…』
真っ先に大穴の底に下りてきたのはヴァンディットであった。
その後ラインハードやドワーフ等が下りてきて、傭兵やエスメラルダ、ゴーレムやクリストフ等は上で警戒にあたっていた。
「本に無茶しよる奴じゃわい…(バド)」
「分かってても自分で腹に穴空けようとは思わんわ…(ルド)」
「さっきの奴ぁ処したんか?(ロイ)」
『今頃グリードのお腹の中だよ…』
一応周囲を警戒しつつ、謎の人物の所在を聞くロイの隣でグリードが咀嚼を続けていたのだが
ムグムグ…ムグ…
《…居なくなりましたわ。》
『…あぁ、″喉越しが良かった″って事《いえ、そうではなく、″口の中から忽然と姿を消しました″わ。》…え?呑み込んだから、とかではなく?』
《はい、口の中に収まり、咀嚼。
全身の骨が粉砕して口の中に血の味が広がった瞬間″食感、味含めて消滅しました″。》
『え?…まさか逃げた、って事…?』
『『『『『『ざわ…』』』』』』
恐らく作中生存最困難と思われるグリードの口内から逃げ延びたかも知れないと言う報せに、ざわつく一同。
だが″血の味が広がった″とある事から最低でも致命傷レベルの怪我を負っているのは間違いない事。
グリード曰く、謎の人物の臭いは覚えたらしく、例え地中に居たとしても臭いで追える様になったらしい。
スン…
《臭いは…全く無いですね。
あの男の臭いも、モンスターの臭いも。》
『…あ、そうだ、すっかり忘れてたけど、僕がここで戦ってる間、モンスターの方は大丈夫でした?』
「さっきのムカデ…アースイーターとか言ったか?どうやらアイツらの群れが最後じゃった様じゃ。
ここを迂回して街まで向かってったモンスター共も居たが、それは街の防衛設備で何とかなったじゃろ。(バド)」
バドが言うように、街の方を見てみると、半透明の結界が街を覆っているからか、火の手や煙り等は上がっていなかった。
『…なら良かった。
でもまぁ滅びの森をこんなに滅茶苦茶にしちゃったんだから、やっぱりこっぴどく怒られるだろうね…』
「どう考えてもそれは無いじゃろ。(ロイ)」
「お前さんは本当に変な所で気にしぃじゃな。(ルド)」
何はともあれ、章のタイトルにある擬似的大氾濫″は″一先ずの終結を迎える事となった。
人的被害はかなり出たものの、街への被害は防衛設備と兵の尽力により皆無である。
滅びの森に直径200メル以上の大穴が空いてしまったが、追々グリードと共に整地する事としよう。
そう考えるノアであった。
~『廃都』最深部~
シュパッ!
ドサッ!
「…イスケルダか?
何だお前″死に戻り″してきたのか。」
″「くっ…しくじった…″認識外の攻撃″を受けて木っ端微塵にされちまったぜ…」″
「どうせ余裕ぶっこいて隙を突かれたんでしょ?アナタ、セルトと比べて感情で動くタチだから。」
″「チッ…直ぐに戻ってあの場に居る全員ぶっ殺してやる…!」″
「止せ、既に″発射の準備″は整った。
直ぐにでも″ヤツを羽化″させてここを発つ。
その準備に取り掛かるんだイスケルダ。」
″「待ってくれ【魔王】様よ。
あそこに居たガキに頭ん中を覗かれちまった!
情報流出を食い止める為、今すぐにでも殺
「我々の情報を幾ばくか覗かれた所で奴等には到底理解出来んさ。
何せ世界線も、年代も違う遥か遠い未来の種族の情報だ。
周りに話したとて頭がイカれてるとしか思われんさ。」
…了解しました。」″
謎の人物=イスケルダと言う魔族は目の前に立つ【魔王】アクロスに指示を受けて渋々昂った気分を落ち着かせ、言われた通り準備に取り掛かった。
″「そういや【魔王】様、さっきここに来てた侵入者共や例の爺さんはどうしたんです?」″
「お前がここを発った直ぐ後に発生した大爆発に乗じて逃げられた。
良い所まではいったんだがな。
まぁ安心しろ、直ぐには戻ってこれんさ。
″置き土産に追わせているからな″。」
~再び滅びの森~
チクチク…
『ふー…ふー…』
「ね、ねぇ…?こう言うのって普通麻酔とか使うもんなんじゃないの…?(ヤン)」
「ますい…?…とは何でしょうか…?(ヴァンディット)」
「あ″あ″ーっ!ここにはまだ麻酔って概念が無いのかぁーっ!(フェイ)」
麻酔…見付かったのは1800年代らしい。詳しい事は知らん。
チクチク…
「一先ず大事な血管は繋げて、これ以上の出血は抑えます…
…プラズマレーザーで焼いた穴は街に戻ってから…あ、ニャーゴ、血で良く見えないので吸収して下さい。(ヴァンディット)」
にゃ~ご。チュウチュウ…
現在謎の人物=イスケルダによって空けられた腹の穴、特に血管に関して緊急的に縫合を行っている所である。
この世界には麻酔が無い為、ノアの自前のスキル<激痛耐性>で何とか耐え凌いでいる状況である。
モンスター相手にバッサバッサと斬り伏せ、血潮を浴びてきたハズのネプトゥリオの3人だが、ノアの簡易的手術に「ひーひー」言いながら目を覆っていた。
「ノア殿。
ノア殿の血を栄養源として育てた『ブラッディトリュフ』です。
血を多く失ったので、顔色が悪ぅ御座います。これをお食べ下されば、直ぐに補充されるでしょう。(クリストフ)」
『あ、ありがとう…』クニュクニュ…
ノアにはバフや回復魔法が掛からないので、クリストフはニャーゴが吸収したノアの血を使い自身の持ち味を生かして手助けしていた。
「…よし…大事な血管は繋ぎ終わりました。
もうオーラを纏って良いですよ。(ヴァンディット)」
それから少ししてヴァンディットによる手術は終了した。
幾ら力の制御下であっても血管が自然に繋げるという事は無理なので、縫合をしなければならなかった。
『…よし…
取り敢えず街に戻るとしましょうか…?』
「そうね。
一先ず終結した事を伝えなくちゃだもんね。(ヤン)」
「ノア君動くと縫い目が破れちゃうから乗っていく?
ノア君位なら背負って飛べるから。(ラインハード)」
『えぇ、そうします。』
と、街への帰還を考えていたその時だった。
『『『ガララ…』』』
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
クレーターと化した大穴の奥、『廃都』方面の一部の穴が崩れ落ちた。
只の土砂崩れであれば良かったのだが
『『ドゴンッ!』』
「…まだ終わって無い…のかしら…?(リン)」
『『『ドガンッ!』』』
「【鬼神】が手負いだから私らが前に出るわよ?ヨーヘー、ミコト、ダン?(ゲイリー)」
「「「おぅ。」」」
「ゴーレム共、陣を張れぃ!(ルド)」
( ゜゜)〔ま。〕×10
断続的に中から外に何かが飛び出そうと行動を起こしている様で、一同が迎撃体勢に入っていた。
そして
『『『ドガァアンッ!』』』
「あーっ!よーやっと外に出れたわい!(ツェド)」
「こんな狭い所で″ヤツ″と戦えるかってんだ!(レドリック)」
「出たんならさっさと出て貰える?
後ろが詰まってるんだから!(アミスティア)」
穴から飛び出してきたのは、本日「用事を済ませて来る」と言って宿を後にしていたノアの両親と、ヒュマノの元国王ツェド・ガーランドであった。
『…何でそこから…?』
″「はあ?さっき【勇者】だろ、っつったら答えたじゃねぇか!」″
『″だったら何だってンだ?″
としか言ってないでしょ…?』
″「あ…」″
謎の人物に腹部を貫かれたノアは、口と腹から血を流して倒れ伏していた。
一応力の制御下に置いた為、緩やかではあるものの、止血され回復には向かうが、戦闘は難しいだろう。
『…と言うか何でアンタが生きてんのとかはどうでも良い…
何で俺が【勇者】じゃない、って分かったんだ…?』
″「【魔王】にトドメを刺せるのは【勇者】以外居ない。これに尽きる。
お前さんが【勇者】であれば、さっきの段階で俺はあの世行きだったさ。」″
『…じゃあ何?アンタが【魔王】なのか…?』
″「【魔王】であるが【魔王】ではない。
とだけ言っておこう。
…と、お喋りが過ぎたな…ただでさえ頭ん中を覗かれちまったんだ。
【勇者】でないとは言え、お前さんを生かしておく訳にはいかねぇ。
何か言い残す事は無いか?」″
『…言い残す事?』
自身を死亡寸前まで追いやった事に対する現れか、ノアに対して辞世の言葉を求めた。
それに対して
『余裕ぶっこいてんじゃねぇよバーカ。』タァンッ!
″「ふっ、最期まで気丈に振るま『パガァンッ!』っぶっ!?
何…何処『パガァンッ!』『ドゴッ!』『バガッ!』っ!」″
突如遠方から乾いた音の後に謎の人物の頭部が爆ぜた。
だがそれでも謎の人物は死なず、周囲を睨め回す。その間にも胸、首、頭部に断続的に破壊の嵐が襲う。
″「っ!見ぃ付け『ドガァア『バグンッ!』『ガブジュッ!』『グジュッ!』』
クレーターと化した大穴の縁に砲身を向けて狙い撃つラインハードの姿を見付けた謎の人物だが、そちらに気を取られている間に足下から大口を開けた25メルサイズのグリードが地面の瓦礫ごと謎の人物を呑み込んだ。
これもノアの推測である″認識の外からの攻撃″であった。
ちなみにこの一連の流れはノアの発案ではない。
大穴の上で待機していたヴァンディットやラインハード、どう介入したら良いか悩んでいたグリードや冷静に状況を見定めていたドワーフ等の連携であった。
ノアは地下にグリードが居たのは知っていたが、謎の人物とは至近距離に居た為、意志疎通を取る事が敵わなかった。
ズザザザッ!
「ノア様っ、大丈夫ですか!?(ヴァンディット)」
『あー、うん…大丈夫じゃないけど大丈夫だよ…
…凄いね皆で考えて奇襲を「お静かに!お腹に6つも穴が空いてるのですよ!」…はい…』
真っ先に大穴の底に下りてきたのはヴァンディットであった。
その後ラインハードやドワーフ等が下りてきて、傭兵やエスメラルダ、ゴーレムやクリストフ等は上で警戒にあたっていた。
「本に無茶しよる奴じゃわい…(バド)」
「分かってても自分で腹に穴空けようとは思わんわ…(ルド)」
「さっきの奴ぁ処したんか?(ロイ)」
『今頃グリードのお腹の中だよ…』
一応周囲を警戒しつつ、謎の人物の所在を聞くロイの隣でグリードが咀嚼を続けていたのだが
ムグムグ…ムグ…
《…居なくなりましたわ。》
『…あぁ、″喉越しが良かった″って事《いえ、そうではなく、″口の中から忽然と姿を消しました″わ。》…え?呑み込んだから、とかではなく?』
《はい、口の中に収まり、咀嚼。
全身の骨が粉砕して口の中に血の味が広がった瞬間″食感、味含めて消滅しました″。》
『え?…まさか逃げた、って事…?』
『『『『『『ざわ…』』』』』』
恐らく作中生存最困難と思われるグリードの口内から逃げ延びたかも知れないと言う報せに、ざわつく一同。
だが″血の味が広がった″とある事から最低でも致命傷レベルの怪我を負っているのは間違いない事。
グリード曰く、謎の人物の臭いは覚えたらしく、例え地中に居たとしても臭いで追える様になったらしい。
スン…
《臭いは…全く無いですね。
あの男の臭いも、モンスターの臭いも。》
『…あ、そうだ、すっかり忘れてたけど、僕がここで戦ってる間、モンスターの方は大丈夫でした?』
「さっきのムカデ…アースイーターとか言ったか?どうやらアイツらの群れが最後じゃった様じゃ。
ここを迂回して街まで向かってったモンスター共も居たが、それは街の防衛設備で何とかなったじゃろ。(バド)」
バドが言うように、街の方を見てみると、半透明の結界が街を覆っているからか、火の手や煙り等は上がっていなかった。
『…なら良かった。
でもまぁ滅びの森をこんなに滅茶苦茶にしちゃったんだから、やっぱりこっぴどく怒られるだろうね…』
「どう考えてもそれは無いじゃろ。(ロイ)」
「お前さんは本当に変な所で気にしぃじゃな。(ルド)」
何はともあれ、章のタイトルにある擬似的大氾濫″は″一先ずの終結を迎える事となった。
人的被害はかなり出たものの、街への被害は防衛設備と兵の尽力により皆無である。
滅びの森に直径200メル以上の大穴が空いてしまったが、追々グリードと共に整地する事としよう。
そう考えるノアであった。
~『廃都』最深部~
シュパッ!
ドサッ!
「…イスケルダか?
何だお前″死に戻り″してきたのか。」
″「くっ…しくじった…″認識外の攻撃″を受けて木っ端微塵にされちまったぜ…」″
「どうせ余裕ぶっこいて隙を突かれたんでしょ?アナタ、セルトと比べて感情で動くタチだから。」
″「チッ…直ぐに戻ってあの場に居る全員ぶっ殺してやる…!」″
「止せ、既に″発射の準備″は整った。
直ぐにでも″ヤツを羽化″させてここを発つ。
その準備に取り掛かるんだイスケルダ。」
″「待ってくれ【魔王】様よ。
あそこに居たガキに頭ん中を覗かれちまった!
情報流出を食い止める為、今すぐにでも殺
「我々の情報を幾ばくか覗かれた所で奴等には到底理解出来んさ。
何せ世界線も、年代も違う遥か遠い未来の種族の情報だ。
周りに話したとて頭がイカれてるとしか思われんさ。」
…了解しました。」″
謎の人物=イスケルダと言う魔族は目の前に立つ【魔王】アクロスに指示を受けて渋々昂った気分を落ち着かせ、言われた通り準備に取り掛かった。
″「そういや【魔王】様、さっきここに来てた侵入者共や例の爺さんはどうしたんです?」″
「お前がここを発った直ぐ後に発生した大爆発に乗じて逃げられた。
良い所まではいったんだがな。
まぁ安心しろ、直ぐには戻ってこれんさ。
″置き土産に追わせているからな″。」
~再び滅びの森~
チクチク…
『ふー…ふー…』
「ね、ねぇ…?こう言うのって普通麻酔とか使うもんなんじゃないの…?(ヤン)」
「ますい…?…とは何でしょうか…?(ヴァンディット)」
「あ″あ″ーっ!ここにはまだ麻酔って概念が無いのかぁーっ!(フェイ)」
麻酔…見付かったのは1800年代らしい。詳しい事は知らん。
チクチク…
「一先ず大事な血管は繋げて、これ以上の出血は抑えます…
…プラズマレーザーで焼いた穴は街に戻ってから…あ、ニャーゴ、血で良く見えないので吸収して下さい。(ヴァンディット)」
にゃ~ご。チュウチュウ…
現在謎の人物=イスケルダによって空けられた腹の穴、特に血管に関して緊急的に縫合を行っている所である。
この世界には麻酔が無い為、ノアの自前のスキル<激痛耐性>で何とか耐え凌いでいる状況である。
モンスター相手にバッサバッサと斬り伏せ、血潮を浴びてきたハズのネプトゥリオの3人だが、ノアの簡易的手術に「ひーひー」言いながら目を覆っていた。
「ノア殿。
ノア殿の血を栄養源として育てた『ブラッディトリュフ』です。
血を多く失ったので、顔色が悪ぅ御座います。これをお食べ下されば、直ぐに補充されるでしょう。(クリストフ)」
『あ、ありがとう…』クニュクニュ…
ノアにはバフや回復魔法が掛からないので、クリストフはニャーゴが吸収したノアの血を使い自身の持ち味を生かして手助けしていた。
「…よし…大事な血管は繋ぎ終わりました。
もうオーラを纏って良いですよ。(ヴァンディット)」
それから少ししてヴァンディットによる手術は終了した。
幾ら力の制御下であっても血管が自然に繋げるという事は無理なので、縫合をしなければならなかった。
『…よし…
取り敢えず街に戻るとしましょうか…?』
「そうね。
一先ず終結した事を伝えなくちゃだもんね。(ヤン)」
「ノア君動くと縫い目が破れちゃうから乗っていく?
ノア君位なら背負って飛べるから。(ラインハード)」
『えぇ、そうします。』
と、街への帰還を考えていたその時だった。
『『『ガララ…』』』
「「「「「「「っ!?」」」」」」」
クレーターと化した大穴の奥、『廃都』方面の一部の穴が崩れ落ちた。
只の土砂崩れであれば良かったのだが
『『ドゴンッ!』』
「…まだ終わって無い…のかしら…?(リン)」
『『『ドガンッ!』』』
「【鬼神】が手負いだから私らが前に出るわよ?ヨーヘー、ミコト、ダン?(ゲイリー)」
「「「おぅ。」」」
「ゴーレム共、陣を張れぃ!(ルド)」
( ゜゜)〔ま。〕×10
断続的に中から外に何かが飛び出そうと行動を起こしている様で、一同が迎撃体勢に入っていた。
そして
『『『ドガァアンッ!』』』
「あーっ!よーやっと外に出れたわい!(ツェド)」
「こんな狭い所で″ヤツ″と戦えるかってんだ!(レドリック)」
「出たんならさっさと出て貰える?
後ろが詰まってるんだから!(アミスティア)」
穴から飛び出してきたのは、本日「用事を済ませて来る」と言って宿を後にしていたノアの両親と、ヒュマノの元国王ツェド・ガーランドであった。
『…何でそこから…?』
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その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
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またぺったんこですか?・・・
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