ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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獣人国編~事後処理・決意・旅立ち~

小芝居

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~獣人国・夜~ 


「うぇへへへ…お酒って久しぶぃに飲みましたけど、やっぷぁり美味しぃれしゅねぇ~(ヴァンディット)」

「ヴァンディットさん、血で酔うのは知ってましたが、お酒でも酔うんですね…」

「うん…アルコール精製の依頼やる時はいつも酔い止め飲んでるよ…(ラインハード)」

「酔い止め用のキノコ処方致しましょうか?(クリストフ)」


龍宮城での宴でお酒が幾つか出されたのだが、その全てにヴァンディットは手を付け、そして空けていた。

ヴァンディットは酒豪なのかな?と思ったノアだが、そんな事は無かったのだった。


「もー、失礼ですねぇ、私は酔ってませんよ~だ。(ヴァンディット)」ペシペシ!

「「「……。」」」


青果店と八百屋の前に並んでいた小玉スイカとエリンギに文句を言うヴァンディットの姿を見て誰が信用するだろうか。

取り敢えず一旦影の中に介抱役のラインハードと共に戻った方が良いか?

等と考えていると


スタッ!

「!…あれ?にゃん…じゃなかった、諜報員の獣人さん。
どうしたんですか突然?」

「…あのなぁノア君よ、一応こうやって黒装束で身を隠しているのだ、素性が知られそうな言動は控え「わーい!にゃんこさんだー!お元気ー?(ヴァンディット)」へぶっ!?」


ナサケの部下で、王都の諜報員である獣人のにゃんこさん(ヴァンディットのみの愛称)に酔ったヴァンディットが強襲を仕掛けた。

思わず黒装束のフードが捲れそうになるが、にゃんこさんは何とか守りきった。
その後酔ったヴァンディットを引き剥がそうとするも、にゃんこさんの腰にガッチリ掴まったまま離れようとしなかった。


「ほらほらヴァンディットさん、諜報員さんは仕事で来てるんですから離れましょうね…」ペリペリ…

「もーヴァンちゃんお酒弱いのにあんなに飲むから…(ラインハード)」ペリペリ…

「あ!ラインハードさ『ガクンッ!』『ズシャッ!』へぶっ!」

「あああしまったぁ!″協力″してヴァンちゃんを引き剥がそうとしたばかりに!(ラインハード)」

「うーん、カオス。(クリストフ)」


諜報員(にゃんこさん)から酔いどれヴァンディットを引き剥がそうとしたノアをラインハードが手伝った所【ソロ】にとって禁止行為である″協力関係″に当たり、即座に弱体化。

荒鬼神ノ化身の重さにノアが耐えられずに膝から崩れ落ち、その横ではラインハードも同様に膝から崩れ落ちて項垂れてしまった。

クリストフの言う様に″カオス″な状況になってしまったのである。

すると


ザリ…

「…何がどうなってこんな事に…
″動(ルギ)″、あなたノア君に話するだけのハズでしょう?(ナサケ)」

「いや、ナサケ殿、これは…(↓この辺にヴァンディット)」


様子を見に来た諜報員のナサケは、フードに隠れてはいるものの、呆れた様子であった。

ちなみに″動(ルギ)″とは諜報局内でのにゃんこさんの呼び名である。
ノアには以前″レオ″と呼べ、と言い聞かせていたが、これでは何とも呼び辛いのでノアも″動(ルギ)″呼びにする事にした。

ヴァンディットに抱き付かれているにゃんこさん(ルギ)は、どうにか取り繕うとしているが弁明の言葉は出てこなかった。

一先ずヴァンディットはそのままに、ナサケはにゃんこさん(ルギ)に代わってノアと話をする事になった。





「確か君達は今後南に向かうのだったね?(ナサケ)」

「はい、そうです。」

「であれば尚更話さなければならないな。
この獣人国よりも南…正確にはノア君が中級冒険者試験を受けた街『テスタ』より南は我々(王都)の管轄外となる。
つまり南に居る以上、今までみたく君に支援の類いは行えなくなる。(ナサケ)」

「え?フリアダビアの時は何だったんですか?
あそこって大陸の大分北ですよ?」

「あの時はフリアダビア側から世界各国に協力要請を出していたので、こちらから色々と口出しする事が出来たのさ。
本来我々(王都)の管轄範囲は王都を中心とした2ヶ国分程。
それ以上は我々だけでは網羅出来ないのでな。(ナサケ)」

「なる程…
いえ、今まで色々と協力してくれてありがとうございます。
特に獣人達の救出作戦に尽力してくれて感謝しています。」

「なぁに、こちらも色々と楽しみながらやれたさ。
それと君ならスンナリと受け入れてくれると思ったよ。…まぁあっちはまだ受け入れられてないみたいだけどね…(ナサケ)」

「うーん…」


今後は諜報員が管轄外となる事を割とスンナリと受け入れるノアに対し


「にゃんこさん…もう会えないんれふか?(ヴァンディット)」

「う、うむ…管轄外になるので…な…(動(ルギ))」

「寂しいれす…他の街でもデートしたかったのに…(ヴァンディット)」

「あ!ちょ、局長の前でその発言は…!(動(ルギ))」

「あ、お構い無く。(ナサケ)」

「クリストフ、ヴァンディットさんの酔いを覚ましてあげて。
何か余計な事まで話しちゃいそうだから。」

「畏まりました。(クリストフ)」シャラララ~♪


フリアダビア奪還作戦後に知り合い、王都編でのとある話から一気に仲良くなった2人は、ノアやナサケの目を盗み(と言ってもどっちも気付いてた)時折会って街を回っていたらしい。

勿論にゃんこさん(ルギ)が″表″の姿で、である。





~路地~

ショボンボ…

「さ、先程は痴態を晒してしまい申し訳ありませんでした…
それと…あぁ…にゃんこさんさんにはとても失礼な事をしてしまいました…局長さん(ナサケ)に怒られてしまうのでは…(ヴァンディット)」


通りを落ち込んだ様子と痴態を晒した恥ずかしさで顔を赤らめた様子で歩くヴァンディット。

まぁナサケ自身、王都編辺りから何と無く2人の雰囲気が変わっていたと感じていたらしく、余程の事が無い限り干渉するつもりもなかったらしい。


「大丈夫だと思うよ?
2人の間柄を知った上で今まで干渉してこなかったんだから。」


と、少し元気付けるつもりで言いはしたが、南は管轄外であると言っていた事から2人が今後会う頻度は少なくなるだろうし、下手すれば全く失くなる事だって考えられる。

その辺に関してはどうしようもならないのでどうしたものか、と考えていると


「それじゃあドゥ。
販路の拡大、系列店舗に見合う立地が見付かったら連絡してくれな?(ジョー)」

「は、はぁ…(ドゥ)」

「なーにショボくれた声出してんのよ!
新しい商会の顔になるかも知れないんだからもっとビシッとなさい、ビシッと!(カサグリア)」

「「頑張ってね、ドゥ。(ラーベ、ラベルタ)」」


路地の角を曲がった先から聞き馴染みのある声が聞こえてきたのでそちらに行ってみると、商人のジョーを筆頭に商会『ジョー・アルマゼナ』のメンバー(鬼人族のルーシー・ラーベ、ルーシー・ラベルタ、ダークエルフのカサグリア、獅子獣人のドゥ)が全員集まっていた。


「おや?ノア君じゃないか。
何だか久しぶりだね。(ジョー)」

「え!?あ、ノア様!(ラーベ)」
「ヤッホー、ノア君。(ラベルタ)」


ノアを見付けたジョーは、いつも通りの雰囲気でノアに挨拶をし、ルーシー姉妹は以前よりも大分丸くはなったが、ラーベの方はまだ少し畏まった感じでノアに挨拶をした。


「え、えぇ…久し振りですね。
どうしたんですか?皆さん勢揃いで…」

「いやね?私の商会の販路を少し拡大しようと思って南部に商会の2号店を建てようと思ってるのさ。
それでドゥに南部の各地に足を運んで貰うつもりで細やかな壮行会を行っていた所なのさ。(ジョー)」

「そ、そういう事…(ドゥ)」

「あ、ふーん…」


何か色々と裏がありそうな話であるが、この一連の話を聞いて先程まで落ち込んでいた様子の誰かさんの頬が緩んでいた事をノアは知らなかった。


※次回少し解説挟みます。
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