1,016 / 1,117
ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~
″一式装備″を扱う事の出来る『適正者』
しおりを挟む
「あー!デオさんガーラさん!
遠路はるばる来てくれてありがとうございます!」
「おぅ、坊主。
相変わらず話題に事欠かないな。(ガーラ)」
「王都の時といい、話が急なんだよ…
【諜報】の嬢ちゃんが来たと思ったら了承→即出発で荷馬車に詰め込まれ、ガタガタと揺られてケツが削れるかと思ったぜ。(デオ)」
ミダレ達に連れられてノアの下へやって来たのは、ゴツい体つきの男性と、痩せ形で目付きが鋭く口調の荒い男性の2人であった。
この2人はオードゥス編と王都編にて登場し、ノアの愛刀とも言える荒鬼神ノ化身の最初期である阿羅亀噛(アラキガミ)、クラーケンの素材で作られた防具ギガンテ・ドゥマの製作に関わってくれた職人である。
普段の振る舞いからでは分からないだろうが2人は兄弟である事と貴族の出で、技術のみでその地位にのし上がってきたバリバリ実力派である。
が、2人はそんな事これっぽっちもさらけ出さず普通の職人の様に振る舞う為、彼等の正体を知っている者は数少ない。
「最近だと獣人国→ウォルタメと南下してってたろ?
それが何で西の偏狭、【魔王】支配地域の直ぐ近くに居るんだ?(デオ)」
「そ、それはまた別の機会で話させて貰います、はい…」
「ん?
それよりも坊主、阿羅亀噛はどうした?
二刀流はやめて四刀流に変えたのか?(ガーラ)」
「違ぇよガーラ。
これは俺達が作った阿羅亀噛が順当に強化されていった代物だ。
名残として″アラキガミ″は残っていて、俺達では不可能だった属性付与が施されている上に魔剣化にまで昇華しているしな。(デオ)」
デオはノアの腰に差されている四刀を一目見て、直ぐに自身が元々製作した武器であると気付く。
並の職人ではノアの荒鬼神ノ化身が″■■■■■■″としか表示されず、正体不明の刀剣としか認識されない事を考えれば、本人達の能力の高さが窺い知れる。
「依頼内容としてはこの地での″武器防具の作製″だったな。
また得体の知れない素材から新武器を作ってくれ、って言う依頼よりか万倍簡単な仕事だが、そこはキッチリやらせて貰う。(デオ)」
「取り敢えず俺達の仕事場となる場所を教えてくれ。話はそれからだ。(ガーラ)」
今まで2人に請け負って貰ったのはどちらも並の職人では加工自体が難しいものばかり。
今回はその様な状況では無いとは言え、職人として手を抜かずに請け負ってくれると言う。
何とも頼もしい限りである。
早速ノアは2人を作業場へと連れていくのだった。
~作業場″予定地″~
「…えっと、ここが作業場…の″予定地″です…」
「本当に″予定地″だなぁっ!
整ってんの土台だけじゃねぇか!(デオ)」
「うっさいぞデオ。
状況聞いてりゃ大体察するだろ。(ガーラ)」
ノアが2人の作業場として連れてきたのは、作業場とはとても言えない、炉所か金床も無い″土台だけ″の場所であった。
「まぁ文句はこの程度にして、一先ず持ってきた道具を広げて準備を始めっか。(デオ)」
「だな。(ガーラ)」
「一応ルルイエさんに言って明日には炉が来る様なので、それまでは…」
「は!俺達を舐めんじゃねぇぞ?(デオ)」
「え?」
普通なら匙を投げる様な状況にも関わらず、一頻り文句を言ったデオとガーラはチャッチャと店を広げていく。
「どんな状況だろうと最高の結果を残すお前さんの様に、如何なる状況でも最高の仕事を行うのが俺達だ。
炉が無かろうが作業台が無かろうが素材と腕の立つ職人と道具が手元にありゃどうとでもなる。(デオ)」
「デオがデケェ事言ってるが、坊主に関わったお陰でスキルや技術がモリモリ上がって普通じゃ出来ねぇ事も出来る様になったんだ。
何なら炉が無くても精錬位は出来る様になったんだぜ?(ガーラ)」
「それはスゴい…」
技術職は熟練度やスキルが向上してくると、設備が整っていなくても自前の技術やスキルでその辺を補う事が出来るらしかった。
「ほー…
『ママン・モスの剛翅』、『マン・モスの剛翅』、『ヘラクレスグーパンオオカブトの全身鎧』…
お、『ヘラクレスグーパンオオカブトの大太刀』が無事とはやるじゃねぇか、これだけで業物が作れるぜ。(デオ)」
「お、花束鉄蟷螂まで居るのかここ。
これで最低限鉄が確保出来るな。
虫系モンスターばかりだから皮が確保出来ないのは仕方無いか…(ガーラ)」
「まぁ皮鎧なんかが作れない代わりに″一式装備″が作れるから『特殊能力付き』が容易に手に入るぜ。(デオ)」
「『特殊能力付き』?」
「いやいや、お前さんが一番良く知ってる事だろう?(ガーラ)」
「え?」
一式装備の特性…同素材を用いて一式装備を作成した場合、基になったモンスターの特性を一部獲得する事が可能。
基になったモンスターが高位である程、得られる特殊能力は強力なモノとなる。
例:ノアのクラーケン防具→衝撃吸収能力。
「あ、あれってそういう事だったんですね?」
「坊主、お前分かってないで今まで使ってたのか…?(ガーラ)」
「まぁ使いこなしてんならそれで良いだろ。
一先ず″花束鉄蟷螂″と″ヘラクレスグーパンオオカブト″で一式装備を作ってやるから【錬金術】の心得ある者と『適正者』を選出しといてくれ。(デオ)」
「『適正者』?」
~とある広場~
「ふん!(レドリック)」
『『ドゴォンッ!』』(盾に強力なタックル。)
「ぬぉっ!?『ズザッ!』ぬぐぐぐ…!
おおっ!(【盾撃】ダッカード)」
ブォンッ!『『ブォオンッ!』』(シールドバッシュによる連撃。)
ヒュヒュン、ヒュンッ!(回避。)
「おー、割と強目にタックルしたのにやるじゃないか。
その上反撃してくるとは大したモンだ。(レドリック)」
「こ、これが最上級冒険者のタックル…
爆裂魔法食らったかと思ったぜ…(【盾撃】ダッカード)」
とある広場でこの地に集まった元冒険者達各々の力量を見ていたレドリック。
少し離れた所ではアミスティアも
ヒュヒュッ!『『ヒュオッ!』』ヒュンッ!(<無刀幻視>による連撃。)
ヒュッ!ヒュオッ!スッ!スッ!(自前の反射神経と反応速度で次々に回避。)
「良い目を持ってるじゃない。
ウチで預かってる娘(美幸)でもここまでキレイにかわせないわよ?(美幸)」
「っはぁ!はあっ!はあっ…
て、手に何も持ってない様にしか見えないのに、当たったら死を予感させるから避けるしかないですって…!(【軽業師】スティルダー)」
数話前に出で来ていた【軽業師】のスティルダーと、その仲間【盾撃】のダッカードはレドリックとアミスティアが目を見張る程の能力を持っていた。
遠路はるばる来てくれてありがとうございます!」
「おぅ、坊主。
相変わらず話題に事欠かないな。(ガーラ)」
「王都の時といい、話が急なんだよ…
【諜報】の嬢ちゃんが来たと思ったら了承→即出発で荷馬車に詰め込まれ、ガタガタと揺られてケツが削れるかと思ったぜ。(デオ)」
ミダレ達に連れられてノアの下へやって来たのは、ゴツい体つきの男性と、痩せ形で目付きが鋭く口調の荒い男性の2人であった。
この2人はオードゥス編と王都編にて登場し、ノアの愛刀とも言える荒鬼神ノ化身の最初期である阿羅亀噛(アラキガミ)、クラーケンの素材で作られた防具ギガンテ・ドゥマの製作に関わってくれた職人である。
普段の振る舞いからでは分からないだろうが2人は兄弟である事と貴族の出で、技術のみでその地位にのし上がってきたバリバリ実力派である。
が、2人はそんな事これっぽっちもさらけ出さず普通の職人の様に振る舞う為、彼等の正体を知っている者は数少ない。
「最近だと獣人国→ウォルタメと南下してってたろ?
それが何で西の偏狭、【魔王】支配地域の直ぐ近くに居るんだ?(デオ)」
「そ、それはまた別の機会で話させて貰います、はい…」
「ん?
それよりも坊主、阿羅亀噛はどうした?
二刀流はやめて四刀流に変えたのか?(ガーラ)」
「違ぇよガーラ。
これは俺達が作った阿羅亀噛が順当に強化されていった代物だ。
名残として″アラキガミ″は残っていて、俺達では不可能だった属性付与が施されている上に魔剣化にまで昇華しているしな。(デオ)」
デオはノアの腰に差されている四刀を一目見て、直ぐに自身が元々製作した武器であると気付く。
並の職人ではノアの荒鬼神ノ化身が″■■■■■■″としか表示されず、正体不明の刀剣としか認識されない事を考えれば、本人達の能力の高さが窺い知れる。
「依頼内容としてはこの地での″武器防具の作製″だったな。
また得体の知れない素材から新武器を作ってくれ、って言う依頼よりか万倍簡単な仕事だが、そこはキッチリやらせて貰う。(デオ)」
「取り敢えず俺達の仕事場となる場所を教えてくれ。話はそれからだ。(ガーラ)」
今まで2人に請け負って貰ったのはどちらも並の職人では加工自体が難しいものばかり。
今回はその様な状況では無いとは言え、職人として手を抜かずに請け負ってくれると言う。
何とも頼もしい限りである。
早速ノアは2人を作業場へと連れていくのだった。
~作業場″予定地″~
「…えっと、ここが作業場…の″予定地″です…」
「本当に″予定地″だなぁっ!
整ってんの土台だけじゃねぇか!(デオ)」
「うっさいぞデオ。
状況聞いてりゃ大体察するだろ。(ガーラ)」
ノアが2人の作業場として連れてきたのは、作業場とはとても言えない、炉所か金床も無い″土台だけ″の場所であった。
「まぁ文句はこの程度にして、一先ず持ってきた道具を広げて準備を始めっか。(デオ)」
「だな。(ガーラ)」
「一応ルルイエさんに言って明日には炉が来る様なので、それまでは…」
「は!俺達を舐めんじゃねぇぞ?(デオ)」
「え?」
普通なら匙を投げる様な状況にも関わらず、一頻り文句を言ったデオとガーラはチャッチャと店を広げていく。
「どんな状況だろうと最高の結果を残すお前さんの様に、如何なる状況でも最高の仕事を行うのが俺達だ。
炉が無かろうが作業台が無かろうが素材と腕の立つ職人と道具が手元にありゃどうとでもなる。(デオ)」
「デオがデケェ事言ってるが、坊主に関わったお陰でスキルや技術がモリモリ上がって普通じゃ出来ねぇ事も出来る様になったんだ。
何なら炉が無くても精錬位は出来る様になったんだぜ?(ガーラ)」
「それはスゴい…」
技術職は熟練度やスキルが向上してくると、設備が整っていなくても自前の技術やスキルでその辺を補う事が出来るらしかった。
「ほー…
『ママン・モスの剛翅』、『マン・モスの剛翅』、『ヘラクレスグーパンオオカブトの全身鎧』…
お、『ヘラクレスグーパンオオカブトの大太刀』が無事とはやるじゃねぇか、これだけで業物が作れるぜ。(デオ)」
「お、花束鉄蟷螂まで居るのかここ。
これで最低限鉄が確保出来るな。
虫系モンスターばかりだから皮が確保出来ないのは仕方無いか…(ガーラ)」
「まぁ皮鎧なんかが作れない代わりに″一式装備″が作れるから『特殊能力付き』が容易に手に入るぜ。(デオ)」
「『特殊能力付き』?」
「いやいや、お前さんが一番良く知ってる事だろう?(ガーラ)」
「え?」
一式装備の特性…同素材を用いて一式装備を作成した場合、基になったモンスターの特性を一部獲得する事が可能。
基になったモンスターが高位である程、得られる特殊能力は強力なモノとなる。
例:ノアのクラーケン防具→衝撃吸収能力。
「あ、あれってそういう事だったんですね?」
「坊主、お前分かってないで今まで使ってたのか…?(ガーラ)」
「まぁ使いこなしてんならそれで良いだろ。
一先ず″花束鉄蟷螂″と″ヘラクレスグーパンオオカブト″で一式装備を作ってやるから【錬金術】の心得ある者と『適正者』を選出しといてくれ。(デオ)」
「『適正者』?」
~とある広場~
「ふん!(レドリック)」
『『ドゴォンッ!』』(盾に強力なタックル。)
「ぬぉっ!?『ズザッ!』ぬぐぐぐ…!
おおっ!(【盾撃】ダッカード)」
ブォンッ!『『ブォオンッ!』』(シールドバッシュによる連撃。)
ヒュヒュン、ヒュンッ!(回避。)
「おー、割と強目にタックルしたのにやるじゃないか。
その上反撃してくるとは大したモンだ。(レドリック)」
「こ、これが最上級冒険者のタックル…
爆裂魔法食らったかと思ったぜ…(【盾撃】ダッカード)」
とある広場でこの地に集まった元冒険者達各々の力量を見ていたレドリック。
少し離れた所ではアミスティアも
ヒュヒュッ!『『ヒュオッ!』』ヒュンッ!(<無刀幻視>による連撃。)
ヒュッ!ヒュオッ!スッ!スッ!(自前の反射神経と反応速度で次々に回避。)
「良い目を持ってるじゃない。
ウチで預かってる娘(美幸)でもここまでキレイにかわせないわよ?(美幸)」
「っはぁ!はあっ!はあっ…
て、手に何も持ってない様にしか見えないのに、当たったら死を予感させるから避けるしかないですって…!(【軽業師】スティルダー)」
数話前に出で来ていた【軽業師】のスティルダーと、その仲間【盾撃】のダッカードはレドリックとアミスティアが目を見張る程の能力を持っていた。
97
あなたにおすすめの小説
【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』
ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。
全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。
「私と、パーティを組んでくれませんか?」
これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!
無能扱いされ、パーティーを追放されたおっさん、実はチートスキル持ちでした。戻ってきてくれ、と言ってももう遅い。田舎でゆったりスローライフ。
さら
ファンタジー
かつて勇者パーティーに所属していたジル。
だが「無能」と嘲られ、役立たずと追放されてしまう。
行くあてもなく田舎の村へ流れ着いた彼は、鍬を振るい畑を耕し、のんびり暮らすつもりだった。
――だが、誰も知らなかった。
ジルには“世界を覆すほどのチートスキル”が隠されていたのだ。
襲いかかる魔物を一撃で粉砕し、村を脅かす街の圧力をはねのけ、いつしか彼は「英雄」と呼ばれる存在に。
「戻ってきてくれ」と泣きつく元仲間? もう遅い。
俺はこの村で、仲間と共に、気ままにスローライフを楽しむ――そう決めたんだ。
無能扱いされたおっさんが、実は最強チートで世界を揺るがす!?
のんびり田舎暮らし×無双ファンタジー、ここに開幕!
ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~
楠富 つかさ
ファンタジー
ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。
そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。
「やばい……これ、動けない……」
怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。
「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」
異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!
ダンジョントランスポーター ~ 現代に現れたダンジョンに潜ったらレベル999の天使に憑依されて運び屋になってしまった
海道一人
ファンタジー
二十年前、地球の各地に突然異世界とつながるダンジョンが出現した。
ダンジョンから持って出られるのは無機物のみだったが、それらは地球上には存在しない人類の科学や技術を数世代進ませるほどのものばかりだった。
そして現在、一獲千金を求めた探索者が世界中でダンジョンに潜るようになっていて、彼らは自らを冒険者と呼称していた。
主人公、天城 翔琉《あまぎ かける》はよんどころない事情からお金を稼ぐためにダンジョンに潜ることを決意する。
ダンジョン探索を続ける中で翔琉は羽の生えた不思議な生き物に出会い、憑依されてしまう。
それはダンジョンの最深部九九九層からやってきたという天使で、憑依された事で翔は新たなジョブ《運び屋》を手に入れる。
ダンジョンで最強の力を持つ天使に憑依された翔琉は様々な事件に巻き込まれていくのだった。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
スキルで最強神を召喚して、無双してしまうんだが〜パーティーを追放された勇者は、召喚した神達と共に無双する。神達が強すぎて困ってます〜
東雲ハヤブサ
ファンタジー
勇者に選ばれたライ・サーベルズは、他にも選ばれた五人の勇者とパーティーを組んでいた。
ところが、勇者達の実略は凄まじく、ライでは到底敵う相手ではなかった。
「おい雑魚、これを持っていけ」
ライがそう言われるのは日常茶飯事であり、荷物持ちや雑用などをさせられる始末だ。
ある日、洞窟に六人でいると、ライがきっかけで他の勇者の怒りを買ってしまう。
怒りが頂点に達した他の勇者は、胸ぐらを掴まれた後壁に投げつけた。
いつものことだと、流して終わりにしようと思っていた。
だがなんと、邪魔なライを始末してしまおうと話が進んでしまい、次々に攻撃を仕掛けられることとなった。
ハーシュはライを守ろうとするが、他の勇者に気絶させられてしまう。
勇者達は、ただ痛ぶるように攻撃を加えていき、瀕死の状態で洞窟に置いていってしまった。
自分の弱さを呪い、本当に死を覚悟した瞬間、視界に突如文字が現れてスキル《神族召喚》と書かれていた。
今頃そんなスキル手を入れてどうするんだと、心の中でつぶやくライ。
だが、死ぬ記念に使ってやろうじゃないかと考え、スキルを発動した。
その時だった。
目の前が眩く光り出し、気付けば一人の女が立っていた。
その女は、瀕死状態のライを最も簡単に回復させ、ライの命を救って。
ライはそのあと、その女が神達を統一する三大神の一人であることを知った。
そして、このスキルを発動すれば神を自由に召喚出来るらしく、他の三大神も召喚するがうまく進むわけもなく......。
これは、雑魚と呼ばれ続けた勇者が、強き勇者へとなる物語である。
※小説家になろうにて掲載中
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる