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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~
″一式装備″を扱う事の出来る『適正者』
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「あー!デオさんガーラさん!
遠路はるばる来てくれてありがとうございます!」
「おぅ、坊主。
相変わらず話題に事欠かないな。(ガーラ)」
「王都の時といい、話が急なんだよ…
【諜報】の嬢ちゃんが来たと思ったら了承→即出発で荷馬車に詰め込まれ、ガタガタと揺られてケツが削れるかと思ったぜ。(デオ)」
ミダレ達に連れられてノアの下へやって来たのは、ゴツい体つきの男性と、痩せ形で目付きが鋭く口調の荒い男性の2人であった。
この2人はオードゥス編と王都編にて登場し、ノアの愛刀とも言える荒鬼神ノ化身の最初期である阿羅亀噛(アラキガミ)、クラーケンの素材で作られた防具ギガンテ・ドゥマの製作に関わってくれた職人である。
普段の振る舞いからでは分からないだろうが2人は兄弟である事と貴族の出で、技術のみでその地位にのし上がってきたバリバリ実力派である。
が、2人はそんな事これっぽっちもさらけ出さず普通の職人の様に振る舞う為、彼等の正体を知っている者は数少ない。
「最近だと獣人国→ウォルタメと南下してってたろ?
それが何で西の偏狭、【魔王】支配地域の直ぐ近くに居るんだ?(デオ)」
「そ、それはまた別の機会で話させて貰います、はい…」
「ん?
それよりも坊主、阿羅亀噛はどうした?
二刀流はやめて四刀流に変えたのか?(ガーラ)」
「違ぇよガーラ。
これは俺達が作った阿羅亀噛が順当に強化されていった代物だ。
名残として″アラキガミ″は残っていて、俺達では不可能だった属性付与が施されている上に魔剣化にまで昇華しているしな。(デオ)」
デオはノアの腰に差されている四刀を一目見て、直ぐに自身が元々製作した武器であると気付く。
並の職人ではノアの荒鬼神ノ化身が″■■■■■■″としか表示されず、正体不明の刀剣としか認識されない事を考えれば、本人達の能力の高さが窺い知れる。
「依頼内容としてはこの地での″武器防具の作製″だったな。
また得体の知れない素材から新武器を作ってくれ、って言う依頼よりか万倍簡単な仕事だが、そこはキッチリやらせて貰う。(デオ)」
「取り敢えず俺達の仕事場となる場所を教えてくれ。話はそれからだ。(ガーラ)」
今まで2人に請け負って貰ったのはどちらも並の職人では加工自体が難しいものばかり。
今回はその様な状況では無いとは言え、職人として手を抜かずに請け負ってくれると言う。
何とも頼もしい限りである。
早速ノアは2人を作業場へと連れていくのだった。
~作業場″予定地″~
「…えっと、ここが作業場…の″予定地″です…」
「本当に″予定地″だなぁっ!
整ってんの土台だけじゃねぇか!(デオ)」
「うっさいぞデオ。
状況聞いてりゃ大体察するだろ。(ガーラ)」
ノアが2人の作業場として連れてきたのは、作業場とはとても言えない、炉所か金床も無い″土台だけ″の場所であった。
「まぁ文句はこの程度にして、一先ず持ってきた道具を広げて準備を始めっか。(デオ)」
「だな。(ガーラ)」
「一応ルルイエさんに言って明日には炉が来る様なので、それまでは…」
「は!俺達を舐めんじゃねぇぞ?(デオ)」
「え?」
普通なら匙を投げる様な状況にも関わらず、一頻り文句を言ったデオとガーラはチャッチャと店を広げていく。
「どんな状況だろうと最高の結果を残すお前さんの様に、如何なる状況でも最高の仕事を行うのが俺達だ。
炉が無かろうが作業台が無かろうが素材と腕の立つ職人と道具が手元にありゃどうとでもなる。(デオ)」
「デオがデケェ事言ってるが、坊主に関わったお陰でスキルや技術がモリモリ上がって普通じゃ出来ねぇ事も出来る様になったんだ。
何なら炉が無くても精錬位は出来る様になったんだぜ?(ガーラ)」
「それはスゴい…」
技術職は熟練度やスキルが向上してくると、設備が整っていなくても自前の技術やスキルでその辺を補う事が出来るらしかった。
「ほー…
『ママン・モスの剛翅』、『マン・モスの剛翅』、『ヘラクレスグーパンオオカブトの全身鎧』…
お、『ヘラクレスグーパンオオカブトの大太刀』が無事とはやるじゃねぇか、これだけで業物が作れるぜ。(デオ)」
「お、花束鉄蟷螂まで居るのかここ。
これで最低限鉄が確保出来るな。
虫系モンスターばかりだから皮が確保出来ないのは仕方無いか…(ガーラ)」
「まぁ皮鎧なんかが作れない代わりに″一式装備″が作れるから『特殊能力付き』が容易に手に入るぜ。(デオ)」
「『特殊能力付き』?」
「いやいや、お前さんが一番良く知ってる事だろう?(ガーラ)」
「え?」
一式装備の特性…同素材を用いて一式装備を作成した場合、基になったモンスターの特性を一部獲得する事が可能。
基になったモンスターが高位である程、得られる特殊能力は強力なモノとなる。
例:ノアのクラーケン防具→衝撃吸収能力。
「あ、あれってそういう事だったんですね?」
「坊主、お前分かってないで今まで使ってたのか…?(ガーラ)」
「まぁ使いこなしてんならそれで良いだろ。
一先ず″花束鉄蟷螂″と″ヘラクレスグーパンオオカブト″で一式装備を作ってやるから【錬金術】の心得ある者と『適正者』を選出しといてくれ。(デオ)」
「『適正者』?」
~とある広場~
「ふん!(レドリック)」
『『ドゴォンッ!』』(盾に強力なタックル。)
「ぬぉっ!?『ズザッ!』ぬぐぐぐ…!
おおっ!(【盾撃】ダッカード)」
ブォンッ!『『ブォオンッ!』』(シールドバッシュによる連撃。)
ヒュヒュン、ヒュンッ!(回避。)
「おー、割と強目にタックルしたのにやるじゃないか。
その上反撃してくるとは大したモンだ。(レドリック)」
「こ、これが最上級冒険者のタックル…
爆裂魔法食らったかと思ったぜ…(【盾撃】ダッカード)」
とある広場でこの地に集まった元冒険者達各々の力量を見ていたレドリック。
少し離れた所ではアミスティアも
ヒュヒュッ!『『ヒュオッ!』』ヒュンッ!(<無刀幻視>による連撃。)
ヒュッ!ヒュオッ!スッ!スッ!(自前の反射神経と反応速度で次々に回避。)
「良い目を持ってるじゃない。
ウチで預かってる娘(美幸)でもここまでキレイにかわせないわよ?(美幸)」
「っはぁ!はあっ!はあっ…
て、手に何も持ってない様にしか見えないのに、当たったら死を予感させるから避けるしかないですって…!(【軽業師】スティルダー)」
数話前に出で来ていた【軽業師】のスティルダーと、その仲間【盾撃】のダッカードはレドリックとアミスティアが目を見張る程の能力を持っていた。
遠路はるばる来てくれてありがとうございます!」
「おぅ、坊主。
相変わらず話題に事欠かないな。(ガーラ)」
「王都の時といい、話が急なんだよ…
【諜報】の嬢ちゃんが来たと思ったら了承→即出発で荷馬車に詰め込まれ、ガタガタと揺られてケツが削れるかと思ったぜ。(デオ)」
ミダレ達に連れられてノアの下へやって来たのは、ゴツい体つきの男性と、痩せ形で目付きが鋭く口調の荒い男性の2人であった。
この2人はオードゥス編と王都編にて登場し、ノアの愛刀とも言える荒鬼神ノ化身の最初期である阿羅亀噛(アラキガミ)、クラーケンの素材で作られた防具ギガンテ・ドゥマの製作に関わってくれた職人である。
普段の振る舞いからでは分からないだろうが2人は兄弟である事と貴族の出で、技術のみでその地位にのし上がってきたバリバリ実力派である。
が、2人はそんな事これっぽっちもさらけ出さず普通の職人の様に振る舞う為、彼等の正体を知っている者は数少ない。
「最近だと獣人国→ウォルタメと南下してってたろ?
それが何で西の偏狭、【魔王】支配地域の直ぐ近くに居るんだ?(デオ)」
「そ、それはまた別の機会で話させて貰います、はい…」
「ん?
それよりも坊主、阿羅亀噛はどうした?
二刀流はやめて四刀流に変えたのか?(ガーラ)」
「違ぇよガーラ。
これは俺達が作った阿羅亀噛が順当に強化されていった代物だ。
名残として″アラキガミ″は残っていて、俺達では不可能だった属性付与が施されている上に魔剣化にまで昇華しているしな。(デオ)」
デオはノアの腰に差されている四刀を一目見て、直ぐに自身が元々製作した武器であると気付く。
並の職人ではノアの荒鬼神ノ化身が″■■■■■■″としか表示されず、正体不明の刀剣としか認識されない事を考えれば、本人達の能力の高さが窺い知れる。
「依頼内容としてはこの地での″武器防具の作製″だったな。
また得体の知れない素材から新武器を作ってくれ、って言う依頼よりか万倍簡単な仕事だが、そこはキッチリやらせて貰う。(デオ)」
「取り敢えず俺達の仕事場となる場所を教えてくれ。話はそれからだ。(ガーラ)」
今まで2人に請け負って貰ったのはどちらも並の職人では加工自体が難しいものばかり。
今回はその様な状況では無いとは言え、職人として手を抜かずに請け負ってくれると言う。
何とも頼もしい限りである。
早速ノアは2人を作業場へと連れていくのだった。
~作業場″予定地″~
「…えっと、ここが作業場…の″予定地″です…」
「本当に″予定地″だなぁっ!
整ってんの土台だけじゃねぇか!(デオ)」
「うっさいぞデオ。
状況聞いてりゃ大体察するだろ。(ガーラ)」
ノアが2人の作業場として連れてきたのは、作業場とはとても言えない、炉所か金床も無い″土台だけ″の場所であった。
「まぁ文句はこの程度にして、一先ず持ってきた道具を広げて準備を始めっか。(デオ)」
「だな。(ガーラ)」
「一応ルルイエさんに言って明日には炉が来る様なので、それまでは…」
「は!俺達を舐めんじゃねぇぞ?(デオ)」
「え?」
普通なら匙を投げる様な状況にも関わらず、一頻り文句を言ったデオとガーラはチャッチャと店を広げていく。
「どんな状況だろうと最高の結果を残すお前さんの様に、如何なる状況でも最高の仕事を行うのが俺達だ。
炉が無かろうが作業台が無かろうが素材と腕の立つ職人と道具が手元にありゃどうとでもなる。(デオ)」
「デオがデケェ事言ってるが、坊主に関わったお陰でスキルや技術がモリモリ上がって普通じゃ出来ねぇ事も出来る様になったんだ。
何なら炉が無くても精錬位は出来る様になったんだぜ?(ガーラ)」
「それはスゴい…」
技術職は熟練度やスキルが向上してくると、設備が整っていなくても自前の技術やスキルでその辺を補う事が出来るらしかった。
「ほー…
『ママン・モスの剛翅』、『マン・モスの剛翅』、『ヘラクレスグーパンオオカブトの全身鎧』…
お、『ヘラクレスグーパンオオカブトの大太刀』が無事とはやるじゃねぇか、これだけで業物が作れるぜ。(デオ)」
「お、花束鉄蟷螂まで居るのかここ。
これで最低限鉄が確保出来るな。
虫系モンスターばかりだから皮が確保出来ないのは仕方無いか…(ガーラ)」
「まぁ皮鎧なんかが作れない代わりに″一式装備″が作れるから『特殊能力付き』が容易に手に入るぜ。(デオ)」
「『特殊能力付き』?」
「いやいや、お前さんが一番良く知ってる事だろう?(ガーラ)」
「え?」
一式装備の特性…同素材を用いて一式装備を作成した場合、基になったモンスターの特性を一部獲得する事が可能。
基になったモンスターが高位である程、得られる特殊能力は強力なモノとなる。
例:ノアのクラーケン防具→衝撃吸収能力。
「あ、あれってそういう事だったんですね?」
「坊主、お前分かってないで今まで使ってたのか…?(ガーラ)」
「まぁ使いこなしてんならそれで良いだろ。
一先ず″花束鉄蟷螂″と″ヘラクレスグーパンオオカブト″で一式装備を作ってやるから【錬金術】の心得ある者と『適正者』を選出しといてくれ。(デオ)」
「『適正者』?」
~とある広場~
「ふん!(レドリック)」
『『ドゴォンッ!』』(盾に強力なタックル。)
「ぬぉっ!?『ズザッ!』ぬぐぐぐ…!
おおっ!(【盾撃】ダッカード)」
ブォンッ!『『ブォオンッ!』』(シールドバッシュによる連撃。)
ヒュヒュン、ヒュンッ!(回避。)
「おー、割と強目にタックルしたのにやるじゃないか。
その上反撃してくるとは大したモンだ。(レドリック)」
「こ、これが最上級冒険者のタックル…
爆裂魔法食らったかと思ったぜ…(【盾撃】ダッカード)」
とある広場でこの地に集まった元冒険者達各々の力量を見ていたレドリック。
少し離れた所ではアミスティアも
ヒュヒュッ!『『ヒュオッ!』』ヒュンッ!(<無刀幻視>による連撃。)
ヒュッ!ヒュオッ!スッ!スッ!(自前の反射神経と反応速度で次々に回避。)
「良い目を持ってるじゃない。
ウチで預かってる娘(美幸)でもここまでキレイにかわせないわよ?(美幸)」
「っはぁ!はあっ!はあっ…
て、手に何も持ってない様にしか見えないのに、当たったら死を予感させるから避けるしかないですって…!(【軽業師】スティルダー)」
数話前に出で来ていた【軽業師】のスティルダーと、その仲間【盾撃】のダッカードはレドリックとアミスティアが目を見張る程の能力を持っていた。
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