ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

【閑話】名は体を表すサキュバス族&業の深いラハラメちゃん

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~食糧生産拠点~


『『シュゥウウ…』』チリチリ…

「さ、焼き上がりましたぞ。
後は冷めるのを待つだけですぞ~。(クリストフ)」

「「「「「「「はーい。(子供達)」」」」」」」


前日子供達と共に集めた木の実と、ノアがヴァリエンテ領で調達した小麦粉やナッツ、干し果物等を混ぜ込み、数人の【料理人】と共に携行食…焼き菓子を作り上げていた。

スロア領で獣人の子供達と接していたお陰か、やんちゃな子供達を上手ーく抑え込み積極的に焼き菓子作りに参加させていた。


「あのキグルミさん、本当に子供の扱いが上手いわね。
ウチの子かなりやんちゃだから心配してたのよ。(お手伝い1)」

「ウチだってそうよ。
飽き性な所もあるから放り出したりしないか心配で心配で。(お手伝い2)」


と、子供達の親御さんからもクリストフによる子供の扱い方は好評であった。


(ふっふっふ、私はつかえるキノコのクリストフ。
キグルミと言うレッテルを貼られても手は抜きませぬぞ!(クリストフ))


だが自分で決めた妥協案のキグルミ設定はまだ受け止めきれていない様子であった。


「う~、甘い匂い…
ちょっとだけなら…(男の子)」


こんがり焼き上がった焼き菓子を前に、香ばしい香りにあてられた男の子がつまみ食いしようとする。




「こーら、ダメでしょつまみ食いしたら。(アマエ)」

「あ、ご、ごめ『パク。』

「つまみ食い癖が付いちゃって、悪い大人になっちゃうわよ~?(アマエ)」

「お、お姉…(男の子)」

「くぉらー!
幼い男の子に変な扉開けさそうとすなぁー!
親御さんから文句来んだろぉー!(ラハラメ)」
「いつもより5割増しで艶ってんだから落ち着けぃ!(ミダラ)」

「だってだって!
大人のお兄さんは皆出払ってて誑かす人が居なかったんだもん!(アマエ)」

「だからって男の子を誘惑すんじゃない!
お前そんなヤツじゃないだろ!(ラハラメ)」

「あ、僕?皆が待ってるから行ってあげてっちゃね?(ミダレ)」

「は、はーい。(男の子)」


昨晩ノアから多大な精気を貰ったアマエが男の子にちょっかいを出す。

慌てて止めに入り、事無きを得たが


「普段″甘えたがり″のアマエが見境無くちょっかい出すとは…
あの少年の精気、何と恐ろしい…(ラハラメ)」


ノアの(と言うか『鬼神』の)精気にあてられ、様子のおかしくなったアマエを見て神妙な面持ちとなるラハラメだが


「そ、そんなに凄い…んだ…
…彼なら私の″願望″…叶えてくれるかも…(ラハラメ)」ドキドキ…

「興味…あるよね…(ミダラ)」ドキドキ…

(あああ…マズイ流れっちゃ…マズイ流れっちゃ…(ミダレ))


全くの逆であった。

実はサキュバス族各々の名前には意味があり、本人の″本性・願望″を表している。


ミダレ→何かの時に乱れがち
アマエ→甘えたがり
ミダラ→何かの時に淫らになりがち


といった具合であるが、余程の相手が居ない限り″本性・願望″をさらけ出す事は無い。

今回のアマエの場合、多大な精気をノアから受け、急性精気中毒に陥り自身の″本性・願望″を突破。
いたいけな男の子に手を出し掛ける謂わば暴走状態になってしまった。

ちなみに、急性精気中毒は凄まじい快楽と多幸感が襲ってくるが、身動き1つ取れず最終的にはしんどさが勝る症状であるが、サキュバス族が急性精気中毒に陥る事は一生の内でもそんなある訳でも無い。

何なら急性精気中毒を経験せずに一生を全うする者も居る位である。

種族内の情報共有でそういう症状があると言うのは聞くが、発症させるだけの雄が居ないので、巡り会えたら1度は経験したいモノらしい。


「あ、あんなの経験したら他の事なんて考えられなくなるってぇ。(アマエ)」

『『ゴクリ…』』

「ゴクリ、じゃ無いっちゃ!
ね?ね?一旦落ち着くっちゃ、あっちもたまに粗相起こしちゃうのに3人も迫ったら流石のノア君でも怒っちゃうって。(ミダレ)」

「で、でもあんなの見せられたら…
特にラハラメの″願望″なんて…(ミダラ)」

「ラハラメちゃんの″願望″って何だったっけ…?(アマエ)」

「え?(ラハラメ)」


先程、サキュバス族各々の名前には″本性・願望″が表されている。

と説明した際に、敢えてラハラメの説明だけ省略していたのには訳があり、ミダレ含めたサキュバス族4人の中で一番″業が深い″のがラハラメであった。

そんなラハラメの″本性・願望″というのが


「の、罵られながら○まされたい…(ラハラメ)」

「ダメダメ!ダーメ!!(ミダレ)」

「いつ聞いてもラハラメの″願望″は飛び抜けてるよね…(アマエ)」

「うーん…お姉さんポジとしての悩みもあるのかなぁ…(ミダラ)」


ラハラメの″願望″は流石に伏せ字にするが、察して欲しい。

サキュバス3人組の中で一番背が高く、どちらかと言えばボケ担当のアマエとミダラを抑え付ける常識人枠のラハラメは、必然的にお姉さんポジとなっていた。

だが内なる″願望″は中々に業が深く、本人も一切公言する事は無い。

が、そんなラハラメの″願望″を叶えてくれるかもしれない存在が目の前に現れた今、ラハラメの心中は穏やかでは無かった。

そんなラハラメに、頭上に✕印を作って必死に抵抗するミダレであった。


「え?分からない?
見下ろされて身動き取れない状態で罵られながら○まされるんだよ?(ラハラメ)」

「子供達が近くに居るのに○む○む言うんじゃない!(ミダラ)」

「ミダレちゃんは分かってくれるよね?(ラハラメ)」

「っ…そ、そんな事無いっちゃよ!(ミダレ)」

「「間。」」


少し間があったミダレが何を想像していたのかはさておき、そろそろ周囲の目を気にして欲しい所である。





~サキュバス4人から少し離れた所では~


(『…だそうだがどうすんだ?』)

(いやいや、どうもしないよ。
人の趣味趣向にとやかく言うつもり無いよ。
とは言え変に意識するのもなんだから、ミダレさんと同様の距離感で接するつもりだよ。)

(『ほーん。
だが″あっち″はそう思っていないみたいだがな。』)

(あっち?)





~ノアから少し離れた所では~


「うっふっふ、良い事聞いたわねぇあなた。(アミスティア)」

「そうだなぁアミ。
ノアの事だからしっかり聞いていて、付かず離れずな距離感で接しようとか考えるだろう。(レドリック)」

「そんな事させないわよ。
一定期間場所を共にするんだもの、仲良くしないとね♪(アミスティア)」


ノアはそろそろ本当に考えた方が良いだろう、本当の敵は身内に居るという事を。
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