ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
1,027 / 1,117
ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~街(前哨基地)建設~

四季龍インヴェルノの独白

しおりを挟む
ザザッ!ザンッ!バササッ!ズザッ!(新たに飛来したハーピー族が次々に着地。)

〔ステラ様!私達は騒動の介入に来ました!
こちらは戦闘の意思無しであるとそちらの人族(?)の少年にお伝え願えないでしょうか!(ハーピー1)〕

『あ、じゃあ彼女達に呼ばれて来た訳じゃないのですね?』

〔あ、はい、そう…
え?あれ?言葉が通じてる…(ハーピー1)〕
〔…何で…?(ハーピー2)〕


次々に着地したハーピー族は、戦闘の意思無しと表す為か鉤爪を持った翼を上に向けて意思表示をする。


〔そ、そこの人!怒る気持ちは分かりますが、一先ず矛を納めて下さい!(ハーピー3)〕
〔ちょ、彼本当に人族…?
放ってる殺気が尋常じゃないわよ…!?(ハーピー4)〕
〔腕が6本なんてまるで鬼人の上位個体じゃない…(ハーピー5)〕

〔人族の少年を挑発するんじゃないぞー!
落ち着かせる様に、語り掛ける様に接するんだぞ!(ハーピー6)〕


(何だ何だ?)

(『取り敢えずあちらに敵意は無ぇみてぇだから殺気とオーラの放出を止めようぜ?
俺らの殺気に当てられてあちらが戦々恐々としてっからな。』)

(それもそうだね。)

『『『『ヒュヒュンッ!』』』』

『『『『ジャコッ!』』』』(納刀。)

フシュ…(殺気とオーラの放出を停止。力の制御下に。)

「これで良いですか?」

〔あ、あぁ助かるよ…
…って、あれ?何で言葉が通じるんだ?(ハーピー7)〕

「…まぁそれは一旦置いといて下さい。」


赤黒いオーラを放出し、殺気全開で荒鬼神ノ化身を持つノアに落ち着くようジリジリと近付くハーピー族達。

ノアとしてもこれ以上の戦闘をするつもりも無かったので武器を仕舞い、殺気とオーラを鎮めた事で周囲のハーピー族達も落ち着きを取り戻すのだった。





↓↓<鈍重・麻痺(超)>継続中。

〔〔〔〔〔うごごごごっ…〕〕〕〕〕

〔おらーっ!その者達を引っ捕らえぃっ!
直ぐに戻ると言うて人族に危害を加えるとは何事か!
この者らに厳正な処分を与え…(ハーピークイーン)〕

ズシンズシン…

《待て待てクイーン、ちと待て。
今回の件はこの者らに対して口を滑らし、焚き付けた上に傍観していた私に責任がある。
処分の方は私に一任させて貰えないだろうか?》

〔あ、インヴェルノ殿…
むむむ、貴方が居ながらこの様な事が起こるとは…
そ、そうだ!襲われてた人族は…(ハーピークイーン)〕


デバフで拘束中のハーピー族5人に厳正な処分を降そうとするハーピークイーンに待ったを掛ける四季龍インヴェルノ。

ハーピークイーンの反応からしてこういう事態の時は四季龍インヴェルノは真っ先に止める立ち位置の様だ。

そんな中、ハーピークイーン視点で襲われた側に位置するノアへと目をやる。


「ん?あぁ別に気にしなくて良いですよ?
実際絡まれはしましたけど、僕ただ1人ですし、見ての通り怪我らしい怪我もありません。」

〔いや、まぁ確かにそうですが…
と言うか何故言葉が通じて…いや、それは後で良いですね…(ハーピークイーン)〕

「それに見て下さい。」

〔ん?(ハーピークイーン)〕


ケロッとした様子で顔に僅かに残っていた血を拭うノア。

ハーピークイーンは5人の捕縛に集中してて気付いていなかったが、終始ノアによる一方的な展開であった為、被害らしい被害は無い。

その上で、とノアは後方を指差した。

そこでは



「あ!大きな鳥の人がこっち見た!」
「大きーい。」
「綺麗な人だねー。」

「いやー、凄いモン見たなぁ…」
「ハーピーって本当に居たんだなぁ、しかもあんな数…大型の個体も居るみたいだし…」
「海洋種の時みたくこれから交流出来るんかな…?」

「いやー、流石噂に違わぬ【鬼神】だわ。
まるで親善試合を見てる気分だったぜ。」
「な。5人揃った位から一種の催し物みたいになっていったよな。」
「ハーピー族の方々もお疲れ様!良い試合だったぜ!」



「誰も逼迫した状況だと思っていないし、何なら良い見世物だと思ってるみたいなんで、別に気にしなくても大丈夫ですよ?」

〔…う、うーん…でも彼女達…ウチの精え…
まぁ、えぇ…(ハーピークイーン)〕


いつの間にか街の建設を一時中断した者達がこの場に集まり一連のやり取りを見物していた。

ノアによる一方的な展開から、誰1人として逼迫した状況であるとは思っておらず、新たな種族の来訪と親善試合的な何かだと思っていたらしい。

そんな返答に色々言いたげなハーピークイーンだが、確かにこの場で言葉が通じているのはノア1人であり、当人に被害は無く、当人に良いと言われてしまった以上何も言えなくなってしまうのであった。

その結果


↓↓<鈍重・麻痺(超)>解除。

〔オッホン!
そこな人族の少年の計らいにより今回は無罪放免とする。
次は出会って即戦闘等という行為に及ばないで貰いたい。(ハーピークイーン)〕

〔〔〔〔〔は、はい!〕〕〕〕〕

《良かった良かった。》
〈良かったのだわさ。〉

(〔良かったのかなぁ…(ハーピークイーン)〕)


ハーピークイーンは色々と思う所があるみたいだが、5人は特別に無罪放免となり、デバフ解除の後に解放された。


〔ごめんなさい!ごめんなさい!(チャチャ)〕
〔いやー助かったよありがとねー。お腹空いたー。(ゴチ)〕

「まぁ2人は渋々参加してましたからね、特に気にしなくて良いですよ。″2人はね″。」

〔…そ、そんな目で見るな…見ないで下さい…(ヤンチャラット)〕
〔わ、悪かった…です…怒らないで…ね…?(シッチャカ)〕
〔す、すいません、つい熱が入って…(チュルチー)〕


必死に謝るチャチャと最終的に腹を空かせてたゴチには気にするなと軽く流すノアだが、主犯格の3人にのみ、少し冷たい目を向けるのだった。





〔…して人族の少年よ、この地のリーダーは貴君で宜しいのか?(ハーピークイーン)〕

「いえ、僕はこの地に依頼でやって来た一冒険者です。
この地のリーダー…領主はあそこで老齢の男性と共にいる若い成年の方です。」


「へ?(不意に振られるカルル)」


〔そうでしたか。
本日大所帯でやって来たり、部下の者が粗相をしたりと色々と騒ぎを起こしてしまった。
ステラ様やインヴェルノ殿から話があったかと思いますが、私共は山頂直上に住まう者です。
これからは良き隣人として少しお話出来ればと。(ハーピークイーン)〕

「えぇどうぞどうぞ。」


「ちょ…ノア殿?一体何の話をしているのだ…?(ルルイエ)」
「あ…(何か察したカルル)」
 

ノアから許されたとはいえこのまま帰るのもなんなので、この地の新領主となったカルルとお話をしようと言う。
ハーピークイーンは数人のハーピー族、通訳のステラと共にルルイエ、カルルの下へと向かって行くのだった。


(《ふぅ、やれやれ…何とか落着したか。
これで″10年前の約束″を果たせそうだ。》)
しおりを挟む
感想 1,253

あなたにおすすめの小説

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

【本編45話にて完結】『追放された荷物持ちの俺を「必要だ」と言ってくれたのは、落ちこぼれヒーラーの彼女だけだった。』

ブヒ太郎
ファンタジー
「お前はもう用済みだ」――荷物持ちとして命懸けで尽くしてきた高ランクパーティから、ゼロスは無能の烙印を押され、なんの手切れ金もなく追放された。彼のスキルは【筋力強化(微)】。誰もが最弱と嘲笑う、あまりにも地味な能力。仲間たちは彼の本当の価値に気づくことなく、その存在をゴミのように切り捨てた。 全てを失い、絶望の淵をさまよう彼に手を差し伸べたのは、一人の不遇なヒーラー、アリシアだった。彼女もまた、治癒の力が弱いと誰からも相手にされず、教会からも冒険者仲間からも居場所を奪われ、孤独に耐えてきた。だからこそ、彼女だけはゼロスの瞳の奥に宿る、静かで、しかし折れない闘志の光を見抜いていたのだ。 「私と、パーティを組んでくれませんか?」 これは、社会の評価軸から外れた二人が出会い、互いの傷を癒しながらどん底から這い上がり、やがて世界を驚かせる伝説となるまでの物語。見捨てられた最強の荷物持ちによる、静かで、しかし痛快な逆襲劇が今、幕を開ける!

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

クラス転移して授かった外れスキルの『無能』が理由で召喚国から奈落ダンジョンへ追放されたが、実は無能は最強のチートスキルでした

コレゼン
ファンタジー
小日向 悠(コヒナタ ユウ)は、クラスメイトと一緒に異世界召喚に巻き込まれる。 クラスメイトの幾人かは勇者に剣聖、賢者に聖女というレアスキルを授かるが一方、ユウが授かったのはなんと外れスキルの無能だった。 召喚国の責任者の女性は、役立たずで戦力外のユウを奈落というダンジョンへゴミとして廃棄処分すると告げる。 理不尽に奈落へと追放したクラスメイトと召喚者たちに対して、ユウは復讐を誓う。 ユウは奈落で無能というスキルが実は『すべてを無にする』、最強のチートスキルだということを知り、奈落の規格外の魔物たちを無能によって倒し、規格外の強さを身につけていく。 これは、理不尽に追放された青年が最強のチートスキルを手に入れて、復讐を果たし、世界と己を救う物語である。

処理中です...