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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~掃討開始~
続、族、賊、属・色々あった5日間
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~その日の昼・獣人国から類人猿クラン『エイペス』総勢200人~
前日とは違い、穏やかな1日を過ごしていたが、昼頃、ヴァリエンテ領へと繋がる門から凄まじい咆哮が聞こえてきた。
『『『ゥボォオオオッ!』』』
「我等は類人猿クラン『エイペス』!
我等が祖国獣人国を護ってくれた【鬼神】に助力すべく!仲間を引き連れやって来
『タッタッタッタッタッタッ!』(ノア急速接近)
「分かった!分かったから少し静かにして!
街の人達が驚くし、子供達がさっき漸くお昼寝に入った所だから!」
「あ、はい、ごめんなさい。(『エイペス』リーダーのゴーラ)」
まるで<猿叫>の如き爆声にノアが慌てて介入。
話せば分かってくれる獣人だった為、直ぐに静かにしてくれた。
類人猿クラン『エイペス』は、その名の通り見た目ゴリラ、猿、オラウータンやチンパンジー等から構成された大型クランである。
ゴリラ、オラウータンタイプの冒険者は上半身に防具を身に付けておらず(♀は除く)自前の強靭な筋肉でカバーし、腰から下にだけ防具を付けていた。
『『『タッタッタ…』』』
「何ですかな、今の大声は…おっほ、筋肉の群れ!(バルク)」
「おお!あれは南に拠点を置く大型筋肉クランの『エイペス』!
いやぁ1度相見えたいと思っていた!(パンプ)」
「うむぅ…野性味のある良い筋肉、あぁ筋肉…(スクワ)」
「初手″筋肉″に喰らい付かないで下さいよっ!」
騒ぎを聞き付けてやって来たムキムキマッチョな『筋肉達磨』の3人は、ゴリゴリマッチョな『エイペス』の集団に何故か興奮していた。
「ふむ…ハーピー族に海洋種、獣人族に人族…
ふふふ、ここは稀に見る多種族な街になるでしょうな。(クリストフ)」
「人型植物園が何言ってんだ。」
その後獣人国側からの援軍である事が伝えられ、見るからに戦力として頼もしい事から類人猿クラン『エイペス』も大氾濫掃討への参加が決定した。
一先ず森林エリアが落ち着くとの事だったので、お昼寝から覚めた子供達と一緒に木の実採取やら遊びに興じていたら数時間後には仲良くなっていた。
ちなみにクリストフは子供達と仲良く木の実採取している『エイペス』達の姿を見て「仕事を奪われた…」と呟いていたが、別の仕事をあてがってあげた。
~その日の夕方、王都・獣人国に滞在していた冒険者パーティorクラン、【義賊】・【盗賊】クラン、フリアダビア所属のクラン総勢500人~
「ははは…いやー、分かっていたがノア君の人脈は凄まじいなぁ…
父さんがギルドを通じて呼び掛けても全然集まらなかった有志の方々がこーんなに…(カルル)」
「現実逃避したい気持ちも分かるが、これは彼の日頃の行いの表れとも言えるだろう。(ルルイエ)」
「これだけの戦力が居れば、今回の氾濫は無事に済むのかな…?(ミミカ)」
「此度のモンスターは虫系…生命力が強く、頭を落としたとて暫くは絶命に至らないから恐ろしいモノなのですよミミカ。(ミミルナ)」
ヴァリエンテ領のルルイエ邸宅から通りを眺める一家一同。
通りには長蛇の列が出来、全員が新設された街へと向かっていた。
ルルイエ自身、有志を募っていなかった訳では無く、貴族との契約だったり、【魔王】・【勇者】軍等、色々な理由が合わさって結果的に募らなかったのだ。
その例を次に挙げていく事としよう。
~街近くの広場~
「俺らは『荒野の狼』っつークランだ。
先日海洋ダンジョンでの″契約が満了″となったので急いでやって来た。
獣人国では果たせなかったが、今回の大氾濫は参加させて貰う、宜しく頼むな【鬼神】。(『荒野の狼』リーダー)」
「宜しくお願いします。」
「おーい、こっちも同じ理由だ!(『救いの手』リーダー)」
「こっちもねー。(『魑魅魍魎』リーダー)」
現在ノアの前に居る、王都・獣人国からやって来た冒険者クラン・パーティの半数は、先日獣人国で発生した擬似的大氾濫の場には居たものの、同時期に開放された海洋ダンジョン内の素材確保を目的とした貴族からの依頼を受けた者達である。
当時は貴族からの依頼を蹴って参加しようとした者も居たが、その場合莫大な違約金を払わされる事になった為、皆負い目を感じながらダンジョンへ向かう事になったという。
そしてその契約が満了したタイミングと大氾濫の報せが届いたタイミングが重なり、今に至った訳である。
ただ皆が皆同じ理由で来た訳ではなく、別の理由で来た者も居る。
「俺達は以前王都で君の御前試合と、その後の騒動の一部始終を見ていた者だ。
君に比べたら俺達の働きなんて微々たるモノだが、最後は皆に酒を奢ってくれただろ?」
「あー…そうでしたね。」
「今回来たのはその礼だ。」
「え?」
と言う理由であったり
「俺達は【義賊】のクラン。
あっちのは【盗賊】のクランだな。(【義賊】クランリーダー)」
「【義賊】…?と言う事は…」
「あぁ、″例の作戦″にも参加していた。
口止め料と言う意味合いが強かったのだろうが、少なくない報酬を頂いたからな。
もう少しだけ働かせて頂きたく参った所だ。(【義賊】クランリーダー)」
【義賊】・【盗賊】のクランの者達は、ノアが音頭を取って秘密裏に旧ヒュマノ聖王国で実行された″子供獣人救出作戦″の元参加者であった。
元々、報酬目当てで碌でも無い輩が集まっても困るので『無報酬』である事を前提とし、募集を掛けたが、結果的に総勢1000人の有志が募り、作戦は無事に成功。ヒュマノ聖王国は破滅へと向かう事となった。
後にノアから一人頭50万ガルの報酬支払われ、ギルドを通じて各人へと与えられたのだった。
「全く、身に覚えの無い50万ガルが振り込まれていたから、アレしか無いと思って個人的に礼を言おうと思っていたら国交式典でそれ所じゃなくなってたからな、漸くあの時の礼が言えるってモノだぜ。(【盗賊】クランリーダー)」
「ははは、お手数掛けました。」
【盗賊】クランのリーダーらしき人物は、当時の事を思い出しつつノアに対して苦笑いを上げつつ愚痴を言っていた。
「さて、俺達の話はこんな所だ。
後ろに控えている連中はアンタに絶大な恩があるみたいだから、早く切り上げとかないと恨み節を吐かれちまう。(【盗賊】クランリーダー)」
「後ろの方達ですか?」
【義賊】・【盗賊】クランの面々が立ち並ぶ奥では、白と青を基調としたマントを羽織った100人程の集団が待機していた。
(絶大な恩…?
何だろう…会った事は無いみたいだけど…)
<気配感知>の反応を見ても、以前何処かで遭遇した感じではない。
すると少ししてクランのリーダーであろう大剣を担いだ大柄な女性が進み出てきた。
「…あなたが【鬼神】ね。
…あ、ありがと…ぅ、私達の故きょ…フリアダビア…を救ってくれ…て…(フリアダビア所属クランリーダー)」
ノアに1歩、また1歩と近付くにつれて徐々に目に涙を溜める大柄な女性は、ノアの前までやって来て感謝の言葉を述べた瞬間、嗚咽と共に一気に決壊し、ボロボロと泣き出してしまったのだった。
前日とは違い、穏やかな1日を過ごしていたが、昼頃、ヴァリエンテ領へと繋がる門から凄まじい咆哮が聞こえてきた。
『『『ゥボォオオオッ!』』』
「我等は類人猿クラン『エイペス』!
我等が祖国獣人国を護ってくれた【鬼神】に助力すべく!仲間を引き連れやって来
『タッタッタッタッタッタッ!』(ノア急速接近)
「分かった!分かったから少し静かにして!
街の人達が驚くし、子供達がさっき漸くお昼寝に入った所だから!」
「あ、はい、ごめんなさい。(『エイペス』リーダーのゴーラ)」
まるで<猿叫>の如き爆声にノアが慌てて介入。
話せば分かってくれる獣人だった為、直ぐに静かにしてくれた。
類人猿クラン『エイペス』は、その名の通り見た目ゴリラ、猿、オラウータンやチンパンジー等から構成された大型クランである。
ゴリラ、オラウータンタイプの冒険者は上半身に防具を身に付けておらず(♀は除く)自前の強靭な筋肉でカバーし、腰から下にだけ防具を付けていた。
『『『タッタッタ…』』』
「何ですかな、今の大声は…おっほ、筋肉の群れ!(バルク)」
「おお!あれは南に拠点を置く大型筋肉クランの『エイペス』!
いやぁ1度相見えたいと思っていた!(パンプ)」
「うむぅ…野性味のある良い筋肉、あぁ筋肉…(スクワ)」
「初手″筋肉″に喰らい付かないで下さいよっ!」
騒ぎを聞き付けてやって来たムキムキマッチョな『筋肉達磨』の3人は、ゴリゴリマッチョな『エイペス』の集団に何故か興奮していた。
「ふむ…ハーピー族に海洋種、獣人族に人族…
ふふふ、ここは稀に見る多種族な街になるでしょうな。(クリストフ)」
「人型植物園が何言ってんだ。」
その後獣人国側からの援軍である事が伝えられ、見るからに戦力として頼もしい事から類人猿クラン『エイペス』も大氾濫掃討への参加が決定した。
一先ず森林エリアが落ち着くとの事だったので、お昼寝から覚めた子供達と一緒に木の実採取やら遊びに興じていたら数時間後には仲良くなっていた。
ちなみにクリストフは子供達と仲良く木の実採取している『エイペス』達の姿を見て「仕事を奪われた…」と呟いていたが、別の仕事をあてがってあげた。
~その日の夕方、王都・獣人国に滞在していた冒険者パーティorクラン、【義賊】・【盗賊】クラン、フリアダビア所属のクラン総勢500人~
「ははは…いやー、分かっていたがノア君の人脈は凄まじいなぁ…
父さんがギルドを通じて呼び掛けても全然集まらなかった有志の方々がこーんなに…(カルル)」
「現実逃避したい気持ちも分かるが、これは彼の日頃の行いの表れとも言えるだろう。(ルルイエ)」
「これだけの戦力が居れば、今回の氾濫は無事に済むのかな…?(ミミカ)」
「此度のモンスターは虫系…生命力が強く、頭を落としたとて暫くは絶命に至らないから恐ろしいモノなのですよミミカ。(ミミルナ)」
ヴァリエンテ領のルルイエ邸宅から通りを眺める一家一同。
通りには長蛇の列が出来、全員が新設された街へと向かっていた。
ルルイエ自身、有志を募っていなかった訳では無く、貴族との契約だったり、【魔王】・【勇者】軍等、色々な理由が合わさって結果的に募らなかったのだ。
その例を次に挙げていく事としよう。
~街近くの広場~
「俺らは『荒野の狼』っつークランだ。
先日海洋ダンジョンでの″契約が満了″となったので急いでやって来た。
獣人国では果たせなかったが、今回の大氾濫は参加させて貰う、宜しく頼むな【鬼神】。(『荒野の狼』リーダー)」
「宜しくお願いします。」
「おーい、こっちも同じ理由だ!(『救いの手』リーダー)」
「こっちもねー。(『魑魅魍魎』リーダー)」
現在ノアの前に居る、王都・獣人国からやって来た冒険者クラン・パーティの半数は、先日獣人国で発生した擬似的大氾濫の場には居たものの、同時期に開放された海洋ダンジョン内の素材確保を目的とした貴族からの依頼を受けた者達である。
当時は貴族からの依頼を蹴って参加しようとした者も居たが、その場合莫大な違約金を払わされる事になった為、皆負い目を感じながらダンジョンへ向かう事になったという。
そしてその契約が満了したタイミングと大氾濫の報せが届いたタイミングが重なり、今に至った訳である。
ただ皆が皆同じ理由で来た訳ではなく、別の理由で来た者も居る。
「俺達は以前王都で君の御前試合と、その後の騒動の一部始終を見ていた者だ。
君に比べたら俺達の働きなんて微々たるモノだが、最後は皆に酒を奢ってくれただろ?」
「あー…そうでしたね。」
「今回来たのはその礼だ。」
「え?」
と言う理由であったり
「俺達は【義賊】のクラン。
あっちのは【盗賊】のクランだな。(【義賊】クランリーダー)」
「【義賊】…?と言う事は…」
「あぁ、″例の作戦″にも参加していた。
口止め料と言う意味合いが強かったのだろうが、少なくない報酬を頂いたからな。
もう少しだけ働かせて頂きたく参った所だ。(【義賊】クランリーダー)」
【義賊】・【盗賊】のクランの者達は、ノアが音頭を取って秘密裏に旧ヒュマノ聖王国で実行された″子供獣人救出作戦″の元参加者であった。
元々、報酬目当てで碌でも無い輩が集まっても困るので『無報酬』である事を前提とし、募集を掛けたが、結果的に総勢1000人の有志が募り、作戦は無事に成功。ヒュマノ聖王国は破滅へと向かう事となった。
後にノアから一人頭50万ガルの報酬支払われ、ギルドを通じて各人へと与えられたのだった。
「全く、身に覚えの無い50万ガルが振り込まれていたから、アレしか無いと思って個人的に礼を言おうと思っていたら国交式典でそれ所じゃなくなってたからな、漸くあの時の礼が言えるってモノだぜ。(【盗賊】クランリーダー)」
「ははは、お手数掛けました。」
【盗賊】クランのリーダーらしき人物は、当時の事を思い出しつつノアに対して苦笑いを上げつつ愚痴を言っていた。
「さて、俺達の話はこんな所だ。
後ろに控えている連中はアンタに絶大な恩があるみたいだから、早く切り上げとかないと恨み節を吐かれちまう。(【盗賊】クランリーダー)」
「後ろの方達ですか?」
【義賊】・【盗賊】クランの面々が立ち並ぶ奥では、白と青を基調としたマントを羽織った100人程の集団が待機していた。
(絶大な恩…?
何だろう…会った事は無いみたいだけど…)
<気配感知>の反応を見ても、以前何処かで遭遇した感じではない。
すると少ししてクランのリーダーであろう大剣を担いだ大柄な女性が進み出てきた。
「…あなたが【鬼神】ね。
…あ、ありがと…ぅ、私達の故きょ…フリアダビア…を救ってくれ…て…(フリアダビア所属クランリーダー)」
ノアに1歩、また1歩と近付くにつれて徐々に目に涙を溜める大柄な女性は、ノアの前までやって来て感謝の言葉を述べた瞬間、嗚咽と共に一気に決壊し、ボロボロと泣き出してしまったのだった。
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