ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

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ヴァリエンテ領・大規模氾濫掃討戦編~万死一生~

総力戦1

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ドラゴネウラ・アルマ…『トンボ』と『竜種』を掛け合わせた様なモンスター。
これを主としたのが″ドラゴネウラシリーズ″と言い、これに『アルマ』が付いている個体は、通常個体と比べて防御力が格段に上昇している。

その上、彼らを生み出した『竜征趙』により、竜の性質と炎耐性が色濃く出ている為、防御面が更に強固になっている。



ドラゴギュラウス…ドラゴネウラシリーズを生み出す女王的存在。
全長40メルで、個体にもよるが竜翅を広げると100メルを越えるモノもいる。

ドラゴネウラ・アルマ同様に『竜征趙』の影響が色濃く出ており、防御力、炎耐性が大幅に上昇し、口からは火炎放射を吐く事が可能。

通常個体は産卵管を持ち、ドラゴネウラシリーズを産み出す事が出来るが、この個体達はそれが出来ず、代わりに戦闘力が上昇している。





~街・防壁上~ 


ガションッ!(次弾装填)

「嘘ッ!仕留められなかった!?(魔装鉄甲装備のラインハード)」

「見てくれからして堅いと思ったがこれ程とは…(ルルイエ)」

「各員バリスタ準備!ハーピー族の援護を最優先!住民の避難!戦闘配置も同時進行だ!(カルル)」

「「「「「「ハッ!」」」」」」 


魔力貫通弾を放ったラインハードは驚愕の表情を浮かべつつも次弾装填し、最前線上空で苦戦しているハーピー族の援護を続ける。

この街の領主となったカルル指示の下、迎撃の準備を着々と進めていた。


「装着は完了したな!
正体不明の大群が間も無くここにやって来るだろう!
奴等の迎撃を最優先とし、各個撃破だ!1匹たりとも通さないつもりで事に当たれ!(スティルダー)」

「「「「「「「「おぅっ!」」」」」」」」

ゴッ!『『『ゴォッ!』』』『『ゴォオッ!』』『『バシュゥッ!』』


一式装備[天空覇者(ゴベルナンティエ)]の部隊を指揮するスティルダーは、声を荒げながらも隊の者達を鼓舞。

スティルダーを先頭とし、装備が完了した者達から続々と防壁上から発っていった。





~最前線上空~


グルルルルル…(魔力貫通弾を食らったドラゴギュラウス)

ギュォオ『『キュンッ!』』(一筋の閃光)

『『『ズバァアアアアアッ!』』』(大爆発)


〔うわっ!?(チュルチー)〕


キュンッ!『『キュンッ!』』キュキュンッ!(放たれ続ける閃光)

『『『『『ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!』』』』』(各所で大爆発) 


〔ひ、ひぇぇ…!(ハーピー1)〕
〔こ、今度は何ぃ!?(ハーピー2)〕
〔あ、あれ…?この光、私達を避けてる…?(ハーピー3)〕


ラインハードが放った魔力貫通弾を食らい一時的に動きを止めていたドラゴギュラウスが行動を再開。

すると直後、地上から強烈な光と共に一筋の閃光がドラゴギュラウスを直撃、そして爆散。

その後もドラゴネウラ・アルマの攻撃を受けて墜落していくハーピー族の間を縫う様に閃光が走り続け、次々とドラゴギュラウスを撃破していった。


〔こ、これはノア殿の契約龍の攻撃だ!(ハーピー4)〕
〔あぁ…援護してくれてるのね…!(ハーピー5)〕


シュンッ!(人影)


ペタッ。〔え?(ハーピー4)〕『『ギュィンッ!』』(消滅)

〔え!?キャリー!?
何こ『ペタッ。』え?何『『ギュィンッ!』』


墜落中のハーピー族の2人は、地上から行われている援護に安堵の声を溢していたが、突如通過した人影に触れられた直後、謎の黒い球体に飲み込まれてその場から消滅してしまった。

この光景は各所で目撃され、また新たな敵の出現か、とハーピー族の者達に緊張が走った。

 



~地上~


『『ギュィンッ!』』『『ギュィンッ!』』(出現)

〔え?(ハーピー4)〕
〔…あれ?(ハーピー5)〕

「おっ!怪我人の方ですな!
急ぎ手当てを致します!怪我の箇所をお見せ下され。(クリストフ)」

〔〔え?〕〕 





~再び上空~


ゲェガギガガガッ!

ヒュヒュンッ!(ドラゴネウラ・アルマの攻撃を回避)

〔ハァアッ!(チュルチー)〕

『『ガギュィンッ!』』(鉤爪攻撃)

〔くっ、浅い…っあ!?(チュルチー)〕

ガブッ!『ヒュッ!』ガブゥッ!『ヒュッ!』ガブッ!『ヒュンッ!』(噛み付き攻撃&回避)

〔くそっ!数が多い!
それにこの翼ではジリ貧だ…(チュルチー)〕ポタポタ…


一時墜落していたチュルチーだが、体勢を立て直し、ドラゴネウラ・アルマの群れに立ち向かっていた。

だが先程ドラゴネウラ・アルマから受けた傷により翼が思う様に動かせず、回避で手一杯。

隙を突いて攻撃に転じるもドラゴネウラ・アルマの体表が思いの外堅く、ダメージを与えたとしても浅い傷しか付けられずにいた。

そうこうしていると手負いのチュルチーの周りには増援のドラゴネウラ・アルマが集まり、物量で潰しに掛かる寸前であった。

先程まで周囲に居た仲間は散り散りとなり、墜落しているか逃げ回っているかのどちらかとなっていた。


ギェガァアアッ!(上からドラゴネウラ・アルマ)

ゴァアアアアッ!(下からドラゴネウラ・アルマ)

〔っ!しまっ…(チュルチー)〕ポタタ…


出血により意識が朦朧となっていたチュルチーの元に上下から大口を開けたドラゴネウラ・アルマが迫る。

だがチュルチーは反応が遅れ、回避出来ない状況に陥っていた。




シュンッ!(人影)

『sltt:『ttny』、【trnk】htd-!(スロット:『鉄の矢』、【貫】発動!)』

〔え?(チュルチー)〕

『『『『『ギュォンッ!』』』』』(全方位に『鉄の矢』展開)


『ドパァッ!』ドバッ!『『ズバァンッ!』』ドバンッ!(ドラゴネウラ・アルマを次々に撃破)


この場にやって来たのは闇の神からの恩恵を受けた状態のレドリックで、チュルチーの下までやって来ると全方位に『鉄の矢』を展開。

だがこのままではドラゴネウラ・アルマの体表を貫けないので、【貫(ツラヌキ)】を用いて防御無視で貫くのだった。


『『バラバラバラ…』』

〔え?あの、ノアさんの父君…ですよね…?
あ、ありが…(チュルチー)〕

『ott、rinratd。
traezkzwiystkn。(おっと、礼なら後だ。取り敢えず傷を癒してきな。)』

〔…?は、はい、分か『『ギュォンッ!』』


ドラゴネウラ・アルマの亡骸が降り注ぐ中、レドリックに助けて貰ったチュルチーは、礼をしようとするもサラリと流したレドリックによって強制的に地上に転移させた。


『『ズズズ…』』(アミスティア【屍転移】)

『救助ありがとう、後は私がやっておくわ。(死神の恩恵状態のアミスティア)』

『srhtskr。ssgnankzhtnamr。
orhmtnhunmdttgigknmku。(それは助かる。流石にあの数は手に余る。俺は街の方に戻って迎撃に向かう。)』

『はーい。』

『『『ズズズ…』』』(レドリック【闇転移】)


レドリック同様神の恩恵を受けた状態のアミスティアが登場。
自身と入れ替わる様に転移し、アミスティアがこの場に残った。


『『『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』』』(ドラゴネウラ・アルマの大群接近)

『『ブゥウウン…』』(専用武器『乂魔(カルマ)』+『断罪の剣(アポカリプス)』との複合剣形態)

『『ガシャンッ!』』(巨大な魔力鎌を肩に担ぐ)

『さぁいらっしゃい!
ある程度殺さないと後々の反動が大きいのよ。全く、困っちゃうわぁっ!』


レドリックによる救助活動が終わり、この場に残ったのはアミスティア1人。
という事はドラゴネウラ・アルマの大群が狙うとすればアミスティアのみ。

ドラゴネウラの大群は巨大な魔力鎌を担いだアミスティアに向かって迫るのであった。





~街・防壁上~


「バリスタ配置状況は!?(カルル)」

「全体の6割程です!(兵士1)」

「仕方無い!街の前方、射角を取って待機!(カルル)」

「ハッ!
発射準備っ!そのまま待機!
他は準備を進めろ!直ぐに来るぞ!(兵士1)」

「来る…来るぞ…!(有志1)」
「…空気が震えてやがる…
まさかこれからが本番だとは…(兵士2)」
「魔法持ちも詠唱待機だ!
速度があり、連射出来るモノを優先して使え!(冒険者1)」

「奴等は堅い!【弓】持ちは最低でも鉄の矢を用い、眼や口等の柔い所を狙え!(戦闘職1)」

「「「「「「「おぅっ!」」」」」」」


防壁上では不十分ながら迎撃準備が続けられていた。
中・遠距離攻撃持ちの殆んどが集められ、全員が分厚い雲の方を見つめていた。

そちらの方角を見てみると、分厚く灰色がかった雲の中から次々と黒く禍々しい姿の虫の大群が飛来してきていた。



~街から600メル上空~


『『『『ゴォオオオオオオオオオッ!』』』』

『『『ゲギャガガッ!』』』×40
『『ガグゲギギギッ!』』×60
『『『『ギャギャゥギャガッ!』』』』×50(ドラゴネウラ・アルマの大群、尚も増加中)


召喚された2000匹の内、1割はレドリックとグリードによって撃破され、3割はアミスティアが引き受けている。

つまり残りの6割(1200匹)ものドラゴネウラ・アルマが街へと向かってきていた。

しかもこれらを生み出した『竜征趙』はまだ分厚い雲の中に居り、その後の動向は分かっていない。


ゲェアアアアアッ!ボボンッ!ボンッ!(ファイアボール発射)

『『ドドンッ!』』『『『ズドンッ!』』』ドゴゴゴッ!『『ボゴゴンッ!』』ドンッ!『『『ズドドンッ!』』』『『『ドガンッ!』』』(ファイアボールの雨)


1匹のドラゴネウラ・アルマがファイアボールを放ったのを皮切りに、そこから次々とファイアボールが放たれ、まるでその光景は噴火口から噴き出した火山弾の様であった。



「『神聖魔障壁』っ!
皆!魔力供給を頼むっ!(シンプソン)」

「「「「「「「はっ!(教会関係者一同)」」」」」」」


ギュン!バシンッ!『『『バチィンッ!』』』(障壁展開)


降り注いでくるファイアボールの雨に対し、防壁上に居た神父シンプソンの突き上げた手の先から、宗教画の様な光輝く三重の障壁が展開。

それは防壁上のみならず、街の殆んどをカバー出来る程巨大であった。

それ故シンプソン1人の魔力量では足りず、周囲に居た教会関係者からの魔力供給無しでは展開を維持するのが難しい代物である。


『『『『『ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴンッ!』』』』』(ファイアボール着弾)

「ぬっ!ううううううううううううううううううっ!(シンプソン)」

ズ…ズリリ…


間を置いて次々にファイアボールが『神聖魔障壁』に着弾。
あまりの物量に思わず圧されるシンプソン。


ヒュヒュンッ!『『『キンッ!』』』(ダガーを地面に突き立てる)

『『『ブゥンッ!』』』(姿勢制御魔法発動)

「舐めるなよ、その程度でこの障壁を突き破れると思わん事だな。(シンプソン)」


『『『『『ゲェエアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!』』』』』(ドラゴネウラ・アルマの大群)


ファイアボールの爆撃が止む頃になると、迫ってきていたドラゴネウラ・アルマの大群は目と鼻の先まで迫っていた。




「シンプソン殿!障壁の展開御苦労!
こちらの準備は整った!(カルル)」

「了解した!障壁を閉じるぞ!(シンプソン)」


カルルからの報告を受けたシンプソンは待ってましたとばかりな反応を見せ、『神聖魔障壁』を閉じる。

すると防壁上にはバリスタ、【弓】持ちの冒険者、戦闘職、有志の者達、中・遠距離攻撃持ちの魔法職、ラインハードやランドール(エルとアール)等が既に攻撃待機状態であった。

そこに


『『ズズズ…』』

「おわっ!?(カルル)」

『mnatt、orkrhymyt-tkb、enkrk-gknhs-nnrky-skrwhtd-sstmru。
(間に合った、俺からは弓や投擲物、遠距離攻撃に補正の乗る固有スキルを発動させて貰う。)』スッスッス…

「え?あ、はい…(カルル)」


的な事をハンドサインでカルルへと伝えるレドリック。


『【kusrnj-】。
krdskd、irktmn8wrj-sy-d、anmsaitdarbj-bndtomuz。
(【嚆矢嵐条(コウシランジョウ)】。
これで速度威力共に8割上昇だ、あの虫相手であれば十分だと思うぜ。)』

『『『『『『『キィインッ!』』』』』』』

「放てぇっ!(カルル)」

キュンッ!
『『『ドキュンッ!』』』
『『バキュンッ!』』
『『『『シュカカカカカカカカカッ!』』』』
『『ゴゴンッ!』』
『『『ゴンッ!』』』


レドリックの持つ固有スキルによって範囲内の遠距離攻撃持ちの者達へ補正が掛かり、弓やバリスタからはならない様な音を響かせて放たれた。
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