ソロ冒険者のぶらり旅~悠々自適とは無縁な日々~

.

文字の大きさ
1,094 / 1,117
天空大陸~終わりの始まり

天空大陸へ行こう

しおりを挟む
「ぅ、ぅぷっ…ぎもぢわるぃ…(ミダレ)」

「ほら、ちゃんと歩いて。(ラハラメ)」
「今日はもう宿に泊まろ。(アマエ)」
「それじゃあノアさん、ミダレちゃんの事は任せて下さい。(ミダラ)」

「あ、うん。お願いね。」


酔い潰れたミダレは、サキュバス3人組に連れられ、今晩は宿に泊まる事となった。





~ちなみに後日談~


スヤスヤ…( ̄q ̄)

「うふふ…気持ち良さそうに寝てるっちゃ。(ミダレ)」


( ̄~ ̄)「う、うーん…ムニャムニャ…」

「うん…?ノア君が魘されてる…っちゃが?
何の夢を見て…(ミダレ)」

『ポゥ…』(夢に干渉)

「や、やだ!わっちがこの間酔っちゃった時の夢…!
もー…後で皆から話聞いて恥ずかしかった…ん?(ミダレ)」


( ̄~ ̄)「ちょ、こんな所じゃダメだって…」ニマニマ…
( ̄~ ̄)「強引だなぁ…もぅ…」ニマニマ…
( ̄~ ̄)「あぁ…可愛いなぁミダレちゃん…ムニャムニャ…」ニマニマ…

↑終始満更でも無いノア君。


「…ふ、ふーん…
ノア君ってこっちの方が好きなんっちゃね…(ミダレ)」


一見魘されている様に感じたミダレだが、眠るノアの表情はひたすら満足げな様子。

その反応を見たミダレは


「ヴァンディットさーん、潰れるまではいかないけどホロ酔いになれる薬って作れるっちゃが?(ミダレ)」

「作れますよー?(ヴァンディット)」


思わぬ形でノアの好みを知ったミダレは、愛するノアの為、新たなプレイの種を芽吹かせるのだった。





「…さて、どうするかな…
あっちはあっちでクリストフが盛り上げてるし、僕も輪に入りにいくかな。」


ノアは4人を見送り、これからどうしたものかと考えていた。

酒が飲めない為、冒険者や街の住人達と酒を酌み交わす事が出来ないので、街の広場でいつの間にか開催されていたクリストフの宴会芸(エクストリームファイヤーリンボーダンス)が大盛り上がりを見せていたので、そちらに向かおうかと考えたが


〈さ、最近の子供はオマセさんなのだわさ…〉ドキドキ…

「…何でそこから見てるのだわさ?」


建物の陰からひょっこりとケット・ シーのステラが顔を出しており、思春期に彼女を家に連れてきた時の母親の様な視線を向けていた。


「えっと…ステラさん、何か用?」

〈あぁ違うのだわさ、坊やが可愛らしい彼女さんと絡んでたのを覗きに来た訳じゃ無くてね…?〉

「ステラさん?」


偶々タイミングが合わなかった事を弁明するステラを落ち着かせて、ここに居た理由を聞く事にした。





「え?島に招待したい?
…島って、前に話してた空の島の事?」

〈そうなのだわさ。
あ、でも大戦の後で急に友好関係を結びたいから、って訳じゃなくて、坊やの大火傷を治せる知り合いを知っているから紹介したいのだわさ。〉


ステラは前々から説明していた天空大陸へ、ノアを招待しにやって来たらしい。
だがミダレとの情事を目撃してしまい、出るに出れず、家に初めて彼女を連れてきた息子の母親ムーヴで覗いていたのだとか。

島にはどうやらノアの火傷を癒してくれる知り合いが居るらしく、何れ『フロンテイラ』と友好関係を結ぶ事も兼ねて招待したいらしい。


「…となると『フロンテイラ』の領主になったカルルさんも呼んだ方が良いんじゃないですか?」

〈えぇ、カルルさんならもう呼んであるのだわさ。〉


「や、やぁ…(物陰からカルル)」
「覗くつもりは無かったのだが…(物陰からルルイエ)」

(あぁ…こりゃ一部始終見られてたのだわさ…)


先程のステラ同様建物の陰からカルルとルルイエ親子が顔を覗かせていた。
2人の反応からして、ミダレとの情事もバッチリ見られていたと思われる。





〈それじゃあ、早速島へ行くのだわさ♪〉

「そういえばどうやって行くんです?
かなりの高さがあったハズですが…
もしかしてハーピー族に掴まって行くとか…?」

〈違うのだわさ。
まぁ見てると良いのだわさ。〉

「「「はぁ…」」」


島への移動方法が分からないノアとルルイエ親子は、ステラの行動を見守る事にした。


〈だわさだわさだーわさ♪〉シャランラ♪


クッソ適当な呪文を言いながら、3人がすっぽり入る広さの地面に魔法陣を描いていくステラ。
描かれている魔法陣は、何処と無く氷の結晶を思わせる。


『『『ポゥ…』』』(魔法陣が発光)

〈上へ参りますのだわさ。〉

『『『スイッ。』』』(地面に描かれた魔法陣ごと3人が浮上)

「「「うおお?」」」


魔法陣が描かれた後、陣と同じ径の光の柱が空に向かって屹立。
氷の結晶の様な魔法陣が足場となって落ちる事は無く、


ズダンッ!(魔法陣に別の誰かが着地)

「「おわっ!?(ルルイエ親子)」」

《こんな夜更けに何処へ行かれるのです主様?》

「あぁグリード、これから空にあるって言う島行く所。
丁度良いからグリードも一緒に行こうか。」


地面からグングン離れていた為、<人化>形態のグリードが慌てて魔法陣に飛び乗ってきた。


〈貴女がグリードさんね。
こうやって顔を合わせるのは初めてなのだわさ。
空の連中は荒くれ者ばかりだけど、″禁忌龍″の貴女なら心配無さそうなのだわさ。〉

《あら?私が″禁忌龍″なのを御存知で?》

〈伊達に長生きしていないのだわさ。
今の島に腰を据える前はあちこち移動してて、大昔に″禁忌龍″を見た事があるだけなのだわさ。〉


ケット・シーのステラは、真っ白で子猫の様な外見である為そうは見えないが、大昔に存在したグリード以外の餓龍王グリードを見た事がある程の長生きさんらしい。

まぁ常日頃からだわさ口調をしていたので、何処と無く近所のおばちゃんっぽさがあったのでそこまでの意外性は無い。


〈何か?〉


いえ、こちらからは以上です。





「あっ!?【鬼神】が空に!
天空にあると言う島へ向かうのだな!?(東の【諜報】)」

「しまった…ちょっと目を離した隙に…(西の【諜報】)」

「ほぅ、魔法陣を足場に…
あの手の陣は異物には干渉せんハズじゃから儂らは着いていく事は出来んじゃろ。(ドワーフ国の【諜報】)」


ノア達が空に向かって暫し、漸く各国の【諜報】達はノアが天空大陸に向かっている事に気付いたが時既に遅し。




バカラッバカラッ!

「おい!【鬼神】殿は何処に居る!(??の使者)」

「ん?お前ん誰じゃ?
一先ず【諜報】の者では無いな?(ドワーフ国の【諜報】)」


ヴァリエンテ領の方角から急ぎ馬を走らせて来た者がここに。
ずっと走ってきたのだろう、馬は大きく息をして疲れきっていた。

どうやらノアを探していた様だが、丁度ノアは天空大陸へと向かっていったばかりだ。

 
「え?その印章は『マリ』の…
何故この地に『マリ』の使者が…?(東の【諜報】)」

「「「「え?『マリ』の?」」」」


東の【諜報】が馬に乗った人物の素性に気付く。
身に付けていたフードに印章があり、東にある海沿いの海上都市『マリ』の物であった。


「その通り私は『マリ』のエンデバー王から遣わされた使者。
【鬼神】殿に『第二次【魔王】殲滅戦』に招待したく参った次第である。(『マリ』の使者)」

「「「「「はぁ?」」」」」
しおりを挟む
感想 1,253

あなたにおすすめの小説

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

万物争覇のコンバート 〜回帰後の人生をシステムでやり直す〜

黒城白爵
ファンタジー
 異次元から現れたモンスターが地球に侵攻してくるようになって早数十年。  魔力に目覚めた人類である覚醒者とモンスターの戦いによって、人類の生息圏は年々減少していた。  そんな中、瀕死の重体を負い、今にもモンスターに殺されようとしていた外神クロヤは、これまでの人生を悔いていた。  自らが持つ異能の真価を知るのが遅かったこと、異能を積極的に使おうとしなかったこと……そして、一部の高位覚醒者達の横暴を野放しにしてしまったことを。  後悔を胸に秘めたまま、モンスターの攻撃によってクロヤは死んだ。  そのはずだったが、目を覚ますとクロヤは自分が覚醒者となった日に戻ってきていた。  自らの異能が構築した新たな力〈システム〉と共に……。

掘鑿王(くっさくおう)~ボクしか知らない隠しダンジョンでSSRアイテムばかり掘り出し大金持ち~

テツみン
ファンタジー
『掘削士』エリオットは、ダンジョンの鉱脈から鉱石を掘り出すのが仕事。 しかし、非戦闘職の彼は冒険者仲間から不遇な扱いを受けていた。 ある日、ダンジョンに入ると天災級モンスター、イフリートに遭遇。エリオットは仲間が逃げ出すための囮(おとり)にされてしまう。 「生きて帰るんだ――妹が待つ家へ!」 彼は岩の割れ目につるはしを打ち込み、崩落を誘発させ―― 目が覚めると未知の洞窟にいた。 貴重な鉱脈ばかりに興奮するエリオットだったが、特に不思議な形をしたクリスタルが気になり、それを掘り出す。 その中から現れたモノは…… 「えっ? 女の子???」 これは、不遇な扱いを受けていた少年が大陸一の大富豪へと成り上がっていく――そんな物語である。

自由でいたい無気力男のダンジョン生活

無職無能の自由人
ファンタジー
無気力なおっさんが適当に過ごして楽をする話です。 すごく暇な時にどうぞ。

ある日、俺の部屋にダンジョンの入り口が!? こうなったら配信者で天下を取ってやろう!

さかいおさむ
ファンタジー
ダンジョンが出現し【冒険者】という職業が出来た日本。 冒険者は探索だけではなく、【配信者】としてダンジョンでの冒険を配信するようになる。 底辺サラリーマンのアキラもダンジョン配信者の大ファンだ。 そんなある日、彼の部屋にダンジョンの入り口が現れた。  部屋にダンジョンの入り口が出来るという奇跡のおかげで、アキラも配信者になる。 ダンジョン配信オタクの美人がプロデューサーになり、アキラのダンジョン配信は人気が出てくる。 『アキラちゃんねる』は配信収益で一攫千金を狙う!

【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】 【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】 ~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

処理中です...