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PAGE.2 魔力の精霊
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覚醒してから数日が経過した。
【スマホ】で自分の個人ステータスを確認する事にした。
-----
名前:ラックス・フィン・オズフォード
年齢:13歳
レベル:12
種族:人属(伯爵三男)
攻撃力:1860
防御力:2250
瞬発力:1980
魔力:無限
-----
「えっ!?」
自分のステータスを見て驚愕しているラックス。
それには少し前に時間を戻す必要がある。
散歩中に遭遇したフォレスト・ボアを討伐した後にも数匹魔獣と遭遇した。
ウルフの群れとその長であるコマンダーウルフだ。
【索敵】で敵の位置を探り、【分析】で相手の動きを読み取る。
【検索】で相手のステータスの情報を得る。
俺なりのこの世界での攻撃スタイルが完成した。
【創作】でもう一度【石刀】を創作し居合いの構えをとる。
ウルフの群れが一斉に襲撃。
地面を強く蹴り上げ駆け出すモノ。
反復横跳びの様に左右に移動するモノ。
それらの行動を全部把握していた俺は余裕だった。
更にウルフの速さからスキル【狼速】を取得。
それ以外にスキル【裂爪】も取得した。
居合いの構えのまま【狼速】で駆け出し、ウルフよりも上回る速度でスパスパと斬り捌いていく。
コマンダーウルフ以外のウルフは数秒で全滅した。
周囲はウルフの死体の山。
コマンダーウルフの背筋がゾクッとした。
ラックスを危険視し足がすくんで身動きが取れない。
その隙を見逃さなかったラックスは【猪突猛進】と【狼速】で一気にコマンダーウルフの懐に入り、首をはねる。
巨大なコマンダーウルフの頭部は宙に舞い、地面へと落下した。
ウルフとコマンダーウルフを討伐した事で経験値を獲得し、レベル12に昇格した。
レベルが上がるのは嬉しい事だ。
・・・・でも、幾らなんでもステータス変わり過ぎだろ!?
攻撃力も防御力も守備力も2000近く!?
魔力は無限!?
数回転生するとこんなチートなステータスになるのか!?
・・・名前はラックス・フィン・オズフォード。
伯爵の三男・・・貴族って事か?
更に俺は【スマホ】機能の【検索】で自分自身を検索して情報を得る事にした。
アッシュガルド魔法学院剣術科の中等部2年。
魔法は全然扱えない。
剣術の実力も他の兄弟より下だ。
性格も性根が腐っている。
学院の生徒やメイド達、領土の街の者達にも嫌悪されている。
相当恨みを買っている。
貴族以外の人属を人として見ていない。
平民を奴隷のような存在しか思っていない。
ラノベの小説に出て来そうなゲスな貴族キャラだ。
ラックスの家系図を確認する事にした。
両親が二人、兄が二人に妹が1人いる。
父親の名はオルツ·フィン·オズフォード。
爵位は伯爵。
リドワール街の領主。
40代でありながら既に貫禄がある。
剣術はアッシュガルド王国一の腕前と称賛されている。
部下からも慕われている。
欠点があるとすれば、浮気性が酷すぎるという事。
調査で分かった人数でも数百人以上は超えている。
妻がいる身でありながら、愛人を数人作っている。
噂では隠し子もいるとか。
母親の名はエレナ・フィン・オズフォード。
40代であり、年齢が若く思われる程の美しさと利発を兼ね備えた女性。
夫の浮気性のストレスにより、買い物依存症になっていた。
あっちこっちに借金をし、財政困難に陥るまで経済的に破産寸前。
他の兄弟の情報は以下省略させてもらう。
兄弟までの情報を述べたら、長話になって終わる気配がしない。
検索で分かった事はラックスを含めたオズフォード伯爵家は完全に腐っているという事。
「・・・ふぅ、取り敢えずこの辺にしとくか」
それにしても・・・・。
「・・・余りにも部屋が汚過ぎる」
独り言ちる程のレベルだ。
貴族という人種は掃除や片付けと言う概念はないのか?
全部メイドに委託するのが当然な世界なのか?
坂本の世界とラックスの世界にギャップがあり過ぎる。
ロイスの時はそこまで掃除に対してうるさくは無かったが、坂本の世界に転生してからは考え方が変わった。
坂本の世界には、面白い程の掃除道具が存在する。
特に100円ショップと言う場所には夢の様な道具がわんさか販売している。
掃除好きの人間にはたまらないお店だ。
俺はその100円ショップにどハマりし、掃除の達人になっていた。
この汚い部屋を見て、掃除の達人の魂に火が付いた。
「・・・我慢が出来ない!この汚い部屋を掃除したい!」
取り敢えず俺は掃除道具を創作する事にした。
『スキル【創作】ではなく、アプリ【インターネット】の【ネット通販】で掃除道具を購入する事をお薦め致します』
「だ、誰だ!」
背後を振り向くと誰もいない。
声は確かにした。
以前何処かで聞いた事がある声だ。
『聞き覚えがあるのは当たり前です』
「え?」
『あなたが死んだ時に私の声を聞いたはずですよ?』
死んだ時に?
「・・・・まさか、神スキル【転生】が喋ってるのか!?」
『残念!近くも遠からずですね』
どういう意味だ?
『私はあなたの魔力の精霊でございます』
魔力の精霊?
『1度目の転生で私はあなたの魔力の精霊として覚醒しました』
1度目の転生?
前世の坂本だった頃からって事か?
『・・・実は私、既にあなたとお会いしております』
「え?」
『この姿を見て頂ければ思い出して頂けるかと?』
ラックスの目の前にポンッと煙と同時に可愛い子犬が姿を現した。
その子犬は宙に浮いている。
尻尾と手足が炎に燃えているように見える。
見た目は柴犬の様だ。
「・・・何だが見覚えがあるような?」
ロイスの記憶?
ラックスの記憶?
いや、坂本の記憶だ!
うっすらと坂本の幼い頃の記憶が浮かび上がる。
「・・・・もしかして、チビなのか?」
『やっと思い出してくれたんですね。そうです、あなたと小さい頃一緒に過ごしたチビです。本当にお久しぶりです』
「う、嘘だろ?チビは俺が小さい時に死んだはず」
ラックスは混乱していた。
目の前にいるのは間違いなくチビだ。
でもそのチビは何十年も前に他界している。
『死んだ振りをしていただけです。精霊は死なないので』
「・・・・じゃ、本当の本当にチビなのか?」
『驚かせてご免なさい。【地球】での私は完全に覚醒していなかった為、自由に活動する事が出来なか・・・』
ラックスはチビをギュッと強く抱き締める。
目から少し涙が零れ落ちる。
「・・・まだチビに会えると思ってなかった」
ラックスとチビの涙の再会となった。
チビから色々と説明を受ける。
『私が再びあなたの前に姿を現す事が出来る様になったのは、あなたの魔力が関係しています』
「俺の魔力?」
『坂本は魔力を持っていなかった為に私は完全に覚醒する事が出来ませんでした。しかし、ラックスとして転生したあなたは魔力を得た。それにより、私は魔力の精霊として完全に覚醒する事が出来ました』
精霊は人の魔力で覚醒するって事か?
『魔力があれば、誰でも精霊を持つ訳ではありません。ご主人は特別です』
神スキル【転生】の所持者の特権って事か?
『因みに私は【狗神】と呼ばれる精霊です。名前は今まで通りチビとお呼び下さい』
「分かった。よろしくな、チビ」
『こちらこそ宜しくお願い致します、ご主人』
双方の挨拶が終わったところで本題に戻す。
「【ネット通販】で掃除道具を買えるのかい?」
『100円ショップのオンラインから購入出来ます。何を購入されますか?』
チビが表示プレートを見易い位置に表示してくれた。
多くの商品名が記載されている。
『【音声認識】機能で必要な掃除道具の名前を述べれば検索してくれます』
そんな機能もあるのか!?
表示プレートの側で必要な掃除道具の名前を述べた。
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検索しました
箒✕1 110円
雑巾✕1 110円
バケツ✕1 110円
埃取り✕1 110円
クイックルワイパー✕1 110円
合計金額:550円
5品をご購入されますか?
YES or NO
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「YESで頼むよ」
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ご購入ありがとうございました
ご購入された商品はお客様のもとに転送されます
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100円ショップのオンラインで購入した商品が数秒しない程で部屋の床に転送された。
『ご主人が100円ショップのオンラインで購入された商品が届きました』
「購入して直ぐに届くのは便利だね。そういえば購入費を支払ってないけど大丈夫なのか?」
『ご主人の資金から自動的に支払われているので問題はございません』
本当に便利な機能だ。
必要な掃除道具を揃えた。
先ずはこの部屋の必要な物、不必要な物を分別する必要がある。
『それなら【フリマ】アプリを利用しては?』
「・・・成る程、不必要な物を売り捌くって事か?」
チビが【フリマ】の表示プレートを見易い位置に表示してくれた。
-----
商品をご購入しますか?
お売りになられますか?
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「売るよ」
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お売り頂けるお品を検索します
検索完了しました
お売り頂けるお品にタッチパネルでチェックをお願いします
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表示プレートに部屋中の物が掲示された。
不必要な物に手当たり次第チェックを付けた。
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確定であれば【OK】ボタンをタッチして下さい
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【OK】ボタンをタッチした。
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数多のお品をお売り頂き誠にありがとうございます
査定金額25,280円になりました
お客様の資金に転送させて頂きます
またのご利用をお待ちしております
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これで不必要な物が無くなった。
『ご主人、必要な物は【アイテムボックス】に収納されては?』
「え?俺はそんなスキル持ってないよ?」
『スキルではなく、この世界では【アイテムボックス】は魔法ですよ』
「俺は魔法は使えないけど?」
『使えないのではなく、使用方法を知らないだけです。私が伝授します・・・ですが、先ずは【アイテムボックス】を創作してもらう必要があります』
チビの指示通りに収納魔法【アイテムボックス】を創作する事にした。
ロイスの記憶にある【アイテムボックス】をイメージしてみた。
『ご主人、おめでとうございます。収納魔法【アイテムボックス】を取得しました』
こんなにあっさりと魔法を創作する事が出来た。
『それでは早速、収納魔法【アイテムボックス】を使用してみましょう』
「自信無いけど、頑張ってみるか」
『目を閉じて頂きます。身体の中に流れるモノを感じ取って下さい。それが魔力です』
俺は言われるかままに目を閉じて、身体の中に流れる魔力を感じ取った。
「これが魔力?」
『魔力を感じ取りましたね。後は簡単です。魔法名を唱えるだけです』
「え?詠唱は必要ないのか?」
『はい。ご主人は無詠唱で魔法を使用する事が可能です』
魔力の流れを掴めば誰でも無詠唱で魔法を使用する事が可能らしい。
この世界の住人はその方法を無知識な為に無詠唱を扱える魔導師は存在しないらしい。
早速【アイテムボックス】を使用した。
必要な物を全て【アイテムボックス】に収納した。
部屋に残った物は家具のみ。
自分好みの家具にしたい気持ちもあり、家具を一度分解する事にした。
以前坂本の時に取得したスキル【分解】で家具を全て分解した。
これらの素材を使用して、スキル【創作】で新たな家具に変える事にした。
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ベッド✕1
本棚✕2
棚✕1
机✕1
椅子✕1
5つの家具を創作しました
-----
坂本の世界の家具のデザインにした。
一層の事、部屋全体をリホームにする事にした。
壁紙もおしゃれな壁紙に変えた。
新しい家具も配置した。
俺の新しい部屋が完成した。
『ご主人、ご苦労様でした』
「チビがサポートしてくれたから早く掃除する事が出来たよ」
掃除が終わったタイミングで誰かがドアをロックする。
コン!コン!
「ラックス様、失礼致します」
入室してきたのはアルミナだった。
「何が用かい?」
「え?」
アルミナが唖然とする。
開いた口が塞がらない。
「・・・な、何これ?」
「アルミナさん、どうしました?」
アルミナは部屋の中を見て言葉を失う。
「大丈夫?」
「この部屋は誰の部屋ですか?」
「誰のって、俺の部屋に決まってるじゃないですか?まあ、リフォームをしましたけどね?」
「リフォーム?リフォームって何ですか?」
「え?・・・あ!・・・え、え~っと・・・模様替えをしたって意味です!」
この世界ではリフォームと言う言葉は無かったんだった。
何とか誤魔化せているといいけど。
「部屋の掃除、片付け、模様替えもラックス様お一人でやられたのですか?」
「そうですか、変ですか?」
「変です!絶対に変です!!」
この彼女のリアクションを見ると、この男はほぼ人任せだったのだろう。
「部屋にホコリ一つ残っていない。物も綺麗に整頓されて収納されている。家具も全く別物になってる!」
「かなりスッキリしたでしょ?」
「あの部屋をこの短期間で掃除しちゃったって事?自身の部屋を一度も掃除した事がないラックス様か!?」
相当な衝撃的だったようでアルミナは失神し、床に倒れ込んだ。
「ア、アルミナさん!?どうしました、大丈夫ですか!アルミナさん!アルミナさん!」
「先輩どうしま・・・な、何この部屋!?」
他のメイドもアルミナと同じリアクションを取っていた。
そこまでのリフォームをしたつもりはないけど、この世界の人達から見れば凄い事らしい。
ましてや、それをやったのがこの男なのだから余計に失神する程の衝撃なのだろう。
「・・・うぅ・・・」
「アルミナさん!目を覚まされたのですね」
「・・・ここは?」
「俺の部屋です」
「夢・・・ですよね?」
「夢じゃないです、現実です」
現実を受け止められないアルミナ。
突然大きな声と共に号泣する。
「私より掃除が上手いです~!!」
『ご主人、女性を泣かしましたね(笑)』
「チビ!何を言ってるんだよ!?」
『焦るご主人、可愛いですね(笑)』
「チビ~!!」
アルミナさん、色んな意味で申し訳ない。
【スマホ】で自分の個人ステータスを確認する事にした。
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名前:ラックス・フィン・オズフォード
年齢:13歳
レベル:12
種族:人属(伯爵三男)
攻撃力:1860
防御力:2250
瞬発力:1980
魔力:無限
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「えっ!?」
自分のステータスを見て驚愕しているラックス。
それには少し前に時間を戻す必要がある。
散歩中に遭遇したフォレスト・ボアを討伐した後にも数匹魔獣と遭遇した。
ウルフの群れとその長であるコマンダーウルフだ。
【索敵】で敵の位置を探り、【分析】で相手の動きを読み取る。
【検索】で相手のステータスの情報を得る。
俺なりのこの世界での攻撃スタイルが完成した。
【創作】でもう一度【石刀】を創作し居合いの構えをとる。
ウルフの群れが一斉に襲撃。
地面を強く蹴り上げ駆け出すモノ。
反復横跳びの様に左右に移動するモノ。
それらの行動を全部把握していた俺は余裕だった。
更にウルフの速さからスキル【狼速】を取得。
それ以外にスキル【裂爪】も取得した。
居合いの構えのまま【狼速】で駆け出し、ウルフよりも上回る速度でスパスパと斬り捌いていく。
コマンダーウルフ以外のウルフは数秒で全滅した。
周囲はウルフの死体の山。
コマンダーウルフの背筋がゾクッとした。
ラックスを危険視し足がすくんで身動きが取れない。
その隙を見逃さなかったラックスは【猪突猛進】と【狼速】で一気にコマンダーウルフの懐に入り、首をはねる。
巨大なコマンダーウルフの頭部は宙に舞い、地面へと落下した。
ウルフとコマンダーウルフを討伐した事で経験値を獲得し、レベル12に昇格した。
レベルが上がるのは嬉しい事だ。
・・・・でも、幾らなんでもステータス変わり過ぎだろ!?
攻撃力も防御力も守備力も2000近く!?
魔力は無限!?
数回転生するとこんなチートなステータスになるのか!?
・・・名前はラックス・フィン・オズフォード。
伯爵の三男・・・貴族って事か?
更に俺は【スマホ】機能の【検索】で自分自身を検索して情報を得る事にした。
アッシュガルド魔法学院剣術科の中等部2年。
魔法は全然扱えない。
剣術の実力も他の兄弟より下だ。
性格も性根が腐っている。
学院の生徒やメイド達、領土の街の者達にも嫌悪されている。
相当恨みを買っている。
貴族以外の人属を人として見ていない。
平民を奴隷のような存在しか思っていない。
ラノベの小説に出て来そうなゲスな貴族キャラだ。
ラックスの家系図を確認する事にした。
両親が二人、兄が二人に妹が1人いる。
父親の名はオルツ·フィン·オズフォード。
爵位は伯爵。
リドワール街の領主。
40代でありながら既に貫禄がある。
剣術はアッシュガルド王国一の腕前と称賛されている。
部下からも慕われている。
欠点があるとすれば、浮気性が酷すぎるという事。
調査で分かった人数でも数百人以上は超えている。
妻がいる身でありながら、愛人を数人作っている。
噂では隠し子もいるとか。
母親の名はエレナ・フィン・オズフォード。
40代であり、年齢が若く思われる程の美しさと利発を兼ね備えた女性。
夫の浮気性のストレスにより、買い物依存症になっていた。
あっちこっちに借金をし、財政困難に陥るまで経済的に破産寸前。
他の兄弟の情報は以下省略させてもらう。
兄弟までの情報を述べたら、長話になって終わる気配がしない。
検索で分かった事はラックスを含めたオズフォード伯爵家は完全に腐っているという事。
「・・・ふぅ、取り敢えずこの辺にしとくか」
それにしても・・・・。
「・・・余りにも部屋が汚過ぎる」
独り言ちる程のレベルだ。
貴族という人種は掃除や片付けと言う概念はないのか?
全部メイドに委託するのが当然な世界なのか?
坂本の世界とラックスの世界にギャップがあり過ぎる。
ロイスの時はそこまで掃除に対してうるさくは無かったが、坂本の世界に転生してからは考え方が変わった。
坂本の世界には、面白い程の掃除道具が存在する。
特に100円ショップと言う場所には夢の様な道具がわんさか販売している。
掃除好きの人間にはたまらないお店だ。
俺はその100円ショップにどハマりし、掃除の達人になっていた。
この汚い部屋を見て、掃除の達人の魂に火が付いた。
「・・・我慢が出来ない!この汚い部屋を掃除したい!」
取り敢えず俺は掃除道具を創作する事にした。
『スキル【創作】ではなく、アプリ【インターネット】の【ネット通販】で掃除道具を購入する事をお薦め致します』
「だ、誰だ!」
背後を振り向くと誰もいない。
声は確かにした。
以前何処かで聞いた事がある声だ。
『聞き覚えがあるのは当たり前です』
「え?」
『あなたが死んだ時に私の声を聞いたはずですよ?』
死んだ時に?
「・・・・まさか、神スキル【転生】が喋ってるのか!?」
『残念!近くも遠からずですね』
どういう意味だ?
『私はあなたの魔力の精霊でございます』
魔力の精霊?
『1度目の転生で私はあなたの魔力の精霊として覚醒しました』
1度目の転生?
前世の坂本だった頃からって事か?
『・・・実は私、既にあなたとお会いしております』
「え?」
『この姿を見て頂ければ思い出して頂けるかと?』
ラックスの目の前にポンッと煙と同時に可愛い子犬が姿を現した。
その子犬は宙に浮いている。
尻尾と手足が炎に燃えているように見える。
見た目は柴犬の様だ。
「・・・何だが見覚えがあるような?」
ロイスの記憶?
ラックスの記憶?
いや、坂本の記憶だ!
うっすらと坂本の幼い頃の記憶が浮かび上がる。
「・・・・もしかして、チビなのか?」
『やっと思い出してくれたんですね。そうです、あなたと小さい頃一緒に過ごしたチビです。本当にお久しぶりです』
「う、嘘だろ?チビは俺が小さい時に死んだはず」
ラックスは混乱していた。
目の前にいるのは間違いなくチビだ。
でもそのチビは何十年も前に他界している。
『死んだ振りをしていただけです。精霊は死なないので』
「・・・・じゃ、本当の本当にチビなのか?」
『驚かせてご免なさい。【地球】での私は完全に覚醒していなかった為、自由に活動する事が出来なか・・・』
ラックスはチビをギュッと強く抱き締める。
目から少し涙が零れ落ちる。
「・・・まだチビに会えると思ってなかった」
ラックスとチビの涙の再会となった。
チビから色々と説明を受ける。
『私が再びあなたの前に姿を現す事が出来る様になったのは、あなたの魔力が関係しています』
「俺の魔力?」
『坂本は魔力を持っていなかった為に私は完全に覚醒する事が出来ませんでした。しかし、ラックスとして転生したあなたは魔力を得た。それにより、私は魔力の精霊として完全に覚醒する事が出来ました』
精霊は人の魔力で覚醒するって事か?
『魔力があれば、誰でも精霊を持つ訳ではありません。ご主人は特別です』
神スキル【転生】の所持者の特権って事か?
『因みに私は【狗神】と呼ばれる精霊です。名前は今まで通りチビとお呼び下さい』
「分かった。よろしくな、チビ」
『こちらこそ宜しくお願い致します、ご主人』
双方の挨拶が終わったところで本題に戻す。
「【ネット通販】で掃除道具を買えるのかい?」
『100円ショップのオンラインから購入出来ます。何を購入されますか?』
チビが表示プレートを見易い位置に表示してくれた。
多くの商品名が記載されている。
『【音声認識】機能で必要な掃除道具の名前を述べれば検索してくれます』
そんな機能もあるのか!?
表示プレートの側で必要な掃除道具の名前を述べた。
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検索しました
箒✕1 110円
雑巾✕1 110円
バケツ✕1 110円
埃取り✕1 110円
クイックルワイパー✕1 110円
合計金額:550円
5品をご購入されますか?
YES or NO
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「YESで頼むよ」
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ご購入ありがとうございました
ご購入された商品はお客様のもとに転送されます
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100円ショップのオンラインで購入した商品が数秒しない程で部屋の床に転送された。
『ご主人が100円ショップのオンラインで購入された商品が届きました』
「購入して直ぐに届くのは便利だね。そういえば購入費を支払ってないけど大丈夫なのか?」
『ご主人の資金から自動的に支払われているので問題はございません』
本当に便利な機能だ。
必要な掃除道具を揃えた。
先ずはこの部屋の必要な物、不必要な物を分別する必要がある。
『それなら【フリマ】アプリを利用しては?』
「・・・成る程、不必要な物を売り捌くって事か?」
チビが【フリマ】の表示プレートを見易い位置に表示してくれた。
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商品をご購入しますか?
お売りになられますか?
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「売るよ」
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お売り頂けるお品を検索します
検索完了しました
お売り頂けるお品にタッチパネルでチェックをお願いします
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表示プレートに部屋中の物が掲示された。
不必要な物に手当たり次第チェックを付けた。
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確定であれば【OK】ボタンをタッチして下さい
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【OK】ボタンをタッチした。
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数多のお品をお売り頂き誠にありがとうございます
査定金額25,280円になりました
お客様の資金に転送させて頂きます
またのご利用をお待ちしております
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これで不必要な物が無くなった。
『ご主人、必要な物は【アイテムボックス】に収納されては?』
「え?俺はそんなスキル持ってないよ?」
『スキルではなく、この世界では【アイテムボックス】は魔法ですよ』
「俺は魔法は使えないけど?」
『使えないのではなく、使用方法を知らないだけです。私が伝授します・・・ですが、先ずは【アイテムボックス】を創作してもらう必要があります』
チビの指示通りに収納魔法【アイテムボックス】を創作する事にした。
ロイスの記憶にある【アイテムボックス】をイメージしてみた。
『ご主人、おめでとうございます。収納魔法【アイテムボックス】を取得しました』
こんなにあっさりと魔法を創作する事が出来た。
『それでは早速、収納魔法【アイテムボックス】を使用してみましょう』
「自信無いけど、頑張ってみるか」
『目を閉じて頂きます。身体の中に流れるモノを感じ取って下さい。それが魔力です』
俺は言われるかままに目を閉じて、身体の中に流れる魔力を感じ取った。
「これが魔力?」
『魔力を感じ取りましたね。後は簡単です。魔法名を唱えるだけです』
「え?詠唱は必要ないのか?」
『はい。ご主人は無詠唱で魔法を使用する事が可能です』
魔力の流れを掴めば誰でも無詠唱で魔法を使用する事が可能らしい。
この世界の住人はその方法を無知識な為に無詠唱を扱える魔導師は存在しないらしい。
早速【アイテムボックス】を使用した。
必要な物を全て【アイテムボックス】に収納した。
部屋に残った物は家具のみ。
自分好みの家具にしたい気持ちもあり、家具を一度分解する事にした。
以前坂本の時に取得したスキル【分解】で家具を全て分解した。
これらの素材を使用して、スキル【創作】で新たな家具に変える事にした。
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ベッド✕1
本棚✕2
棚✕1
机✕1
椅子✕1
5つの家具を創作しました
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坂本の世界の家具のデザインにした。
一層の事、部屋全体をリホームにする事にした。
壁紙もおしゃれな壁紙に変えた。
新しい家具も配置した。
俺の新しい部屋が完成した。
『ご主人、ご苦労様でした』
「チビがサポートしてくれたから早く掃除する事が出来たよ」
掃除が終わったタイミングで誰かがドアをロックする。
コン!コン!
「ラックス様、失礼致します」
入室してきたのはアルミナだった。
「何が用かい?」
「え?」
アルミナが唖然とする。
開いた口が塞がらない。
「・・・な、何これ?」
「アルミナさん、どうしました?」
アルミナは部屋の中を見て言葉を失う。
「大丈夫?」
「この部屋は誰の部屋ですか?」
「誰のって、俺の部屋に決まってるじゃないですか?まあ、リフォームをしましたけどね?」
「リフォーム?リフォームって何ですか?」
「え?・・・あ!・・・え、え~っと・・・模様替えをしたって意味です!」
この世界ではリフォームと言う言葉は無かったんだった。
何とか誤魔化せているといいけど。
「部屋の掃除、片付け、模様替えもラックス様お一人でやられたのですか?」
「そうですか、変ですか?」
「変です!絶対に変です!!」
この彼女のリアクションを見ると、この男はほぼ人任せだったのだろう。
「部屋にホコリ一つ残っていない。物も綺麗に整頓されて収納されている。家具も全く別物になってる!」
「かなりスッキリしたでしょ?」
「あの部屋をこの短期間で掃除しちゃったって事?自身の部屋を一度も掃除した事がないラックス様か!?」
相当な衝撃的だったようでアルミナは失神し、床に倒れ込んだ。
「ア、アルミナさん!?どうしました、大丈夫ですか!アルミナさん!アルミナさん!」
「先輩どうしま・・・な、何この部屋!?」
他のメイドもアルミナと同じリアクションを取っていた。
そこまでのリフォームをしたつもりはないけど、この世界の人達から見れば凄い事らしい。
ましてや、それをやったのがこの男なのだから余計に失神する程の衝撃なのだろう。
「・・・うぅ・・・」
「アルミナさん!目を覚まされたのですね」
「・・・ここは?」
「俺の部屋です」
「夢・・・ですよね?」
「夢じゃないです、現実です」
現実を受け止められないアルミナ。
突然大きな声と共に号泣する。
「私より掃除が上手いです~!!」
『ご主人、女性を泣かしましたね(笑)』
「チビ!何を言ってるんだよ!?」
『焦るご主人、可愛いですね(笑)』
「チビ~!!」
アルミナさん、色んな意味で申し訳ない。
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