9 / 11
ウィードという世界。
しおりを挟む
荷馬車に揺られて手足を拘束されたグラスは、山裾にある石造りの小さな砦に連れて来られた。
馬車から降ろされて砦の中に連れて行かれる。
「ステラ様と比べると、貧相でつまらん身体をした女だが…まぁいい。
今後反抗的な態度を取れないように可愛がれとの命令だ。」
砦の一室、ベッドも無い床の上に一応は傷をつかせない為なのか、石畳の床を覆うように大きな布が敷かれている。
「さあ、しつけの時間だ!楽しもうか!」
三人の男がグラスを取り囲む。
男の手が、グラスの衣服を剥ぎ取ろうとグラスの衣服にのびた。
「陛下……さぁ、おやすみになって下さいまし。」
ステラと名乗った鮫の女に付き添われ、私は私室に来た。
ベッドに腰を下ろして項垂れる。
「グラス…何処へ行った…なぜ急に…」
「陛下…今は何も考えない方が良いですわ…
少し時間を置きましたら、良い答えが出ますわよ……
もし、寝付けないのでしたら…わたくしが、お慰め致しますわ……。」
ステラはベッドに腰かけた私の前に立ち、スルリとドレスを床に落とした。
「………やめろ、興味が無い。」
女の身体を情欲のまま触れる事に、まったく興味の無い私は裸体のステラを無視する。
ただ、鮫の女の「鮫」が、女の言った「お慰め」の一部だとは分かった。
「そう、おっしゃらずに…
わたくし、ずっと陛下に触れて欲しいと思ってましたのよ…」
いつも触れる前に弾き飛ばしていたからな。
と思い出していた私の手を、ステラは自身の胸に導く。
私の手を自身の胸に触れさせて、ニコリと笑む。
その刹那、ステラの思考の一端が私の脳に流れ込んだ。
━━朝までには野良猫も男達に傷ものにされているわ。
城に戻されても、そんな恥ずかしい事を誰にも言えないわよね━━
「………野良猫?」
「えっ…?」
私が呟いた言葉に、明らかに動揺を見せる女。
私の手を離し、一歩後退る。
私はベッドから立ち上がり女の腕を掴んで顔を寄せる。
━━な、なぜ?気付かれた?そんな事あるはず無いわ!━━
「野良猫とは誰の事を言っている。
傷ものにするとは何だ!答えろ!」
「陛下!落ち着いて下さいませ!
野良猫は城に入り込んでいた猫の事ですのよ!
薄汚れていたので、城の外に捨てるよう従者に頼んだだけですわ!」
女の腕を掴んでいるせいか、女の心の内が漏れて私の脳に伝わる。
今まで人に触れた事が無かった私には、自身がこんな能力を持っている事を知らなかった。
━━あの女!!さっさと男達の慰み物になればいいのよ━━
「お前は!!グラスを何処にやった!!!」
「!!!し、知りません!知りませんわ!!」
殺したい!!!!
初めて明確に私の心を支配した殺意。
私からグラスを奪った!私から遠ざけた!!
そして男達の慰み物にしようとしている!
殺したい!!
「私のグラスを返せ!!!!」
石造りの砦の中、床に広げられた布の上に居るグラスの衣服に男の手が掛かった。
が、掛かっていない。
男の手はグラスの身体に触れ、衣服の縁を探すが縁が無い。
まるで、肌に直接衣服の絵を描いたかのように、境界が無い。
「え?ええ?…な、何だ?これは…」
男の指先がグラスの肌の上をツルツル滑る。
その指先がトプンとグラスの身体に沈んだ。
「う、うわぁぁ!ゆ、指が刺さった!」
「人間の身体はね、およそ70パーセントが水なのよ。
でもわたしは、ほぼ100パーセント水なのよね。
髪も服も含めてね」
「ぱ、ばぁせんと??」
「えっと…七割十割と言ったら分かるのかしら?
こちらの世界はパーセントが通じないのね。」
グラスは拘束されていた縄を床に落とした。
縄は、水に沈むようにグラスの身体を通り過ぎて結び目のついた輪のまま下に落ちる。
男達が化け物を見るような目でグラスを見る。
グラスは男達に近付き、美しい顔を寄せニコリと微笑む。
「馬車のおンマさん、借りるわよ?」
「は、はいー!!!」
泣きそうな男達を砦に残し、馬車の馬を借りて背に跨がる。
城に向け、馬を走らせながらグラスは「窓」を出し、文字を追う。
「……鮫の女が……ステラに変わったわ……!!
あ…!待って…!ダーリン!!いけない…!!」
グラスの見ている「窓」に記載された情報が更新されてゆく。
鮫の女がステラに、そして今、ステラの補足情報が殺したい女に変わった。
「ダーリン…!間に合わない……くー!!
これすると、欠けるから…やなんだけど!!
背に腹は変えられないわね!!」
馬の背に跨がったグラスはまさしく霧散、自身を構成していた身体を全て霧に変えた。
霧になった身体をその場に置き、意識だけを城に飛ばす。
そしてグラスは
「ダーリン!駄目よ!殺しちゃ駄目!!」
城にある王の私室に突然現れ、殺意を持ってステラの首に手を掛けている王の背中に飛び付いた。
「駄目…ダーリン!…あ…!」
王の背中に飛び付いたグラスの身体が、崩れるように床に落ちる。
「グラス!!」
王はステラから手を離し、背後の床に倒れたグラスの身体を抱き起こした。
「グラス!グラス!無事なのか!グラス!」
「わたしは大丈夫…何もされてないし…でも…ごめんなさい…
お散歩出来なくなったわ。
…足が…作れなかった…もう歩けないの。」
王の腕に抱かれたグラスの両膝の下から先は溶けたように丸みを帯び、消え失せていた。
「グラス…その…身体は…」
「ステラさん、悪いんだけどダーリンと二人きりにして。
出てってくれない?」
王の腕に抱きかかえられたグラスは、裸のまま茫然としているステラに声を掛け、声を掛けられたステラは我に返ると脱ぎ捨てたドレスを拾い上げ王の私室を慌てて出て行った。
パタパタと足音が遠ざかる。
「…あの女、手下を使ってグラスを慰み物にすると言っていた…殺さずにはいられない…。」
キリキリと唇を噛むようにして険しくなる王の唇に、グラスが自身の唇を重ねる。
「わたしは無事でしょ?何もされてないの。
だからダーリンお願い…今夜は眠って…?
わたしも横に居るから…
人は…休まないと駄目なのよ…。」
「……分かった…何処にも、行かないな…?」
王はグラスの身体をベッドに横たえ、隣に自身の身体を横たえる。
二人、枕に頭を沈めて向かい合い、互いを見詰め合う。
「うん、この足じゃ無理そう。」
グラスは苦笑し、そんなグラスの頬を王は何度も撫でた。
グラスの頬に手を当てたまま王は眠りにつく。
「ダーリン…わたしを少し教えるわね…。」
グラスは眠りについた王の手に自分の手を重ねると、目を閉じた。
王の意識を自分の記憶に呼び込む。
王は暗い空間に居た。肉体が無い。意識だけ、そこに居る。
『ダーリン、これが、わたしの居た世界。
ダーリン、あなたが作った争いの無い平和な世界よ。』
暗い空間に現れたグラスは、扉を開くように暗い空間を開いた。
まばゆいとは言えない位の光が暗い空間に射し込み、視界が開けた。
曇天のような空の下に地面から生えたように、真っ直ぐそびえ立つ塔のような幾多もの建造物。
灰色に舗装された道。どこまでも続く灰色の世界。
『ここはひとつになった世界、国という境界は無いの。
だから、奪う必要も無いし、奪われる事も無い。
…奪いたい物も無い。……平和なの…。』
人は多く居る。が、とても静かだ。
『争いを生むから不必要だと…国境を無くした。
奪い合う事が無いよう、全ての人の得る物が平等…
そして物欲より知識欲を追い求めたダーリンは、知り得た物はもう不必要だと…排除していったのよ…情報だけ残して。
それがもう500年くらい前…。』
どこまでも続く灰色の世界。
だが、そこは平和な世界でもある。
『わたし達には貴方が遺してくれた膨大な知識がある。
でも…経験は無い…わたし達は、食物を食べた事も無い…身体を構成する必要な物は、錠剤ひとつで足りるから…』
その世界に住まう人、全てがそうやって生きている。
だから、争いが生まれる事もない。
『でもわたしは…この世界では異端でね、知るだけじゃ満足出来なくなったわ。
貴方がわたし達に与えてくれた知識の中にある景色を、植物を、生物を自分の目で見たかったの!
知っているだけでは無く、触れたかったの!感じたかったの!
だからダーリン…!わたしの世界、ウィードに…遺して!
色のある世界を!』
祈るように訴えるグラス。
彼女に無い手を延ばそうとしたが届かず。
王は目を覚ました。
馬車から降ろされて砦の中に連れて行かれる。
「ステラ様と比べると、貧相でつまらん身体をした女だが…まぁいい。
今後反抗的な態度を取れないように可愛がれとの命令だ。」
砦の一室、ベッドも無い床の上に一応は傷をつかせない為なのか、石畳の床を覆うように大きな布が敷かれている。
「さあ、しつけの時間だ!楽しもうか!」
三人の男がグラスを取り囲む。
男の手が、グラスの衣服を剥ぎ取ろうとグラスの衣服にのびた。
「陛下……さぁ、おやすみになって下さいまし。」
ステラと名乗った鮫の女に付き添われ、私は私室に来た。
ベッドに腰を下ろして項垂れる。
「グラス…何処へ行った…なぜ急に…」
「陛下…今は何も考えない方が良いですわ…
少し時間を置きましたら、良い答えが出ますわよ……
もし、寝付けないのでしたら…わたくしが、お慰め致しますわ……。」
ステラはベッドに腰かけた私の前に立ち、スルリとドレスを床に落とした。
「………やめろ、興味が無い。」
女の身体を情欲のまま触れる事に、まったく興味の無い私は裸体のステラを無視する。
ただ、鮫の女の「鮫」が、女の言った「お慰め」の一部だとは分かった。
「そう、おっしゃらずに…
わたくし、ずっと陛下に触れて欲しいと思ってましたのよ…」
いつも触れる前に弾き飛ばしていたからな。
と思い出していた私の手を、ステラは自身の胸に導く。
私の手を自身の胸に触れさせて、ニコリと笑む。
その刹那、ステラの思考の一端が私の脳に流れ込んだ。
━━朝までには野良猫も男達に傷ものにされているわ。
城に戻されても、そんな恥ずかしい事を誰にも言えないわよね━━
「………野良猫?」
「えっ…?」
私が呟いた言葉に、明らかに動揺を見せる女。
私の手を離し、一歩後退る。
私はベッドから立ち上がり女の腕を掴んで顔を寄せる。
━━な、なぜ?気付かれた?そんな事あるはず無いわ!━━
「野良猫とは誰の事を言っている。
傷ものにするとは何だ!答えろ!」
「陛下!落ち着いて下さいませ!
野良猫は城に入り込んでいた猫の事ですのよ!
薄汚れていたので、城の外に捨てるよう従者に頼んだだけですわ!」
女の腕を掴んでいるせいか、女の心の内が漏れて私の脳に伝わる。
今まで人に触れた事が無かった私には、自身がこんな能力を持っている事を知らなかった。
━━あの女!!さっさと男達の慰み物になればいいのよ━━
「お前は!!グラスを何処にやった!!!」
「!!!し、知りません!知りませんわ!!」
殺したい!!!!
初めて明確に私の心を支配した殺意。
私からグラスを奪った!私から遠ざけた!!
そして男達の慰み物にしようとしている!
殺したい!!
「私のグラスを返せ!!!!」
石造りの砦の中、床に広げられた布の上に居るグラスの衣服に男の手が掛かった。
が、掛かっていない。
男の手はグラスの身体に触れ、衣服の縁を探すが縁が無い。
まるで、肌に直接衣服の絵を描いたかのように、境界が無い。
「え?ええ?…な、何だ?これは…」
男の指先がグラスの肌の上をツルツル滑る。
その指先がトプンとグラスの身体に沈んだ。
「う、うわぁぁ!ゆ、指が刺さった!」
「人間の身体はね、およそ70パーセントが水なのよ。
でもわたしは、ほぼ100パーセント水なのよね。
髪も服も含めてね」
「ぱ、ばぁせんと??」
「えっと…七割十割と言ったら分かるのかしら?
こちらの世界はパーセントが通じないのね。」
グラスは拘束されていた縄を床に落とした。
縄は、水に沈むようにグラスの身体を通り過ぎて結び目のついた輪のまま下に落ちる。
男達が化け物を見るような目でグラスを見る。
グラスは男達に近付き、美しい顔を寄せニコリと微笑む。
「馬車のおンマさん、借りるわよ?」
「は、はいー!!!」
泣きそうな男達を砦に残し、馬車の馬を借りて背に跨がる。
城に向け、馬を走らせながらグラスは「窓」を出し、文字を追う。
「……鮫の女が……ステラに変わったわ……!!
あ…!待って…!ダーリン!!いけない…!!」
グラスの見ている「窓」に記載された情報が更新されてゆく。
鮫の女がステラに、そして今、ステラの補足情報が殺したい女に変わった。
「ダーリン…!間に合わない……くー!!
これすると、欠けるから…やなんだけど!!
背に腹は変えられないわね!!」
馬の背に跨がったグラスはまさしく霧散、自身を構成していた身体を全て霧に変えた。
霧になった身体をその場に置き、意識だけを城に飛ばす。
そしてグラスは
「ダーリン!駄目よ!殺しちゃ駄目!!」
城にある王の私室に突然現れ、殺意を持ってステラの首に手を掛けている王の背中に飛び付いた。
「駄目…ダーリン!…あ…!」
王の背中に飛び付いたグラスの身体が、崩れるように床に落ちる。
「グラス!!」
王はステラから手を離し、背後の床に倒れたグラスの身体を抱き起こした。
「グラス!グラス!無事なのか!グラス!」
「わたしは大丈夫…何もされてないし…でも…ごめんなさい…
お散歩出来なくなったわ。
…足が…作れなかった…もう歩けないの。」
王の腕に抱かれたグラスの両膝の下から先は溶けたように丸みを帯び、消え失せていた。
「グラス…その…身体は…」
「ステラさん、悪いんだけどダーリンと二人きりにして。
出てってくれない?」
王の腕に抱きかかえられたグラスは、裸のまま茫然としているステラに声を掛け、声を掛けられたステラは我に返ると脱ぎ捨てたドレスを拾い上げ王の私室を慌てて出て行った。
パタパタと足音が遠ざかる。
「…あの女、手下を使ってグラスを慰み物にすると言っていた…殺さずにはいられない…。」
キリキリと唇を噛むようにして険しくなる王の唇に、グラスが自身の唇を重ねる。
「わたしは無事でしょ?何もされてないの。
だからダーリンお願い…今夜は眠って…?
わたしも横に居るから…
人は…休まないと駄目なのよ…。」
「……分かった…何処にも、行かないな…?」
王はグラスの身体をベッドに横たえ、隣に自身の身体を横たえる。
二人、枕に頭を沈めて向かい合い、互いを見詰め合う。
「うん、この足じゃ無理そう。」
グラスは苦笑し、そんなグラスの頬を王は何度も撫でた。
グラスの頬に手を当てたまま王は眠りにつく。
「ダーリン…わたしを少し教えるわね…。」
グラスは眠りについた王の手に自分の手を重ねると、目を閉じた。
王の意識を自分の記憶に呼び込む。
王は暗い空間に居た。肉体が無い。意識だけ、そこに居る。
『ダーリン、これが、わたしの居た世界。
ダーリン、あなたが作った争いの無い平和な世界よ。』
暗い空間に現れたグラスは、扉を開くように暗い空間を開いた。
まばゆいとは言えない位の光が暗い空間に射し込み、視界が開けた。
曇天のような空の下に地面から生えたように、真っ直ぐそびえ立つ塔のような幾多もの建造物。
灰色に舗装された道。どこまでも続く灰色の世界。
『ここはひとつになった世界、国という境界は無いの。
だから、奪う必要も無いし、奪われる事も無い。
…奪いたい物も無い。……平和なの…。』
人は多く居る。が、とても静かだ。
『争いを生むから不必要だと…国境を無くした。
奪い合う事が無いよう、全ての人の得る物が平等…
そして物欲より知識欲を追い求めたダーリンは、知り得た物はもう不必要だと…排除していったのよ…情報だけ残して。
それがもう500年くらい前…。』
どこまでも続く灰色の世界。
だが、そこは平和な世界でもある。
『わたし達には貴方が遺してくれた膨大な知識がある。
でも…経験は無い…わたし達は、食物を食べた事も無い…身体を構成する必要な物は、錠剤ひとつで足りるから…』
その世界に住まう人、全てがそうやって生きている。
だから、争いが生まれる事もない。
『でもわたしは…この世界では異端でね、知るだけじゃ満足出来なくなったわ。
貴方がわたし達に与えてくれた知識の中にある景色を、植物を、生物を自分の目で見たかったの!
知っているだけでは無く、触れたかったの!感じたかったの!
だからダーリン…!わたしの世界、ウィードに…遺して!
色のある世界を!』
祈るように訴えるグラス。
彼女に無い手を延ばそうとしたが届かず。
王は目を覚ました。
0
あなたにおすすめの小説
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
勇者の様子がおかしい
しばたろう
ファンタジー
勇者は、少しおかしい。
そう思ったのは、王宮で出会ったその日からだった。
神に選ばれ、魔王討伐の旅に出た勇者マルク。
線の細い優男で、実力は確かだが、人と距離を取り、馴れ合いを嫌う奇妙な男。
だが、ある夜。
仲間のひとりは、決定的な違和感に気づいてしまう。
――勇者は、男ではなかった。
女であることを隠し、勇者として剣を振るうマルク。
そして、その秘密を知りながら「知らないふり」を選んだ仲間。
正体を隠す者と、真実を抱え込む者。
交わらぬはずの想いを抱えたまま、旅は続いていく。
これは、
「勇者であること」と
「自分であること」のあいだで揺れる物語。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
元公爵令嬢は年下騎士たちに「用済みのおばさん」と捨てられる 〜今更戻ってこいと泣きつかれても献身的な美少年に溺愛されているのでもう遅いです〜
日々埋没。
ファンタジー
「新しい従者を雇うことにした。おばさんはもう用済みだ。今すぐ消えてくれ」
かつて婚約破棄され、実家を追放された元公爵令嬢のレアーヌ。
その身分を隠し、年下の冒険者たちの身の回りを世話する『メイド』として献身的に尽くしてきた彼女に突きつけられたのは、あまりに非情な追放宣告だった。
レアーヌがこれまで教育し、支えてきた若い男たちは、新しく現れた他人の物を欲しがり子悪魔メイドに骨抜きにされ、彼女を「加齢臭のする汚いおばさん」と蔑み、笑いながら追い出したのだ。
地位も、居場所も、信じていた絆も……すべてを失い、絶望する彼女の前に現れたのは、一人の美少年だった。
「僕とパーティーを組んでくれませんか? 貴方が必要なんです」
新米ながら将来の可能性を感じさせる彼は、レアーヌを「おばさん」ではなく「一人の女性」として、甘く狂おしく溺愛し始める。
一方でレアーヌという『真の支柱』を失った元パーティーは、自分たちがどれほど愚かな選択をしたかを知る由もなかった。
やがて彼らが地獄の淵で「戻ってきてくれ」と泣きついてきても、もう遅い。
レアーヌの隣には、彼女を離さないと誓った執着愛の化身が微笑んでいるのだから。
いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる