【R18】熊の様な45歳の近衛隊長は、22歳の美貌の皇帝に欲しがられています。

DAKUNちょめ

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氷の姫君カリーナの瞳に映る人。

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リスクィート国の王城の敷地内にある邸。



ベルゼルト皇国の皇帝の第二皇妃だったカリーナは、グレアム皇帝が崩御した際に、戦争が始まるより先に早々と生国に帰ってしまった。



リスクィート現国王の妹にあたるカリーナは、城の敷地内にあるこの邸を与えられ、亡き夫グレアム皇帝を偲びながら喪に服し静かに暮らしている。



「表向きは、そう見せている。
だが貴女は、戦争に負け行方不明となった愛息子であるケンヴィー皇子殿下の仇でもある、義息子のキリアン皇帝陛下を恨んでおり、命を狙ったという声もあります。」




「キリアンがリスクィートの者に生命を狙われたというのならば、そう思われるでしょうね。
セドリック、貴方もそう思ってらして?」




氷の姫君と呼ばれたカリーナは表情を全く変えずに、セドリックに訊ねた。

セドリックは複雑な表情をして首を横に振る。




「正直な所、分かりません。
氷の姫君と呼ばれた貴女には感情というものが欠落していて、息子を愛おしむ気持ちなど無かった。
ベルゼルトでの貴女の印象は、そういったものが多いのです。

夫も愛してはいなかった、生まれた息子も愛してはなかったのだと。」





「では第一皇妃のセレスティーヌを、わたくしはどう思っていたのかしら。
愛してもいない夫の妻に嫉妬し、憎んだり恨んだりする?」





セドリックは再び首をゆるく横に振った。

カリーナは珍しくクスリと微笑み、悩むセドリックを見つめる。




「本当にセレスティーヌに似ているわね…。
セドリック、貴方が約束の10日後にわたくしを訪ねて来てくれたのは、わたくしの依頼を受けて下さるのだと受け取って良いのですね。」





「そのつもりです。
ただし依頼の内容をお聞きし、それがベルゼルト皇国に害を与えないものだと判断したならば、ですが。」





「ベルゼルト皇国に害を及ぼす様なことはしないわ。
わたくし、あの国を愛していますの。」




表情には出さなかったがセドリックは驚いた。
カリーナの口から、ベルゼルト皇国を愛してるなんて言葉が出るとは思わなかった。




「セドリック、ひとつ訊いて良いかしら。
貴方がわたくしの依頼を受けている途中で、ベルゼルト皇国から貴方の国ヴィーヴルにわたくしの暗殺依頼が来た場合……

貴方はわたくしを殺すの?」





「カリーナ皇妃殿下……
貴女が僕に出す依頼内容に、貴女の身を護る事があるのですから、その時は僕達が命を賭して同胞と戦います。」




セドリックは、カリーナからの諜報活動依頼とカリーナの護衛を承った際に、5人の優秀な部下を連れて来ていた。

依頼を受けた以上は依頼主を裏切らないのがヴィーヴルの信条。

その部下達と共に、同胞であるヴィーヴルの者と戦う事を厭わない。




「頼もしいわね。
さすがは、ヴィーヴルの民だわ。
セレスティーヌが、自分の生国を誇りだと言っていたのも頷けるわね。
ねぇ…セドリック…。」




カリーナはセドリックの前に立ち、スゥと息を吸った。
そしてセドリックの首に腕を掛け、頬に口付ける程に顔を寄せた。

暖かな吐息を耳に吹きかけられ、セドリックが一瞬身体を強張らせる。




「わたくしはね……セレスティーヌと違って……
自分の生国、この国が大ッ嫌いよ。
こんな国、さっさと無くなればいいと思っているの。」




カリーナは小さな声で、セドリックに囁いた。
その声は怒気を孕み、氷の姫君と呼ばれたカリーナが初めて見せた強い感情だった。

カリーナは、女が若い男を誘惑するかのように両腕をセドリックの首に掛け、更に身を寄せた。





「今回、キリアンの命が狙われたと聞いて益々そう思ったわ。
兄上の好きにはさせない。
この国は……わたくしが奪います。
だから手伝って。」





それだけ告げると、カリーナは腕を解いてセドリックから身体を離した。

誘惑された若い男、そんな体でセドリックが頬を赤らめカリーナから目を逸らした。




「お戯れを………カリーナ皇妃殿下。」




「うふふ…まだ、わたくしにも色香があるようで安心したわ。」




セドリックは辺りを警戒した。

自分の優秀な部下を、カリーナの警護兵の目に付かぬ様に邸の周りに配置してはいるが、リスクィートの自分達と同じ立場の者にも見張られている可能性がある。


カリーナもそれを警戒し、今の会話をセドリック以外の誰にも聞かせたく無かった。




「それが貴女の…本当の望みなのですか?」




「わたくしの本当の望みは、その先にあるの。
この世で唯一、愛した人が望んだ未来を……
わたくしが叶えてあげたいのよ。」




「愛した人……グレアム皇帝陛下……」




そう呟いたセドリックがカリーナの視線に気付いた。

氷の姫君カリーナに、こんな表情をさせる程に愛された者がいる。
頬を染め、目元を潤ませ、下唇を少し噛んで言葉を堪えている。

セドリックは自分に注がれたカリーナの眼差しに、彼女の胸を占める恋しい人が誰かを知った。


下唇を噛んだカリーナは、セドリックを愛しい人の名で呼びかけたのだろう。


それを堪えて耐えている。




━━セレスティーヌ━━





「カリーナ皇妃殿下、貴女の為に我らヴィーヴルが命を賭して働きましょう。
貴女の望みを……姉の願いを……
叶える為に。」


















「カリーナ義母上は…あまり表に感情を出す方ではなかったし、優しくされた記憶もあまり無いのだが…。
俺はあの方を嫌いではなかった。」




「はっ……!?
ちょっ…このタイミングで、いきなり何の話ッッ……!
んうぅ!!」



 

キリアン皇帝の私室、広いベッドの上でガインの上に身体を重ね内側を貫いたキリアンが、真面目な顔をして淡々と語り始めた。




「義弟のケンヴィーは、もっとベッタリと抱き着いたりして義母上に甘えたかった様ではあったが、俺にはあれ位の距離感がちょうど良くて。
あまりベタベタされるの苦手だし。」




「ベタベタが苦手ッ…だっ、だったら一回離れろ!
どんだけ、長い時間くっついて…あぁッ!!
ソコっ…!またっ…!!」




ガインの片脚を肩に乗せたキリアンが、腰をググッと前に出して結合部の繋がりを深くする。
その状態で小刻みに腰を揺らし始め、クチョクチョと浅く抽挿を繰り返す音を立て始めた。




「夫婦なんだからガインは別だろ。
分かってて言ってる?
離れろなんて言うなら、そんな言葉が口から出せなくなるまで、ガインのオンナのコの孔ほじくり倒すけど。」




「ちがっ…!一回、休ませてくれって意味……
んあっ!あっ!アン!」




「アンだって、かぁわいい!
じゃあ一旦休憩しようか。」




ガインの内側から、ズルッと楔が抜かれる。

激しいキリアンの責めから解放されたガインは、ベッドの上で仰向けに寝たまま、大きな安堵の溜め息を漏らした。




「一旦か…まだ続けるつもりなんだな……。
お前、俺は若くないんだからな。」




「フフッ、ナニ言ってんの。
現役バリバリで前線に立つ騎士隊長をやっているガインが。
まぁそれは置いといて…。
……ちょっと、カリーナ義母上の事で思い出した事があって…。」





仰向けに寝る、ガインの隣に肘をついて横向きに寝たキリアンは、ガインの額に汗で張り付いた髪を指先でよけながらポツリと呟いた。




「仲が悪いように周りから噂されていたが、母上はカリーナ義母上の事をとても好いてらした。

今、思えば…カリーナ義母上もセレスティーヌ母上の事を嫌ってはなかった様に思われる。

愛情表現が苦手な方であっただけではないかと。」





「俺も、カリーナ皇妃殿下の事は嫌いではなかったな。
いつも仏頂面で、つまんなさそうにしてるようだったが心にも無い甘言を吐いたりしない、裏表の無い方だったしな。

なにしろ、セレスティーヌ皇妃殿下の裏表が激しくて……。」




「母上がどうしたって?」




ガインを見下ろす様に覗き込む態勢でニコリと微笑むキリアンに、ガインがグッと口をつぐんだ。



今、セレスティーヌ皇妃の事を口にして言葉の選択を誤れば、変な勘繰りと連想妄想から、キリアンの中でガインが口にしたのがセレスティーヌから弟であるセドリックの存在に行き着いてすり替わる可能性がある。




「第一皇妃殿下の……表と裏の顔のギャップが……」




ガインは、あえて名前を呼ばない様に言い方を変えた。


そう、キリアンもその血を色濃く継いでいるのだ。
ヴィーヴル国の血は恐ろしい……。


邪気や毒気の無い清廉なる白薔薇のような佇まいを見せるキリアンやセレスティーヌ皇妃は、何者にも簡単には手折られない、強く鋭く折れない棘を身に纏う。




「……今だから言うけどな、カリーナ皇妃を第二皇妃にって話を推し進めたのは、第一皇妃殿下だ。
グレアムは第一皇妃殿下にベタ惚れだったからな。
第二皇妃や側妃なんて考えてもなかったからな。」





「母上が?自分の夫に他の女をあてがうの?
………うわ、俺には絶対に無理だ。
惚れた相手が、他の奴と肌を重ねるなんて。」




キリアンは、自身をセレスティーヌに置き換えて想像をした。
ガインが他の誰かと情を交わす。

そんな想像をしただけで、嫉妬で気が狂いそうになる。

逆に……妻であるガインが夫の自分に、自分以外の誰かをもう一人の妻にと勧めるとしたら……。



皇帝の自分には、世継ぎを用意する必要がある。

ベルゼルト皇国は、絶える事なく皇帝の血を次代に繋いで来た古い歴史を持つ大国だ。


ガインは自分に対し、涙を呑んで母のセレスティーヌ皇妃と同じ選択をするのだろうか…。





それはそれで………ガインに対する申し訳ない気持ちよりも、そういう選択をした事に腹が立つ。



「俺は無理だからね。
ガインが子供を生めないからって、どっかの女とヤレって言われても勃たないし。」




「は…?いきなり、どうした?
ちょっと…ちょっと待て!俺、何にもしてないよな!
お前の頭の中で、俺、ナニしちゃったんだ!?」




ガインの両腕が頭の上で纏められ、キリアンにローブのベルトで縛り上げられた。




「子どもを孕む事が出来るよう、神様が音を上げるまでガインの子宮に注ぎ続けようか。
俺の子種。」




「神様より先に、俺が音を上げるわ!!
子宮なんか、ねぇ!キリアン!
お前、ナニ想像しちまったんだよ!!ふぁあっ!」




入口が窄まったガインの後孔にキリアンが雄根の切っ先を当て、そのままズヌゥッと侵入を果たす。




「ンッ…くはぁ……ガインの入口、固かったのに中はトロトロ……。
柔らかくて、あったかい……最高に気持ち良くってたまらないよ。」




「な…なんっ…何で縛…?ふくぅっ!!」




両腕を拘束されたガインが、理解が及ばないと困惑の表情を浮かべるのを見ながら、キリアンがガインの大きな筋肉の乳房に吸い付く。




「それは、お仕置きだからだ。」




「はぁ!?何の!!!!」




「今は言わなくても思わなくても、近い将来、言うかも知れないし、そう思うかも知れない。」




「だから、何を!!!」




「そんな意味の無い、馬鹿な考えなんか起こさない様に、今のうちに言い聞かせてあげるよ。」




「だから、それは一体、何ッ…!!!
あっ!あぅっっ!!んぁっ!!」





両腕を上げたガインの両脇に手をつき、キリアンが下肢を叩きつけるように身体を前後に動かし始めた。

キリアンの腹部に押さえ付けられたガインの巨樹が二人の腹部の間で、ピクピクと脈打つ。




「ガインが俺だけのものであるように、俺もガインに独占されたい。
子をなす為なら、他の誰かと情を交わしても仕方ないなんて思われたくない。」




ふ………と、キリアンの脳裏に、最後に病床の母セレスティーヌと母と子として会話をした日の記憶がよぎった。



あの日……母上は………



俺の本心に気付いてる様な言い方をした………。





━━━キリアン、貴方が持つ望みを叶えたいなら、カリーナとケンヴィーを大事にしなさい。━━━





母上は、そう言った。

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